JPH05117876A - 良導電性金属層を有するポリパラバン酸樹脂積層体の製法 - Google Patents
良導電性金属層を有するポリパラバン酸樹脂積層体の製法Info
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- JPH05117876A JPH05117876A JP28360291A JP28360291A JPH05117876A JP H05117876 A JPH05117876 A JP H05117876A JP 28360291 A JP28360291 A JP 28360291A JP 28360291 A JP28360291 A JP 28360291A JP H05117876 A JPH05117876 A JP H05117876A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリパラバン酸フィルムのメッキ処理にあた
り、化学エッチングや物理エッチングを必要としない方
法を開発すること、また、溶剤のないポリパラバン酸フ
ィルムと良導電性金属との積層体を提供すること。 【構成】 20wt%以下の溶剤を含有するポリパラバ
ン酸樹脂成形体に無電解メッキにより金属層を形成後、
さらにその上に良導電性金属層を形成することを特徴と
するポリパラバン酸樹脂積層体の製法。
り、化学エッチングや物理エッチングを必要としない方
法を開発すること、また、溶剤のないポリパラバン酸フ
ィルムと良導電性金属との積層体を提供すること。 【構成】 20wt%以下の溶剤を含有するポリパラバ
ン酸樹脂成形体に無電解メッキにより金属層を形成後、
さらにその上に良導電性金属層を形成することを特徴と
するポリパラバン酸樹脂積層体の製法。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、良導電性金属層を有するポリパ
ラバン酸樹脂積層体の製法に関する。
ラバン酸樹脂積層体の製法に関する。
【0002】
【従来技術】プラスチックスの表面は、いくら脱脂処理
を行っても疎水性を示し、メッキ処理液とのなじみが悪
いので、従来は、プラスチックス表面を化学エッチング
液に浸漬して表面を粗面化すると同時に膨潤させ親水性
化していた。また、化学エッチングのかわりに、コロナ
放電、プラズマ放電等の物理的処理により親水化する方
法も知られている。しかしながら、このような処理工程
の介在は、作業コスト、作業時間、過大な設備投資を必
要とし、極めて好ましくないことである。従来、プラス
チック成形体の表面を金属化するためには、前述のよう
な(a)化学エッチングまたは物理エッチング工程のほ
か、(b)感応性付与工程(c)活性化付与工程(d)
無電解メッキ工程(e)電気メッキ工程の5工程が必要
であった。ポリパラバン酸樹脂は、耐熱性樹脂として最
近多くの用途に使用されつつあり、その成形体の高機能
化の要求に伴って、その表面を金属化する試みもなされ
ている。
を行っても疎水性を示し、メッキ処理液とのなじみが悪
いので、従来は、プラスチックス表面を化学エッチング
液に浸漬して表面を粗面化すると同時に膨潤させ親水性
化していた。また、化学エッチングのかわりに、コロナ
放電、プラズマ放電等の物理的処理により親水化する方
法も知られている。しかしながら、このような処理工程
の介在は、作業コスト、作業時間、過大な設備投資を必
要とし、極めて好ましくないことである。従来、プラス
チック成形体の表面を金属化するためには、前述のよう
な(a)化学エッチングまたは物理エッチング工程のほ
か、(b)感応性付与工程(c)活性化付与工程(d)
無電解メッキ工程(e)電気メッキ工程の5工程が必要
であった。ポリパラバン酸樹脂は、耐熱性樹脂として最
近多くの用途に使用されつつあり、その成形体の高機能
化の要求に伴って、その表面を金属化する試みもなされ
ている。
【0003】
【目的】本発明の目的は、ポリパラバン酸樹脂成形体と
良導電性金属層との積層体を提供するに当り、ポリパラ
バン酸樹脂成形体を化学エッチング処理や物理エッチン
グ処理を施さなくても、該成形体の表面の金属化が可能
な方法を提供することにある。本発明者らは、本発明の
目的を達成するために鋭意研究を行なった結果、驚くべ
きことに、ポリパラバン酸樹脂成形体中に、ポリパラバ
ン酸樹脂の製造工程やその後の取扱い工程で通常使用さ
