JPH05117179A - 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法 - Google Patents

2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法

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JPH05117179A
JPH05117179A JP28169591A JP28169591A JPH05117179A JP H05117179 A JPH05117179 A JP H05117179A JP 28169591 A JP28169591 A JP 28169591A JP 28169591 A JP28169591 A JP 28169591A JP H05117179 A JPH05117179 A JP H05117179A
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JP
Japan
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hcfc
dichloro
trifluoroethane
reaction
catalyst
Prior art date
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JP28169591A
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English (en)
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Masaru Narumitsu
勝 成光
Hideki Oshio
秀樹 大塩
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、2,2−ジクロロ−1,1,1−ト
リフルオロエタンの製造プロセス、特に2,2−ジクロ
ロ−1,1,1−トリフルオロエタンに同伴する1,2
−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを低減す
ることを目的とする。 【構成】本発明は、1,2−ジクロロ−1,1,2−ト
リフルオロエタンを第4級アンモニウム塩の存在下、水
酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液で分
解することによる2,2−ジクロロ−1,1,1−トリ
フルオロエタンの精製方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒、ウレタンフォー
ムの発泡剤、あるいは油脂、フラックスの除去用洗浄
剤、ドライクリーニング用溶剤などとして有用な2,2
−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方
法に関する。
【0002】
【従来技術とその解決しようとする課題】2,2−ジク
ロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(以下、HCF
C−123という。)の製造方法には、従来より、各種
の方法が提案されている。例えば、USP−4,76
6,260明細書に記載されているところによると、気
相においてクロム、コバルト、ニッケル、マンガンなど
を担持したアルミナ触媒の存在下、テトラクロロエチレ
ンをフッ化水素でフッ素化することにより高い収率でH
CFC−123を得ている。しかしながら、このような
方法で合成したHCFC−123には、異性体である
1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン
(以下、HCFC−123aという。)が5〜15%含
まれることが知られている。通常、かかる生成物は蒸留
操作により分離精製するのが一般的であるが、これらの
物質の沸点は、HCFC−123が27.1℃、HCF
C−123aが28.2℃と極めて近接し、容易には分
離できないという問題がある。
【0003】HCFC−123aの毒性、有害性につい
ては明白ではないものの、製品であるHCFC−123
は広く一般的な用途の使用を意図されているものである
ことを考慮すると、かかる安全性において疑問のある不
純物を混入せしめるのは好ましくなく、可及的にその含
有量を低減するのは極めて重要なことであるといえる。
【0004】このような液体の異性体の混合物の分離に
は、蒸留のほかに固体物質の吸着特性或いは液体物質へ
の溶解特性を利用する方法、化学的性質の差異を利用し
て一方のみを反応せしめたうえで分離操作を施す方法な
どが採られることが多い。これらの方法には対象とする
物質に応じて様々の改良法があるが、最も望ましい形態
としては除かれるべき異性体を異性化反応によって、目
的とする異性体に変換する方法である。
【0005】例えば、アルミナを部分的にフッ素化した
触媒がパークロロフルオロ炭化水素の異性化に優れた効
果を示すことは公知である。しかしながら、このような
手段をHCFC−123もしくはHCFC−123aの
ような水素原子を分子内に有する物質に適用すると、触
媒の寿命が短く実用に供することが困難とされていた。
そこで、この問題点を解決することを目的として、若干
の提案がなされている。例えば、特公昭61−2737
5に記載されている気相異性化方法によれば、触媒とし
てパークロロフルオロ炭化水素で予め気相においてフッ
素化塩素化したアルミナを用い、HCFC−123aを
含むHCFC−123にパークロロフルオロ炭化水素を
共存させた状態で反応させることを提案し、触媒寿命の
延長を図っている。また、特開平2−108639に記
