JPH05124479A - 側突用エアバツグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗員とサイドドアとの間の限られた空間に速
やかにエアバッグを展開する。 【構成】 車両サイドドア１の内面１ａにインフレータ
２が設けられ、その外周面には複数箇所にガス噴出孔２
１が形成してある。インフレータ２の外周面を囲んでこ
れとの間にガス流路３ａを形成するガイドパネル３を設
け、その一部をサイドドア１に沿って上方へ開口せしめ
て、該開口３１に、折り畳んで設けたエアバッグ４のガ
ス注入口４１を接続する。ガス噴出孔２１より噴出した
ガスはガス流路３ａにより開口３１へ効率的に導かれ、
エアバッグ４内に注入されてこれを急速に膨張せしめ
る。開口３１はサイドドア１に沿って上方を向いている
から、エアバッグ４は、乗員とサイドドア１との間の限
られた空間内へ速やかに膨出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両側方からの衝突時に
作動する側突用エアバッグ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、車両衝突時の乗員保護対策とし
て、シートベルト装置に加え、衝突を検知して瞬時にエ
アバッグを膨らませて、衝撃から乗員を保護するエアバ
ッグ装置が普及しつつある。

【０００３】従来のエアバッグ装置は、正面衝突時の乗
員保護を目的とするものが主であり、ステアリングホイ
ールあるいはインストルメントパネルの一部に設けて、
乗員の上半身前面に向けエアバッグを膨出せしめて前方
からの衝撃を緩和するものである。一方、車両衝突時の
安全性をさらに高めるため、側面衝突に対して作動する
側突用エアバッグ装置の設置が検討されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、側突の場合
には、車両側壁例えばサイドドアより乗員までの距離が
短いため、衝突検出後短時間の間に、サイドドアと乗員
の間の狭い空間にエアバッグを膨出せしめる必要があ
る。

【０００５】本発明はかかる課題を解決するもので、乗
員と側壁との間の限られた空間に速やかにエアバッグを
展開することが可能な側突用エアバッグ装置を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の構成を説明する
と、車両側壁１の内面１ａに、外周面の複数箇所にガス
噴出孔２１を形成したインフレータ２を設けるととも
に、インフレータ２の上記外周面を囲んでこれとの間に
ガス流路３ａを形成するガイドパネル３を設け、ガイド
パネル３の一部を車両側壁に沿う所定方向へ開口せしめ
て、該開口３１に、車両側壁１の内面１ａに沿って折り
畳んで設けたエアバッグ４のガス注入口４１を接続した
ものである。

【０００７】

【作用】上記構成の装置において、車両側方からの衝突
が検出されるとインフレータ２の外周面に設けた複数の
ガス噴出孔２１より多量のガスが噴出する。このガスは
ガイドパネル３内のガス流路３ａにより開口３１へ効率
的に導かれ、エアバッグ４内に注入されてこれを急速に
膨張せしめる。

【０００８】上記開口３１は車両側壁１に沿う所定方向
へ向いているから、大量のガスが注入されたエアバッグ
４は、乗員と上記側壁１との間の限られた空間内へ速や
かに膨出して衝撃を緩和する。

【０００９】

【実施例１】図１において、車両側壁たるサイドドア１
には、下半部のアウタパネル１１中間位置内面に衝突検
出センサ５が設けられ、インナパネル１２には中間位置
に詳細を後述するインフレータ２が設けてある。インナ
パネル１２の内面１ａには上記インフレータ２を覆って
全面にパッド６が装着してあり、インフレータ２上方の
パッド６内空間には蛇腹状に折り畳んでエアバッグ４が
設けてある。

【００１０】また、インフレータ２の外周に沿ってガイ
ドパネル３が設けられ、ガイドパネル３内に形成された
ガス流路３ａが上記エアバッグ４のガス注入口４１に連
通している。エアバッグ４は下端が袋状となってインフ
レータ２およびガイドパネル３を覆っている。

【００１１】インフレータ２の詳細を図２に示す。イン
フレータ２は密閉された円盤ケース２２を有し、中心部
のケース凹所内には周囲に伝火剤２３を配して点火栓２
５が設けられ、外周部のケース２２内にはガス発生剤２
４が充填してある。上記凹所の周壁には伝火剤２３の火
炎をガス発生剤２４に供給する小孔２６が複数形成さ
れ、また、ケース２２外周面には図４に示す如く、発生
ガスを噴出せしめるガス噴出孔２１が多数形成してあ
る。なお、ガス噴出孔２１の内側のケース２２内周面に
はこれに沿って全周にフィルタ２９（図２）が配設して
ある。

