JPH05117532A - 高分子分散型液晶形成用フイルム - Google Patents

高分子分散型液晶形成用フイルム

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JPH05117532A
JPH05117532A JP28477491A JP28477491A JPH05117532A JP H05117532 A JPH05117532 A JP H05117532A JP 28477491 A JP28477491 A JP 28477491A JP 28477491 A JP28477491 A JP 28477491A JP H05117532 A JPH05117532 A JP H05117532A
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JP
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liquid crystal
film
polymer
containing film
forming
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Application number
JP28477491A
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English (en)
Inventor
Koichiro Shirota
幸一郎 城田
Takaki Takato
孝毅 高頭
Masanori Sakamoto
正典 坂本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高分子分散型液晶を用いたセルプロセスをドラ
イ化し、液晶表示素子を容易に製造できる高分子分散型
液晶形成用フィルムを提供する。 【構成】液晶成分、成膜性を付与するポリマーおよび反
応性を有する低分子量成分を含む組成物をフィルム化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフラットパネル表示装置
に利用される高分子分散型液晶を形成するためのフィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示素子としては、ネマチッ
ク液晶を使用したTN型またはSTN型のものが実用化
され、強誘電性液晶を利用したものも提案されている。
しかし、これらの液晶を用いて表示素子を形成する場合
には、配向処理などが必要であり、大型の素子を作製す
ることが困難であり、基板の外側に偏光板を設ける必要
があるという欠点がある。
【0003】これに対して、大型で廉価な液晶素子を製
造する技術として、高分子分散型液晶(PDLC:Po
lymer Dispersed LiquidCry
stal)が知られている。高分子分散型液晶とは、マ
トリックスポリマー中に液晶滴を分散させたものであ
る。高分子分散型液晶は、電界が印加されていない場合
には、液晶配列がランダムであり、液晶滴の境界面で光
が散乱されるため白濁する。一方、電界が印加される
と、液晶分子が電界方向に配列し、液晶滴の屈折率n0
とマトリックスポリマーの屈折率np とが等しいときに
は透明になる。この技術を用いれば、配向処理が不要で
あるため大型の素子を作製するのに有利であり、基板の
外側に偏光板を設ける必要もない。
【0004】例えば、特表昭58−501631号公報
およびUSP4,435,047には、ポリビニルアル
コールを用いて液晶分子をカプセル化し、この液晶滴を
マトリックスポリマー中に分散させる技術が開示されて
いる。また、特表昭61−50218号公報には、エポ
キシ樹脂中に液晶を分散させたもの、特開平2−835
34号公報にはウレタンアクリレート樹脂中に液晶を分
散させたものが開示されている。従来、このような高分
子分散型液晶を用いて液晶表示素子を製造するには、以
下のような方法が用いられている。
【0005】例えば、従来の液晶表示素子と同様に、2
枚の透明電極付き基板の間隙に、液晶、モノマー、オリ
ゴマーなどの混合物からなる高分子分散型液晶材料を注
入した後、モノマーおよびオリゴマーを熱または光によ
り硬化させることによりマトリックスポリマーを形成す
るとともに液晶を分散させる方法が知られている。
【0006】しかし、高分子分散型液晶材料は液晶、モ
ノマー、オリゴマーなどの混合物であるため、通常の液
晶よりも粘度が高く、注入が困難である。また、真空注
入しようとすると、低分子のモノマーが揮発するという
欠点がある。
【0007】また、特開平2−73217号公報には、
一方の基板上にマトリックスポリマーと液晶とを揮発性
溶媒に溶解した溶液をキャストし、溶媒を揮発させるこ
とにより高分子分散型液晶層を形成する方法(溶媒蒸発
法)が開示されている。この方法では、高分子分散型液
晶層上に他方の基板を設ける際に、高分子分散型液晶層
の表面の凹凸を平坦化するために高誘電率液体を塗布す
る。
【0008】しかし、この方法では、セルプロセスをド
