JPH05124494A - アンチスキツド制御装置 - Google Patents
アンチスキツド制御装置Info
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- JPH05124494A JPH05124494A JP3255595A JP25559591A JPH05124494A JP H05124494 A JPH05124494 A JP H05124494A JP 3255595 A JP3255595 A JP 3255595A JP 25559591 A JP25559591 A JP 25559591A JP H05124494 A JPH05124494 A JP H05124494A
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- JP
- Japan
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- hydraulic pressure
- wheel
- valve
- vehicle
- control mechanism
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- Regulating Braking Force (AREA)
- Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 路面の状態及び車両の走行状態に対応して各
車輪へ確実な制動力を与え、車両の制動時の安全性を大
幅に向上させる。 【構成】 ケーシング30内にプランジャ34a,34
bを摺動可能に設け、プランジャ34a,34bの両端
部に弁体40a,40b及び弁体47a,47bを設け
て液圧制御機構Aを構成する。液圧制御機構Aの各ポー
ト25a,25bに、マスタシリンダ10に接続された
液圧供給配管11b,11aを接続する。液圧供給配管
11b,11aの途中に、車両の横方向へ作用する所定
値以上の加速度により転動して、液圧供給配管11b,
11aとポート25a,25bとの流路を閉塞してプラ
ンジャ34a,34bの移動を規制する弁球53a,5
3bが設けられた慣性弁51a,51bを設ける。
車輪へ確実な制動力を与え、車両の制動時の安全性を大
幅に向上させる。 【構成】 ケーシング30内にプランジャ34a,34
bを摺動可能に設け、プランジャ34a,34bの両端
部に弁体40a,40b及び弁体47a,47bを設け
て液圧制御機構Aを構成する。液圧制御機構Aの各ポー
ト25a,25bに、マスタシリンダ10に接続された
液圧供給配管11b,11aを接続する。液圧供給配管
11b,11aの途中に、車両の横方向へ作用する所定
値以上の加速度により転動して、液圧供給配管11b,
11aとポート25a,25bとの流路を閉塞してプラ
ンジャ34a,34bの移動を規制する弁球53a,5
3bが設けられた慣性弁51a,51bを設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンチスキッド制御装
置にかかり、特に、車両の旋回時における制動性能の向
上を図ったアンチスキッド制御装置に関するものであ
る。
置にかかり、特に、車両の旋回時における制動性能の向
上を図ったアンチスキッド制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アンチスキッド制御装置は、車両制動時
の車輪周速の変化などの測定結果に基づいて、車輪がロ
ック状態に近づいているか否かを判断し、ロック状態に
近づいていると判断された場合に、当該車輪の制動力を
緩めるべく制動系の液圧を自動制御することにより、車
輪をロック状態に陥らせることなく、最短の制動距離を
実現するようにしている。
の車輪周速の変化などの測定結果に基づいて、車輪がロ
ック状態に近づいているか否かを判断し、ロック状態に
近づいていると判断された場合に、当該車輪の制動力を
緩めるべく制動系の液圧を自動制御することにより、車
輪をロック状態に陥らせることなく、最短の制動距離を
実現するようにしている。
【0003】ところで、冬季においては、路肩に近い左
側の路面のみが凍結することにより、この左側の路面の
摩擦係数μが小さく(以下低μという)、一方、中央に
近い非凍結状態の路面の摩擦係数μが大きな(以下高μ
という)いわゆるスプリットμの路面状態となることが
ある。この場合、ブレーキを踏み込むと、左側の前輪が
ロック状態に近付くため、左側前輪への制動液圧が低下
されてアンチスキッド制御される一方右側前輪の制動液
圧が上昇されてしまい、このため、左右前輪の制動力が
アンバランスとなり、車両の走行安定性が失われてしま
う。
側の路面のみが凍結することにより、この左側の路面の
摩擦係数μが小さく(以下低μという)、一方、中央に
近い非凍結状態の路面の摩擦係数μが大きな(以下高μ
という)いわゆるスプリットμの路面状態となることが
ある。この場合、ブレーキを踏み込むと、左側の前輪が
ロック状態に近付くため、左側前輪への制動液圧が低下
されてアンチスキッド制御される一方右側前輪の制動液
圧が上昇されてしまい、このため、左右前輪の制動力が
アンバランスとなり、車両の走行安定性が失われてしま
う。
【0004】このため、従来より、特願平1−2298
12号に示すように、スプリットμ路上において、ブレ
ーキを作動させて、低μ側の車輪がアンチスキッド制御
された際に、高μ側の車輪への制動液圧の上昇を緩慢に
あるいは規制して、左右前輪の制動力に差が生じるまで
に時間的余裕を確保し、この間にドライバに充分な操舵
の余裕を与えるとともに、左右の制動力にある程度以上
の差を生じさせることなく、スプリットμ路においても
確実に車両のスピンを防止することができるアンチスキ
ッド制御装置が知られている。
12号に示すように、スプリットμ路上において、ブレ
ーキを作動させて、低μ側の車輪がアンチスキッド制御
された際に、高μ側の車輪への制動液圧の上昇を緩慢に
あるいは規制して、左右前輪の制動力に差が生じるまで
に時間的余裕を確保し、この間にドライバに充分な操舵
の余裕を与えるとともに、左右の制動力にある程度以上
の差を生じさせることなく、スプリットμ路においても
確実に車両のスピンを防止することができるアンチスキ
ッド制御装置が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアンチスキッド制御装置にあっては、スプリットμ
路を走行している際の制動時において車両の挙動安定に
効果的ではあるが、車両が旋回している際の制動時に
は、旋回内側の前輪の接地圧が小さくなるとともに旋回
外側の前輪の接地圧が大きくなることより、旋回内側の
前輪がアンチスキッド制御された際に、旋回外周側の前
輪の制動力が制限されてしまう。このため、車両の減速
度が低下し、車両の挙動がオーバーステア等の不安定な
状態となる可能性があった。
来のアンチスキッド制御装置にあっては、スプリットμ
路を走行している際の制動時において車両の挙動安定に
効果的ではあるが、車両が旋回している際の制動時に
は、旋回内側の前輪の接地圧が小さくなるとともに旋回
外側の前輪の接地圧が大きくなることより、旋回内側の
前輪がアンチスキッド制御された際に、旋回外周側の前
輪の制動力が制限されてしまう。このため、車両の減速
度が低下し、車両の挙動がオーバーステア等の不安定な
状態となる可能性があった。
【0006】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、スプリットμ路での制動時における車両の挙動を
安定させることができるとともに、旋回している際の制
動時においても車両の挙動を安定させることができるア
ンチスキッド制御装置を提供することを目的としてい
る。
ので、スプリットμ路での制動時における車両の挙動を
安定させることができるとともに、旋回している際の制
動時においても車両の挙動を安定させることができるア
ンチスキッド制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のアンチスキッ
