JPH05117235A - 新規1,4−ジヒドロピリジン誘導体及びそれを含有する癌耐性克服剤 - Google Patents

新規1,4−ジヒドロピリジン誘導体及びそれを含有する癌耐性克服剤

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JPH05117235A
JPH05117235A JP10656092A JP10656092A JPH05117235A JP H05117235 A JPH05117235 A JP H05117235A JP 10656092 A JP10656092 A JP 10656092A JP 10656092 A JP10656092 A JP 10656092A JP H05117235 A JPH05117235 A JP H05117235A
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JP
Japan
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carbon atoms
nitrogen
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lower alkyl
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Application number
JP10656092A
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English (en)
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Koji Osumi
幸治 大角
Takaaki Sekiyama
隆顕 関山
Riyuusuke Nakagawa
隆祐 中川
Hisashi Tsuji
尚志 辻
Yoshihiro Morinaga
芳弘 森永
Kazuo Oishi
和夫 大石
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 【化1】 [R1、R2、R3、R4、R5;H、OH、C1〜C3のア
ルキル基、C1〜C3のアルキルオキシ基、ニトロ基又は
ベンゼン環上の隣接する二つの置換基が一緒になったC
1〜C3のアルキレンジオキシ基、R6、R7;含窒素置換
基を有するアルキルオキシカルボニル基又はアルキルア
ミノカルボニル基、R8、R9;H、C1〜C5のアルキル
基、R10;アリール基またはアラルキル基、X;C1
5のアルキル基もしくはC1〜C5のアルキルオキシ基
で置換されていてもよいメチレン又は酸素原子、nは2
〜9の整数。]で表わされる1,4−ジヒドロピリジン
誘導体、及びそれを含有する癌耐性克服剤。 【効果】 優れた癌耐性克服作用ならびに制癌剤による
治療効果増強効果を有し、低毒性であるため極めて有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規1,4−ジヒドロ
ピリジン誘導体及びこれらの化合物を有効成分とする癌
耐性克服剤に関し、更に詳しくは、癌化学療法の問題と
なっている多剤耐性株における制癌剤の細胞外への排出
を抑制することにより、多剤耐性を獲得した癌細胞の治
療に有効な新規1,4−ジヒドロピリジン誘導体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在の癌化学療法においては、治療中に
制癌剤が効かなくなるという“獲得耐性”、中でも一種
のみならず、複数の制癌剤に対しても同時に耐性を示す
“多剤耐性”が大きな問題になっている。この多剤耐性
を獲得した細胞においては、投与した制癌剤の排出機能
が昴進していることが証明されている(鶴尾隆、ジャパ
ニーズ ジャーナル オブ キャンサー リサーチ 7
9、285−296(1988)、鶴尾隆、ファルマシ
アレビュー No. 23、115−125(1987)参
照)。
【0003】ところでこの排出機能昂進による癌細胞内
の制癌剤減少を防ぐために制癌剤を大量投与したので
は、副作用が大きくなり、有用な治療法とはなりえな
い。これを克服する方法として、制癌剤と一部のカルシ
ウム拮抗剤の併用投与が有用であることが動物実験で確
認されている(前述引用文献参照)。しかしながらこの
方法で効力を発揮するカルシウム拮抗剤の用量では、降
圧作用も大きく、毒性が強いという欠点があった。
【0004】1位置換1,4−ジヒドロピリジン誘導体
の癌耐性克服剤としての利用については、特開平1−3
16357号公報に開示されているが、3位または5位
の置換基としてアルキル基に窒素原子を含むアミドまた
はエステルを持つものについては記載がなく、また、記
載されている化合物群はカルシウム拮抗作用はないもの
の、極めて疎水性が高く、実際の投与が困難であること
が予想され、実際に動物に投与した場合の有効性につい
ては記載がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は治療効果が高
く、毒性の低い、癌耐性克服剤を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の
1,4−ジヒドロピリジン誘導体を合成し、癌の多剤耐
性を克服する化合物を鋭意探索した結果、下記一般式
(I)で表わされる化合物が顕著な癌耐性克服作用を有
し、毒性も低いことを見いだし、この発見に基づき本発
明を完成するに至った。
【0007】
【化4】
【0008】[式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5
は、同一または異なっていて、それぞれ、水素原子、水
酸基、炭素数1〜3の低級アルキル基、炭素数1〜3の
