JPH05119412A - 残留放射線画像消去方法および装置 - Google Patents

残留放射線画像消去方法および装置

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JPH05119412A
JPH05119412A JP30687391A JP30687391A JPH05119412A JP H05119412 A JPH05119412 A JP H05119412A JP 30687391 A JP30687391 A JP 30687391A JP 30687391 A JP30687391 A JP 30687391A JP H05119412 A JPH05119412 A JP H05119412A
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erasing light
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放射線画像を蓄積記録した蓄積性蛍光体シー
トから励起光照射により放射線画像を読み取った後、そ
の蛍光体シートに消去光を照射して残留画像を消去する
際に、通常レベルのトラップの電子による残留画像と共
に、深いレベルのトラップの電子による残留画像をも効
率良く消去することができ、更に経時後の残留画像の浮
き上りが少ない残留放射線画像の消去方法と装置を提供
する。 【構成】 放射線画像を蓄積記録した蓄積性蛍光体シー
トから励起光照射により放射線画像を読み取った後、蛍
光体シートに消去光を照射して残留画像を消去する方法
で、消去光の照射による残留画像の消去を、蛍光体シー
トに先ず紫外線領域の波長成分を含む第一の消去光を照
射し、次に400nmより長波長の光のみからなり、か
つ500nmより短波長側の波長成分を含む第二の消去
光を照射することにより行なう残留放射線像消去方法、
および消去装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄積性蛍光体シートに
蓄積記録された放射線画像を励起光照射により読み取っ
た後、該蓄積性蛍光体シートに消去光を照射して残留放
射線画像を消去する方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ある種の蛍光体に放射線(X線、α線、
β線、γ線、紫外線、電子線等)を照射すると、この放
射線のエネルギーの一部がその蛍光体中に蓄積されて、
その後その蛍光体に可視光等の励起光を照射すると、蓄
積されたエネルギーに応じて蛍光体が輝尽発光を示す。
このような性質を示す蛍光体は蓄積性蛍光体あるいは輝
尽性蛍光体は呼ばれる。これまでに蓄積性蛍光体として
は各種のものが知られているが、その代表的なものとし
てユーロピウムなどの希土類元素により付活されている
ハロゲン化バリウム蛍光体、セリウムなどの希土類元素
により付活されているオキシハライド蛍光体などが知ら
れている。また、それらの蛍光体に各種の添加物が導入
された蓄積性蛍光体も知られている。
【0003】この蓄積性蛍光体を、バインダを用い、あ
るいは用いることなくシート状に成形して蓄積性蛍光体
シートとし、この蓄積性蛍光体シートを用いて人体等に
関する放射線画像情報を記録し、これを励起光で走査し
て輝尽発光させ、この輝尽発光を光電的に読み取って画
像信号を得、次いでこの画像信号を処理して診断適正の
良い画像を得る方法が、放射線画像記録再生方法として
提案されている(例えば、特開昭55−12429号公
報、同56−11395号公報、同55−163472
号公報、同56−104645号公報、同55−116
340号公報など)。この放射線画像記録再生方法にお
いては、励起光と輝尽発光光の波長域を分離し、きわめ
て微弱な輝尽発光光を効率良く検出するために、600
〜700nmの波長域の励起光により300〜500n
mの輝尽発光光を検出するのが好ましく、このため、蓄
積性蛍光体としても600〜700nmの光で励起する
と300〜500nmの輝尽発光光を発するものが好ま
しく用いられるとされている(特開昭55−12429
号公報)。なお、最終的な画像はハードコピー(プリン
トされた画像、写真として作成した画像など)として再
生したものでもよいし、CRT上に再生したものでもよ