れる溶剤が、20wt%以下、通常0.001wt%以
上、好ましくは1〜10wt%存在すれば、前記(a)
工程を行なわなくても、前記(b),(c),(d),
(e)工程が何の支障もなく進行し、しかもそれら工程
を経て得られたポリパラバン酸樹脂成形体中には、最終
目的物に種々の弊害をもたらす溶剤が含まれていないこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
良導電性金属層との積層体を提供するに当り、ポリパラ
バン酸樹脂成形体を化学エッチング処理や物理エッチン
グ処理を施さなくても、該成形体の表面の金属化が可能
な方法を提供することにある。本発明者らは、本発明の
目的を達成するために鋭意研究を行なった結果、驚くべ
きことに、ポリパラバン酸樹脂成形体中に、ポリパラバ
ン酸樹脂の製造工程やその後の取扱い工程で通常使用さ
れる溶剤が、20wt%以下、通常0.001wt%以
上、好ましくは1〜10wt%存在すれば、前記(a)
工程を行なわなくても、前記(b),(c),(d),
(e)工程が何の支障もなく進行し、しかもそれら工程
を経て得られたポリパラバン酸樹脂成形体中には、最終
目的物に種々の弊害をもたらす溶剤が含まれていないこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【構成】本発明は、20wt%以下、好ましくは1〜1
0wt%の溶剤を含有するポリパラバン酸樹脂成形体に
無電解メッキにより金属層を形成後、さらにその上に良
導電性金属層を形成することを特徴とするポリパラバン
酸樹脂積層体の製法に関する。前記ポリパラバン酸樹脂
は、反応式〔I〕
0wt%の溶剤を含有するポリパラバン酸樹脂成形体に
無電解メッキにより金属層を形成後、さらにその上に良
導電性金属層を形成することを特徴とするポリパラバン
酸樹脂積層体の製法に関する。前記ポリパラバン酸樹脂
は、反応式〔I〕
【化1】 に示されるような方法等により製造される。式中、R
は、
は、
【化2】 等で示される脂肪族基である。このようにして得られる
ポリパラバン酸は、ガラス転移点が290〜350℃
で、通常ジメチルホルムアミド(DMF)、n−メチル
ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA
C)等の極性溶媒にとかし、流延法により製膜すること
ができる(機能材料1990年8月号第6〜10頁、プ
ラスチックス第37巻第7号第84〜86頁参照)。
ポリパラバン酸は、ガラス転移点が290〜350℃
で、通常ジメチルホルムアミド(DMF)、n−メチル
ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA
C)等の極性溶媒にとかし、流延法により製膜すること
ができる(機能材料1990年8月号第6〜10頁、プ
ラスチックス第37巻第7号第84〜86頁参照)。
【0005】本発明で用いられるポリパラバン酸樹脂成
形体の形状は任意であるが、フィルムの形状が望まし
く、その厚さは通常3〜200μm、好ましくは5〜1
50μm、とくに好ましくは6〜75μmである。
形体の形状は任意であるが、フィルムの形状が望まし
く、その厚さは通常3〜200μm、好ましくは5〜1
50μm、とくに好ましくは6〜75μmである。
【0006】本発明の(b)感応性付与工程は成形品の
表面に還元力のある金属塩を吸着させる工程で、一般に
金属塩として塩化第一スズが適用されている。この処理
液はおおむね塩化第一スズ0.1〜10g/リットル、
塩酸 3〜20cc/リットルよりなり、処理条件は3
0〜50℃、3〜5分程度で、液中に第一スズイオンが
存在するように管理する。建浴方法は、建浴槽の量に対
し70%程度の水を入れ、塩酸を添加したのち、かきま
ぜながら塩化第一スズを少量ずつ添加する。この浴は比
較的老化が早いが、作業方法によってはかなり持続させ
ることも可能である。それには精密ろ過が有効で、連続
的か、1日に一定時間のろ過で、メッキ仕上り面が良好
になると同時に、塩化第一スズの添加で、かなり長期に
わたる使用も可能になる。液温は常温でも作業は可能で
あるが、50℃程度に昇温したほうが均一なメッキ皮膜
が得られ、吸着性もよく化学メッキの析出も良好のよう
である。処理液の老化状態は、建浴当初は透明液である
が、老化が進むにつれ白濁化し、それがさらに進行する
と黄白濁になる。このような状態の処理液で作業を行な