ド制御装置は、車輪がロック状態に近付いたことを検知
してホイールシリンダへ供給されるブレーキ液の液圧を
制御するアンチスキッド装置と、前記アンチスキッド装
置により左右いずれか一方側の車輪がロック状態に近付
いたことが検知されて前記一方側の車輪のホイールシリ
ンダへ供給される液圧が低下され、左右のブレーキ系間
に圧力差が生じた際に、この圧力差によって移動するプ
ランジャが設けられ、該プランジャの移動により他方側
の車輪のホイールシリンダへ供給される液圧の上昇を規
制する制御弁が設けられた液圧制御機構とを有するアン
チスキッド制御装置において、車両の横方向へ所定値以
上の加速度が作用した際に、前記液圧制御機構の前記制
御弁により液圧の上昇が規制される前記他方側の車輪の
ホイールシリンダと液圧を発生させるマスタシリンダと
の流路を確保する慣性弁を設けたことを特徴としてい
る。
ド制御装置は、車輪がロック状態に近付いたことを検知
してホイールシリンダへ供給されるブレーキ液の液圧を
制御するアンチスキッド装置と、前記アンチスキッド装
置により左右いずれか一方側の車輪がロック状態に近付
いたことが検知されて前記一方側の車輪のホイールシリ
ンダへ供給される液圧が低下され、左右のブレーキ系間
に圧力差が生じた際に、この圧力差によって移動するプ
ランジャが設けられ、該プランジャの移動により他方側
の車輪のホイールシリンダへ供給される液圧の上昇を規
制する制御弁が設けられた液圧制御機構とを有するアン
チスキッド制御装置において、車両の横方向へ所定値以
上の加速度が作用した際に、前記液圧制御機構の前記制
御弁により液圧の上昇が規制される前記他方側の車輪の
ホイールシリンダと液圧を発生させるマスタシリンダと
の流路を確保する慣性弁を設けたことを特徴としてい
る。
【0008】
【作用】この発明のアンチスキッド制御装置によれば、
通常の路面にてブレーキを作動させた場合には、アンチ
スキッド装置によって車輪がロック状態に近付いたこと
が検知されて液圧が制御され車輪のロックが回避され
る。また、左右にて摩擦係数がことなるいわゆるスプリ
ットμ路上にてブレーキを作動させた場合には、低μ側
の車輪のホイールシリンダへ供給される液圧が低下され
てロックが回避されるとともに液圧制御機構の制御弁に
よって高μ側の車輪のホイールシリンダへの液圧の上昇
が規制されて、車両の挙動が安定される。さらに、車両
の旋回時においてブレーキを作動させた場合には、旋回
内側の車輪のホイールシリンダへ供給される液圧が低下
されてロックが回避されるとともに、車両の横方向への
所定値以上の加速度の作用により慣性弁が作動して旋回
外側の車輪のホイールシリンダとマスタシリンダとの流
路が確保されて旋回外側の車輪へ確実な制動力が与えら
れ、車両の挙動が安定される。
通常の路面にてブレーキを作動させた場合には、アンチ
スキッド装置によって車輪がロック状態に近付いたこと
が検知されて液圧が制御され車輪のロックが回避され
る。また、左右にて摩擦係数がことなるいわゆるスプリ
ットμ路上にてブレーキを作動させた場合には、低μ側
の車輪のホイールシリンダへ供給される液圧が低下され
てロックが回避されるとともに液圧制御機構の制御弁に
よって高μ側の車輪のホイールシリンダへの液圧の上昇
が規制されて、車両の挙動が安定される。さらに、車両
の旋回時においてブレーキを作動させた場合には、旋回
内側の車輪のホイールシリンダへ供給される液圧が低下
されてロックが回避されるとともに、車両の横方向への
所定値以上の加速度の作用により慣性弁が作動して旋回
外側の車輪のホイールシリンダとマスタシリンダとの流
路が確保されて旋回外側の車輪へ確実な制動力が与えら
れ、車両の挙動が安定される。
【0009】
【実施例】以下、本発明のアンチスキッド制御装置の一
実施例を図1及び図2によって説明する。図において、
符号10は、マスタシリンダである。このマスタシリン
ダ10は、二つの配管系に液圧を供給すべくそれぞれ液
圧発生室を有しており、マスタシリンダ10の一方の液
圧発生室は、液圧供給配管11a、切替弁(アンチスキ
ッド装置)12a、液圧供給配管13aを介して液圧制
御機構Aの入力ポート14aに接続され、さらに、この
液圧制御機構Aの出力ポート15aを介して右側前輪1
6aのホイールシリンダ17aに接続されるとともに、
液圧制御弁18を介して左側後輪19aのホイールシリ
ンダ20aに接続されている。
実施例を図1及び図2によって説明する。図において、
符号10は、マスタシリンダである。このマスタシリン
ダ10は、二つの配管系に液圧を供給すべくそれぞれ液
圧発生室を有しており、マスタシリンダ10の一方の液
圧発生室は、液圧供給配管11a、切替弁(アンチスキ
ッド装置)12a、液圧供給配管13aを介して液圧制
御機構Aの入力ポート14aに接続され、さらに、この
液圧制御機構Aの出力ポート15aを介して右側前輪1
6aのホイールシリンダ17aに接続されるとともに、
液圧制御弁18を介して左側後輪19aのホイールシリ
ンダ20aに接続されている。
【0010】また、マスタシリンダ10の他方の液圧発
生室は、一方の液圧発生室と対称に構成された他方の配
管系に接続されている。即ち、液圧供給配管11b,切
替弁(アンチスキッド装置)12b、液圧供給配管13
bを介して液圧制御機構Aの入力ポート14bに接続さ
れ、さらに、この液圧制御機構Aの出力ポート15bを
介して左側前輪16bのホイールシリンダ17bに接続
されるとともに、液圧制御弁18を介して右側後輪19
bのホイールシリンダ20bに接続されている。
生室は、一方の液圧発生室と対称に構成された他方の配
管系に接続されている。即ち、液圧供給配管11b,切
替弁(アンチスキッド装置)12b、液圧供給配管13
bを介して液圧制御機構Aの入力ポート14bに接続さ
れ、さらに、この液圧制御機構Aの出力ポート15bを
介して左側前輪16bのホイールシリンダ17bに接続
されるとともに、液圧制御弁18を介して右側後輪19
bのホイールシリンダ20bに接続されている。
【0011】なお、圧力制御弁18は、それぞれ同一に
配管系に接続されて液圧の供給を受ける右側前輪のホイ
ールシリンダ17aと左側後輪のホイールシリンダ20
aとの間、及び、左側前輪のホイールシリンダ17bと
右側後輪のホイールシリンダ20bとの間にそれぞれ設
けられて後輪側の液圧を制限するもので、この圧力制御
弁18の圧力制御作用により、確実に、前輪が後輪に先
行してロック傾向となるように制動力の差が生じるよう
になっている。なお、圧力制御弁18としては、応荷重
制御弁を用いることが好ましい。
配管系に接続されて液圧の供給を受ける右側前輪のホイ
ールシリンダ17aと左側後輪のホイールシリンダ20
aとの間、及び、左側前輪のホイールシリンダ17bと
右側後輪のホイールシリンダ20bとの間にそれぞれ設
けられて後輪側の液圧を制限するもので、この圧力制御
弁18の圧力制御作用により、確実に、前輪が後輪に先
行してロック傾向となるように制動力の差が生じるよう
になっている。なお、圧力制御弁18としては、応荷重
制御弁を用いることが好ましい。
【0012】さらに、前記液圧供給配管11a,11b
には、モータMによって駆動される液圧ポンプ21a,
21bがそれぞれ接続され、必要に応じて両配管の液圧
を復活させるべく圧油を供給するようになっている。ま
た、液圧供給配管13a,13bには切替弁12a,1
2bの切り替えによってリザーバ22a,22bが接続
されるようになっている。これらのリザーバ22a,2
2bは、それぞれ、ピストン23a,23b、及びこれ
らを付勢するばね24a,24bから構成されており、
前記ピストン23a,23bが変位することによって、
前記配管13a,13b内の圧油を吸収し、あるいは、
液圧供給配管13a,13bへ圧油を戻すようになって
いる。
には、モータMによって駆動される液圧ポンプ21a,
21bがそれぞれ接続され、必要に応じて両配管の液圧
を復活させるべく圧油を供給するようになっている。ま
た、液圧供給配管13a,13bには切替弁12a,1
2bの切り替えによってリザーバ22a,22bが接続
されるようになっている。これらのリザーバ22a,2
2bは、それぞれ、ピストン23a,23b、及びこれ