い。なお、上記の蓄積性蛍光体シートには、一般的なシ
ート状のものの他、ベルト状に成形されたもの、あるい
はドラム状に成形されたものなど多様な形態があるが、
本明細書では、これらを総称して「シート」と言う。
【0004】上記の蓄積性蛍光体シートに蓄積記録され
た放射線画像は消去することができるため、蓄積性蛍光
体シートは繰り返して使用できるとの利点がある。従っ
て、放射線画像記録再生方法においては、蓄積性蛍光体
シートは一般に繰り返して使用される。ただし、蓄積性
蛍光体シートから一旦蓄積記録された放射線画像を読み
出す時に、充分な強度の励起光を照射すれば、記録され
ていた放射線画像情報に対応する蓄積放射線エネルギー
は外部に放出され、消滅するはずであるが、実際には読
み出し時に照射する励起光のみでは完全な消去はできな
い。従って、蓄積性蛍光体シートを繰り返し使用すると
きは、前回撮影の放射線画像が残って次回に形成される
放射線画像のノイズになるという問題がある。
【0005】また、蓄積性蛍光体中には 226Ra、や40
K等の放射線同位元素が微量混入しているため、これら
の放射性同位元素から放射される放射線によって、蓄積
性蛍光体シートは放置しておいても放射線エネルギーを
蓄積し、これもノイズの原因になる。さらに宇宙線や環
境中の放射性同位体からの放射線等の環境放射線によっ
て放射線エネルギーが蓄積性蛍光体シートに蓄積され
る。これらの蓄積性蛍光体シートの放置の間に蓄積され
る放射線エネルギー(これを「カブリ」という)もまた
次回撮影の放射線画像像に対してノイズとなるものであ
るから、このカブリも次の撮影前には消去しなければな
らない。
【0006】上記のような蓄積性蛍光体シートを繰り返
し循環使用する放射線画像記録再生方法において、蓄積
性蛍光体シートに残留している前回撮影の放射線画像に
起因するノイズ、およびカブリに起因するノイズの発生
を防止するために、蓄積性蛍光体シートに新たに放射線
画像情報を記録する前に、蓄積性蛍光体シートに、蓄積
性蛍光体の励起光波長領域の光を含む波長の光を照射し
て、残留している放射線エネルギーを充分に放出せし
め、残留放射線画像を消去する操作を行なうことは既に
知られている。
【0007】上記の消去方法としては、可視光乃至赤外
線を放射するタングステンランプ、ハロゲンランプ、赤
外線ランプ等の比較的長い波長の光を発する光源を使っ
たもの(特開昭56−11392号公報記載)、蛍光
灯、レーザ光源、ナトリウムランプ、ネオンランプ、メ
タルハライドランプ、キセノンランプ等の400〜60
0nm程度の比較的短い波長の光を使う方法(特開昭5
8−83839号公報記載)、一回消去をした蓄積性蛍
光体シートに、一回目の消去に比して、その1/5〜3
/10000の照射量で二回目の消去を、蓄積性蛍光体
シートの再使用直前に行なう方法(特開昭57−116
300号公報記載)等が知られている。そして、特に可
視光領域での消去が効率がよいとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の蓄積性蛍光体シ
ートからの残留放射線画像の消去に際して、全く紫外線
領域の波長を含まない消去光源で消去を行なうと、可視
光では消えにくい比較的深いレベルにあるトラップ電子
による残留画像は、充分に消去することができない。一
方、紫外線領域の波長の光を多く含む消去光で消去を行
なうと、上記の深いレベルにあるトラップ電子による残
留画像は消去できるものの、紫外線領域の波長の消去光
自身が、蓄積性蛍光体内に新たなトラップ電子を形成し
てしまい、その結果やはり充分な残留画像の消去を行な
うことができない。
【0009】従って、通常のトラップおよび深いトラッ
プの双方に存在する電子による画像を同時に消去し、実
用上において問題とならない充分な消去を行なうことは
非常に難しい。特に、通常の撮影の後に、高感度撮影を
しようとしる場合などでは、残留画像の影響がでやすく
なるため、消去光中の短波長成分の微妙なコントロール
が必要となる。
【0010】上記の理由から、通常のレベルのトラップ
にある電子による残留放射線画像と共に、深いレベルの
トラップにある電子による残留放射線画像をも効率良く
消去することのできる残留放射線画像の消去方法および
