JPH051212A - 耐炎性ポリエステル組成物 - Google Patents

耐炎性ポリエステル組成物

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JPH051212A
JPH051212A JP18028691A JP18028691A JPH051212A JP H051212 A JPH051212 A JP H051212A JP 18028691 A JP18028691 A JP 18028691A JP 18028691 A JP18028691 A JP 18028691A JP H051212 A JPH051212 A JP H051212A
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JP
Japan
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polyester
flame
acid
mol
polyester composition
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Application number
JP18028691A
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English (en)
Inventor
Bunpei Hosoi
文平 細井
Atsuko Ueda
敦子 植田
Tetsuo Matsumoto
哲夫 松本
Koji Kameyama
好治 亀山
Tomoko Watanabe
智子 渡辺
Toshikazu Abe
敏万 阿部
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性に優れ、機械的特性等が良好であると
共に、燃焼時の溶融落下性が極めて良好な耐炎性ポリエ
ステル組成物を提供する。 【構成】 化1で表される有機リン化合物がジオール成
分の0.5〜10モル%共重合され、リン酸を0.05〜0.5重量
%含有したポリエチレンテレフタレート系耐炎性ポリエ
ステル組成物。 【化1】 (Rは低級アルキレン基、Arは芳香族基、m、nはそ
れらの和が1〜20となる整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐炎性ポリエステル組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートは、優れた
機械的特性及び化学的特性を有し、衣料用、産業用等の
繊維のほか、磁気テープ用、写真用、コンデンサー用等
のフィルムあるいはボトル等の成形物用として広く用い
られている。ところで、近年、火災予防の観点から合成
繊維や各種プラスチック製品の耐炎性への要請が強まっ
ている。
【0003】従来、ポリエステルに耐炎性を付与する試
みは種々なされており、リン化合物を含有させる方法が
有効であるとされている。しかし、リン化合物を含有さ
せる場合、一般に、(1) ポリエステルのゲル化が生じ
る、(2) リン化合物の残存率が低い、(3) ポリエステル
の色調が悪化する、(4) 紡糸、延伸、成形等の各工程で
有毒ガスを発生しやすいといった問題があった。
【0004】本発明者らは、このような問題を解決する
ものとして、前記一般式化1で表される化合物を共重合
したポリエステルを提案した(特開平2−1730号公
報)。このポリエステルは、難燃性に優れ、機械的特性
等も良好であるが、カーテン等の特定の用途に使用する
場合、燃焼時の溶融落下性が十分でないことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、難燃性に優
れ、機械的特性等が良好であると共に、燃焼時の溶融落
下性が極めて良好な耐炎性ポリエステル組成物を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、上記のようなリン化
合物を共重合したポリエステルにリン酸を含有させるこ
とが有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、エチレンテレフタレ
ート単位を主体とし、一般式化2で表される有機リン化
合物がジオール成分の0.5〜10モル%共重合されたポリ
エステルに対し、リン酸を0.05〜0.5重量%含有させた
耐炎性ポリエステル組成物を要旨とするものである。
【0008】
【化2】
【0009】(Rは低級アルキレン基、Arは芳香族基
を表し、ベンゼン環は低級アルキル基又はハロゲンから
選ばれた置換基を有していてもよい。また、m、nはそ
れらの和が1〜20となる整数を表す。)
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明おいてベースとなるポリエステルをエチレンテレフ
タレート単位を主体とするものであるが、イソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−ブタンジオール、ペンタエリス
リトール、4−ヒドロキシ安息香酸等を共重合したもの
でもよい。
【0011】有機リン化合物におけるArは3価の芳香
族基であり、ベンゼン環基及びナフタレン環基が好まし
い。(ベンゼン環やナフタレン環はハロゲン原子、炭素
数1〜20の炭化水素基等を置換基として有していてもよ
い。)
【0012】有機リン化合物は、そのまま共重合ポリエ
ステルの合成に供してもよいが、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の酸成分と反応させたモノマー、オリゴマー又
はポリマーの形にして使用してもよい。
【0013】有機リン化合物の共重合量は、ポリエステ
ルのジオール成分に対して、0.5〜10モル%、好ましく
は1〜7モル%とすることが必要である。有機リン化合
物の共重合量が1モル%未満では、ポリエステルの耐炎
性能が不十分であり、10モル%を超えると得られるポリ
エステルの機械的特性が損なわれる等、ポリエステルの
物性上問題が生ずることがある。
【0014】ポリエステルの溶融落下性を高めるために
は、さらに、リン酸をポリエステルに対して、0.05〜0.