らを付勢するばね24a,24bから構成されており、
前記ピストン23a,23bが変位することによって、
前記配管13a,13b内の圧油を吸収し、あるいは、
液圧供給配管13a,13bへ圧油を戻すようになって
いる。
【0013】さらに、図2に示すように、一方の液圧供
給配管11aの分岐は慣性弁51bを介して液圧制御機
構Aのポート25bに接続され、他方の液圧供給配管1
1bの分岐は慣性弁51aを介して液圧制御機構Aのポ
ート25aに接続されている。これら慣性弁51a,5
1bは、それぞれ弁室52a,52bの内部に転動可能
な弁球53a,53bを設けたもので、その弁室52
a,52bはそれぞれ外側へ向かって下方へ所定角度の
傾斜をつけて設置されている。そして、弁室52a,5
2bの底部54a,54bの内方側には液圧制御機構A
のポート25a,25bがそれぞれ連通状態に接続され
ており、弁室52a,52bの内側の側壁55a,55
bには前記液圧供給配管11b,11aがそれぞれ接続
されている。
給配管11aの分岐は慣性弁51bを介して液圧制御機
構Aのポート25bに接続され、他方の液圧供給配管1
1bの分岐は慣性弁51aを介して液圧制御機構Aのポ
ート25aに接続されている。これら慣性弁51a,5
1bは、それぞれ弁室52a,52bの内部に転動可能
な弁球53a,53bを設けたもので、その弁室52
a,52bはそれぞれ外側へ向かって下方へ所定角度の
傾斜をつけて設置されている。そして、弁室52a,5
2bの底部54a,54bの内方側には液圧制御機構A
のポート25a,25bがそれぞれ連通状態に接続され
ており、弁室52a,52bの内側の側壁55a,55
bには前記液圧供給配管11b,11aがそれぞれ接続
されている。
【0014】そして、上記のように構成された慣性弁5
1a,51bによれば、車両へ横方向に、例えば、左横
方向に所定値以上の加速度が加わると、慣性弁51aの
弁球53aが内方へ転動されて弁室52aの内側の側壁
55aへ当接し、この弁球53aによって液圧供給配管
11bが接続された開口部56aが閉鎖され、液圧供給
配管11bとポート25aとが閉塞されるようになって
いる。また、車両へ右横方向に所定値以上の加速度が加
わった場合には、上記左横方向へ加わったときとは逆
に、慣性弁51bの弁球53bが内方へ転動されて開口
部56bが閉鎖され、液圧供給配管11aとポート25
bとが閉塞されるようになっている。
1a,51bによれば、車両へ横方向に、例えば、左横
方向に所定値以上の加速度が加わると、慣性弁51aの
弁球53aが内方へ転動されて弁室52aの内側の側壁
55aへ当接し、この弁球53aによって液圧供給配管
11bが接続された開口部56aが閉鎖され、液圧供給
配管11bとポート25aとが閉塞されるようになって
いる。また、車両へ右横方向に所定値以上の加速度が加
わった場合には、上記左横方向へ加わったときとは逆
に、慣性弁51bの弁球53bが内方へ転動されて開口
部56bが閉鎖され、液圧供給配管11aとポート25
bとが閉塞されるようになっている。
【0015】また、車両の横方向への加速度が所定値に
満たない場合には、慣性弁51a,51bの弁球53
a,53bは、それぞれ弁室52a,52bの内側の側
壁55a,55bから離間した状態であるので、液圧供
給配管11b,11aとポート25a,25bとがそれ
ぞれ連通した状態に維持されて、液圧制御機構A内のプ
ランジャ34a,34bを所定の位置にてバランスさせ
るべく、マスタシリンダ10から液圧が供給されるよう
になっている。また、前記慣性弁51a,51bのそれ
ぞれの開口部56a,56bには、弁球53a,53b
との気密性を高めるべくゴム等からなる弁座57a,5
7bが設けられている。
満たない場合には、慣性弁51a,51bの弁球53
a,53bは、それぞれ弁室52a,52bの内側の側
壁55a,55bから離間した状態であるので、液圧供
給配管11b,11aとポート25a,25bとがそれ
ぞれ連通した状態に維持されて、液圧制御機構A内のプ
ランジャ34a,34bを所定の位置にてバランスさせ
るべく、マスタシリンダ10から液圧が供給されるよう
になっている。また、前記慣性弁51a,51bのそれ
ぞれの開口部56a,56bには、弁球53a,53b
との気密性を高めるべくゴム等からなる弁座57a,5
7bが設けられている。
【0016】なお、切替弁12a,12bは、A,B,
Cの3位置に切り替え可能な構成とされており、各車輪
16a,16b,19a,19bの車輪周速の変化等の
測定値に基づく制御装置(図示略)からの切替命令によ
り、これらA,B,Cのいずれかに切り替えられること
により、液圧が制御されて該当する車輪がロック状態か
ら回復されるようになっている。
Cの3位置に切り替え可能な構成とされており、各車輪
16a,16b,19a,19bの車輪周速の変化等の
測定値に基づく制御装置(図示略)からの切替命令によ
り、これらA,B,Cのいずれかに切り替えられること
により、液圧が制御されて該当する車輪がロック状態か
ら回復されるようになっている。
【0017】ここで、切替弁12a,12bの各位置に
おける液圧の制御状態を説明する。 (1)A位置 いずれの車輪もロック状態に陥る傾向にない場合には、
マスタシリンダ10の圧力がそのまま各ホイールシリン
ダ17a,17b,20a,20bに伝達され、アンチ
スキッド制御による制限を受けることなく、そのまま制
動力が発揮される。 (2)B位置 僅かにロック状態に陥る傾向が見られる場合、あるい
は、ロック状態から回復しつつある場合には、車輪周速
の変化まで液圧を現状維持させるべく、液圧供給配管1
1a,11b,13a,13bがいずれも閉じられ、各
ホイールシリンダ17a,17b,20a,20bの圧
力が切り替え前の状態に保持される。
おける液圧の制御状態を説明する。 (1)A位置 いずれの車輪もロック状態に陥る傾向にない場合には、
マスタシリンダ10の圧力がそのまま各ホイールシリン
ダ17a,17b,20a,20bに伝達され、アンチ
スキッド制御による制限を受けることなく、そのまま制
動力が発揮される。 (2)B位置 僅かにロック状態に陥る傾向が見られる場合、あるい
は、ロック状態から回復しつつある場合には、車輪周速
の変化まで液圧を現状維持させるべく、液圧供給配管1
1a,11b,13a,13bがいずれも閉じられ、各
ホイールシリンダ17a,17b,20a,20bの圧
力が切り替え前の状態に保持される。
【0018】(3)C位置 ロック状態に陥る傾向が明かな場合には、各ホイールシ
リンダ17a,17b,20a,20bがマスタシリン
ダ10から遮断されるとともにリザーバ22a,22b
に吸収されて液圧が低下し、制動力が緩められる。 なお、以上の制御は、両側の車輪が接する路面の摩擦係
数μが等しいことを前提として行われるものであり、ス
プリットμの条件下では、液圧制御機構Aの作用によっ
てこれとは異なる制御が行われる。
リンダ17a,17b,20a,20bがマスタシリン
ダ10から遮断されるとともにリザーバ22a,22b
に吸収されて液圧が低下し、制動力が緩められる。 なお、以上の制御は、両側の車輪が接する路面の摩擦係
数μが等しいことを前提として行われるものであり、ス
プリットμの条件下では、液圧制御機構Aの作用によっ
てこれとは異なる制御が行われる。
【0019】次に、液圧制御機構Aの構造を説明する。
この液圧制御機構Aは、その内部にプランジャ34a,
34bが摺動可能に設けられ、これらプランジャ34
a,34bの両端部に制御弁が構成された構造になって
いる。この液圧制御機構Aのケーシング30の内部には
円筒状のスリーブ31aが摺動自在に挿入されており、
このスリーブ31aは、ばね32aの付勢によってケー
シング30の移動規制面33aに当接されている。ま
た、プランジャ34aは、前記ケーシング30及びスリ
ーブ31a内にて、スリーブ31aと同一方向に摺動自
在に支持されるとともに、その一端部近傍の外周に嵌め
込まれたリテーナ35aを介してばね36aに付勢され
ていることによって、他方のプランジャ34bの端部に
当接させられている。
この液圧制御機構Aは、その内部にプランジャ34a,