装置が開発されることが望ましい。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、放射線画像を
蓄積記録した蓄積性蛍光体シートから励起光照射により
放射線画像を読み取った後、上記蛍光体シートに消去光
を照射して残留放射線画像を消去する方法であって、上
記消去光の照射による残留放射線画像の消去を、上記蛍
光体シートに先ず紫外線領域の波長成分を含む第一の消
去光を照射し、次いで実質的に400nmより長波長の
光のみからなり、かつ500nmより短波長側の波長成
分を含む第二の消去光を照射することにより行なうこと
を特徴とする残留放射線画像消去方法を提供する。
【0012】また本発明は、紫外線領域の波長成分を含
む第一の消去光を発光する第一の消去光源、実質的に4
00nmより長波長の光のみからなり、かつ500nm
より短波長側の波長成分を含む第二の消去光を発光する
第二の消去光源、そして放射線画像の読み取りを終了し
た蓄積性蛍光体シートに、まず第一の消去光を照射し、
次いで第二の消去光を照射するように制御する制御手段
を含むことを特徴とする上記の残留放射線画像消去方法
の実施に適した残留放射線画像消去装置を提供する。
【0013】また本発明は、紫外線領域の波長成分と可
視光領域の波長成分とを共に含む消去光を発光する消去
光源、カット波長が400nm〜500nmの間にあ
り、そのカット波長より短波長側の光を実質的に遮蔽す
る移動可能なフィルタ、そしてフィルタを移動させて消
去光源と蓄積性蛍光体シートとの間に所望の時期に介在
させる手段、そして放射線画像の読み取りを終了した蓄
積性蛍光体シートに、消去光源から消去光をフィルタの
介在なしに照射させ、次いで同じ消去光源からフィルタ
を介在させて、蓄積性蛍光体シートに消去光が再度照射
されるように消去光源を制御する制御手段を含むことを
特徴とする、上記の残留放射線画像消去方法の実施に適
した残留放射線画像消去装置をも提供する。
【0014】本発明による残留放射線画像の消去方法お
よび装置は、先ず紫外線領域の波長成分を含む第一の消
去光の照射により、蓄積性蛍光体中の深いレベルのトラ
ップに残っている電子まで放出させ、次いで、第一の消
去光の紫外線領域の波長成分によって新たにトラップさ
れた比較的浅いレベルのトラップにある電子を、紫外線
を含まない長波長の第二の消去光(ただし、400〜5
00nmの波長成分の光は含む)で放出させて、全体と
して充分なレベルまで消去を行なうようにしたことを特
徴とするものである。本発明において紫外線領域とは、
波長200nm〜400nmを意味する。
【0015】本発明の残留放射線画像の消去方法を利用
することにより、浅いレベルのトラップにいる電子から
深いレベルのトラップにいる電子まで、残留放射線画像
を形成していた電子は充分に放出され、たとえば、次に
高感度撮影を行なった場合でも、残留放射線画像の影響
を受けない良質の画像を得ることができる。
【0016】なお、第一の消去の際、紫外線領域の波長
成分により新たに形成されるトラップ電子の中には、多
少深いトラップのものもあり得るが、全体から見ればそ
の数は少ないため、本発明の消去方法を用いることによ
り、従来の消去方法に比べると極めて効率の良い消去を
行なうことができる。
【0017】以下、添付図面を参照しながら本発明を詳
細に説明する。第1図は、本発明の方法を実施する装置
の一例を示すもので、読み取りの終了した蓄積性蛍光体
シート11が搬送ベルト12により第一の消去光源13
の下に送り込まれる。蓄積性蛍光体シート11はエンド
レスベルト14により矢印の方向に搬送されながら、第
一の消去光源14による消去が行なわれる。次いで、蓄
積性蛍光体シートは、第二の消去光源15の下に送られ
る。第二の消去光源15の下部にはシャープカットフィ
ルタ16が付設されている。ここで蓄積性蛍光体シート
11はエンドレスベルト17によりさらに矢印の方向に
搬送されながら、第二の消去光源15による消去が行な
われる。
【0018】なお本発明の消去装置には、蓄積性蛍光体
シートに、第一の消去光を照射した後、第二の消去光
を、第一の消去光に対して、その光量比を好ましくは、
10/90〜80/20(第二の消去光の光量/第一の
消去光の光量)、さらに好ましくは15/85〜60/
40、特に好ましくは20/80〜50/50、にて照
射するように、前記二つの消去光源の両方もしくはいず