載されているところによれば、同様の方法および触媒に
より、含水素ハロゲン化炭化水素を共存させて、類似す
る触媒の長寿命化という効果を得ている。
【0006】しかしながら、上述の異性化方法は、その
目的とする触媒の長寿命化を達成することには成功して
いるものの、かかる方法では本来生成物中に混入するは
ずのないパークロロフルオロ炭化水素あるいは含水素ハ
ロゲン化炭化水素およびそれらの分解生成物が異性化反
応生成物中に同伴され、後段の生成工程を必要以上に複
雑化することになり、プロセスとしては非常に不利な方
法と言わざるを得ない。さらに、これらの方法では触媒
のフッ素化塩素化の反応剤としてパークロロフルオロ炭
化水素を使用しているが、パークロロフルオロ炭化水素
はオゾン層破壊の原因物質として世界的に規制されてい
る物質であり、これらの物質の使用を避けることは科学
技術にとっての義務である。
【0007】上に詳述した活性アルミナによるフッ素化
塩素化炭化水素の異性化反応においては、本質的に触媒
のフッ素化塩素化は避けられず、同時に、完全にフッ素
化されたアルミナには異性化活性はないかもしくは著し
く低いことが知られている。したがって、かかる反応系
においては触媒の調整条件、反応条件、再活性化により
触媒寿命の延長は可能であるが、特定の時間の後には触
媒の交換を行わなければならないことには変わりはな
い。
【0008】一方、化学的性質の差異に着目した方法と
しては、ハロゲン化炭化水素がアルカリによって塩化水
素反応を容易に受けるという公知の事実に基づいてHC
FC−123aを分解しようとする方法が米国特許26
36908号、同2667518号に開示されている。
しかしながら、これらの特許明細書に記載されている方
法では、溶媒にアルコールを使用していることから、処
理操作後にHCFC−123を溶媒からの分離に多大の
困難を伴うとともに、溶媒自身の回収、または廃棄の点
でも問題が多い。かかる問題点を回避するために溶媒と
してアルカリ水溶液を用いる方法が当然代替手段として
予想されうるが、比較例に示すようにこの反応系におい
ては反応が充分に進行しないという問題点をがあった。
【0009】
【問題点を解決するための具体的手段】本発明者らはか
かる従来技術の問題点に鑑み,HCFC−123の製造
プロセス、特にHCFC−123に同伴するHCFC−
123aを低減する精製プロセスについて鋭意検討を加
え、本発明に到達したものである。すなわち、本発明
は、塩基性水溶液と接触させることによる1,2−ジク
ロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを含む2,2−
ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法
において、該塩基性水溶液に第4級アンモニウム塩を共
存させることを特徴とする精製方法である。
【0010】さらに詳しくは、HCFC−123aを含
むHCFC−123を塩基性の水溶液と接触させること
によりHCFC−123aのみを脱塩化水素反応させ、
未反応のHCFC−123との蒸留分離の容易な低沸点
物質とするにあたって、該塩基性水溶液に相間移動触媒
として第4級アンモニウム塩を共存させることによりH
CFC−123の分解反応は起こさずに、HCFC−1
23aの分解反応を促進することを特徴とするHCFC
−123の精製方法である。
【0011】本発明において用いうる相間移動触媒を括
弧内の省略記号とともに例示すると、ベンジルトリエチ
ルアンモニウムブロマイド(BTEAB)、ベンジルト
リエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチル
アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブ
ロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムアイオダイド(TBAI)、テトラブチルアン
モニウム硫酸水素塩(TBAHS)、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロライド(TOMAC)、ドデシルピ
リジニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロマイ
ド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、オク
チルトリメチルアンモニウムクロマイド、デシルトリメ
チルアンモニウムブロマイド(DTMAB)、デシルト
リメチルアンモニウムクロライド(DMAC)、ドデシ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド(LTMAB)、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(LTMA
C)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド
(CTMAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロマイド(CTMAC)、ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムヒドロキシド、セチルジメチルエチルアンモ
ニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩を挙げるこ
とができる。さらにこれらのうちで、TOMAC、DT
MAB、DTMAC、LTMAB、LTMAC、CTM
AB、CTMACが好ましい。
【0012】相間移動触媒の塩基性溶液への添加量は、
分解処理されるべきHCFC−123aに対して0.1
〜20モル%が好ましく、1〜10モル%がより好まし