5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%含有させることが
必要である。リン酸の含有量が0.05重量%未満では、燃
焼時の溶融落下性の改良効果が十分ではなく、0.5重量
%を超えるとポリエステルの良好な物性が損なわれるの
で好ましくない。
【0015】本発明のポリエステル組成物において、ポ
リエステルにさらに次式で表されるアルキレンジカルボ
ン酸を共重合させると溶融落下性が増進される。 HOOC−R2−COOH (R2はアルキレン基を表す。)
【0016】アルキレンジカルボン酸の具体例としては
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
(アルキレンジカルボン酸はエステル形成性誘導体の形
で用いてもよい。)
【0017】アルキレンジカルボン酸の共重合量は、1
〜10モル%、好ましくは3〜5モル%が適当である。こ
の共重合量が1モル%未満では、溶融落下性を助長する
効果が現れず、10モル%を超えるとポリエステルの良好
な物性が損なわれる。
【0018】本発明のポリエステル組成物は、テレフタ
ル酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコー
ルとを主たる原料としてポリエステルを製造する際に、
有機リン化合物とリン酸をエステル化又はエステル交換
反応から重縮合反応の初期までの任意の段階で添加する
ことによって製造することができる。
【0019】ポリエステルを製造する際の重縮合反応
は、通常0.01〜10トル程度の減圧下で260〜310℃, 好ま
しくは275〜290℃の温度で所定の重合度のものが得られ
るまで行われる。
【0020】また、重縮合反応は、触媒の存在下に行わ
れ、触媒としては従来一般に用いられているアンチモ
ン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウ
ム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、コバルト等
の金属の化合物のほか、スルホサリチル酸、o−スルホ
安息香酸無水物等の有機スルホン酸化合物が好ましく用
いられる。
【0021】触媒の添加量は、ポリエステルを構成する
酸成分1モルに対して1×10-5〜1×10-2モル、好まし
くは5×10-5〜5×10-3モル、最適には1×10-4〜3×
10-3モルである。
【0022】なお、本発明においてヒンダードフェノー
ル化合物のような安定剤、蛍光剤、染料のような色調改
良剤、二酸化チタンのような顔料等の添加物を含有させ
ても差し支えない。
【0023】本発明のポリエステル組成物は、その特性
に応じて繊維、フィルム、ボトル等の成形物の製造に用
いられ、有機リン化合物を多量に含有したものはポリエ
ステルに対する難燃剤として用いることもできる。
【0024】
【作用】本発明のポリエステル組成物が優れた耐炎性を
示す理由は明らかではないが、有機リン化合物共重合部
分が熱分解することにより、保護被膜となり酸素を遮断
し、かつ脱水作用を促進し、ポリエステルの炭化を促進
すると同時に、リン酸との相乗効果が現れ、きわめて優
れた溶融落下性が発揮され、良好な耐炎性が発現するも
のと認められる。
【0025】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例においてポリエステルの特性値は次
のようにして測定した。 (1) 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て, 温度20.0℃で測定した。 (2) ジエチレングリコール結合含有量 (D%) ポリエステルをメタノール還流下で2時間アルコリシス
し、生成したエチレングリコールとジエチレングリコー
ルとをガスクロマトグラフィーで分析定量して求めた。 (3) リン原子含有量(P含量) 蛍光X線法により定量した。(「P含量」はポリエステ
ルの構成単位に対するリン原子としての量を示す。) (4) 耐炎性 常法に従って溶融紡糸、延伸して得た糸を筒編地にし、
その1gを長さ10.0cmに丸めて10.0mm径の針金コイル中
に挿入し、45度の角度に保持して、下端から口径0.64mm
のミクロバーナーで点火し、火源を遠ざけて消火した場
