JPH05117179A - 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法 - Google Patents
2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法Info
- Publication number
- JPH05117179A JPH05117179A JP28169591A JP28169591A JPH05117179A JP H05117179 A JPH05117179 A JP H05117179A JP 28169591 A JP28169591 A JP 28169591A JP 28169591 A JP28169591 A JP 28169591A JP H05117179 A JPH05117179 A JP H05117179A
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- trifluoroethane
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、2,2−ジクロロ−1,1,1−ト
リフルオロエタンの製造プロセス、特に2,2−ジクロ
ロ−1,1,1−トリフルオロエタンに同伴する1,2
−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを低減す
ることを目的とする。 【構成】本発明は、1,2−ジクロロ−1,1,2−ト
リフルオロエタンを第4級アンモニウム塩の存在下、水
酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液で分
解することによる2,2−ジクロロ−1,1,1−トリ
フルオロエタンの精製方法である。
リフルオロエタンの製造プロセス、特に2,2−ジクロ
ロ−1,1,1−トリフルオロエタンに同伴する1,2
−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを低減す
ることを目的とする。 【構成】本発明は、1,2−ジクロロ−1,1,2−ト
リフルオロエタンを第4級アンモニウム塩の存在下、水
酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液で分
解することによる2,2−ジクロロ−1,1,1−トリ
フルオロエタンの精製方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒、ウレタンフォー
ムの発泡剤、あるいは油脂、フラックスの除去用洗浄
剤、ドライクリーニング用溶剤などとして有用な2,2
−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方
法に関する。
ムの発泡剤、あるいは油脂、フラックスの除去用洗浄
剤、ドライクリーニング用溶剤などとして有用な2,2
−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方
法に関する。
【0002】
【従来技術とその解決しようとする課題】2,2−ジク
ロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(以下、HCF
C−123という。)の製造方法には、従来より、各種
の方法が提案されている。例えば、USP−4,76
6,260明細書に記載されているところによると、気
相においてクロム、コバルト、ニッケル、マンガンなど
を担持したアルミナ触媒の存在下、テトラクロロエチレ
ンをフッ化水素でフッ素化することにより高い収率でH
CFC−123を得ている。しかしながら、このような
方法で合成したHCFC−123には、異性体である
1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン
(以下、HCFC−123aという。)が5〜15%含
まれることが知られている。通常、かかる生成物は蒸留
操作により分離精製するのが一般的であるが、これらの
物質の沸点は、HCFC−123が27.1℃、HCF
C−123aが28.2℃と極めて近接し、容易には分
離できないという問題がある。
ロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(以下、HCF
C−123という。)の製造方法には、従来より、各種
の方法が提案されている。例えば、USP−4,76
6,260明細書に記載されているところによると、気
相においてクロム、コバルト、ニッケル、マンガンなど
を担持したアルミナ触媒の存在下、テトラクロロエチレ
ンをフッ化水素でフッ素化することにより高い収率でH
CFC−123を得ている。しかしながら、このような
方法で合成したHCFC−123には、異性体である