い。塩基性水溶液を形成する塩基性物質としては、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が用いられ
るが、水への溶解度の大きい水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが好ましい。またこの塩基性水溶液の濃度は、
10〜50重量%が好ましい。
【0013】本発明の方法は処理温度について臨界的で
はなく、反応速度を高めるには高い温度が望ましいが、
HCFC−123は27.1℃で沸騰するので高温での
処理には密閉容器を必要とし、容器に圧力がかかること
から通常0〜60℃が好ましい。一方、操作圧力は特に
限定する必要はないが、必要以上に高い圧力は装置の操
作性および経済性の点で不都合であるので、ゲージ圧0
〜2kg/cm2 が推奨しうる。
【0014】本発明により処理する粗HCFC−123
は、反応器から流出するフッ素化反応生成物からフッ化
水素および塩化水素を除いたのみの粗生成物でもよい
が、予め実質的にHCFC−123a以外の不純物を含
まないものが望ましい。また、本発明により処理する粗
HCFC−123の組成は、反応方法、反応条件、また
は前処理の方法により大きく変化するので、粗HCFC
−123に含まれるHCFC−123aの比率を特に限
定する必要はないが、通常HCFC−123a/(HC
FC−123+HCFC−123a)の比が0.01〜
0.15である。さらに、前処理の段階において、HC
FC−123aの濃度を異性化反応等の他の方法により
低減させておくことがより好ましい。
【0015】本発明においては、強制混合は必ずしも必
要ではないが反応速度を向上させる目的で、振盪、攪
拌、ラインミキサーによる混合等を行ってもよい。また
反応処理は回分式もしくは連続式で行うことができる。
【0016】本発明の処理を施した粗HCFC−123
は、ついで水洗浄、乾燥さらに蒸留操作により実質的に
不純物を含まないHCFC−123とする。また、本発
明の方法により処理したHCFC−123をさらに他の
物理的吸着法、吸収法等の処理を施すことも可能であ
る。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
実施態様はこれらに限るものではない。
【0018】実施例1 HCFC−123aが9.5%とHCFC−123が9
0.5%である粗HCFC−123を20g、50重量
%水酸化ナトリウム水溶液50gを100ccガラス製
エレンマイヤーフラスコにいれた後、相間移動触媒とし
てヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(C
TMAB)を0.048g(HCFC−123aに対し
て1モル%)を添加し、エレンマイヤーフラスコ上部に
氷冷した還流冷却器を取りつけ、その後25℃に保ちな
がらマグネチックスターラーで攪拌を続けた。2時間
後、エレンマイヤーフラスコを静置して内容物の有機相
を分離し、ガスクロマトグラフィーで分析したところH
CFC−123aの濃度は0.1%に低下していた。ガ
スクロマトグラフィーの検出下限濃度は0.0001重
量%である。
【0019】実施例2〜5および実施例7〜12 相間移動触媒としての第4級アンモニウム塩およびその
濃度、アルカリ物質およびその濃度、処理温度もしくは
処理時間を変化させ、実施例1と同様の装置を用い同様
の処理と分析を行った。それぞれの結果を条件とともに
表1に示す。
【0020】実施例6 処理容器として200ccのSUS316の容器をもち
い、密閉系で実験を行い、処理温度を50℃とした他は
実施例1と同様に実施した。結果を条件とともに表1に
示す。
【0021】比較例 相間移動触媒を添加しないで実施例6と同様の実験をお
こない、3時間後分析したところHCFC−123aの
濃度には有意の変化はなかった。
【0022】実施例の結果と比較例の結果を比較対照す
ると本発明の効果の顕著なことは明白である。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、HCFC−12
3を製造する際に副生成するHCFC−123aを、実
質的に常温、常圧の温和な条件で容易な操作により除去
しうるという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性水溶液と接触させることによる
    1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを
    含む2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタ
    ンの精製方法において、該塩基性水溶液に第4級アンモ
    ニウム塩を共存させることを特徴とする精製方法。
JP28169591A 1991-10-28 1991-10-28 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法 Pending JPH05117179A (ja)

Priority Applications (1)

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JP28169591A JPH05117179A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法

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JP28169591A JPH05117179A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法

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