ライ化できないうえ、高誘電率液体の分だけ電極間が拡
がるため、高分子分散型液晶に印加される電圧が低下す
るという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分
子分散型液晶を用いたセルプロセスをドライ化し、液晶
表示素子を容易に製造できる高分子分散型液晶形成用フ
ィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の高分子分
散型液晶形成用フィルムは、液晶成分、成膜性を付与す
るポリマーおよび反応性を有する低分子量成分を含む組
成物をフィルム化したことを特徴とするものである。
【0011】本発明に係る高分子分散型液晶形成用フィ
ルム(以下、液晶含有フィルムと称する)は、液晶成
分、成膜性を付与するポリマーおよび反応性を有する低
分子量成分を含む組成物を適当な溶媒に溶解し、この溶
液を支持体フィルム上に薄く形成し、低温熱処理するこ
とにより形成される。この液晶含有フィルムを支持体フ
ィルムから剥離した後、一方の透明電極付き基板上に付
着され、所定の硬化反応を起こさせることにより、高分
子分散型液晶層が形成される。さらに、高分子分散型液
晶層上に他方の透明電極付き基板を付着させることによ
り液晶表示素子が作製される。以下、本発明をさらに詳
細に説明する。
【0012】本発明において、液晶成分とは液晶のみ、
またはコアセルベーションなどによりマイクロカプセル
化された液晶を意味する。液晶としては、ネマチック液
晶、スメクチック液晶などが挙げられるが、ネマチック
液晶を用いることが好ましい。これらは単独で用いて
も、混合物を用いてもよい。
【0013】本発明において、ポリマーは組成物に良好
な成膜性を付与するために添加される。ポリマーは、熱
可塑性ポリマー、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれ
でもよいが、少なくとも高分子量の熱可塑性ポリマーを
含有するブレンドマーが好ましい。ポリマーを含んでい
ない場合、液晶を含有するフィルムを形成することはで
きない。
【0014】熱可塑性ポリマーの例は、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ
アクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケ
トン、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリシリコー
ン、変性セルロース系ポリマー(例えばポリメチルセル
ロース、ポリエチルセルロース)、ジエン系ポリマーな
どである。熱硬化性樹脂の例は、ウレタン樹脂、フェノ
キシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、ポリイミド樹脂などである。光硬化性樹脂の例は、
アクリル変性エポキシ樹脂などである。
【0015】液晶含有フィルムの柔軟性を高めるために
は、これらのうち熱可塑性ポリマーとしてジエン系ポリ
マー、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、光硬化性樹脂
としてアクリル変性エポキシ樹脂を用いることが好まし
い。ジエン系ポリマーの具体例は、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、塩素化ポリイソプレンなどである。エポ
キシ樹脂の具体例は、エピコート828、1001、1
004(油化シェルエポキシ社製)などである。アクリ
ル変性エポキシ樹脂の具体例は、前記のエピコート82
8、1001、1004を100%アクリル化した樹脂
などである。
【0016】本発明において、反応性を有する低分子量
成分としては、光硬化剤、熱硬化剤、モノマー、オリゴ
マーなどが挙げられる。低分子量成分としては、これら
の他、硬化促進剤、溶解抑止剤などの添加物を加えても
よい。これらの低分子量成分は液晶含有フィルムに粘着
性を付与する作用を有する。
【0017】光硬化剤の例は、重クロム酸塩、ジアゾニ
ウム塩、水溶性アジド化合物、ジアリールヨードニウム
塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノ
ニウム塩、シラノール/アルミニウム錯体、ベンゾイン
エーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフ
ェノン系化合物、チオキサントン系化合物などである。
これらはフォトレジストの感光性物質として知られてい
るものである。より具体的には、ベンゾフェノン、9,
10−フェナントレンキノン、ミヒラーケトンなどが好
ましい。
【0018】熱硬化剤の例は、DDM、MPD、BF3
MEA、DDS、無水フタル酸、HHPA、THPA、
MNA、HET、DTA、TTA、BDMA、NMR、
メチルエチルケトンパーオキシド、ベンゾイルパーオキ
シド、シクロヘキサノンパーオキシド、ターシャリブチ
ルパーベンゾエート、n−オクタン二酸ジヒドラジドな