34bが摺動可能に設けられ、これらプランジャ34
a,34bの両端部に制御弁が構成された構造になって
いる。この液圧制御機構Aのケーシング30の内部には
円筒状のスリーブ31aが摺動自在に挿入されており、
このスリーブ31aは、ばね32aの付勢によってケー
シング30の移動規制面33aに当接されている。ま
た、プランジャ34aは、前記ケーシング30及びスリ
ーブ31a内にて、スリーブ31aと同一方向に摺動自
在に支持されるとともに、その一端部近傍の外周に嵌め
込まれたリテーナ35aを介してばね36aに付勢され
ていることによって、他方のプランジャ34bの端部に
当接させられている。
【0020】そして、両プランジャ34a,34bは、
両ばね36a,36bの付勢と、自身が受ける液圧との
バランスによって図2中左右方向へ変位し、さらに、こ
の変位は、前記リテーナ35a,35bが前記スリーブ
31a,31bの内周の突出部37a,37bに当接す
ることにより、図2中符号aで示す所定のストロークで
停止されるようになっている。なお、前記ばね36a,
36bのばね定数は、スリーブ31a,31bを付勢す
るばね32a,32bのそれよりも充分に小さく設定さ
れている。
両ばね36a,36bの付勢と、自身が受ける液圧との
バランスによって図2中左右方向へ変位し、さらに、こ
の変位は、前記リテーナ35a,35bが前記スリーブ
31a,31bの内周の突出部37a,37bに当接す
ることにより、図2中符号aで示す所定のストロークで
停止されるようになっている。なお、前記ばね36a,
36bのばね定数は、スリーブ31a,31bを付勢す
るばね32a,32bのそれよりも充分に小さく設定さ
れている。
【0021】次に、液圧制御機構A内の両側に設けられ
た制御弁の構造を説明する。前記スリーブ31aの内周
に形成された突出部38aの内側には、チェックバルブ
39aが移動自在に挿入されている。このチェックバル
ブ39aの端部には、ゴムなどの弾性体からなる弁体
(制御弁)40aが嵌合されており、この弁体40a
は、ばね受け41aと前記スリーブ31aの段部42a
との間に介在するばね43aによって前記突出部38a
の側部のシール面44aに接近する方向へ付勢されると
ともに、前記プランジャ34aの端面に当接することに
よって図2中左側への移動が所定のストロークbで規制
されるようになっている。
た制御弁の構造を説明する。前記スリーブ31aの内周
に形成された突出部38aの内側には、チェックバルブ
39aが移動自在に挿入されている。このチェックバル
ブ39aの端部には、ゴムなどの弾性体からなる弁体
(制御弁)40aが嵌合されており、この弁体40a
は、ばね受け41aと前記スリーブ31aの段部42a
との間に介在するばね43aによって前記突出部38a
の側部のシール面44aに接近する方向へ付勢されると
ともに、前記プランジャ34aの端面に当接することに
よって図2中左側への移動が所定のストロークbで規制
されるようになっている。
【0022】また、前記チェックバルブ39aの中心部
には、軸45aが摺動自在に挿入され、この軸45aの
一端には、前記弁体40aの中心部に設けられた貫通孔
46aを開閉する弁体(制御弁)47aが取り付けられ
て軸45aと一体に移動するようになっている。さらに
前記弁体47aは、スリーブ31aの段部48aとの間
に介在するばね49aにより、前記貫通孔46aを閉じ
る方向へ付勢されるとともに、前記軸45aの他端がプ
ランジャ34aの端面に当接することによって図2中左
側への移動が所定のストロークcで規制されるようにな
っている。
には、軸45aが摺動自在に挿入され、この軸45aの
一端には、前記弁体40aの中心部に設けられた貫通孔
46aを開閉する弁体(制御弁)47aが取り付けられ
て軸45aと一体に移動するようになっている。さらに
前記弁体47aは、スリーブ31aの段部48aとの間
に介在するばね49aにより、前記貫通孔46aを閉じ
る方向へ付勢されるとともに、前記軸45aの他端がプ
ランジャ34aの端面に当接することによって図2中左
側への移動が所定のストロークcで規制されるようにな
っている。
【0023】なお、前記チェックバルブ39aと軸45
aとの間には、ブレーキ作動液の流通が可能な程度の微
小な間隙が設けられており、この間隙が、前記入力ポー
ト14aから出力ポート15aに至る配管においてブレ
ーキ作動液に流路抵抗を与えて流れを規制するようにな
っている。また、前記ばね49a,49bのばね定数は
ばね36a,36bのそれよりもさらに小さく設定され
ている。そして、前記プランジャ34a,34bのスト
ロークa、弁体40a,40bのストロークbおよび、
弁体47a,47bのストロークcは次のような寸法関
係に設定されている。
aとの間には、ブレーキ作動液の流通が可能な程度の微
小な間隙が設けられており、この間隙が、前記入力ポー
ト14aから出力ポート15aに至る配管においてブレ
ーキ作動液に流路抵抗を与えて流れを規制するようにな
っている。また、前記ばね49a,49bのばね定数は
ばね36a,36bのそれよりもさらに小さく設定され
ている。そして、前記プランジャ34a,34bのスト
ロークa、弁体40a,40bのストロークbおよび、
弁体47a,47bのストロークcは次のような寸法関
係に設定されている。
【0024】即ち、プランジャ34a,34bがストロ
ークエンドに達する以前に弁体40a,40bがストロ
ークエンドに達し、かつ、プランジャ34a,34bが
スリーブ31a,31bとともに移動しない限り弁体4
7a,47bがストロークエンドに達し得ないように、 a>b,a−b<c なる寸法関係に設定されている。なお、上記液圧制御機
構Aは左右対称の構成とされ、その左半分の構成は、前
述した右半分の構成と同一であるのでその説明を省略す
る。
ークエンドに達する以前に弁体40a,40bがストロ
ークエンドに達し、かつ、プランジャ34a,34bが
スリーブ31a,31bとともに移動しない限り弁体4
7a,47bがストロークエンドに達し得ないように、 a>b,a−b<c なる寸法関係に設定されている。なお、上記液圧制御機
構Aは左右対称の構成とされ、その左半分の構成は、前
述した右半分の構成と同一であるのでその説明を省略す
る。
【0025】次に、上記構成のアンチスキッド制御装置
の作動を説明する。 (A)路面全体が略一定の摩擦係数である通常の路面状
態における制御 各前輪16a,16bに設けられたセンサ(図示略)か
ら得られる車輪周速の測定値により、両前輪16a,1
6bがロックに近付いたことが検知されると、切替弁1
2a,12bがC位置に切り替えられ、液圧供給配管1
3a,13bがリザーバ22a,22bに連通される。
このとき、マスタシリンダ10から両ブレーキ系統に同
一の液圧が供給されているので、両プランジャ34a,
34bの大径部(最も受圧面積が大きい部分)にマスタ
シリンダ10の液圧が同様に作用して両者のバランスが
とられ、液圧制御機構Aが図2に示すような状態に保た
れる。
の作動を説明する。 (A)路面全体が略一定の摩擦係数である通常の路面状
態における制御 各前輪16a,16bに設けられたセンサ(図示略)か
ら得られる車輪周速の測定値により、両前輪16a,1
6bがロックに近付いたことが検知されると、切替弁1
2a,12bがC位置に切り替えられ、液圧供給配管1
3a,13bがリザーバ22a,22bに連通される。
このとき、マスタシリンダ10から両ブレーキ系統に同
一の液圧が供給されているので、両プランジャ34a,
34bの大径部(最も受圧面積が大きい部分)にマスタ
シリンダ10の液圧が同様に作用して両者のバランスが
とられ、液圧制御機構Aが図2に示すような状態に保た
れる。
【0026】したがって、入力ポート14a〜出力ポー
ト15a、及び入力ポート14b〜出力ポート15b
は、前記突出部38a,38bとチェックバルブ39
a,39bとの間の流路(チェックバルブ39a,39
bと軸45a,45bとの間の微小な間隙からなる流路
に対するバイパスとなる流路であって、流路抵抗を小さ
くすべく充分な流路断面積に設定されている)を介して
直結されることとなって、各ホイールシリンダ17a,