低級アルキルオキシ基、ニトロ基またはベンゼン環上の
隣接する二つの置換基が一緒になった炭素数1〜3のア
ルキレンジオキシ基を表わし、R6 及びR7 は、含窒素
置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基また
は含窒素置換基を有してもよいアルキルアミノカルボニ
ル基を表わし(ただし、少なくとも一方は含窒素置換基
を有するアルキルオキシカルボニル基または含窒素置換
基を有するアルキルアミノカルボニル基である。)、R
8 及びR9 は、同一または異なっていて、それぞれ、水
素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表わし、
10はアリール基またはアラルキル基であり、アリール
基及びアラルキル基のアリール基部分は、ハロゲン原
子、炭素数1〜5の低級アルキル基、水酸基、炭素数1
〜5の低級アルキルオキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基または芳香
環上の隣接する二つの置換基が一緒になった炭素数1〜
3のアルキレンジオキシ基からなる群より選ばれる置換
基を有してもよい。Xは、炭素数1〜5の低級アルキル
基もしくは炭素数1〜5の低級アルキルオキシ基で置換
されていてもよいメチレンまたは酸素原子を表わす。n
は2〜9の整数を表わす。]
【0009】上記一般式(I)において、R6 及びR7
は、少なくとも一方は含窒素置換基を有するアルキルオ
キシカルボニル基または含窒素置換基を有するアルキル
アミノカルボニル基である。
【0010】含窒素置換基を有するアルキルオキシカル
ボニル基、含窒素置換基を有するアルキルアミノカルボ
ニル基の例としては、ピリジル基に置換基を有してもよ
いピリジルアルキルオキシカルボニル基、ピリジル基に
置換基を有してもよいピリジルアルキルアミノカルボニ
ル基、N,N−ジアルキルアミノアルキルオキシカルボ
ニル基、(N,N−ジアルキルアミノ)−アルキルアミ
ノカルボニル基、N,N−アルキルアリ−ルアミノアル
キルオキシカルボニル基、(N,N−アルキルアリ−ル
アミノ)アルキルアミノカルボニル基、N,N−ジアラ
ルキルアミノアルキルオキシカルボニル基、(N,N−
ジアラルキルアミノ)アルキルアミノカルボニル基、
N,N−アラルキルアルキルアミノアルキルオキシカル
ボニル基、(N,N−アラルキルアルキルアミノ)アル
キルアミノカルボニル基であり、これらのいずれの場合
も、含窒素置換基中の窒素原子上の2つの置換基が環状
構造をなしてもよい。
【0011】具体的には、N−アルキルピペラジノアル
キルオキシカルボニル基、N−アリールピペラジノアル
キルオキシカルボニル基、N−アラルキルピペラジノア
ルキルオキシカルボニル基、(N−アルキルピペラジノ
アルキル)アミノカルボニル基、(N−アリールピペラ
ジノアルキル)アミノカルボニル基、(N−アラルキル
ピペラジノアルキル)アミノカルボニル基、モルホリノ
アルキルアミノカルボニル基、モルホリノアルキルオキ
シカルボニル基、ピペリジノアルキルオキシカルボニル
基、ピペリジノアルキルアミノカルボニル基、ピロリジ
ノアルキルオキシカルボニル基、ピロリジノアルキルア
ミノカルボニル基などが挙げられる。
【0012】R6 またはR7 の少なくとも一方が、下記
一般式(1)または(2)で表わされる1,4−ジヒド
ロピリジン誘導体は、高い活性を有し、担癌動物モデル
においても制癌剤による延命効果を増強する効果を示す
極めて有用な物質である。
【0013】
【化5】
【0014】式中、Yは酸素原子またはNHを表わし、
Qは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、炭素数1〜
5の低級アルキルオキシ基、アリール基、アラルキル基
を表わし、pは1〜4の整数を表わす。
【0015】
【化6】
【0016】式中、Zは酸素原子またはNHを表わし、
Wはアラルキル基、カルボニル基、アリ−ル基もしくは
炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されていてもよい
メチレンまたはアラルキル基、カルボニル基、アリ−ル
基もしくは炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されて
いてもよい窒素原子または酸素原子を表わし、qは1〜
4の整数を表わし、rは1〜3の整数を表わす。
【0017】一般式(I)で表される本発明の化合物
は、例えば、以下の方法により製造することができる。
本発明の化合物に属する下記一般式(Ia)、(Ib)
で表される化合物は、例えば、一般式(II)で表され
る芳香族アルデヒドと一般式(III)で表される化合
物との脱水縮合によって得られる化合物(IV)と一般
式(V)で表される化合物をベンゼン、アルコールなど
の有機溶媒存在下、または非存在下に加熱還流しジヒド
ロピリジン誘導体(VI)を得、次いで、水素化ナトリ
ウム、カリウムブトキシド等の塩基存在下に一般式(V
II)で表される化合物と反応されることにより、1位
置換1,4−ジヒドロピリジン誘導体(VIII)を
得、カルボキシル基の保護基を通常の方法により脱保護
した後、一般式(IX)で表される化合物に導き、さら
に含窒素置換基を有するアルコール(X)または含窒素
置換基を有するアミン(XI)と脱水縮合させて得るこ
とができる。
【0018】
【化7】
【0019】上記式中、R11
【化8】 (R1 、R2 、R3 、R4 及びR5は前記と同意義を表
す。)
【0020】Rは、メチル基、エチル基、ベンジル基な
どのカルボキシル基の保護基を表し、R6 、R7 、R
8 、R9 、R10、Xおよびnは前記と同意義を表し、L
はハロゲン、p−トルエンスルホナート等の脱離基を表