どである。これらは、ポリマー中で分散性のよいものが
好ましい。モノマーの例は、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレートなどである。
【0019】本発明に係る液晶含有フィルムでは、所定
の硬化反応により高分子分散型液晶層を形成する。この
高分子分散型液晶層では、熱可塑性ポリマー(反応性を
有する場合にはその反応生成物)、熱硬化性樹脂および
光硬化性樹脂の硬化物がマトリックスポリマーとなる。
【0020】高分子分散型液晶の動作時に透明状態を作
り出すためには、液晶の常光屈折率もしくは異常光屈折
率または液晶がランダムに配向した際の平均屈折率が、
マトリックスポリマーの屈折率とほぼ一致することが必
要である。両者の屈折率を一致させるためには、液晶を
複数成分の混合物とするか、またはポリマーをブレンド
マーとする、ポリマーに添加物を加えるなどにより屈折
率を制御することが好ましい。液晶に関しては、動作温
度、動作電圧などの種々の要求性能を満たすためにも、
混合物を用いることが好ましい。
【0021】以上の成分を適当な溶媒に溶解してフィル
ム形成用の溶液を調製する。溶媒としては、塩化メチレ
ン、トリクロルエチレンなどが用いられる。良好なフィ
ルムを形成するために、この溶液中の液晶の含有量は5
0%以下、さらに30%以下であることが好ましい。
【0022】本発明に係る液晶含有フィルムは、以上の
ようにして調製された溶液を支持体フィルム上に薄く形
成し、低温熱処理して溶媒を揮発させることにより形成
される。この際、液晶がマイクロカプセル化されていな
い場合でも、溶媒蒸発法と同じ原理で、部分的に液晶の
分散状態が生じる。図1に、支持体フィルム1上に液晶
含有フィルム2が形成された状態を示す。
【0023】支持体フィルム1上にフィルム形成用の溶
液を薄く形成するには、塗布法(ドクターナイフ、バー
コーター、グラビアロールコーター、カーテンコータ
ー、ナイフコーターなどを用いる方法)、スプレー法、
浸漬法などが用いられる。
【0024】支持体フィルムとしては、フォトレジスト
に対して使用できることが知られているものを使用でき
る。なお、生産性を考慮すると、液晶含有フィルムをロ
ール状に巻き取れることが好ましいため、支持体フィル
ムは可撓性を有していることが好ましい。支持体フィル
ムの例は、ビニル系ポリマー(例えばポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、フッ素樹脂など)、ポリエステル系ポリ
マー(例えばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レートなど)、セルロースエステル系ポリマー(例えば
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、
セルロースアセテート・ブチレートなど)、ポリアミ
ド、ポリイミド、塩酸ゴムなどである。これらのうちポ
リエチレンテレフタレートが好ましく、さらに強度を増
すために延伸により配向させることが好ましい。
【0025】支持体フィルムは、液晶含有フィルムの形
状を維持するだけの一時的なものであり、液晶含有フィ
ルムを透明電極付き基板に付着させる前に剥離される。
また、液晶含有フィルムが自己保持膜になり得る場合に
は、形成後ただちに支持体フィルムから剥離してもよ
い。
【0026】液晶表示素子の表示コントラストを向上さ
せるためには高分子分散型液晶の膜厚が厚いほうが好ま
しい。一方、高分子分散型液晶の膜厚が厚すぎると、表
示のための駆動電圧が高くなってしまう。したがって、
液晶含有フィルムの好ましい膜厚は3〜25μmであ
る。
【0027】なお、液晶含有フィルムが露出している
と、その表面に汚染物質が付着するおそれがある。この
ため、図2に示すように支持体フィルム1上の液晶含有
フィルム2上に保護フィルム3を設けてもよい。この保
護フィルム3は、支持体フィルムと同様に、フォトレジ
ストに対して使用できることが知られているものを使用
できる。この保護フィルム3は、液晶含有フィルムを透
明電極付き基板に付着させる前に剥離される。この場
合、保護フィルム3としては可撓性が良好なポリエチレ
ンを用いることが好ましく、さらに強度を増すために延
伸により配向させることが好ましい。
【0028】さらに、図3に示すように、保護フィルム
として透明電極4付きの透明フィルム5を用いてもよ
い。また、液晶含有フィルムは低分子量成分を含んでい
るため、素子作製時に基板に対して十分な粘着性を有す
るが、さらに基板に対する液晶含有フィルム2の密着性
を向上するために、その下面(支持体フィルム1上)に
粘着剤層6を設けてもよい。なお、図示しないが、同様
の理由から図2の例において、液晶含有フィルム2の下
面および上面に粘着剤層を設けてもよい。
【0029】図3の透明電極4付きの透明フィルム5
は、液晶表示素子の形成時にそのまま残して使用するの
で、セルプロセスを簡略化できる。この場合、透明フィ
ルム5には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法などによりITO(indium ti