った成形品は、細かいスラッジ状の模様が生じる。この
原因はスズがコロイド状の性質になりやすいためと考え
られる。このような状態になった処理液は、すみやかに
廃し新しく建浴することがたいせつである。感応性付与
処理後の水洗は3段構えで十分に行なう。水洗をあまり
激しく行なうと、化学メッキのつきまわり不良をきたす
原因にもなるので注意を要する。
表面に還元力のある金属塩を吸着させる工程で、一般に
金属塩として塩化第一スズが適用されている。この処理
液はおおむね塩化第一スズ0.1〜10g/リットル、
塩酸 3〜20cc/リットルよりなり、処理条件は3
0〜50℃、3〜5分程度で、液中に第一スズイオンが
存在するように管理する。建浴方法は、建浴槽の量に対
し70%程度の水を入れ、塩酸を添加したのち、かきま
ぜながら塩化第一スズを少量ずつ添加する。この浴は比
較的老化が早いが、作業方法によってはかなり持続させ
ることも可能である。それには精密ろ過が有効で、連続
的か、1日に一定時間のろ過で、メッキ仕上り面が良好
になると同時に、塩化第一スズの添加で、かなり長期に
わたる使用も可能になる。液温は常温でも作業は可能で
あるが、50℃程度に昇温したほうが均一なメッキ皮膜
が得られ、吸着性もよく化学メッキの析出も良好のよう
である。処理液の老化状態は、建浴当初は透明液である
が、老化が進むにつれ白濁化し、それがさらに進行する
と黄白濁になる。このような状態の処理液で作業を行な
った成形品は、細かいスラッジ状の模様が生じる。この
原因はスズがコロイド状の性質になりやすいためと考え
られる。このような状態になった処理液は、すみやかに
廃し新しく建浴することがたいせつである。感応性付与
処理後の水洗は3段構えで十分に行なう。水洗をあまり
激しく行なうと、化学メッキのつきまわり不良をきたす
原因にもなるので注意を要する。
【0007】本発明の(c)活性化付与工程は触媒作用
のある金属(たとえば金、銀、パラジウム、ロジウムな
ど)を吸着させ、前工程の還元性物質により容易に貴金
属をその処理液から析出、吸着させる。貴金属塩は通常
塩化パラジウムを使用する。この場合の液組成は塩化パ
ラジウム0.1〜0.5g/リットル、塩酸3〜20c
c/リットルであり、処理条件は、液温は常温でも可能
であるが50〜60℃に昇温したほうが作業も、化学
銅、ニッケルのつきまわりも良好である。成形品の浸漬
時間は通常1分前後である。建浴法は、塩化パラジウム
は水に対する溶解度が小さいため、最初に塩酸少量に塩
化パラジウムを溶解させて濃縮液を作り、定量に希釈す
る方法が一般に適用されているようである。この処理液
の老化は、前工程の塩化第一スズ溶液の汲み込みによる
ものがいちばん大きい原因となるから十分注意しなけれ
ばならない。本処理後の水洗も3段構え以上が望まし
く、この処理液がつぎの化学メッキ液に汲み込まれる
と、自己分解の促進を起こすのでこの点もあわせて注意
しなければならない。
のある金属(たとえば金、銀、パラジウム、ロジウムな
ど)を吸着させ、前工程の還元性物質により容易に貴金
属をその処理液から析出、吸着させる。貴金属塩は通常
塩化パラジウムを使用する。この場合の液組成は塩化パ
ラジウム0.1〜0.5g/リットル、塩酸3〜20c
c/リットルであり、処理条件は、液温は常温でも可能
であるが50〜60℃に昇温したほうが作業も、化学
銅、ニッケルのつきまわりも良好である。成形品の浸漬
時間は通常1分前後である。建浴法は、塩化パラジウム
は水に対する溶解度が小さいため、最初に塩酸少量に塩
化パラジウムを溶解させて濃縮液を作り、定量に希釈す
る方法が一般に適用されているようである。この処理液
の老化は、前工程の塩化第一スズ溶液の汲み込みによる
ものがいちばん大きい原因となるから十分注意しなけれ
ばならない。本処理後の水洗も3段構え以上が望まし
く、この処理液がつぎの化学メッキ液に汲み込まれる
と、自己分解の促進を起こすのでこの点もあわせて注意
しなければならない。
【0008】本発明の(d)無電解メッキ工程は、通常
の無電解メッキの技術がそのまま適用できる。無電解メ
ッキとしては、いわゆる化学銅メッキや化学ニッケルメ
ッキなどがあるがこれら以外の金属としてはCo、Ag
等をあげることができる。化学銅メッキ法としてはいろ
いろな処方が発表されているが、実際に用いられている
のはホルマリンを還元剤とするフェーリング氏液が主体