し、R13、R14は含窒素置換基を有するアルキル基を表
わす。
【0021】上記の方法により製造した本発明の1,4
−ジヒドロピリジン誘導体は、常法の単離精製手段、例
えば溶媒による抽出、クロマトグラフィー、結晶化等に
よって反応混合物から容易に分離し、かつ精製すること
ができる。
【0022】このようにして得られた1,4−ジヒドロ
ピリジン誘導体は一般にラセミ体であるが、カルボン酸
(IX)を光学活性なアミン、例えば(−)シンコニジ
ンの塩とし分別結晶することによって光学活性なカルボ
ン酸を調製し、ひき続き上記方法でエステル化、アミド
化することにより光学活性な1,4−ジヒドロピリジン
誘導体(Ia)または(Ib)を得ることが出来る。
【0023】本発明の1,4−ジヒドロピリジン誘導体
は、必要により、塩酸、硫酸、リン酸などの無機塩、お
よびシュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエ
ン酸、酒石酸、グルタミン酸などの有機塩との薬学的に
許容しうる酸付加塩とすることができる。
【0024】本発明の1,4−ジヒドロピリジン誘導体
は、3位または5位の置換基としてアルキル基に窒素原
子を含むアミドまたはエステルを有しており、特開平1
−316357号公報に開示された化合物に比べ、さら
に優れた癌耐性克服作用を示す。また、水溶性が増大し
たため注射剤等水溶液製剤の調製も容易となる。
【0025】本発明において、前記1,4−ジヒドロピ
リジン誘導体を癌耐性克服剤として使用する場合には、
制癌剤と同時にまたは別々に経口投与または非経口投与
(筋肉内、皮下、静脈内、坐薬等)により投与される。
投与量は症状により異なるが、通常成人一人当たり1〜
3000mgの用量範囲で一般に数回に分けて1日あた
り1〜9000mgである。
【0026】組み合わせて用いられる制癌剤としては、
例えばビンクスリチン、ビンブラスチン、ダウノマイシ
ン、アドリアマイシン、アクチノマイシンD、アクラシ
ノマイシンA、エトボシド、ブレオマイシン、ペプロマ
イシン、シスプラチン、メソトレキセート、5−フルオ
ロラウシル及びそれらの誘導体の通常の癌治療に用いら
れる化学療法剤を挙げることができる。さらに、本発明
の1,4−ジヒドロピリジン誘導体は耐性出現前にも前
記の制癌剤と組み合わせて同様に用いることにより制癌
剤の治療効果を高めることができる。
【0027】本発明に使用する上記化合物を製剤化する
ためには、通常の方法で錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル
剤、注射剤、坐剤等の剤型とする。
【0028】すなわち、経口用製剤を調製する場合には
主剤(癌耐性克服剤単独または制癌剤との混合物)に賦
形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着
色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被
覆錠剤、顆粒剤、カプセル剤などとする。賦形剤として
は、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブトウ糖、ソ
ルビット、結晶セルロースなどが、結合剤としては例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチ
ルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラ
ガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピ
ロリドン等が、崩壊剤としては例えばデンプン、寒天、
ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水
素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストラン、ペ
クチン等が、滑沢剤としては例えば、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、
硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に添加すること
が許可されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア
末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用
いられる。これらの錠剤は、顆粒剤には糖衣、ゼラチン
衣、その他必要により適宜コーティングすることはもち
ろん差しつかえない。
【0029】注射剤を調整する場合には、主剤(癌耐性
克服剤単独または制癌剤との混合物)に必要によりpH
調整剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤などを添加し、常法
により皮下、筋肉内、静脈内注射剤とする。
【0030】
【実施例】以下実施例により、本発明を詳細に説明する
が、本発明がこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
【0031】実施例1 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプロピ
ル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル−5
−〔3−(4−メチルピペラジノ)プロピル〕エステル
の合成
【0032】a) 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピ
リジンジカルボン酸 3−メチル−5−ベンジルエステ
ルの合成 3,4−ジメトキシベンズアルデヒド83.6g(0.