れか一方を制御する制御手段(消去光源点灯制御手段)
18が配設されている。
【0019】第一の消去光源としては、紫外線領域の波
長成分を含む消去光を発光するランプが使用される。そ
の例としては、各種の蛍光ランプ、水銀ランプ、メタル
ハライドランプ、紫外線ランプ等を挙げることができ
る。効率の良い消去を行なうためには、この第一の消去
光源に紫外線領域の光のみならず可視光も含むものを使
う方が望ましく、そのためには、例えば、紫外線ランプ
と、高圧あるいは低圧ナトリウムランプとを組合せて使
用してもよい。
【0020】蛍光灯には各種のものがあり、その例とし
て、白色(W)、温白色(WW)、昼光色(D)、白熱
電球色、高演色性白色(W−DL)、(W−SDL)、
(W−EDL)、等の通常の蛍光体の他、緑(G)、青
(B)、高演色性白色(LCD)等の冷陰極蛍光灯を挙
げることができる。これらは、いずれも約300nmか
ら750nmにわたる広いバンドスペクトルを有してお
り、特に600nmを中心として幅が広い高発光域を有
する。特に、通常の蛍光灯は450nm付近と550n
m付近に高い輝度のラインスペクトルを有し、第一の消
去光源として有利に使うことができる。
【0021】また、水銀ランプは350nmから600
nm付近にかけて数本の高い輝度のラインスペクトルを
有するので、これもまた第一の消去光源として有利に使
うことができる。
【0022】なお、高圧ナトリウムランプは500〜7
00nmにかけて広いバンドスペクトルを有し、紫外線
領域の光は比較的少ないので、これを第一の消去光源と
して用いるときは紫外線ランプを併用すること望まし
い。また低圧ナトリウムランプは580nm付近に高い
輝度のラインスペクトルを有するが、紫外線領域におい
ては充分な発光を示さないので、これを第一の消去光源
として使うときは紫外線ランプの併用が必要である。
【0023】紫外線ランプには、ブラックホワイト蛍光
ランプ(BL)、健康線用蛍光ランプの他、冷陰極蛍光
灯のBLE、ULE等があり、いずれも300〜400
nmの間に極めて高い輝度のバンドスペクトルを有して
いる。
【0024】第二の消去光源15としては、第一の消去
光源として使用可能な上述の光源のうち紫外線ランプを
除く全てのランプが、必要に応じてフィルタ(特に、シ
ャープカットフィルタ16)と組み合わせることにより
使用可能である。すなわち、紫外線領域およびこれより
短波長の発光分布を有するものには、400nm〜50
0nmの間にカット波長を有し、そのカット波長より短
波長の光をカットするシャープカットフィルタ16を組
み合せて使用することにより、第二の消去光源15とし
て使用することができる。なお、上記のフィルタのカッ
ト波長は420〜480の範囲にあることが特に好まし
い。
【0025】シャープカットフィルタについては、JI
S−B7113−1975に規定があり、分光的特性と
して、(1)波長傾斜幅は35nm以下である、(2)
透過限界波長は、所定のシャープカット波長との差とし
て5mm以下である、(3)光透過域における透過率の
平均値が85%以上である、そして(4)吸収限界波長
よりも30nm以上短い波長の吸収域において透過率が
1%以下である、との特性を有する。
【0026】第二の消去光源15で用いられ得るフィル
タの例としては、カット波長が420nmで、それより
長波長の光のみ透過する(株)HOYAのシャープカッ
トフィルタ「L−42」が好適なものとして挙げること
ができる。
【0027】本発明によれば、第二の消去光源の発光分
布の中に、紫外線領域もしくはそれより短波長側の成分
の光がなく、このため蓄積性蛍光体シート中の蓄積性蛍
光体に新たなトラップ電子が形成されることが実質的に
ないので、初期の目的を容易に達成することができる。
また本発明によれば、第二の消去光源の発光分布の中
に、400nm〜500nmの波長成分が含まれている
ため、消去操作後の残留放射線画像の浮き上り現象(消
去操作を行なったのち、一定時間を経過すると、一旦大
きく低減した残留放射線画像の強度が若干上昇する現
象。蛍光体の比較的深いレベルのトラップに捕捉された
電子の一部が、放置されているうちに環境条件の影響
(環境温度等の影響)で浅いレベルのトラップに落ち、
これが残留放射線画像の強度の上昇をもたらすものと考
えられる。)の抑制が実現する。これは、第二の消去光