n oxide)などの透明導電膜を形成する必要があ
るため、耐熱性が要求される。したがって、透明フィル
ムとしては、130℃以上の耐熱性を有するポリイミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
硬質塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが
好ましく、延伸により配向させることがより好ましい。
【0030】粘着剤の例は、ゴム系粘着剤(天然ゴム、
GSR、GRI、ネオプレン、塩化ビニルなど)、セル
ロース系粘着剤(エチルセルロース、ブチルセルロー
ス、ベンジルセルロース、ニチロセルロース、酢酸セル
ロースなど)、ビニル系粘着剤(ポリ塩化ビニル、ポリ
アクリル酸エステル、ポリイソブチルエーテル、ポリビ
ニルブチラール、ポリイソブチレンなど)、シリコーン
ゴム系粘着剤などである。耐熱性が要求される場合に
は、シリコーンゴム系粘着剤が好ましい。これらの粘着
剤は、単独で用いてもよいし、粘着付与剤、粘着剤凝集
力調整剤、架橋剤、接着性改良剤などを混合してもよ
い。
【0031】支持体フィルム上に粘着剤層を形成するに
は、溶液法または熱カレンダー法が用いられる。溶液法
の場合には、粘着剤、軟化剤、充填剤などを石油系溶
媒、酢酸エステル、トルエンなどの有機溶媒に溶解し、
さらに粘着付与剤を加え、ナイフコーター、ロールコー
ター、グラビアコーターなどで支持体フィルム上に塗布
し、赤外線、熱風、蒸気などにより加熱乾燥させる。熱
カレンダー法では、有機溶媒を使用せずに粘着剤を加熱
して、カレンダーロールにより支持体フィルム上に付着
させる。
【0032】以上のようにして形成された液晶含有フィ
ルムを用いて液晶表示素子を作製する際には、液晶含有
フィルムを支持体フィルムから剥離して透明電極が形成
された基板に付着させる。本発明に係る液晶含有フィル
ムは、単純マトリックス駆動およびアクティブマトリッ
クス駆動のいずれの液晶表示素子にも適用できる。単純
マトリックス駆動の素子では、透明導電性膜が形成され
た2枚の基板が用いられる。例えば、ITO付きガラス
基板、ITO付き可撓性フィルムなどである。アクティ
ブマトリックス駆動の素子では、能動駆動素子を有する
透明基板例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成した
ガラス基板と、対向電極を有する基板とが用いられる。
カラー表示できる素子では、基板上にカラーフィルタを
介して透明導電性膜が形成されている。液晶含有フィル
ムは、能動駆動素子を有する透明基板に液晶含有フィル
ムを付着させるのが一般的である。ただし、対向電極を
有する基板に付着させてもよい。
【0033】基板に液晶含有フィルムを付着させるに
は、ロールラミネート法、プレス法などにより、連続的
にまたは半連続的に作業を行うことが好ましい。特に、
支持体フィルム(および取り去るべきカバーフィルム)
を用いて液晶含有フィルムが形成されている場合には、
ロールラミネート法により、支持体フィルム(およびカ
バーフィルム)から液晶含有フィルムを剥離し、この液
晶含有フィルムを連続的に基板上に付着させることが好
ましい。
【0034】その後、液晶含有フィルム上に他方の透明
電極付き基板を付着させる。なお、前述したように図3
の例では保護フィルムとして用いられた透明電極4付き
の透明フィルム5をそのまま残して使用するため、他方
の基板を付着させる必要がない。
【0035】次に、液晶含有フィルムに光を照射するか
または加熱することにより、架橋反応(硬化反応)を起
こさせる。液晶がマイクロカプセル化されていない液晶
含有フィルムでも、反応が進行して完全に固体化すると
ともに、マトリックスポリマー中に液晶が分散した状態
となる。
【0036】特に、液晶含有フィルムが光硬化性樹脂を
含有する場合、適当なパターンを有するマスクを介して
露光し、さらに現像処理を行えば、所望のパターンを有
する高分子分散型液晶層を形成できる。液晶含有フィル
ムはネガ型、ポジ型のいずれの場合もあるので、それに
応じて現像液が選択される。現像液はフォトレジストに
対して用いられるものでよい。現像液の例は、有機溶剤
(例えばトリクロルエチレン、塩化メチレン、トルエン
など)、アルカリ現像液などである。さらに、高分子分
散型液晶層を完全に硬化させ、基板との密着性を高める
ために、ポストキュアを行ってもよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 ポリブタジエン(分子量75000)50部、ポリブタ
ジエン(分子量20000)50部、100%アクリル
化エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製のエピコート
828を100%アクリル化した樹脂)100部、エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製のエピコート100