17b内のブレーキ作動液が液圧供給配管13a〜切替
弁12a、あるいは、液圧供給配管13b〜切替弁12
bを経由してリザーバ22a,22bへそれぞれ吸収さ
れ、各配管系の圧力が低下する。そして、前述したセン
サによる車輪周速の測定値に基づいて判断されたロック
からの回復状況に応じて切替弁12a,12bを制御す
ることにより、液圧を保持しあるいは回復させて、ロッ
クを回避しつつ車両が制動される。
ト15a、及び入力ポート14b〜出力ポート15b
は、前記突出部38a,38bとチェックバルブ39
a,39bとの間の流路(チェックバルブ39a,39
bと軸45a,45bとの間の微小な間隙からなる流路
に対するバイパスとなる流路であって、流路抵抗を小さ
くすべく充分な流路断面積に設定されている)を介して
直結されることとなって、各ホイールシリンダ17a,
17b内のブレーキ作動液が液圧供給配管13a〜切替
弁12a、あるいは、液圧供給配管13b〜切替弁12
bを経由してリザーバ22a,22bへそれぞれ吸収さ
れ、各配管系の圧力が低下する。そして、前述したセン
サによる車輪周速の測定値に基づいて判断されたロック
からの回復状況に応じて切替弁12a,12bを制御す
ることにより、液圧を保持しあるいは回復させて、ロッ
クを回避しつつ車両が制動される。
【0027】(B)路面の一部(例えば路肩に近い範
囲)が他の部分より低い摩擦係数となっているいわゆる
スプリットμの路面状態における制御 図1において左側の路面が低μ、右側の路面が高μであ
ると仮定し、この条件でブレーキペダルを踏み込んで急
ブレーキを作用させると、低μ側の左側の前輪16bが
ロック状態に近付くため、このブレーキ系統がアンチス
キッド制御されて液圧が低下される。一方、高μ側の右
側前輪16aはロック状態に近付かないので、このブレ
ーキ系統の液圧は上昇を続ける。
囲)が他の部分より低い摩擦係数となっているいわゆる
スプリットμの路面状態における制御 図1において左側の路面が低μ、右側の路面が高μであ
ると仮定し、この条件でブレーキペダルを踏み込んで急
ブレーキを作用させると、低μ側の左側の前輪16bが
ロック状態に近付くため、このブレーキ系統がアンチス
キッド制御されて液圧が低下される。一方、高μ側の右
側前輪16aはロック状態に近付かないので、このブレ
ーキ系統の液圧は上昇を続ける。
【0028】このように両ブレーキ系統に圧力差が生じ
ると、この圧力差によりプランジャ34a,34bに図
2中左方向へ移動しようとする力が生じ、さらに、この
力がばね36bの付勢力を越えると、プランジャ34
a,34bが図2中左方へ移動し、リテーナ35bがス
リーブ31bの突出部37bに当接して停止する。この
ようにプランジャ34a,34bが移動することによ
り、チェックバルブ39aも移動していき、弁体40a
がシール面44aに当接する。
ると、この圧力差によりプランジャ34a,34bに図
2中左方向へ移動しようとする力が生じ、さらに、この
力がばね36bの付勢力を越えると、プランジャ34
a,34bが図2中左方へ移動し、リテーナ35bがス
リーブ31bの突出部37bに当接して停止する。この
ようにプランジャ34a,34bが移動することによ
り、チェックバルブ39aも移動していき、弁体40a
がシール面44aに当接する。
【0029】これにより、突出部38aの内周とチェッ
クバルブ39aの外周との間の間隙を経由する流れ(バ
イパスの流れ)が遮断される。この遮断により、入力ポ
ート14aと出力ポート15aとの間では、チェックバ
ルブ39aと、これを貫通する軸45aとの間の間隙を
経由する流れのみが許容されることとなり、アンチスキ
ッド制御が行われていないホイールシリンダ17a,2
0aのブレーキ系統における液圧の上昇が緩慢になる。
即ち、入力ポート14aと出力ポート15aとの間のバ
イパスとなる流路が遮断されて、チェックバルブ39a
と軸45aとの間の微小な間隙を介して両ポートが連通
されることとなる。
クバルブ39aの外周との間の間隙を経由する流れ(バ
イパスの流れ)が遮断される。この遮断により、入力ポ
ート14aと出力ポート15aとの間では、チェックバ
ルブ39aと、これを貫通する軸45aとの間の間隙を
経由する流れのみが許容されることとなり、アンチスキ
ッド制御が行われていないホイールシリンダ17a,2
0aのブレーキ系統における液圧の上昇が緩慢になる。
即ち、入力ポート14aと出力ポート15aとの間のバ
イパスとなる流路が遮断されて、チェックバルブ39a
と軸45aとの間の微小な間隙を介して両ポートが連通
されることとなる。
【0030】さらに、ブレーキペダルが踏み込まれてマ
スタシリンダ10の液圧が上昇し、プランジャ34aの
小径部に加わる液圧による図2中左方向への力と、スリ
ーブ31bの円筒面に加わる液圧による図2中左方向へ
の力と、ばね32bによる図2中左方向への力とのバラ
ンスが崩れて左方向への力が大きくなると、プランジャ
34a,34b、および、スリーブ31bがばね32b
を収縮させつつ図2中左方向へ移動し、この結果、プラ
ンジャ34aに当接することにより左方への移動が規制
されていた軸45aと弁体47aとは、図2中左方へ移
動することとなり、弁体47aが弁体40aに密着し、
貫通孔46aを密閉して入力ポート14a〜出力ポート
15a間の流路を完全に遮断し、高μ側の車輪16a,
19aの制動力の上昇を制限する。そして、このように
左右の前輪16a,16bの間に極端な制動力の差の発
生が防止されることにより、車両のスピンが防止され
る。
スタシリンダ10の液圧が上昇し、プランジャ34aの
小径部に加わる液圧による図2中左方向への力と、スリ
ーブ31bの円筒面に加わる液圧による図2中左方向へ
の力と、ばね32bによる図2中左方向への力とのバラ
ンスが崩れて左方向への力が大きくなると、プランジャ
34a,34b、および、スリーブ31bがばね32b
を収縮させつつ図2中左方向へ移動し、この結果、プラ
ンジャ34aに当接することにより左方への移動が規制
されていた軸45aと弁体47aとは、図2中左方へ移
動することとなり、弁体47aが弁体40aに密着し、
貫通孔46aを密閉して入力ポート14a〜出力ポート
15a間の流路を完全に遮断し、高μ側の車輪16a,
19aの制動力の上昇を制限する。そして、このように
左右の前輪16a,16bの間に極端な制動力の差の発
生が防止されることにより、車両のスピンが防止され
る。
【0031】なお、一つの液圧供給系、例えば、液圧供
給配管11bの系統が失陥すると、ポート25aへ液圧
が供給されなくなるため、プランジャ34aが図2中右
方へ移動し、チェックバルブ39aが突出部38aから
離れることによって、突出部38aの内周とチェックバ
ルブ39aの外周との間の流路が確保され、健全な液圧
供給配管11aの液圧が、入力ポート14a〜出力ポー
ト15aを介して、右側前輪16aのホイールシリンダ
17a、および、左側後輪19aのホイールシリンダ2
0aへ供給され、このブレーキ系統の制動力が確保され
る。なおまた、左側の路面が高μ、右側の路面が低μで
あるスプリットμの路面においてブレーキを作動させた
場合には、上記と左右逆の制御が行われる。
給配管11bの系統が失陥すると、ポート25aへ液圧
が供給されなくなるため、プランジャ34aが図2中右
方へ移動し、チェックバルブ39aが突出部38aから
離れることによって、突出部38aの内周とチェックバ
ルブ39aの外周との間の流路が確保され、健全な液圧
供給配管11aの液圧が、入力ポート14a〜出力ポー
ト15aを介して、右側前輪16aのホイールシリンダ
17a、および、左側後輪19aのホイールシリンダ2
0aへ供給され、このブレーキ系統の制動力が確保され
る。なおまた、左側の路面が高μ、右側の路面が低μで
あるスプリットμの路面においてブレーキを作動させた
場合には、上記と左右逆の制御が行われる。
【0032】(C)車両が旋回走行している際にブレー
キを作動させた場合の制御 車両が、例えば、右方向へ旋回した場合、液圧制御機構
Aには、遠心力により図2中左方向への加速度が作用す
る。そして、この加速度が所定値以上になると、右側の
慣性弁51aの弁球53aが弁室52a内にて左方向へ