になっている。化学銅メッキ槽はできるだけ容量の大き
い容器を使用するのが望ましく、2槽用意して、古い液
と新しい液を充当する。工程として、最初古い液で表面
が黒ずんできたならば新しい液へ移してメッキを行なう
と、新しい液の分解も遅く効果的にメッキ液を使用でき
る。一般に建浴当初は平均に反応が遅いため、このよう
な手法をとると建浴時の問題はほとんどない。また化学
銅メッキ液の上手な使い方として、作業当日のメッキ処
理量にみあった液量を建浴するのも一つの手段として考
えられるであろう。化学銅メッキ皮膜の厚みは0.3〜
0.4μあれば十分である。液温は25℃内外が最適の
ようで、浸せき時間は液組成によって異なるが、おおむ
ね5〜15分の範囲内で処理できる。化学銅メッキ液は
pHが高いほどメッキ速度、分解速度が速く、逆にpH
が下がると遅くなる。メッキ処理が進むに従ってpHが
低下し、速度は低下するのでこの場合カ性ソーダ液の添
加でメッキ速度の回復をはかるようにする。pHは1
1.8〜12.5付近が最良の状態である。ろ過は連
続、不連続にかかわらず行なえば、分解時間が延び、分
解時の金属分の浮遊物を除去する意味においても浴の寿
命を延ばすことができる。化学ニッケルメッキは水溶液
中のニッケル陽イオンに次亜リン酸ソーダを還元剤とし
て添加した場合、液を加熱しただけではニッケルイオン
は還元されないが、この液の中に周期率表の第8族金属
(鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金・・・)
を入れると反応を起こし、水素を発生しながらニッケル
金属が析出するという機構である。これら、無電解メッ
キ層の厚みは200〜2000Å、好ましくは400〜
100Åである。
の無電解メッキの技術がそのまま適用できる。無電解メ
ッキとしては、いわゆる化学銅メッキや化学ニッケルメ
ッキなどがあるがこれら以外の金属としてはCo、Ag
等をあげることができる。化学銅メッキ法としてはいろ
いろな処方が発表されているが、実際に用いられている
のはホルマリンを還元剤とするフェーリング氏液が主体
になっている。化学銅メッキ槽はできるだけ容量の大き
い容器を使用するのが望ましく、2槽用意して、古い液
と新しい液を充当する。工程として、最初古い液で表面
が黒ずんできたならば新しい液へ移してメッキを行なう
と、新しい液の分解も遅く効果的にメッキ液を使用でき
る。一般に建浴当初は平均に反応が遅いため、このよう
な手法をとると建浴時の問題はほとんどない。また化学
銅メッキ液の上手な使い方として、作業当日のメッキ処
理量にみあった液量を建浴するのも一つの手段として考
えられるであろう。化学銅メッキ皮膜の厚みは0.3〜
0.4μあれば十分である。液温は25℃内外が最適の
ようで、浸せき時間は液組成によって異なるが、おおむ
ね5〜15分の範囲内で処理できる。化学銅メッキ液は
pHが高いほどメッキ速度、分解速度が速く、逆にpH
が下がると遅くなる。メッキ処理が進むに従ってpHが
低下し、速度は低下するのでこの場合カ性ソーダ液の添
加でメッキ速度の回復をはかるようにする。pHは1
1.8〜12.5付近が最良の状態である。ろ過は連
続、不連続にかかわらず行なえば、分解時間が延び、分
解時の金属分の浮遊物を除去する意味においても浴の寿
命を延ばすことができる。化学ニッケルメッキは水溶液
中のニッケル陽イオンに次亜リン酸ソーダを還元剤とし
て添加した場合、液を加熱しただけではニッケルイオン
は還元されないが、この液の中に周期率表の第8族金属
(鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金・・・)
を入れると反応を起こし、水素を発生しながらニッケル
金属が析出するという機構である。これら、無電解メッ
キ層の厚みは200〜2000Å、好ましくは400〜
100Åである。
【0009】電気メッキとしてもっとも代表的なケース
は電気銅メッキである。電気銅メッキは、化学銅メッキ
品に対しても、また、化学ニッケルメッキ品に対しても
行うことができる。化学銅メッキを終了した成形品は電
導性をもつのでその上に電気メッキをほどこすが、通常
酸性銅メッキを適用する。酸性銅メッキにはいる前に、
酸性銅ストライク処理を行なうことが好ましい。これは
化学銅メッキ皮膜が非常に薄いため、通常の電気メッキ
の電流量に耐えられず破壊されることがある。このため
に酸濃度が低く、かつ低電流量の酸性銅ストライクが必