1)10部、ペンタエリスリトールトリアクリレート1
0部、ベンゾフェノン6部、n−オクタン二酸ジヒドラ
ジド0.1部、液晶(BDH社製のE8)100部、溶
媒として塩化メチレン60部。
【0038】この溶液を、ポリエチレンテレフタレート
支持体フィルム上にバーコーターで塗布した。低温加熱
処理を施し、液晶含有フィルムを得た。この液晶含有フ
ィルムは室温で剥離できる。この液晶含有フィルムを支
持体フィルムから剥離してITO付きガラス基板に付着
させた後、紫外線照射装置(ウシオ電機社製ミニキュア
450)により4分間露光して高分子分散型液晶層を形
成した。さらに、他方のITO付きガラス基板を高分子
分散型液晶層の表面に押し付けた後、100℃でポスト
キュアして液晶表示素子を作製した。
【0039】得られた液晶表示素子について、図4に示
す光学系を用いて明暗のコントラストを測定した。この
光学系では、ヘリウム−ネオンレーザ41、レンズ4
2、アパーチャ43、およびフォトダイオード44が順
次配列されている。レーザ41とレンズ42との間に液
晶表示素子45が設置される。レーザ41からのレーザ
ビームを分散型液晶表示素子45に照射し、透過ビーム
をレンズ42およびアパーチャ43を介してフォトダイ
オード44に入射し、透過ビームの強度を測定する。透
過ビームの強度は、ファンクションジェネレータにより
1kHzの方形波を発生させ、分散型液晶表示素子45
の1対のITO電極間に0〜20Vの電圧を印加した状
態で、波長633nm、出力0.5mWのレーザビーム
を照射して測定した。その結果、コントラストは1:1
05であった。 実施例2 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 ポリブタジエン(分子量75000)50部、ポリブタ
ジエン(分子量20000)50部、100%アクリル
化エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製のエピコート
1001を100%アクリル化した樹脂)100部、エ
ポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製のエピコート10
01)10部、ペンタエリスリトールトリアクリレート
20部、ベンゾフェノン6部、n−オクタン二酸ジヒド
ラジド0.1部、液晶(BDH社製のE8)110部、
溶媒として塩化メチレン60部。ポストキュア温度を9
0℃とした以外は実施例1と全く同様にして液晶表示素
子を作製し、コントラストを測定したところ、1:10
1であった。 実施例3 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。ポリイソプレン(分子量70000)50部、ポリ
イソプレン(分子量25000)50部、100%アク
リル化エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製のエピコ
ート1004を100%アクリル化した樹脂)100
部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製のエピコー
ト1001)10部、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート30部、ミヒラーケトン6部、n−オクタン二酸
ジヒドラジド0.1部 液晶(BDH社製のE7)105部 溶媒として塩化メチレン60部。ポストキュア温度を9
0℃とした以外は実施例1と全く同様にして液晶表示素
子を作製し、コントラストを測定したところ、1:10
2であった。 実施例4 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 塩素化ポリイソプレン(分子量60000)50部、塩
素化ポリイソプレン(分子量25000)50部、10
0%アクリル化エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
のエピコート1004を100%アクリル化したもの)
100部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製のエ
ピコート1001)10部、トリメチロールプロパンア
クリレート20部、9,10−フェナントレンキノン6
部、n−オクタン二酸ジヒドラジド0.1部、液晶(B
DH社製のE7)105部、溶媒として塩化メチレン6
0部。実施例1と全く同様にして液晶表示素子を作製
し、コントラストを測定したところ、1:103であっ
た。 実施例5 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 ポリ(メチルメタクリレート)4g、塩素化ポリイソプ
レン18g、トリエチレングリコールジカプレートエス
テル3g、ペンタエリスリトールトリアクリレート3
g、ベンゾフェノン1.6g、ミヒラーケトン0.2
g、液晶(BDH社製のE8)20g、溶媒として塩化
メチレン100g。露光時間を3分間とした以外は実施
例1と全く同様にして液晶表示素子を作製し、コントラ