移動し、弁室52aの内側の側壁55aに設けられた弁
座57aへ当接する。これにより、弁室52aの内側の
側壁55aに接続された液圧供給配管11bの開口部5
6aが弁球53aによって閉塞され、ポート25a内が
密閉された状態に維持される。
キを作動させた場合の制御 車両が、例えば、右方向へ旋回した場合、液圧制御機構
Aには、遠心力により図2中左方向への加速度が作用す
る。そして、この加速度が所定値以上になると、右側の
慣性弁51aの弁球53aが弁室52a内にて左方向へ
移動し、弁室52aの内側の側壁55aに設けられた弁
座57aへ当接する。これにより、弁室52aの内側の
側壁55aに接続された液圧供給配管11bの開口部5
6aが弁球53aによって閉塞され、ポート25a内が
密閉された状態に維持される。
【0033】この状態において、ブレーキを作動させる
と、車両が右方向へ旋回して車重が左側へかかり、右側
前輪16aの路面との接地力が小さい状態となり、右側
前輪16aがロック状態に近付くため、このブレーキ系
統がアンチスキッド制御され液圧が低下される。一方、
左側前輪16bはロック状態に近付かないので、このブ
レーキ系統の液圧は上昇を続ける。そして、上記のよう
に両ブレーキ系統に圧力差が生じると、液圧制御機構A
のプランジャ34a,34bに右方向へ移動しようとす
る力が生じるが、慣性弁51aが閉塞して、ポート25
a内が密閉された状態に維持されていることより、プラ
ンジャ34a,34bの移動が規制される。
と、車両が右方向へ旋回して車重が左側へかかり、右側
前輪16aの路面との接地力が小さい状態となり、右側
前輪16aがロック状態に近付くため、このブレーキ系
統がアンチスキッド制御され液圧が低下される。一方、
左側前輪16bはロック状態に近付かないので、このブ
レーキ系統の液圧は上昇を続ける。そして、上記のよう
に両ブレーキ系統に圧力差が生じると、液圧制御機構A
のプランジャ34a,34bに右方向へ移動しようとす
る力が生じるが、慣性弁51aが閉塞して、ポート25
a内が密閉された状態に維持されていることより、プラ
ンジャ34a,34bの移動が規制される。
【0034】これにより、左側の入力ポート14b〜出
力ポート15b間の流路が通常のブレーキ作動時と略同
様に確保されて、左側前輪16bのホイールシリンダ1
7b、及び右側後輪19bのホイールシリンダ20bへ
供給される液圧が低下されずに上昇する。これにより、
左側前輪16bの制動力不足の発生を防止することがで
き、旋回時にて制動した際の車両の挙動を極めて安定さ
せることができる。
力ポート15b間の流路が通常のブレーキ作動時と略同
様に確保されて、左側前輪16bのホイールシリンダ1
7b、及び右側後輪19bのホイールシリンダ20bへ
供給される液圧が低下されずに上昇する。これにより、
左側前輪16bの制動力不足の発生を防止することがで
き、旋回時にて制動した際の車両の挙動を極めて安定さ
せることができる。
【0035】次に、本発明のアンチスキッド制御装置の
第2の実施例を図3によって説明する。第2の実施例の
アンチスキッド制御装置は、液圧供給配管11b,11
aと液圧制御機構Aのポート25a,25bとが前記慣
性弁51a,51bを介すことなく直接接続されて、液
圧制御機構A内のプランジャ34a,34bが液圧供給
配管11b,11aからの液圧により所定の位置にてバ
ランスがとられている。さらに、液圧制御機構Aの入力
ポート14a,14bへ接続される液圧供給配管13
a,13bと出力ポート15a,15bとの間には、慣
性弁61a,61bが接続されている。
第2の実施例を図3によって説明する。第2の実施例の
アンチスキッド制御装置は、液圧供給配管11b,11
aと液圧制御機構Aのポート25a,25bとが前記慣
性弁51a,51bを介すことなく直接接続されて、液
圧制御機構A内のプランジャ34a,34bが液圧供給
配管11b,11aからの液圧により所定の位置にてバ
ランスがとられている。さらに、液圧制御機構Aの入力
ポート14a,14bへ接続される液圧供給配管13
a,13bと出力ポート15a,15bとの間には、慣
性弁61a,61bが接続されている。
【0036】これら慣性弁61a,61bは、それぞれ
弁室62a,62bの内部に転動可能な弁球63a,6
3bを設けたもので、その弁室62a,62bはそれぞ
れ外側へ向かって上方へ所定角度の傾斜をつけて設置さ
れている。そして、弁室62a,62bの底部64a,
64bの外方側は、液圧制御機構Aの入力ポート14
a,14bに接続される液圧供給配管13a,13bへ
それぞれ連通状態に接続され、弁室62a,62bの内
側の側壁65a,65bは、出力ポート15a,15b
へそれぞれ連通状態に接続されており、入力ポート14
a,14bと出力ポート15a,15bとのバイパスの
流路とされている。
弁室62a,62bの内部に転動可能な弁球63a,6
3bを設けたもので、その弁室62a,62bはそれぞ
れ外側へ向かって上方へ所定角度の傾斜をつけて設置さ
れている。そして、弁室62a,62bの底部64a,
64bの外方側は、液圧制御機構Aの入力ポート14
a,14bに接続される液圧供給配管13a,13bへ
それぞれ連通状態に接続され、弁室62a,62bの内
側の側壁65a,65bは、出力ポート15a,15b
へそれぞれ連通状態に接続されており、入力ポート14
a,14bと出力ポート15a,15bとのバイパスの
流路とされている。
【0037】そして、上記のように構成された慣性弁6
1a,61bによれば、通常は弁球63a,63bがそ
れぞれ弁室62a,62bの内側の側壁65a,65b
へ当接していることより、出力ポート15a,15bが
接続された開口部66a,66bがそれぞれ閉鎖され
て、この慣性弁61a,61bからなるバイパス流路が
閉鎖された状態に維持されている。そして、車両へ横方
向に、例えば、左横方向に所定値以上の加速度が加わる
と、慣性弁61bの弁球63bが外方へ転動して弁室6
2bの内側の側壁65bから離間することによって出力
ポート15bが接続された開口部66bが開口され、入
力ポート14bと出力ポート15bとの間に慣性弁61
bからなるバイパス流路が形成されるようになってい
る。
1a,61bによれば、通常は弁球63a,63bがそ
れぞれ弁室62a,62bの内側の側壁65a,65b
へ当接していることより、出力ポート15a,15bが
接続された開口部66a,66bがそれぞれ閉鎖され
て、この慣性弁61a,61bからなるバイパス流路が
閉鎖された状態に維持されている。そして、車両へ横方
向に、例えば、左横方向に所定値以上の加速度が加わる
と、慣性弁61bの弁球63bが外方へ転動して弁室6
2bの内側の側壁65bから離間することによって出力
ポート15bが接続された開口部66bが開口され、入
力ポート14bと出力ポート15bとの間に慣性弁61
bからなるバイパス流路が形成されるようになってい
る。
【0038】また、車両へ右横方向に所定値以上の加速
度が加わった場合には、上記左横方向へ加わったときと
は逆に、慣性弁61aの弁球63aが外方へ転動して開
口部66aを開口し、入力ポート14aと出力ポート1
5aとの間に慣性弁61aからなるバイパス流路が形成
されるようになっている。また、車両の横方向への加速
度が所定値に満たない場合には、慣性弁61a,61b
の弁球63a,63bは、それぞれ弁室62a,62b
の内側の側壁65a,65bに当接した状態に維持され
るので、これら慣性弁61a,61bからなる入力ポー
ト14a,14bと出力ポート15a,15bとのバイ
パス流路が閉鎖された状態に維持されるようになってい
る。また、前記慣性弁61a,61bのそれぞれの開口
部66a,66bには、弁球63a,63bとの気密性
を高めるべくゴム等からなる弁座67a,67bが設け
られている。
度が加わった場合には、上記左横方向へ加わったときと
は逆に、慣性弁61aの弁球63aが外方へ転動して開
口部66aを開口し、入力ポート14aと出力ポート1
5aとの間に慣性弁61aからなるバイパス流路が形成
されるようになっている。また、車両の横方向への加速
度が所定値に満たない場合には、慣性弁61a,61b