【００１２】ガイドパネル３は下半がインフレータ２よ
りも大径の半円形、上半が矩形をなす（図３）カバー体
で、インフレータ２に覆着されて板面凹所の中心がイン
フレータケース２２に、上辺を除く開口周縁がエアバッ
グ４の開口縁と共に上記ケース２２外周のフランジ部２
７にそれぞれボルト固定され、その内部空間はインフレ
ータ２外周に沿って上方へ延び上辺の開口３１へ開放す
るガス流路３ａとなっている。なお、ガイドパネル３の
内面には噴出ガスの温度低下を防止するために断熱処理
を施すことが望ましい。

【００１３】かかる構造のエアバッグ装置において、衝
突検出センサ５によりサイドドア１の衝突が検出される
と、点火栓２５に通電されて伝火剤２３が点火し、その
火炎がガス発生剤２４に供給されて大量の窒素ガスが発
生せしめられる。発生したガスはインフレータ２の外周
面に多数形成されたガス噴出孔２１よりガス流路３ａへ
噴出し、該ガス流路３ａに沿って上方の開口３１へ合流
せしめられてガス注入口４１よりエアバッグ４内へ注入
される。

【００１４】しかして、大量のガスが効率的に上方のエ
アバッグ４に供給される結果、図５に示す如く、エアバ
ッグ４はパッド６の上部を押し破ってサイドドア１の上
半部内面に沿ってこれと乗員側面との間の限られた空間
へ向け、速やかに上方へ膨出せしめられて展開し、衝撃
を緩和する。

【００１５】

【実施例２】図６には本発明の他の実施例においてエア
バッグ４が膨出した状態を示し、インフレータ２はサイ
ドドアインナパネル１２に装着したパッド６内にドア内
面１ａに沿って水平に設けてある。その詳細を図７およ
び図８で説明すると、インフレータケース２２は細長い
密閉筒状をなし、その長手方向複数箇所の外周面に多数
のガス噴出孔２１が形成してある。

【００１６】上記ケース２２の中心には小径の筒部材２
８が貫通配設され、その内部には伝火剤２３が満たされ
て一端に点火栓２５が位置し、外周空間にはガス発生剤
２４が満たしてある。上記筒部材２８の周壁には伝火剤
２３の火炎をガス発生剤２４に供給する小孔が多数設け
てある。

【００１７】上記インフレータ２を覆って下半が半円
形、上半が矩形で上方へ開放するケース状のガイドパネ
ル３が設けてあり、ガイドパネル３内にはインフレータ
２下半外周にガス流路３ａが形成されて上方開口３１に
連通している。

【００１８】しかして、各ガス噴出孔２１から噴出した
ガスはガス流路３ａに沿って流れて開口３１へ合流せし
められ、ガス注入口４１よりエアバッグ４内へ供給され
て、サイドドア内面１ａに沿う上方空間へエアバッグ４
を速やかに膨出せしめる。

【００１９】かかる構造によっても上記実施例１と同様
の効果が得られる。

【００２０】

【発明の効果】以上の如く、本発明の側突用エアバッグ
装置によれば、エアバッグを車両側壁と乗員との間の限
られた空間へ速やかに膨出せしめて、衝突時の衝撃を効
果的に緩和することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１におけるサイドドアの概略断
面図である。

【図２】インフレータ部の断面図である。

【図３】図２のＡ矢視図である。

【図４】インフレータの側面図である。

【図５】装置作動状態におけるサイドドアの概略断面図
である。

【図６】本発明の実施例２におけるサイドドアの概略断
面図である。

【図７】インフレータ部の横断面図である。

【図８】インフレータ部の縦断面図である。

【符号の説明】

１ サイドドア（車両側壁） １ａ 側壁内面 ２ インフレータ ３ ガイドパネル ３ａ ガス流路 ３１ 開口 ４ エアバッグ ４１ ガス注入口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松橋 俊明 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両側壁の内面に、外周面の複数箇所に
   ガス噴出孔を形成したインフレータを設けるとともに、
   インフレータの上記外周面を囲んでこれとの間にガス流
   路を形成するガイドパネルを設け、ガイドパネルの一部
   を車両側壁に沿う所定方向へ開口せしめて、該開口に、
   車両側壁内面に沿って折り畳んで設けたエアバッグのガ
   ス注入口を接続したことを特徴とする側突用エアバッグ
   装置。