ストを測定したところ、1:102であった。 実施例6
【0040】液晶(メルク社製のZLI−2293)1
gとウンデシレン酸ナトリウム0.2gとを10ccの
アセトン中で混合し、これを100ccの水に滴下し、
この水溶液を激しく撹拌した。この溶液が乳濁したとこ
ろで、過硫酸カリウム0.05gを添加し、激しく撹拌
しながら重合反応を行った。反応終了後、ろ過し、水洗
し、乾燥させ、粉末状の液晶マイクロカプセルを得た。
以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 ポリ(エチルメタクリレート)3g、塩素化ポリイソプ
レン19g、トリエチレングリコールジカプレートエス
テル3g、ペンタエリスリトールトリアクリレート20
g、ベンゾフェノン1.6g、ミヒラーケトン0.2
g、調製された液晶マイクロカプセル40g、溶媒とし
て塩化メチレン150g。
【0041】露光時間を2分間、ポストキュア温度を8
0℃とした以外は実施例1と全く同様にして液晶表示素
子を作製し、コントラストを測定したところ、1:10
2であった。 実施例7 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート1
001)20g、硬化剤(油化シェルエポキシ社製、カ
ップキュア3−800)15g、硬化促進剤(油化シェ
ルエポキシ社製、エピキュア3−800) 液晶(BDH社製、E8)15g、溶媒としてキシレ
ン。
【0042】この溶液を、ポリエチレンテレフタレート
支持体フィルム上にバーコーターで塗布し、低温加熱処
理を施して液晶含有フィルムを得た。この液晶含有フィ
ルムを支持体フィルムから剥離してITO付きガラス基
板に付着させた後、90℃のオーブンで3時間硬化させ
て高分子分散型液晶層を形成した。さらに、他方のIT
O付きガラス基板を高分子分散型液晶層の表面に押し付
けた後、120℃のオーブンで1時間ポストキュアして
液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子について、
実施例1と同様にしてコントラストを測定したところ、
1:90であった。 実施例8
【0043】保護フィルムとして用いるために、厚さ1
00μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートの表面
に、スパッタリング法により膜厚35nmのITOを形
成しておいた。以下の成分を混合してフィルム形成用の
溶液を調製した。 ポリ(メチルメタクリレート)4g、塩素化ポリイソプ
レン18g、トリエチレングリコールジカプレートエス
テル3g、ペンタエリスリトールトリアクリレート20
g、ベンゾフェノン1.6g、ミヒラーケトン0.2
g、液晶(BDH社製のE8)25g、溶媒として塩化
メチレン100g。
【0044】この溶液を、ポリエチレンテレフタレート
支持体フィルム上にバーコーターで塗布した。この上に
保護フィルムとなるITO付きポリエチレンテレフタレ
ートを付着させた状態で、低温加熱処理を施して液晶含
有フィルムを得た。液晶含有フィルムおよびITO付き
ポリエチレンテレフタレートを支持体フィルムから剥離
してITO付きガラス基板に付着させた後、紫外線照射
装置により3分間露光して液晶表示素子を形成した。こ
の液晶表示素子について、実施例1と同様にしてコント
ラストを測定したところ、1:98であった。 実施例9 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 ポリ(n−ブチルメタクリレート)3.5g、塩素化ポ
リイソプレン18.5g、トリエチレングリコールジカ
プレートエステル3g、ペンタエリスリトールトリアク
リレート20g、ベンゾフェノン1.6g、ミヒラーケ
トン0.2g、液晶マイクロカプセル(実施例6で調製
したもの)30g、溶媒として塩化メチレン150g。
【0045】この溶液を、ポリエチレンテレフタレート
支持体フィルム上にバーコーターで塗布し、低温加熱処
理を施して液晶含有フィルムを得た。この液晶含有フィ
ルムを支持体フィルムから剥離してITO付きガラス基
板に付着させた。次に、英文字パターンを有するマスク
を介して紫外線照射装置により2分間露光し、トリクロ
ルエチレンにより現像処理することにより、英文字パタ
ーンの高分子分散型液晶層を形成した。さらに、他方の
ITO付きガラス基板を高分子分散型液晶層の表面に押
し付けた後、80℃でポストキュアして液晶表示素子を
作製した。この液晶表示素子について、実施例1と同様
にしてコントラストを測定したところ、1:97であっ
た。 実施例10 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 ポリ(メチルメタクリレート)4g、塩素化ポリイソプ
レン18g、トリエチレングリコールジカプレートエス
テル3g、ペンタエリスリトールトリアクリレート20
g、ベンゾフェノン1.6g、ミヒラーケトン0.2
g、液晶(チッソ社製のGR−41)25g、2色性色
素(BDH社製のD5、最大吸収波長590nm)0.