5mol)、アセト酢酸ベンジル96.11g(0.5
mol)、ピペリジン12.5ml、酢酸12.5ml
をベンゼン250mlに溶解し、共沸する水を除去しな
がら3時間加熱還流した。反応液に酢酸エチル500m
lと水100mlを加え、有機層を水、飽和重曹水、飽
和食塩水で洗浄した後に乾固した。得られた固形物に3
−アミノクロトン酸メチル57.57g(0.5mo
l)、エタノール250mlを加え、12時間加熱還流
を行なった。溶媒を留去し、残渣をメタノールから再結
晶して1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカル
ボン酸 3−メチル−5−ベンジルエステル79.3g
を得た。収率36%。
【0033】mp106−107℃、1H NMR(C
DCl3 ):7.20−7.28(5H,m)、6.8
1(1H,s)、6.71(2H,t,J=8.4H
z)、4.98−5.18(2H,m)、3.80(3
H,s)、3.67(3H,s)、3.64(3H,
s)、2.35(3H,s)、2.32(3H,s);
MS m/z:437(M+)。
【0034】b) 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−
フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸
3−メチル−5−ベンジルエステルの合成 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン
酸 3−メチル−5−ベンジルエステル10.92g
(25mmol)を20mlの無水ジメチルホルムアミ
ドに溶解し、アルゴン雰囲気下で10mlの無水ジメチ
ルホルムアミドに懸濁した60%水素化ナトリウム1.
31g(30mmol)に滴下した。室温で10分間撹
拌後、3−フェニルプロピルブロミド5.97g(30
mmol)の無水ジメチルホルムアミド溶液10mlを
滴下し、100℃で3時間加熱した。室温に戻し、氷冷
下、希塩酸を加えて中和し、水100mlを加え、酢酸
エチルで抽出した。有機層を水洗後、溶媒を減圧除去し
てえた粗精製物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開
溶媒;酢酸エチル:nヘキサン=1:3)で精製して、
油状物として、1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメ
トキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェ
ニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−
メチル−5−ベンジルエステル6.51gを得た。収率
47%。
【0035】1H NMR(CDCl3):7.18−
7.30(8H,m)、7.01−7.04(2H,
m)、6.73(1H,s)、6.63(2H,s)、
5.14(1H,s)、5.10−5.26(2H,
m)、3.75(3H,s)、3.70(3H,s)、
3.61(3H,s)、2.39−2.44(2H,
m)、1.70−1.77(2H,m);MS m/
z:555(M+)。
【0036】c) 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−
フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸
3−メチルエステルの合成 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプロピ
ル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル−5
−ベンジルエステル6.51g(12.0mmol)を
メタノール60mlに溶解し、5%パラジウム/炭素6
50mg存在下、水素雰囲気下で2時間撹拌した。濾過
によって触媒を除去した後、溶媒を減圧除去して1,4
−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−
2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプロピル)−
3,5−ピリジンカルボン酸 3−メチルエステル5.
19gを得た。収率93%。これは、さらに精製するこ
となく次の反応に用いた。
【0037】1H NMR(CDCl3):7.24−
7.29(3H,m)、7.02(2H,d,J=6.
9Hz)、6.83(1H,s)、6.67(2H,
s)、5.13(1H,s)、3.76(6H,s)、
3.71(3H,s)、3.58−3.65(2H,
m)、2.40(3H,s)、2.42(3H,s)、
2.31−2.50(2H,m)、1.65−1.79
(2H,m);MS m/z:465(M+)。
【0038】d) 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−
フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸
3−メチル−5−〔3−(4−メチルピペラジノ)プロ
ピル〕エステルの合成 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプロピ
ル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチルエス
テル1.63g(3.5mmol)、1−(3−ヒドロ
キシプロピル)4−メチルピペラジン0.61g(3.
85mmol)、トリエチルアミン1.16ml(8.
40mmol)のジクロロメタン溶液にヨウ化 1−メ
チル−2−クロロピリジニウム0.98g(3.85m
mol)をゆっくり加え、1時間加熱還流した。溶媒を
減圧除去した後、酢酸エチルを加えて水洗後、溶媒を減
圧除去してえた残渣をアルミナカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒;酢酸エチル:nヘキサン=1:2)で精
製して、油状物として、1,4−ジヒドロ−4−(3,
4−ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−
(3−フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボ
ン酸 3−メチル−5−〔3−(4−メチルピペラジ
ノ)プロピル〕エステル1.42gを得た。収率65
%。
【0039】1H NMR(CDCl3):7.18−
7.28(3H,m)、7.03(2H,d,J=6.
