JPH05123510A - 高勾配磁選機の自動洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁選機内のフィルター等の内部機器を傷める
ことなく、洗浄水による洗浄効果を向上できる手段の提
供によって高勾配磁選機の高レベルでの磁選効率を維持
すること。 【構成】 原料の導入と排出のための配管とフィルター
への洗浄水供給と排出のための配管に加えて、導入され
た洗浄水に加圧気体を吹き込む加圧気体導入配管を設け
たことによって、フィルター内へ供給された洗浄水が、
導入された加圧気体によって泡立ち、この洗浄水の泡立
ちによって、洗浄水によるフィルターの付着物の除去効
果を顕著に増大することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の技術分野】本発明は、陶土、穀粉等の粉末か
ら鉄分のような磁性材料を分離する磁選機、とくに、そ
の内部に装着したフィルターの自動洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】かかる磁選機は、磁性体からなるフィル
ターを着脱自在に内装した原料を通過させる筒状体の外
周に電磁石を配置した基本構造を有し、電磁石に通電す
ることによって円筒体内を通過する原料中の鉄分のよう
な強磁性体を磁化フィルターに捕捉して、原料の純化処
理を行うものである。

【０００３】この磁選機の操業過程で、フィルターに捕
捉された鉄分は堆積して目詰まりが発生し、これが磁選
機の分離機能を低下することになるので、定期的に電磁
石への通電を停止してフィルターから堆積物を除去し洗
浄しなければならない。

【０００４】従来、この磁選機のフィルターの洗浄方法
としては、例えば実公昭５０−３２８６３号公報に記載
されているように、定期的にフィルターを筒状体から取
り出し、交換し、洗浄することが行われていた。ところ
が、毎回の交換は手間を要することになるので、近年、
フィルター洗浄のための交換の手間を省くために、一
旦、操業を中止して、原料通過円筒体内に洗浄用水を通
す方式が採用されるようになった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水の流
通による洗浄は、洗浄効率が低く、そのため、機器その
ものに振動を与えながら、流通洗浄水の流通圧力を上げ
ることも試みられたが、流速を早くし過ぎると、機器、
とくに、フィルター部分を破損するという問題があり、
その上、機器内の洗浄効率は左程向上しない。

【０００６】本発明は、かかる磁選機の洗浄水によるフ
ィルターの洗浄の改善に係るもので、磁選機内のフィル
ター等の内部機器を傷めることなく、洗浄水による洗浄
効果を向上できる手段を提供して、高勾配磁選機の高レ
ベルでの磁選効率を維持することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の自動洗浄装置
は、磁性体製のフィルターを装着した原料通路を挟んで
電磁石を配置した高勾配磁選機において、原料の導入と
排出のための配管とフィルターへの洗浄水供給と排出の
ための配管に加えて、導入された洗浄水に加圧気体を吹
き込む加圧気体導入配管を設けたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】フィルター内へ供給された洗浄水が、導入され
た加圧気体によって泡立ち、この洗浄水の泡立ちによっ
て、洗浄水によるフィルターの付着物の除去効果を顕著
に増大することができる。

【０００９】

【実施例】添付各図は、本発明の実施例と、その実施例
に示す磁選機のフィルターの洗浄方法の説明図である。

【００１０】図１は、本発明の実施例を示す。

【００１１】同図において、１は処理原料を通すための
円筒体であって、その内部に磁性体フィルター２が配置
され、その外周面には僅かな間隙を設けて電磁石のコイ
ル３が配置されている。４は装置の下部位置に設けられ
た処理原料導入口であって、処理原料は導入口４から導
入され、バルブ５を開にした配管６を経て、下方から円
筒体１に入り、装置上部に設けられた排出管７のバルブ
８を開にすることによって排出口９から処理済みの製品
原料を排出する。

【００１２】本発明はかかる基本構造を有する高勾配磁
選機の洗浄機構に特徴を有するもので、洗浄水の導入管
１０を円筒体１の上部に設けるとともに、円筒体１の直
下には開口する圧縮空気導入管１１が設けられている。
１２は洗浄水の導入に先立って、導入原料を一定レベル
まで排出するための空気導入管であり、１３は原料導入
配管６に分岐して設けられた原料排出管であって、洗浄
に際して装置内に滞留する原料を排出する排出管を示
し、さらに、１４は洗浄に際してフィルター２に堆積し
た鉄粉を排出するための鉄粉排出管を示す。上記各配管
１０、１１、１２、１３、１４には、それぞれの配管を
操作するためのバルブ１５、１６、１７、１８が設けら
れている。