要となってくる。しかし酸性銅ストライク浴を別に設け
ず、最初低電流でメッキしたのち、通常の酸性銅メッキ
を行なうこともできる。一般に使用されている酸性銅ス
トライク、酸性銅メッキ浴の組成および処理条件は表
1、表2のとおりである。
は電気銅メッキである。電気銅メッキは、化学銅メッキ
品に対しても、また、化学ニッケルメッキ品に対しても
行うことができる。化学銅メッキを終了した成形品は電
導性をもつのでその上に電気メッキをほどこすが、通常
酸性銅メッキを適用する。酸性銅メッキにはいる前に、
酸性銅ストライク処理を行なうことが好ましい。これは
化学銅メッキ皮膜が非常に薄いため、通常の電気メッキ
の電流量に耐えられず破壊されることがある。このため
に酸濃度が低く、かつ低電流量の酸性銅ストライクが必
要となってくる。しかし酸性銅ストライク浴を別に設け
ず、最初低電流でメッキしたのち、通常の酸性銅メッキ
を行なうこともできる。一般に使用されている酸性銅ス
トライク、酸性銅メッキ浴の組成および処理条件は表
1、表2のとおりである。
【表1】
【表2】 化学ニッケルメッキ品についても化学銅メッキ品と同様
のことがあり、化学ニッケルメッキ後、ただちに酸性銅
メッキを行なうと低電流部分に密着不良を起こすことが
ある。この原因は化学ニッケルの電流効率とか、ニッケ
ル−リン合金上の酸性銅メッキ皮膜との密着機構の問題
などが考えられる。したがって化学ニッケルメッキ後は
ニッケルストライクを行なうのが無難といえる。ニッケ
ルストライクの浴組成および処理条件は表3のとおりで
ある。
のことがあり、化学ニッケルメッキ後、ただちに酸性銅
メッキを行なうと低電流部分に密着不良を起こすことが
ある。この原因は化学ニッケルの電流効率とか、ニッケ
ル−リン合金上の酸性銅メッキ皮膜との密着機構の問題
などが考えられる。したがって化学ニッケルメッキ後は
ニッケルストライクを行なうのが無難といえる。ニッケ
ルストライクの浴組成および処理条件は表3のとおりで
ある。
【表3】 これら電気メッキ層の厚みは、1〜40μm、好ましく
は2〜10μmである。
は2〜10μmである。
【0010】
実施例1 感応性付与工程、活性化付与工程を経た残留溶剤として
ジメチルホルムアミド5重量%有する厚さ20μmのポ
リパラバン酸フィルムを、下記(1)に示す温度約60
℃に調整した無電解メッキ浴中に浸漬して、表面に厚さ
0.05μmの銅メッキ層を形成させた。ついで、これ
を下記(2)に示す温度約30℃に調整した電気メッキ
浴中で、電流密度10アンペア/dm2の状態で、厚さ
10μmの銅層を形成させた。 (1)無電解銅メッキ浴組成 (pH12−12.5に調整) 硫酸銅(CuSO4・5H2O) 0.025 mol/リットル エチレンジアミン・四酢酸 0.1 mol/リットル ビビジル 10 mg/リットル パラホルムアルデヒド 0.25 mol/リットル ポリエチレングリコール 50 mg/リットル (2)電気銅メッキ浴組成 硫酸銅(CuSO4・5H2O) 200 g/リットル 硫酸 30 g/リットル 上記で得られた銅/銅/パラバン酸フィルムより、所定
の試料を切取り、剥離性とカーリングを測定した結果、
下記のとおりであった。 剥離力 銅−銅 間 : 剥離せず 銅−パラバン酸 間: 0.5−0.6kg/4mm2 なお、剥離力の測定方法は、銅面に正確に2mmのピッ
チで線を刻み、その上のほぼ中央部に0.8mmφの銅
線を垂直になるようにハンダ付けし、サンプルを固定
し、前記銅線をオートグラフで、毎分300mmで引っ
張りその抵抗値を測定することによるものである。 カーリング性 4%以下 なお、前記カーリング性は、試料を一辺100mmの正
方形になるように切取り、このサンプルを温度20℃、
湿度65%の環境下に、金属面を上にして水平に3時間
放置し、カーリングにより生じた山部の最大高さhmm
を測定し、(h/100)×100(%)をもってカー
リング性としたものである。 実施例2 感応性付与工程、活性化付与工程を経た残留溶剤として
ジメチルホルムアミド3重量%有する厚さ6μmのポリ
パラバン酸フィルムを、下記(3)に示す温度約60℃
に調整した無電解メッキ浴中に浸漬して、表面に厚さ
0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。つい
で、これを実施例1に示した温度約30℃に調整した電