3g、溶媒として塩化メチレン100g。
【0046】この溶液を、ポリエチレンテレフタレート
支持体フィルム上にバーコーターで塗布し、低温加熱処
理を施して液晶含有フィルムを得た。この液晶含有フィ
ルムを支持体フィルムから剥離してITO付きガラス基
板に付着させた後、紫外線照射装置により3分間露光し
て高分子分散型液晶層を形成した。さらに、他方のIT
O付きガラス基板を高分子分散型液晶層の表面に押し付
けた後、紫外線照射装置により露光することによりポス
トキュアして液晶表示素子を作製した。得られた液晶表
示素子は青色表示が可能であった。この液晶表示素子に
ついて、実施例1と同様にしてコントラストを測定した
ところ、1:90であった。 実施例11 以下の成分を混合してフィルム形成用の溶液を調製し
た。 塩素化ポリイソプレン(分子量60000)90部、1
00%アクリル化エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社
製のエピコート1004を100%アクリル化した樹
脂)45部、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデ
カンアクリル酸エステル20部、ベンゾフェノン5部、
ミヒラーケトン1部、液晶(BDH社製のE44)10
0部、溶媒として塩化メチレン100g。
【0047】この溶液を、ポリエチレンテレフタレート
支持体フィルム上にバーコーターで塗布した。本実施例
で用いられている液晶は、ポリマーおよびモノマーに対
して溶解性が低いため、この時点で液晶が分散した状態
となった。その後、低温加熱処理を施して液晶含有フィ
ルムを得た。この液晶含有フィルムを支持体フィルムか
ら剥離してITO付きガラス基板に付着させた後、紫外
線照射装置により3分間露光して高分子分散型液晶層を
形成した。さらに、他方のITO付きガラス基板を高分
子分散型液晶層の表面に押し付けた後、紫外線照射装置
により露光することによりポストキュアして液晶表示素
子を作製した。得られた液晶表示素子は青色表示が可能
であった。この液晶表示素子について、実施例1と同様
にしてコントラストを測定したところ、1:102であ
った。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の高分子分散
型液晶形成用フィルムを用いれば、セルプロセスをドラ
イ化することができ、しかも高分子分散型液晶のパター
ニングも可能となり、大面積の液晶表示素子でも迅速か
つ安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持体フィルム上に液晶含有フィルムを形成し
た状態を示す断面図。
【図2】支持体フィルム上に液晶含有フィルムを形成
し、さらに保護フィルムを形成した状態を示す断面図。
【図3】支持体フィルム上に粘着剤層を介して液晶含有
フィルムを形成し、さらに保護フィルムとして透明電極
付きの透明フィルムを形成した状態を示す断面図。
【図4】液晶表示素子の明暗コントラストを測定するた
めの装置の構成図。
【符号の説明】
1…支持体フィルム、2…液晶含有フィルム、3…保護
フィルム、4…透明電極、5…透明フィルム、6…粘着
剤層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶成分、成膜性を付与するポリマーお
    よび反応性を有する低分子量成分を含む組成物をフィル
    ム化したことを特徴とする高分子分散型液晶形成用フィ
    ルム。
JP28477491A 1991-10-30 1991-10-30 高分子分散型液晶形成用フイルム Pending JPH05117532A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0632080A1 (en) * 1993-06-29 1995-01-04 MITSUI TOATSU CHEMICALS, Inc. Resin composition for sealing film-made liquid crystal cells
WO1995029811A1 (en) * 1994-04-29 1995-11-09 Minnesota Mining And Manufacturing Company Lamination process for coatings
US5641426A (en) * 1994-04-29 1997-06-24 Minnesota Mining And Manufacturing Company Light modulating device having a vinyl ether-based matrix
KR100487385B1 (ko) * 2003-02-12 2005-05-04 엘지전자 주식회사 플라즈마 디스플레이 패널용 전면필터

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