【００１３】図２〜図５は、かかる配管構造を有する磁
選機の操作態様を示す。

【００１４】図２は定常の分離操業中の状態を示す。同
図において、原料導入配管６のバルブ５と、製品原料排
出管７のバルブ８のみを開にし、他のバルブは閉の状態
にして、電磁石のコイル３に通電しつつ、矢印に示すよ
うに、原料を導入口４から導入し、分離処理後の製品原
料を排出口９から排出する。この状態を一定時間連続し
たのち、フィルター２の洗浄作業を始める。

【００１５】図３は、洗浄作業を開始するに当たって、
装置内に導入された原料を供給源に戻す際の配管系とそ
の作働を示す。同図に示すように、原料導入配管６のバ
ルブ５と製品原料排出管７のバルブ８を閉じ、空気導入
管１２のバルブ１７と原料戻し管１３のバルブ１６を開
放して、円筒体１の上方に空気を導入して内圧を高め
て、装置内の原料を原料戻し管１３から排出する。

【００１６】図４は、装置内の原料を排出したのち、洗
浄水を導入すると共に圧縮空気を導入洗浄水中に吹き込
む状態を示す。同図に示すように、装置内の原料を排出
したのち、洗浄水用バルブ１５を開放し、配管１０から
円筒体１内に洗浄水が或る程度溜まった状態で、圧縮空
気導入用バルブ１９を開放して、圧縮空気導入管１１か
ら圧縮空気を円筒体１内に導入し、洗浄水を泡立たせ、
これによってフィルター２を洗浄する。

【００１７】図５は、洗浄水の泡立ちを一定時間持続せ
しめたのち、圧縮空気導入バルブ１９を閉じるととも
に、鉄粉排出用バルブ１８を開放し、空気導入管１２か
ら空気を導入しつつ鉄粉排出管１４から鉄粉を排出す
る。

【００１８】この図４と図５に示す洗浄水導入、圧縮空
気の導入による泡立ち、それに鉄粉の排出の工程を繰り
返すことによって、略完全にフィルターに堆積した鉄粉
を除去洗浄でき、装置の鉄粉除去効率を維持することが
できる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。

【００２０】（１）フィルターを本体から取り外すこと
なく、単に、バルブ操作のみで完全に鉄粉堆積物を除去
できる。

【００２１】（２）高圧水の導入を必要としないので、
洗浄過程で機器の損傷をもたらすことはない。

【００２２】（３）設備としても、基本的に加圧空気の
導入管を設置するだけで済むので、設備自体の本格的な
作り直しを必要としない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例を示す図である。

【図２】 本発明の装置の操業態様を示す。

【図３】 本発明の装置の洗浄工程の第１の段階を示す
もので、装置内に充填した原料の戻し工程を示す。

【図４】 洗浄水の導入と高圧空気によるバブリングの
状態を示す。

【図５】 洗浄後の鉄粉の排出工程を示す。

【符号の説明】

１ 円筒体 ２ 磁性体フィルター ３ 電磁石のコイル ４ 処理原料導入口 ５ 処理原料導入配管のバルブ ６ 処理原料導入配管 ７ 処理済み製品原料の排出管 ８ 処理済み原料の排出管のバルブ ９ 排出口 １０ 洗浄水の導入管 １１ 圧縮空気導入管 １２ 空気導入管 １３ 分岐原料戻し管 １４ 鉄粉排出管 １５、１６、１７、１８、１９ 操作バルブ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁性体製のフィルターを装着した原料通
   路を挟んで電磁石を配置した磁選機の自動洗浄装置にお
   いて、原料の導入と排出のための配管とフィルターへの
   洗浄水供給と排出のための配管に加えて、導入された洗
   浄水に加圧気体を吹き込む加圧気体導入配管を設けた高
   勾配磁選機の自動洗浄装置。