合は再び点火を繰り返し、全試料が燃焼しつくすまでに
要する点火回数を求め、5個の試料についての点火回数
(接炎回数と記す) で表した。 (5) 融点Tm及びガラス転移点Tg 示差走査熱量計 (パーキンエルマー社製 DSC−2型)を
用いて、昇温速度20℃/min で測定した。
【0026】参考例 ジフェニルホスフィンオキシドとp−ベンゾキノンとを
エチルセロソルブ中で125℃で2時間反応させて、ジフ
ェニル−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−ホスフィン
オキシド(PPQ)を得た。このPPQ0.1モルとエチ
レンカーボネート0.3モルとをガラスフラスコに仕込
み、触媒として炭酸カリウム0.01モル、溶媒としてエチ
レングリコールジエチルエーテルを0.5モル加え、100℃
で6時間撹拌しながら反応させて有機リン化合物(PP
Q・E)の白色結晶を得た。
【0027】実施例 1 テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応
で得られたビス(β−ヒドロキシエチル) テレフタレー
ト及びその低重合体に、参考例で得られたPPQ・Eの
30重量%エチレングリコール溶液をPPQ・Eの量が5
モル%となる量及びリン酸をポリエステルに対して0.25
重量%となる量で添加し、触媒として酸成分1モルに対
して2×10-4モルの三酸化アンチモンを加え、285℃、
0.4トルで2時間重縮合反応を行った。得られたポリエ
ステル組成物は、〔η〕0.65、Tm 243℃、Tg 70℃、
P含量8840ppmであった。このポリエステル組成物から
の繊維の接炎回数は5.2回であり、十分な耐炎性を有し
ていた。
【0028】実施例2〜6及び比較例1〜5 PPQ・E及びリン酸の添加量を変えて、実施例1と同
様にして、ポリエステル組成物を製造した。得られたポ
リエステル組成物の特性値等を表1に示す。
【0029】実施例7 実施例1と同様にして、ドデカン二酸を3モル%共重合
したポリエステルからなる組成物を製造した。得られた
ポリエステル組成物の特性値等を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、難燃性に優れ、機械的
特性等が良好であると共に、燃焼時の溶融落下性が極め
て良好な耐炎性ポリエステル組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 智子 愛知県豊田市高崎町欠ノ上7−5 (72)発明者 阿部 敏万 愛知県岡崎市上地4丁目3−10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主体と
    し、一般式化1で表される有機リン化合物がジオール成
    分の0.5〜10モル%共重合されたポリエステルに対し、
    リン酸を0.05〜0.5重量%含有させた耐炎性ポリエステ
    ル組成物。 【化1】 (Rは低級アルキレン基、Arは芳香族基を表し、ベン
    ゼン環は低級アルキル基又はハロゲンから選ばれた置換
    基を有していてもよい。また、m、nはそれらの和が1
    〜20となる整数を表す。)
  2. 【請求項2】 ポリエステルが次式で表されるアルキレ
    ンジカルボン酸が酸成分の1〜10モル%共重合されたポ
    リエステルである請求項1記載の耐炎性ポリエステル組
    成物。 HOOC−R2−COOH (R2はアルキレン基を表す。)
JP18028691A 1991-06-25 1991-06-25 耐炎性ポリエステル組成物 Pending JPH051212A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110157039A (zh) * 2018-02-14 2019-08-23 远东新世纪股份有限公司 磷酸酯稳定剂的制备方法
JP2022001612A (ja) * 2020-06-19 2022-01-06 Dic株式会社 リン含有活性エステル、硬化性樹脂組成物、硬化物、プリプレグ、回路基板、ビルドアップフィルム、半導体封止材、及び、半導体装置

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