の弁球63a,63bは、それぞれ弁室62a,62b
の内側の側壁65a,65bに当接した状態に維持され
るので、これら慣性弁61a,61bからなる入力ポー
ト14a,14bと出力ポート15a,15bとのバイ
パス流路が閉鎖された状態に維持されるようになってい
る。また、前記慣性弁61a,61bのそれぞれの開口
部66a,66bには、弁球63a,63bとの気密性
を高めるべくゴム等からなる弁座67a,67bが設け
られている。
【0039】上記のように構成されたアンチスキッド制
御装置によれば、通常の路面及びスプリットμの路面の
場合の制動は、上記第1の実施例と同様に作動するが、
車両の旋回時においてブレーキを作動させた場合には、
次のように作動する。車両が、例えば、右方向へ旋回し
た場合、液圧制御機構Aには、遠心力により図3中左方
向への加速度が作用する。そして、この加速度が所定値
以上になると、左側の慣性弁61bの弁球63bが弁室
62b内にて左方向へ転動し、弁室62bの内側の側壁
65bから離間する。これにより、弁室62bの内側の
側壁65bの出力ポート15bが接続された開口部66
bが開口され、入力ポート14bと出力ポート15bと
の間に慣性弁61bからなるバイパス流路が形成され
る。
御装置によれば、通常の路面及びスプリットμの路面の
場合の制動は、上記第1の実施例と同様に作動するが、
車両の旋回時においてブレーキを作動させた場合には、
次のように作動する。車両が、例えば、右方向へ旋回し
た場合、液圧制御機構Aには、遠心力により図3中左方
向への加速度が作用する。そして、この加速度が所定値
以上になると、左側の慣性弁61bの弁球63bが弁室
62b内にて左方向へ転動し、弁室62bの内側の側壁
65bから離間する。これにより、弁室62bの内側の
側壁65bの出力ポート15bが接続された開口部66
bが開口され、入力ポート14bと出力ポート15bと
の間に慣性弁61bからなるバイパス流路が形成され
る。
【0040】この状態において、ブレーキを作動させる
と、車両が右方向へ旋回して車重が左側へかかり、右側
前輪16aの路面との接地力が小さい状態となってロッ
ク状態に近付くため、このブレーキ系統がアンチスキッ
ド制御され液圧が低下される。一方、左側前輪16bは
ロック状態に近付かないので、このブレーキ系統の液圧
は上昇を続ける。そして、上記のように両ブレーキ系統
に圧力差が生じると、液圧制御機構Aのプランジャ34
a,34aが図3中右方向へ移動し、液圧制御機構A内
の左側の入力ポート14bと出力ポート15bとの流路
がしだいに閉塞されて流れが規制されるが、慣性弁61
bが開口していることより、液圧供給配管13bからの
液圧は、慣性弁61bからなる入力ポート14bと出力
ポート15bとのバイパス流路を介して、左側前輪16
bのホイールシリンダ17b及び右側後輪19bのホイ
ールシリンダ20bへ供給される。
と、車両が右方向へ旋回して車重が左側へかかり、右側
前輪16aの路面との接地力が小さい状態となってロッ
ク状態に近付くため、このブレーキ系統がアンチスキッ
ド制御され液圧が低下される。一方、左側前輪16bは
ロック状態に近付かないので、このブレーキ系統の液圧
は上昇を続ける。そして、上記のように両ブレーキ系統
に圧力差が生じると、液圧制御機構Aのプランジャ34
a,34aが図3中右方向へ移動し、液圧制御機構A内
の左側の入力ポート14bと出力ポート15bとの流路
がしだいに閉塞されて流れが規制されるが、慣性弁61
bが開口していることより、液圧供給配管13bからの
液圧は、慣性弁61bからなる入力ポート14bと出力
ポート15bとのバイパス流路を介して、左側前輪16
bのホイールシリンダ17b及び右側後輪19bのホイ
ールシリンダ20bへ供給される。
【0041】即ち、左側前輪16bのホイールシリンダ
17bへは通常のブレーキ作動時と同様に液圧が供給さ
れるため、液圧の低下による制動力の不足を生じさせる
ことなく、確実な制動力を確保することができ、旋回時
において制動した際の車両の挙動を極めて安定させるこ
とができる。
17bへは通常のブレーキ作動時と同様に液圧が供給さ
れるため、液圧の低下による制動力の不足を生じさせる
ことなく、確実な制動力を確保することができ、旋回時
において制動した際の車両の挙動を極めて安定させるこ
とができる。
【0042】このように、上記第1及び第2の実施例の
アンチスキッド制御装置によれば、通常にブレーキを作
動させた場合には、各車輪がロック状態に近付いたこと
が検知されて液圧が制御されるので、車輪のロックを回
避することができるとともに、左右にて摩擦係数がこと
なるいわゆるスプリットμの路面にてブレーキを作動さ
せた場合には、左右の車輪の制動力が良好にバランスさ
れて車両の挙動を安定させることができる。さらに、車
両の旋回時においてブレーキを作動させた場合には、旋
回内側の前輪のロックが回避されるとともに、旋回外側
の前輪へ確実な制動力を与えることができ、制動力の不
足によるオーバーステア等を防止することができ、挙動
を安定させて確実に制動させることができる。即ち、路
面の状態及び車両の走行状態に対応して各車輪へ確実な
制動力を与えることができ、車両の制動時の安全性を大
幅に向上させることができる。
アンチスキッド制御装置によれば、通常にブレーキを作
動させた場合には、各車輪がロック状態に近付いたこと
が検知されて液圧が制御されるので、車輪のロックを回
避することができるとともに、左右にて摩擦係数がこと
なるいわゆるスプリットμの路面にてブレーキを作動さ
せた場合には、左右の車輪の制動力が良好にバランスさ
れて車両の挙動を安定させることができる。さらに、車
両の旋回時においてブレーキを作動させた場合には、旋
回内側の前輪のロックが回避されるとともに、旋回外側
の前輪へ確実な制動力を与えることができ、制動力の不
足によるオーバーステア等を防止することができ、挙動
を安定させて確実に制動させることができる。即ち、路
面の状態及び車両の走行状態に対応して各車輪へ確実な
制動力を与えることができ、車両の制動時の安全性を大
幅に向上させることができる。
【0043】また、上記実施例の慣性弁51a,51b
及び慣性弁61a,61bは、それぞれ傾斜角度を調整
することにより、極めて容易に作動のタイミングを調整
することができる。なお、上記実施例では、車両を右方
向へ旋回させた際にブレーキを作動させた場合について
説明したが、車両を左方向へ旋回させた際にブレーキを
作動させた場合にも、同様な制御が行われる。
及び慣性弁61a,61bは、それぞれ傾斜角度を調整
することにより、極めて容易に作動のタイミングを調整
することができる。なお、上記実施例では、車両を右方
向へ旋回させた際にブレーキを作動させた場合について
説明したが、車両を左方向へ旋回させた際にブレーキを
作動させた場合にも、同様な制御が行われる。
【0044】また、上記実施例では、まずチェックバル
ブ39a,39bと軸45a,45bとの間の微小な間
隙のみを流路とすることにより流量を制限し、さらに、
この間隙を閉じるという二段階の動作が行われて、アン
チスキッド制御されていないブレーキ系統への圧力の供
給を二段階で制限するようにしたが、いずれか一段階の
機構を省略して、流路抵抗によって流量を制限した状態
と非制限状態とからなる一段階の切替、あるいは、流路
の連通状態と遮断状態との切替とからなる一段階の切り
替えを行うようにして、液圧制御機構Aの構成を省略し
てもよい、さらに、流路抵抗の異なる複数の流路を設け
て、この流路を開閉する弁体を液圧供給配管の圧力差に
応じて順次動作させることにより、流路抵抗を何段階か
に分けて順次増加させるようにしてもよい。
ブ39a,39bと軸45a,45bとの間の微小な間
隙のみを流路とすることにより流量を制限し、さらに、
この間隙を閉じるという二段階の動作が行われて、アン
チスキッド制御されていないブレーキ系統への圧力の供
給を二段階で制限するようにしたが、いずれか一段階の
機構を省略して、流路抵抗によって流量を制限した状態
と非制限状態とからなる一段階の切替、あるいは、流路
の連通状態と遮断状態との切替とからなる一段階の切り