のなかに比較的エネルギーの高い400nm〜500n
mの波長成分の光が含まれているため、蛍光体の比較的
深いレベルのトラップに捕捉された電子を、この第二の
消去工程で効率良く放出するためであると考えられる。
一方、第二の消去工程において、光源として500nm
よりも長波長成分のみの光を用いた場合には、この第二
の消去工程において、蛍光体の比較的深いレベルのトラ
ップの電子が放出されにくいため、残留放射線画像の浮
き上りの抑制に有効とならない。
【0028】前述の第1図により説明した装置では、第
一の消去光源13と第二の消去光源15を直列に並べ
て、蓄積性蛍光体シート11を第一の消去光源13で消
去した後、蓄積性蛍光体シート11を第二の消去光源1
5の下に移動させて第二の消去光源15(およびシャー
プカットフィルタ16)で消去しているが、これは、第
一の消去光源と第二の消去光源を混在させた光源群を用
意し、この下に蓄積性蛍光体シートを置いたまま、最初
に第一の消去光源のみを点灯し、次に第二の消去光源の
み点灯するようにしてもよいことは勿論である。
【0029】また、第2図に示すように、紫外線領域
と、紫外線領域より長い波長成分の両方を含む消去光源
(ランプ)23、移動可能なシャープカットフィルタ2
6、フィルタを消去光源と蓄積性蛍光体シートとの間に
所望の時期に介在させるように移動させる手段29、そ
して蓄積性蛍光体シートに、消去光源から消去光をフィ
ルタの介在なしに照射させ、次いで同じ消去光源からフ
ィルタを介在させて、蓄積性蛍光体シートに、最初の消
去光に対して好ましくは光量比10/90〜80/20
の消去光が照射されるように、消去光源を制御する制御
手段(照射光量制御手段)28からなる消去装置を用意
し、蓄積性蛍光体シート21を消去光源の下の支持・搬
送ベルト22の上に置き、まずシャープカットフィルタ
26を外した状態で消去光源23を点灯し、次いでシャ
ープカットフィルタ26を消去光源23の下部(消去光
源23と蓄積性蛍光体シート21との間)に移動した
後、再び消去光源23を、それぞれ、好ましくは所定の
光量が蓄積性蛍光体シート21に照射されるように制御
しながら、点灯するようにして、目的の第一の消去工程
と第二の消去工程とを行なってもよい。
【0030】
【実施例】
[実施例1]プラスチック製支持体の上に輝尽性蛍光体
層(BaFBr0.80.2 :0.001Eu2+がポリマ
ーバインダ中に分散されてなる層)を形成させた蓄積性
蛍光体シートの全面に、管電圧80KVpでX線を照射
したのち、その表面を励起光(He−Neレーザ光:6
33nm)により走査して輝尽発光を発生させた。この
輝尽発光光をフィルタ(輝尽励起光の入射を防ぐフィル
ター、例B−390)を通して光電子増倍管で受光して
発光量(初期輝尽発光量)を測定した。
【0031】別に、第一の消去光源として白色蛍光ラン
プ、そして第二の消去光源として白色蛍光ランプとシャ
ープカットフィルタ(SC−46、カット波長:460
nm)を組合せた消去装置を用意し、上記の励起処理後
の蓄積性蛍光体シートを先ず第一消去光源の白色蛍光ラ
ンプの下に置き、白色蛍光ランプを点灯した。この蓄積
性蛍光体シートを、次いで第二の消去光源の下に置き、
白色蛍光ランプを点灯し、その光をシャープカットフィ
ルタを通して蓄積性蛍光体シートに照射した。この二回
の消去操作を行なったのちに、上記と同様にして蓄積性
蛍光体シートに励起光を照射して輝尽発光量(消去後輝
尽発光量)を測定した。
【0032】なお、上記の消去操作では、それぞれの消
去工程における蛍光ランプの点灯時間を変えて、各消去
工程において蓄積性蛍光体シートに照射される光量の比
を変動させ、その光量比による消去効率の変動を調べ
た。その結果を第3図にグラフとして示す。このグラフ
から、第一の消去光もしくは第二の消去光のいずれか一
方のみによる消去に比較して、合計光量を一定にした場
合でも、消去光源として紫外線を含む消去光を発する光
源と、カット波長が400〜500nmの範囲にあるシ
ャープカットフィルターを組み合わせた光源とを、この
順で用いる消去が消去効率を考えると有利であることが
わかる。そして特に、第一の消去光と第二の消去光の前
述の特定の範囲の光量比が有利であることもわかる。
【0033】[実施例2]第二の消去光源に組み合わせ