1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン
(以下、HCFC−123aという。)が5〜15%含
まれることが知られている。通常、かかる生成物は蒸留
操作により分離精製するのが一般的であるが、これらの
物質の沸点は、HCFC−123が27.1℃、HCF
C−123aが28.2℃と極めて近接し、容易には分
離できないという問題がある。
【0003】HCFC−123aの毒性、有害性につい
ては明白ではないものの、製品であるHCFC−123
は広く一般的な用途の使用を意図されているものである
ことを考慮すると、かかる安全性において疑問のある不
純物を混入せしめるのは好ましくなく、可及的にその含
有量を低減するのは極めて重要なことであるといえる。
ては明白ではないものの、製品であるHCFC−123
は広く一般的な用途の使用を意図されているものである
ことを考慮すると、かかる安全性において疑問のある不
純物を混入せしめるのは好ましくなく、可及的にその含
有量を低減するのは極めて重要なことであるといえる。
【0004】このような液体の異性体の混合物の分離に
は、蒸留のほかに固体物質の吸着特性或いは液体物質へ
の溶解特性を利用する方法、化学的性質の差異を利用し
て一方のみを反応せしめたうえで分離操作を施す方法な
どが採られることが多い。これらの方法には対象とする
物質に応じて様々の改良法があるが、最も望ましい形態
としては除かれるべき異性体を異性化反応によって、目
的とする異性体に変換する方法である。
は、蒸留のほかに固体物質の吸着特性或いは液体物質へ
の溶解特性を利用する方法、化学的性質の差異を利用し
て一方のみを反応せしめたうえで分離操作を施す方法な
どが採られることが多い。これらの方法には対象とする
物質に応じて様々の改良法があるが、最も望ましい形態
としては除かれるべき異性体を異性化反応によって、目
的とする異性体に変換する方法である。
【0005】例えば、アルミナを部分的にフッ素化した
触媒がパークロロフルオロ炭化水素の異性化に優れた効
果を示すことは公知である。しかしながら、このような
手段をHCFC−123もしくはHCFC−123aの
ような水素原子を分子内に有する物質に適用すると、触
媒の寿命が短く実用に供することが困難とされていた。
そこで、この問題点を解決することを目的として、若干
の提案がなされている。例えば、特公昭61−2737
5に記載されている気相異性化方法によれば、触媒とし
てパークロロフルオロ炭化水素で予め気相においてフッ
素化塩素化したアルミナを用い、HCFC−123aを
含むHCFC−123にパークロロフルオロ炭化水素を
共存させた状態で反応させることを提案し、触媒寿命の
延長を図っている。また、特開平2−108639に記
載されているところによれば、同様の方法および触媒に
より、含水素ハロゲン化炭化水素を共存させて、類似す
る触媒の長寿命化という効果を得ている。
触媒がパークロロフルオロ炭化水素の異性化に優れた効
果を示すことは公知である。しかしながら、このような
手段をHCFC−123もしくはHCFC−123aの
ような水素原子を分子内に有する物質に適用すると、触
媒の寿命が短く実用に供することが困難とされていた。
そこで、この問題点を解決することを目的として、若干
の提案がなされている。例えば、特公昭61−2737
5に記載されている気相異性化方法によれば、触媒とし
てパークロロフルオロ炭化水素で予め気相においてフッ
素化塩素化したアルミナを用い、HCFC−123aを
含むHCFC−123にパークロロフルオロ炭化水素を
共存させた状態で反応させることを提案し、触媒寿命の
延長を図っている。また、特開平2−108639に記
載されているところによれば、同様の方法および触媒に
より、含水素ハロゲン化炭化水素を共存させて、類似す
る触媒の長寿命化という効果を得ている。
【0006】しかしながら、上述の異性化方法は、その
目的とする触媒の長寿命化を達成することには成功して
いるものの、かかる方法では本来生成物中に混入するは
ずのないパークロロフルオロ炭化水素あるいは含水素ハ
ロゲン化炭化水素およびそれらの分解生成物が異性化反
応生成物中に同伴され、後段の生成工程を必要以上に複
雑化することになり、プロセスとしては非常に不利な方
法と言わざるを得ない。さらに、これらの方法では触媒
のフッ素化塩素化の反応剤としてパークロロフルオロ炭
化水素を使用しているが、パークロロフルオロ炭化水素
はオゾン層破壊の原因物質として世界的に規制されてい
る物質であり、これらの物質の使用を避けることは科学
技術にとっての義務である。
目的とする触媒の長寿命化を達成することには成功して
いるものの、かかる方法では本来生成物中に混入するは
ずのないパークロロフルオロ炭化水素あるいは含水素ハ
ロゲン化炭化水素およびそれらの分解生成物が異性化反
応生成物中に同伴され、後段の生成工程を必要以上に複
