JPH0512242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、わき縫部を改良した長着に関するも
ので、男物及び女物の長着に使用される。

（従来技術とその問題点） 長着の形態は、古くから変化がなく、その前身
ごろ及び後ろ身ごろは、男物女物を問わず下端部
までわき縫されているのが通例である。

長着は裾が長くなつているために、その着用に
おいては、おくみを重ね合わせた状態で帯を締め
るため、裾の拡がりが極めて小さくなり、歩行、
車の運転、階段の昇降等においては足の自由度が
極めて小さくなる。冠婚葬祭などの儀式において
は大人しくしているために不都合はないが、家庭
の日常生活において長着を着用しようとする場合
には、その活動面において支障が生ずることにな
る。

（技術的課題） 本考案は、長着の外観をそのままにして裾を拡
げられるようにすることを課題としたものであ
る。

（技術的手段） この技術的課題を解決するための技術的手段
は、 (イ) わき縫の下端部をコンシールフアスナーで係
止し、 (ロ) 前又は後ろの身ごろの一方の下端に舌片を突
設し、 (ハ) 舌片と他方の身ごろの裏面とに両者を着脱可
能に係止する係止具を取り付けること、であ
る。

（技術的手段の作用） わき縫の下端部をコンシールフアスナーで係止
すると、フアスナーが縫目（前身ごろのと後ろ身
ごろの合わせ目）内に入り、外観上フアスナーが
見えることはない。

フアスナーを開けると、わき縫の下端部は大き
く拡がることになる。

前又は後ろの身ごろの一方の下端に舌片を突設
すると共に、舌片と他方の身ごろの裏面とに両者
を着脱可能に係止する係止具をとりつけると、舌
片がフアスナーを閉じた際に下端に位置するフア
スナーの開閉金具を隠蔽し、しかも、わき縫部の
下端を強固に固定するため、フアスナーが不用意
に開くことを防止できる。

従つて、長着の外観をそのままにして裾の拡が
りを調節できることになる。

（本考案の効果） 長着の外観をそのままにして裾の拡がりを調節
できる結果、和服の着用環境に応じて、例えば家
庭内ではフアスナーを開けて日常生活に支障のな
いようにし、外出時にはフアスナーを閉じて着物
本来の姿を確保する等の選択ができる利点があ
る。

また、車の運転に際してはフアスナーを開けて
足の自由度を確保することによつて、安全運転が
行えることになる。

このように、本考案に係る長着は、従来の一部
式や二部式の長着と全く同じ着用方法に依りなが
ら、足の自由度を確保して活動性を付与すること
ができることになる。

（実施例） 次に、上記技術的手段の具体例について、図面
を参酌しながら説明する。

第１図は、男者の長着１の一部を拡げた状態に
おける正面図である。

前身ごろ２と後身ごろ３を縫合わせたわき縫部
４の下端部は、縫着せずに裏面側に取り付けたコ
ンシールフアスナー５で固定するようにしてあ
る。

コンシールフアスナー５は、わき縫部４の下端
から若干の間隔を開けて取り付けてあり、その下
方に位置するように、後身ごろ３から布製の舌片
６が突出させてある。

舌片６の突出部及び前身ごろ２の裏面側に面フ
アスナー７，８が取り付けてあつて、面フアスナ
ー７，８同志を係止させることによつて舌片６と
前身ごろ２の下端を固定し、コンシールフアスナ
ー５の金具４を隠蔽することになる。

尚、舌片６及び後身ごろ３の裏面側にも面フア
スナーを取り付けて、コンシールフアスナー５の
開閉時に舌片６を後身ごろ３側へ折返して突出し
ないようにすることもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は、上記技術的手段の具体例を説明するた
めのもので、第１図は男者の長着１の一部を拡げ
た状態における正面図、第２図はその要部拡大図
である。 １……長着、２……前身ごろ、３……後身ご
ろ、４……わき縫部、５……コンシールフアスナ
ー、６……舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. わき縫の下端部をコンシールフアスナーで係止
   し、前又は後ろの身ごろの一方の下端に舌片を突
   設し、舌片と他方の身ごろの裏面とに両者を着脱
   可能に係止する係止具を取り付けた長着。