替えを行うようにして、液圧制御機構Aの構成を省略し
てもよい、さらに、流路抵抗の異なる複数の流路を設け
て、この流路を開閉する弁体を液圧供給配管の圧力差に
応じて順次動作させることにより、流路抵抗を何段階か
に分けて順次増加させるようにしてもよい。
【0045】また、上記実施例では、本発明をX配管に
よるブレーキ系に適用した場合を示したが、少なくとも
両前輪が個別にアンチスキッド制御されている他の配管
方式、例えば、両前輪を個別に制御し、後輪を一括して
制御する3チャンネル構成のブレーキ配管系、あるい
は、4輪が独立してアンチスキッド制御される4チャン
ネル構成のブレーキ配管系にも本発明を適用することが
できるのは勿論である。
よるブレーキ系に適用した場合を示したが、少なくとも
両前輪が個別にアンチスキッド制御されている他の配管
方式、例えば、両前輪を個別に制御し、後輪を一括して
制御する3チャンネル構成のブレーキ配管系、あるい
は、4輪が独立してアンチスキッド制御される4チャン
ネル構成のブレーキ配管系にも本発明を適用することが
できるのは勿論である。
【0046】
【発明の効果】以上、説明したように本発明のアンチス
キッド制御装置によれば、下記の効果を得ることができ
る。通常の路面にてブレーキを作動させた場合には、ア
ンチスキッド装置によって車輪がロック状態に近付いた
ことが検知されて液圧が制御されるので、車輪のロック
を回避することができる。また、左右にて摩擦係数がこ
となるいわゆるスプリットμ路上にてブレーキを作動さ
せた場合には、低μ側の車輪のホイールシリンダへ供給
される液圧が低下されてロックが回避されるとともに液
圧制御機構によって高μ側の車輪のホイールシリンダへ
の液圧の上昇が規制されるので、左右の車輪の制動力が
良好にバランスされて車両の挙動を安定させることがで
きる。
キッド制御装置によれば、下記の効果を得ることができ
る。通常の路面にてブレーキを作動させた場合には、ア
ンチスキッド装置によって車輪がロック状態に近付いた
ことが検知されて液圧が制御されるので、車輪のロック
を回避することができる。また、左右にて摩擦係数がこ
となるいわゆるスプリットμ路上にてブレーキを作動さ
せた場合には、低μ側の車輪のホイールシリンダへ供給
される液圧が低下されてロックが回避されるとともに液
圧制御機構によって高μ側の車輪のホイールシリンダへ
の液圧の上昇が規制されるので、左右の車輪の制動力が
良好にバランスされて車両の挙動を安定させることがで
きる。
【0047】さらに、車両の旋回時においてブレーキを
作動させた場合には、旋回内側の車輪のホイールシリン
ダへ供給される液圧が低下されてロックが回避されると
ともに、車両の横方向への所定値以上の加速度の作用に
より慣性弁が作動して旋回外側の車輪のホイールシリン
ダとマスタシリンダとの流路が確保されるので、旋回外
側の車輪へ確実な制動力を与えることができ、外側車輪
の制動力の不足によるオーバーステア等を防止すること
ができ、挙動を安定させて確実に制動させることができ
る。即ち、路面の状態及び車両の走行状態に対応して各
車輪へ確実な制動力を与えることができ、車両の制動時
の安全性を大幅に向上させることができる。
作動させた場合には、旋回内側の車輪のホイールシリン
ダへ供給される液圧が低下されてロックが回避されると
ともに、車両の横方向への所定値以上の加速度の作用に
より慣性弁が作動して旋回外側の車輪のホイールシリン
ダとマスタシリンダとの流路が確保されるので、旋回外
側の車輪へ確実な制動力を与えることができ、外側車輪
の制動力の不足によるオーバーステア等を防止すること
ができ、挙動を安定させて確実に制動させることができ
る。即ち、路面の状態及び車両の走行状態に対応して各
車輪へ確実な制動力を与えることができ、車両の制動時
の安全性を大幅に向上させることができる。
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の配管系を説
明する概略配管系統図である。
明する概略配管系統図である。
【図2】第1の実施例のアンチスキッド制御装置に用い
られた液圧制御機構の構造を説明する液圧制御機構の縦
断面図である。
られた液圧制御機構の構造を説明する液圧制御機構の縦
断面図である。
【図3】第2の実施例のアンチスキッド制御装置に用い
られた液圧制御機構の構造を説明する液圧制御機構の縦
断面図である。
られた液圧制御機構の構造を説明する液圧制御機構の縦
断面図である。
10 マスタシリンダ 12a,12b 切替弁(アンチスキッド装置) 16a,16b,19a,19b 車輪 17a,17b,20a,20b ホイールシリンダ 34a,34b プランジャ 40a,40b 弁体(制御弁) 47a,47b 弁体(制御弁) 51a,51b,61a,61b 慣性弁 A 液圧制御機構
Claims (1)
- 【請求項1】 車輪がロック状態に近付いたことを検知
してホイールシリンダへ供給されるブレーキ液の液圧を
制御するアンチスキッド装置と、 前記アンチスキッド装置により左右いずれか一方側の車
輪がロック状態に近付いたことが検知されて前記一方側
の車輪のホイールシリンダへ供給される液圧が低下さ
れ、左右のブレーキ系間に圧力差が生じた際に、この圧
力差によって移動するプランジャが設けられ、該プラン
ジャの移動により他方側の車輪のホイールシリンダへ供
給される液圧の上昇を規制する制御弁が設けられた液圧
制御機構とを有するアンチスキッド制御装置において、 車両の横方向へ所定値以上の加速度が作用した際に、前
記液圧制御機構の前記制御弁により液圧の上昇が規制さ
れる前記他方側の車輪のホイールシリンダと液圧を発生
させるマスタシリンダとの流路を確保する慣性弁を設け
たことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255595A JPH05124494A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | アンチスキツド制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3255595A JPH05124494A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | アンチスキツド制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05124494A true JPH05124494A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=17280911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3255595A Withdrawn JPH05124494A (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | アンチスキツド制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05124494A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT202200007202A1 (it) * | 2022-04-12 | 2023-10-12 | Carraro Antonio Spa | Dispositivo di frenata sterzante per veicoli da lavoro |
-
1991
- 1991-10-02 JP JP3255595A patent/JPH05124494A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT202200007202A1 (it) * | 2022-04-12 | 2023-10-12 | Carraro Antonio Spa | Dispositivo di frenata sterzante per veicoli da lavoro |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990107 |