9)、5.09(1H,s)、4.13−4.18(2
H,m)、3.76(3H,s)、3.74(3H,
s)、3.71(3H,s)、3.58−3.63(2
H,t,J=7.8)、2.33−2.46(8H,
m)、2.35−2.46(8H,m)、2.35(3
H,s)、2.33(3H,s)、1.67−1.84
(2H,m);MSm/z:605(M+)。
【0040】実施例2〜32 実施例1と同様の方法で、1−(3−ヒドロキシプロピ
ル)4−メチルピペラジンの代わりに表1〜4中b)項
にしめしたアミノアルコールを用いて、表1〜4中a)
項の化合物を合成した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】実施例33 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプロピ
ル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチルエス
テル−5−(2−ピリジン−2−イル)エチルアミドの
合成 実施例1に示した方法で合成した1,4−ジヒドロ−4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル
−1−(3−フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジ
カルボン酸 3−メチルエステル465mg(1.0m
mol)をジクロロメタン3mlに溶解し、1,1−カ
ルボニルジイミダゾ−ル176mg(1.1mmol)
を加えて10分間加熱還流した。室温まで冷却後、2−
(2−ピリジル)エチルアミン128mg(1.05m
mol)のジクロロメタン溶液1mlを滴下し、さらに
室温で10分間撹拌した。反応液に水10mlを加え、
酢酸エチルで生成物を抽出した。溶媒を減圧除去し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;
酢酸エチル:nヘキサン=1:1)で精製して、油状物
として、1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸3−メチルエ
ステル−5−(2−ピリジン−2−イル)エチルアミド
467mgを得た。収率82%。
【0047】1H NMR(CDCl3):8.33(1
H,d,J=4.8)、7.52(1H,t,J=6.
0)、7.0−7.26(7H,m)、6.73(1
H,s)、6.61(2H,s)、6.19(1H,
s)、4.66(1H,s)、3.76(3H,s)、
3.66(6H,s)、3.52−3.65(4H,
m)、2.90(2H,t,J=7.2)、2.49
(2H,t,J=7.2)、1.65−1.80(2
H,m);MS m/z:569(M+)。
【0048】実施例34 実施例33と同様の方法で、2−(2−ピリジル)エチ
ルアミンの代わりに表5中b)項に示したアミンを用い
て、表5中a)項の化合物を合成した。
【0049】実施例35〜52 実施例1と同様の方法で、3−フェニルプロピルプロミ
ドの代わりに表6〜8中b)項にしめしたハロゲン化合
物を用い、アミノアルコールとして表6〜8中c)項の
化合物をもちいて、表6〜8中a)項の化合物を合成し
た。
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】実施例53 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2,6−ジメチル−1−(3−ベンジルオキシプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル
−5−〔3−(4−メチルピペラジノ)プロピル〕エス
テルの合成 特開平1−316357号公報に記載された方法により
調製した1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−ベンジルオ
キシプロピル)−3,5−ピリジンカルボン酸 3,5
−ジメチルエステル2.15g(4.2mmol)を8
mlのジメチルスルホキシドに溶解し、0.5mlの水
に溶かした水酸化カリウム320mg(4.9mmo
l)を加え、100℃で5時間加熱した。溶媒を減圧除
去した後、水10mlを加え、酢酸エチルで2度、抽出
を行なった。水層を希塩酸で酸性にした後、クロロホル
ムで3度抽出し、水洗したのちに濃縮してえられた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢
酸エチル:nヘキサン=1:1)で精製して、油状物と
して、1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−ベンジルオキ
シプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸3−メチ
ルエステル875mgを得た。収率42%。得られたモ
ノカルボン酸を実施例1に示した方法でエステル化し
て、1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−2,6−ジメチル−1−(3−ベンジルオキシ
プロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチ
ル−5−〔3−(4−メチルピペラジノ)プロピル〕エ
ステルを得た。収率72%。
【0054】1H NMR(CDCl3):7.21−
7.38(5H,m)、6.81(1H,s)、6.6
7(2H,m)、5.14(1H,s)、4.32(2
H,s)、4.15−4.22(2H,m)、3.79
(3H,s)、3.77(3H,s)、3.71(3
H,s)、3.03−3.09(2H,m)、2.49
(6H,s)、2.36−2.48(4H,m)、2.