て用いたシャープカットフィルタを、カット波長を40
0nm、420nm、460nm、500nm、そして
520nmに変えた以外は実施例1と同様にして消去後
輝尽発光量を求め、更にそれぞれの蓄積性蛍光体シート
を暗所に室温で、24時間に放置したのち同様に輝尽発
光量を測定して残留放射線画像の浮き上りを見た。ま
た、比較のため、フィルタを用いない場合の残留放射線
画像の浮き上りを見た。なお、この消去操作では、それ
ぞれの消去工程における蛍光ランプの点灯時間を、第一
の消去工程において蓄積性蛍光体シートに照射される光
量に対する第二の消去工程において蓄積性蛍光体シート
に照射される光量の比(第二工程の光量/第一工程の光
量)を40/60に固定した。その結果を第4図にグラ
フとして示す。
【0034】この第4図のグラフからも、第二の消去光
のカット波長が400〜500nmの領域にあると、残
留放射線画像の浮き上りが有効に抑制されることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消去方法を実施する装置の一例を示す
模式図。
【図2】本発明の消去方法を実施する装置の他の例を示
す模式図。
【図3】本発明の消去方法による作用効果を示す実験デ
ータのグラフ。
【図4】本発明の消去方法による作用効果を示す他の実
験データのグラフ。
【符号の説明】 11 蓄積性蛍光体シート 12 搬送ベルト 13 第一の消去光源 14 エンドレスベルト 15 第二の消去光源 16 カットフィルタ 17 エンドレスベルト 18 消去光源点灯制御手段 21 蓄積性蛍光体シート 22 搬送・支持ベルト 23 消去光源(共用) 26 カットフィルタ 28 光源点灯制御手段 29 フィルタ移動手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線画像を蓄積記録した蓄積性蛍光体
    シートから励起光照射により放射線画像を読み取った
    後、上記蛍光体シートに消去光を照射して残留放射線画
    像を消去する方法であって、上記消去光の照射による残
    留放射線画像の消去を、上記蛍光体シートに先ず紫外線
    領域の波長成分を含む第一の消去光を照射し、次いで実
    質的に400nmより長波長の光のみからなり、かつ5
    00nmより短波長側の波長成分を含む第二の消去光を
    照射することにより行なうことを特徴とする残留放射線
    画像消去方法。
  2. 【請求項2】 放射線画像を蓄積記録した蓄積性蛍光体
    シートから励起光照射により放射線画像を読み取った
    後、上記蛍光体シートに消去光を照射して残留放射線画
    像を消去する装置であって、紫外線領域の波長成分を含
    む第一の消去光を発光する第一の消去光源、実質的に4
    00nmより長波長の光のみからなり、かつ500nm
    より短波長側の波長成分を含む第二の消去光を発光する
    第二の消去光源、そして放射線画像の読み取りを終了し
    た蓄積性蛍光体シートに、まず第一の消去光を照射し、
    次いで第二の消去光を照射するように制御する制御手段
    を含むことを特徴とする残留放射線画像消去装置。
  3. 【請求項3】 放射線画像を蓄積記録した蓄積性蛍光体
    シートから励起光照射により放射線画像を読み取った
    後、上記蛍光体シートに消去光を照射して残留放射線画
    像を消去する装置であって、紫外線領域の波長成分と可
    視光領域の波長成分とを共に含む消去光を発光する消去
    光源、カット波長が400nm〜500nmの間にあ
    り、そのカット波長より短波長側の光を実質的に遮蔽す
    る移動可能なフィルタ、そしてフィルタを移動させて消
    去光源と蓄積性蛍光体シートとの間に所望の時期に介在
    させる手段、そして放射線画像の読み取りを終了した蓄
    積性蛍光体シートに、消去光源から消去光をフィルタの
    介在なしに照射させ、次いで同じ消去光源からフィルタ
    を介在させて、蓄積性蛍光体シートに消去光が再度照射
    されるように消去光源を制御する制御手段とを含むこと
    を特徴とする残留放射線画像消去装置。
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