気メッキ浴中で、電流密度10アンペア/dm2の状態
で、厚さ3μmの銅層を形成させ、実施例1と同様にし
て剥離力およびカーリング性を測定した結果、下記のと
おりであった。 (3)ニッケル無電解メッキ浴組成 硫酸ニッケル(NiSO4・6H2O) 0.1 mol/リットル クエン酸ナトリウム 0.2 mol/リットル ジメチルアミノベンズアルデヒド 0.01 mol/リットル 塩化アンモニウム 30 g/リットル 硼酸(H3BO3) 30 g/リットル 剥離力 銅−ニッケル 間 : 剥離せず ニッケル−パラバン酸 間: 0.4 kg/4mm2 カーリング性 3%以下
ジメチルホルムアミド5重量%有する厚さ20μmのポ
リパラバン酸フィルムを、下記(1)に示す温度約60
℃に調整した無電解メッキ浴中に浸漬して、表面に厚さ
0.05μmの銅メッキ層を形成させた。ついで、これ
を下記(2)に示す温度約30℃に調整した電気メッキ
浴中で、電流密度10アンペア/dm2の状態で、厚さ
10μmの銅層を形成させた。 (1)無電解銅メッキ浴組成 (pH12−12.5に調整) 硫酸銅(CuSO4・5H2O) 0.025 mol/リットル エチレンジアミン・四酢酸 0.1 mol/リットル ビビジル 10 mg/リットル パラホルムアルデヒド 0.25 mol/リットル ポリエチレングリコール 50 mg/リットル (2)電気銅メッキ浴組成 硫酸銅(CuSO4・5H2O) 200 g/リットル 硫酸 30 g/リットル 上記で得られた銅/銅/パラバン酸フィルムより、所定
の試料を切取り、剥離性とカーリングを測定した結果、
下記のとおりであった。 剥離力 銅−銅 間 : 剥離せず 銅−パラバン酸 間: 0.5−0.6kg/4mm2 なお、剥離力の測定方法は、銅面に正確に2mmのピッ
チで線を刻み、その上のほぼ中央部に0.8mmφの銅
線を垂直になるようにハンダ付けし、サンプルを固定
し、前記銅線をオートグラフで、毎分300mmで引っ
張りその抵抗値を測定することによるものである。 カーリング性 4%以下 なお、前記カーリング性は、試料を一辺100mmの正
方形になるように切取り、このサンプルを温度20℃、
湿度65%の環境下に、金属面を上にして水平に3時間
放置し、カーリングにより生じた山部の最大高さhmm
を測定し、(h/100)×100(%)をもってカー
リング性としたものである。 実施例2 感応性付与工程、活性化付与工程を経た残留溶剤として
ジメチルホルムアミド3重量%有する厚さ6μmのポリ
パラバン酸フィルムを、下記(3)に示す温度約60℃
に調整した無電解メッキ浴中に浸漬して、表面に厚さ
0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。つい
で、これを実施例1に示した温度約30℃に調整した電
気メッキ浴中で、電流密度10アンペア/dm2の状態
で、厚さ3μmの銅層を形成させ、実施例1と同様にし
て剥離力およびカーリング性を測定した結果、下記のと
おりであった。 (3)ニッケル無電解メッキ浴組成 硫酸ニッケル(NiSO4・6H2O) 0.1 mol/リットル クエン酸ナトリウム 0.2 mol/リットル ジメチルアミノベンズアルデヒド 0.01 mol/リットル 塩化アンモニウム 30 g/リットル 硼酸(H3BO3) 30 g/リットル 剥離力 銅−ニッケル 間 : 剥離せず ニッケル−パラバン酸 間: 0.4 kg/4mm2 カーリング性 3%以下
【0011】
【効果】本発明の方法によれば、化学エッチングや物理
エッチングを必要とせずに良導電性金属層をポリパラバ
ン酸樹脂成形体表面に形成することが可能であり、ま
た、ポリパラバン酸成形体中の残留溶剤除去の苦労が解
消する。また本発明により得られたプラスチック金属積
層体は、従来の方法により得られた積層体が時間の経過
とともにカールが発生し、最終的にはくるくる巻きの状
態になってしまう傾向があり、そのため、従来品では圧
延処理等により強制的に平滑化を行っていたが、このよ
うな強制的平滑化は、亀裂、ボイド発生等欠陥を発生さ
せていた。しかしながら、本発明の方法による製品は、
おどろくべきことに、ほとんどカーリング現象がおきな
い点が大きな魅力である。
エッチングを必要とせずに良導電性金属層をポリパラバ
ン酸樹脂成形体表面に形成することが可能であり、ま
た、ポリパラバン酸成形体中の残留溶剤除去の苦労が解
消する。また本発明により得られたプラスチック金属積