28(3H,s)、1.78−1.83(2H,m)、
1.53−1.63(2H,m);MS m/z:63
5(M+)。
【0055】実施例54 実施例53と同様の方法で、1−(3−ヒドロキシプロ
ピル)4−メチルピペラジンの代わりに表9中b)項に
しめしたアミノアルコールを用いて、表9中a)項の化
合物を合成した。
【0056】
【表9】
【0057】実施例55〜58 実施例1と同様の方法で、3,4−ジメトキシベンズア
ルデヒドの代わりに表10中b)項にしめしたアルデヒ
ドを用い、アミノアルコールとして表10中c)項の化
合物をもちいて、表10中a)項の化合物を合成した。
【0058】
【表10】
【0059】実施例59 (+)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル
−5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕エステルの合
【0060】a) 1,4−ジヒドロ−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−
フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸
3−メチルエステルの光学分割 実施例1に示した方法で合成した1,4−ジヒドロ−4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル
−1−3−フェニルプロピル−3,5−ピリジンジカル
ボン酸 3−メチルエステル72.5g(0.156m
ol)と(−)−シンコニジン45.9g(0.156
mol)にメタノ−ル650mlを加えて55℃で加熱
溶解し、室温に冷却して不溶物を濾去した後に、メタノ
−ルを減圧除去した。濃縮物に酢酸エチル1000ml
を加え55℃に加温溶解し、n−ヘキサン800mlを
少量ずつ添加した。室温まで徐冷し、一夜放置して析出
した塩を濾取し、得られた塩をクロロホルム400ml
に溶解した。溶液を0.2N−HCl400mlで洗
い、(−)−シンコニジンを除去した後、クロロホルム
を留去して(+)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−
フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸
3−メチルエステル21.0gを得た。[α]D(15
℃)=35.9(C=1.3、エタノール)。
【0061】一方、濾液は減圧濃縮したのち、クロロホ
ルム400mlに溶解し、溶液を0.2N−HCl40
0mlで洗浄した。クロロホルムを減圧除去し、クロロ
ホルム120ml,ヘキサン270mlを加えて55℃
で加熱溶解し、室温で一夜放置した。析出した結晶を濾
別したのちに濾液を減圧濃縮して(−)−1,4−ジヒ
ドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−
ジメチル−1−3−フェニルプロピル−3,5−ピリジ
ンジカルボン酸 3−メチルエステル22.75gを得
た。[α]D(15℃)=−35.5(c=1.2、エ
タノール)。
【0062】光学純度の検定は液体クロマトグラフィ−
により行った。光学分割カラム(SUMICHIRAL
OA2000、住友化学株式会社製)を用い、2.5
mM−酢酸アンモニウム/メタノ−ルを溶離液として、
1ml/minの流速で分析を行なった。ピ−クの面積
比から各光学異性体の含有量を算出した結果、得られた
カルボン酸はいずれも光学純度95%以上であった。
【0063】b) (+)−1,4−ジヒドロ−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−
1−(3−フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカ
ルボン酸 3−メチル−5−〔3−(3−ピリジル)プ
ロピル〕エステルの合成 実施例59a)で得た(+)−1,4−ジヒドロ−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−
1−(3−フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカ
ルボン酸 3−メチルエステル465mg(1mmo
l)を塩化メチレン2.5mlに溶かし、ヨウ化 2−
クロロ−1−メチルピリジニウム306mg(1.2m
mol)と3−(3−ピリジル)プロパノ−ル399m
g(3mmol)を加えた。室温で4時間攪伴したのち
に減圧濃縮して塩化メチレンを留去した。飽和食塩水2
0mlをくわえたのちに酢酸エチル20mlで3回抽出
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮の後にシリカ
ゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製
し、濃縮して(+)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4
−ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3
−フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸
3−メチル−5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕
エステル348mgを得た。収率60%。
【0064】1H NMR(CDCl3):8.39(2
H,m)、7.35(1H,d,J=9.3)、7.1
2−7.28(4H,m)、7.01(2H,d,J=
8.1)、6.79(1H,s)、6.68(2H,
s)、5.14(1H,s)、4.05−4.12(2
H,m)、3.73(3H,s)、3.72(3H,
s)、3.70(3H,s)、3.61(2H,t,J
=8.1)、2.58(2H,t,J=8.1)、2.
40−2.53(2H,m)、2.43(3H,s)、
2.37(3H,s)、1.88−1.99(2H,
m);MS m/z:584(M+ )。
【0065】実施例60 (−)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸3−メチル−
5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕エステルの合成 実施例59a)で得た(−)−1,4−ジヒドロ−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−ジメチル−
1−(3−フェニルプロピル)−3,5−ピリジンジカ
ルボン酸 3−メチルエステル465mg(1mmo
l)を塩化メチレン2.5mlに溶かし、ヨウ化 2−
クロロ−1−メチルピリジニウム306mg(1.2m
mol)と3−(3−ピリジル)プロパノ−ル399m
g(3mmol)を加えた。室温で4時間攪伴したのち
に減圧濃縮して塩化メチレンを留去した。飽和食塩水2
0mlをくわえたのちに酢酸エチル20mlで3回抽出
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮の後にシリカ
ゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製し
て、(−)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニ
ルプロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メ
チル−5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕エステル
378mgを得た。収率65%。
【0066】実施例61 (+)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル
−5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕エステル塩酸
塩の調製 (+)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル
−5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕エステル1.
17g(2mmol)をメタノ−ル10mlに溶かしフ
ラスコを氷水で冷却しながら0.4N−HCl/MeO
H 6.0ml(2.4mmol)を加えた。メタノ−
ルを減圧除去し、氷冷したエ−テル15mlで2回洗浄
した後、エ−テルを減圧留去した。濃縮物に水25ml
を加えて溶解し、凍結乾燥して(+)−1,4−ジヒド
ロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−ジ
メチル−1−(3−フェニルプロピル)−3,5−ピリ
ジンジカルボン酸 3−メチル−5−〔3−(3−ピリ
ジル)プロピル〕エステル塩酸塩1.18gを得た。
[α]D(15℃)=4.2(c=1.1、エタノー
ル)。
【0067】実施例62 (−)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル
−5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕エステル塩酸
塩の調製 (−)−1,4−ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−2,6−ジメチル−1−(3−フェニルプ
ロピル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−メチル
−5−〔3−(3−ピリジル)プロピル〕エステル
1.17g(2mmol)をメタノ−ル10mlに溶か
し、フラスコを氷水で冷却しながら0.4N−HCl/
MeOH 6.0ml(2.4mmol)を加えた。メ
タノ−ルを減圧除去し、氷冷したエ−テル15mlで2
回洗浄した後、エ−テルを減圧留去した。濃縮物に水2
5mlを加えて溶解し、凍結乾燥して(−)−1,4−
ジヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,
6−ジメチル−1−(3−フェニルプロピル)−3,5
−ピリジンジカルボン酸 3−メチル−5−〔3−(3
−ピリジル)プロピル〕エステル塩酸塩1.10gを得
た。[α]D(15℃)=−4.3(c=1.0、エタ
ノール)。
【0068】実施例63 癌耐性克服効果試験 癌細胞としてビンクリスチン耐性のマウスP388白血
病細胞を用い、培養には5μMの2−メルカプトエタノ
ール、10%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地
を用いた。96穴マイクロプレート上に1×104 個/
50μl/ウェルで播種し、所定濃度のビンクリスチン
溶液および被験化合物溶液水溶液(4μg/ml)を各
25μlづつ添加し、37℃で2日間培養した後、MT
T法により生細胞数を測定し、ビンクリスチンの用量反
応曲線を作成した。これより、ビンクリスチンによる5
0%増殖抑制濃度(IC50)を算出した。各化合物のI
50値は前記表1から表10に併わせて示した。ビンク
リスチン単独の場合IC50として50〜100ng/
mlを示すのに対して、被験化合物を1μg/mlの濃
度で共存させた場合、IC50として0.15〜15n
g/mlと顕著な癌耐性克服作用を示した。
【0069】実施例64 ビンクリスチン耐性P388白血病担癌マウスにおける
治療効果増強作用試験一群5匹のCDF1 マウスに10
6 個のビンクリスチン耐性マウスP388白血病細胞を
腹腔内に移植し、所定量の被験化合物と100μg/k
gのビンクリスチンを腹腔内投与し、各々の生存日数を
求めた。尚、ここで被験化合物はポリビニルピリドンと
の1:4の均一な混合物として生理食塩水に溶解して用
いた。治療効果増強率をビンクリスチンと被験化合物を
併用投与した場合の延命率と、ビンクリスチンを単独で
用いた場合の延命率との比T/V(%)で表わし、表1
1に示した。比較としてベラパミルおよび1,4−ジヒ
ドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6−
ジメチル−1−(3−ベンジルオキシプロピル)−3,
5−ピリジンジカルボン酸 3,5−ジメチルエステル
(化合物Aと略す。)を効果増強として用いた結果を併
せて示した。
【0070】
【表11】
【0071】この結果から、被験化合物は担癌マウスの
生存期間を有意に延長しており、優れた治療効果増強作
用を有していることがわかる。また、化合物Aは特開平
1−316357号公報に記載された化合物であるが、
これと比較して本発明の化合物はさらに優れた効果を有
すことがわかる。さらに、マウスにベラパミルを100
mg/kg投与した場合、ベラパミル自体の毒性により
死亡したが、本発明の化合物は200mg/kg投与し
てもそのようなことはみられず、毒性がきわめて低いこ
とがわかる。
【0072】実施例65 Colon26に対する(+)及び(−)−1,4−ジ
ヒドロ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,6
−ジメチル−1−(3−フェニルプロピル)−3,5−
ピリジンジカルボン酸 3−メチル−5−〔3−(3−
ピリジル)プロピル〕エステル塩酸塩の効果 CDF1マウス(6週齢・雌)にColon26細胞を
トロッカ−にて約20mg皮下移植した。この日を0日
目として、6日目で腫瘍径を測定し、各群の平均腫瘍径
を揃えた。7日目,14日目にアドリアマイシン10m
g/kgを静脈内投与し、被験化合物はアドリアマイシ
ン投与直後、8、24、32時間後の計4回にわたり、