層体は、従来の方法により得られた積層体が時間の経過
とともにカールが発生し、最終的にはくるくる巻きの状
態になってしまう傾向があり、そのため、従来品では圧
延処理等により強制的に平滑化を行っていたが、このよ
うな強制的平滑化は、亀裂、ボイド発生等欠陥を発生さ
せていた。しかしながら、本発明の方法による製品は、
おどろくべきことに、ほとんどカーリング現象がおきな
い点が大きな魅力である。
フロントページの続き (72)発明者 平田 純一 神奈川県川崎市中原区今井上町56番地 藤 森工業株式会社内 (72)発明者 海老名 敬輔 東京都中央区築地四丁目1番1号 東燃化 学株式会社内 (72)発明者 土肥 俊一 東京都千代田区丸の内一丁目5番1号 日 東化学工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 20wt%以下の溶剤を含有するポリパ
ラバン酸樹脂成形体に無電解メッキにより金属層を形成
後、さらにその上に良導電性金属層を形成することを特
徴とするポリパラバン酸樹脂積層体の製法。 - 【請求項2】 前記溶剤がジメチルホルムアミドである
請求項1記載のポリパラバン酸樹脂積層体の製法。 - 【請求項3】 前記ポリパラバン酸樹脂成形体がフィル
ムである請求項1または2記載のポリパラバン酸樹脂積
層体の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28360291A JPH05117876A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 良導電性金属層を有するポリパラバン酸樹脂積層体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28360291A JPH05117876A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 良導電性金属層を有するポリパラバン酸樹脂積層体の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117876A true JPH05117876A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17667632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28360291A Pending JPH05117876A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 良導電性金属層を有するポリパラバン酸樹脂積層体の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05117876A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023361A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 芳香族ポリカーボネート系樹脂成形品のメッキ方法およびメッキ成形品 |
JP2011068995A (ja) * | 2010-11-15 | 2011-04-07 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 芳香族ポリカーボネート系樹脂成形品のメッキ方法およびメッキ成形品 |
-
1991
- 1991-10-03 JP JP28360291A patent/JPH05117876A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007023361A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 芳香族ポリカーボネート系樹脂成形品のメッキ方法およびメッキ成形品 |
JP2011068995A (ja) * | 2010-11-15 | 2011-04-07 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 芳香族ポリカーボネート系樹脂成形品のメッキ方法およびメッキ成形品 |
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