経口投与をおこなった。アドリアマイシンは生理食塩水
に2mg/mlとなるように溶解し、実施例61、62
の化合物は生理食塩水で50mg/mlとなるように調
製した。判定は1週ごとに測定した腫瘍径を、以下の式
に従い重量に換算して行った。結果を表12に示した。
対照としてアドリアマイシンのみを用いた結果を併せて
示した。
【0073】腫瘍重量(g)=L×S2/2000
(L:長径、S:短径、mm)
【0074】
【表12】
【0075】この結果から、被験化合物は腫瘍重量を有
意に減少させており、優れた治療効果増強作用を示して
いることがわかる。
【0076】
【発明の効果】本発明の1,4−ジヒドロピリジン誘導
体は、優れた癌耐性克服作用ならびに制癌剤による治療
効果増強効果を有し、低毒性であるため極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 尚志 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 森永 芳弘 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 大石 和夫 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は、同一また
    は異なっていて、それぞれ、水素原子、水酸基、炭素数
    1〜3の低級アルキル基、炭素数1〜3の低級アルキル
    オキシ基、ニトロ基またはベンゼン環上の隣接する二つ
    の置換基が一緒になった炭素数1〜3のアルキレンジオ
    キシ基を表わし、R6 及びR7 は、含窒素置換基を有し
    てもよいアルキルオキシカルボニル基または含窒素置換
    基を有してもよいアルキルアミノカルボニル基を表わし
    (ただし、少なくとも一方は含窒素置換基を有するアル
    キルオキシカルボニル基または含窒素置換基を有するア
    ルキルアミノカルボニル基である。)、R8 及びR9
    は、同一または異なっていて、それぞれ、水素原子また
    は炭素数1〜5の低級アルキル基を表わし、R10はアリ
    ール基またはアラルキル基であり、アリール基及びアラ
    ルキル基のアリール基部分は、ハロゲン原子、炭素数1
    〜5の低級アルキル基、水酸基、炭素数1〜5の低級ア
    ルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラ
    ルキル基、アラルキルオキシ基または芳香環上の隣接す
    る二つの置換基が一緒になった炭素数1〜3のアルキレ
    ンジオキシ基からなる群より選ばれる置換基を有しても
    よい。Xは、炭素数1〜5の低級アルキル基もしくは炭
    素数1〜5の低級アルキルオキシ基で置換されていても
    よいメチレンまたは酸素原子を表わす。nは2〜9の整
    数を表わす。]で表わされる1,4−ジヒドロピリジン
    誘導体及びその光学活性体。
  2. 【請求項2】 R6 またはR7 の少なくとも一方が、ピ
    リジル基に置換基を有してもよいピリジルアルキルオキ
    シカルボニル基、ピリジル基に置換基を有してもよいピ
    リジルアルキルアミノカルボニル基、N,N−ジアルキ
    ルアミノアルキルオキシカルボニル基、(N,N−ジア
    ルキルアミノ)アルキルアミノカルボニル基、N,N−
    アルキルアリールアミノアルキルオキシカルボニル基、
    (N,N−アルキルアリールアミノ)アルキルアミノカ
    ルボニル基、N,N−ジアラルキルアミノアルキルオキ
    シカルボニル基、(N,N−ジアラルキルアミノ)アル
    キルアミノカルボニル基、N,N−アラルキルアルキル
    アミノアルキルオキシカルボニル基、(N,N−アラル
    キルアルキルアミノ)アルキルアミノカルボニル基のい
    ずれかである(いずれの場合も含窒素置換基中の窒素原
    子上の2つの置換基が環状構造をなしてもよい。)請求
    項1記載の1,4−ジヒドロピリジン誘導体及びその光
    学活性体。
  3. 【請求項3】 R6 またはR7 の少なくとも一方が、下
    記一般式(1)または(2)で表わされる請求項1記載
    の1,4−ジヒドロピリジン誘導体及びその光学活性
    体。 【化2】 (式中、Yは酸素原子またはNHを表わし、Qは水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基または炭素数1〜5の低級アルキルオキシ基を表わ
    し、pは1〜4の整数を表わす。) 【化3】 (式中、Zは酸素原子またはNHを表わし、Wはアラル
    キル基、カルボニル基、アリ−ル基もしくは炭素数1〜
    5の低級アルキル基で置換されていてもよいメチレンま
    たはアラルキル基、カルボニル基、アリ−ル基もしくは
    炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されていてもよい
    窒素原子または酸素原子を表わし、qは1〜4の整数を
    表わし、rは1〜3の整数を表わす。)
  4. 【請求項4】 請求項1記載の1,4−ジヒドロピリジ
    ン誘導体またはその薬学的に許容しうる塩を含有する癌
    耐性克服剤。
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