雑化することになり、プロセスとしては非常に不利な方
法と言わざるを得ない。さらに、これらの方法では触媒
のフッ素化塩素化の反応剤としてパークロロフルオロ炭
化水素を使用しているが、パークロロフルオロ炭化水素
はオゾン層破壊の原因物質として世界的に規制されてい
る物質であり、これらの物質の使用を避けることは科学
技術にとっての義務である。
【0007】上に詳述した活性アルミナによるフッ素化
塩素化炭化水素の異性化反応においては、本質的に触媒
のフッ素化塩素化は避けられず、同時に、完全にフッ素
化されたアルミナには異性化活性はないかもしくは著し
く低いことが知られている。したがって、かかる反応系
においては触媒の調整条件、反応条件、再活性化により
触媒寿命の延長は可能であるが、特定の時間の後には触
媒の交換を行わなければならないことには変わりはな
い。
塩素化炭化水素の異性化反応においては、本質的に触媒
のフッ素化塩素化は避けられず、同時に、完全にフッ素
化されたアルミナには異性化活性はないかもしくは著し
く低いことが知られている。したがって、かかる反応系
においては触媒の調整条件、反応条件、再活性化により
触媒寿命の延長は可能であるが、特定の時間の後には触
媒の交換を行わなければならないことには変わりはな
い。
【0008】一方、化学的性質の差異に着目した方法と
しては、ハロゲン化炭化水素がアルカリによって塩化水
素反応を容易に受けるという公知の事実に基づいてHC
FC−123aを分解しようとする方法が米国特許26
36908号、同2667518号に開示されている。
しかしながら、これらの特許明細書に記載されている方
法では、溶媒にアルコールを使用していることから、処
理操作後にHCFC−123を溶媒からの分離に多大の
困難を伴うとともに、溶媒自身の回収、または廃棄の点
でも問題が多い。かかる問題点を回避するために溶媒と
してアルカリ水溶液を用いる方法が当然代替手段として
予想されうるが、比較例に示すようにこの反応系におい
ては反応が充分に進行しないという問題点をがあった。
しては、ハロゲン化炭化水素がアルカリによって塩化水
素反応を容易に受けるという公知の事実に基づいてHC
FC−123aを分解しようとする方法が米国特許26
36908号、同2667518号に開示されている。
しかしながら、これらの特許明細書に記載されている方
法では、溶媒にアルコールを使用していることから、処
理操作後にHCFC−123を溶媒からの分離に多大の
困難を伴うとともに、溶媒自身の回収、または廃棄の点
でも問題が多い。かかる問題点を回避するために溶媒と
してアルカリ水溶液を用いる方法が当然代替手段として
予想されうるが、比較例に示すようにこの反応系におい
ては反応が充分に進行しないという問題点をがあった。
【0009】
【問題点を解決するための具体的手段】本発明者らはか
かる従来技術の問題点に鑑み,HCFC−123の製造
プロセス、特にHCFC−123に同伴するHCFC−
123aを低減する精製プロセスについて鋭意検討を加
え、本発明に到達したものである。すなわち、本発明
は、塩基性水溶液と接触させることによる1,2−ジク
ロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを含む2,2−
ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法
において、該塩基性水溶液に第4級アンモニウム塩を共
存させることを特徴とする精製方法である。
かる従来技術の問題点に鑑み,HCFC−123の製造
プロセス、特にHCFC−123に同伴するHCFC−
123aを低減する精製プロセスについて鋭意検討を加
え、本発明に到達したものである。すなわち、本発明
は、塩基性水溶液と接触させることによる1,2−ジク
ロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを含む2,2−
ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法
において、該塩基性水溶液に第4級アンモニウム塩を共
存させることを特徴とする精製方法である。
【0010】さらに詳しくは、HCFC−123aを含
むHCFC−123を塩基性の水溶液と接触させること
によりHCFC−123aのみを脱塩化水素反応させ、
未反応のHCFC−123との蒸留分離の容易な低沸点
物質とするにあたって、該塩基性水溶液に相間移動触媒
として第4級アンモニウム塩を共存させることによりH
CFC−123の分解反応は起こさずに、HCFC−1
23aの分解反応を促進することを特徴とするHCFC
−123の精製方法である。
むHCFC−123を塩基性の水溶液と接触させること
によりHCFC−123aのみを脱塩化水素反応させ、
未反応のHCFC−123との蒸留分離の容易な低沸点
物質とするにあたって、該塩基性水溶液に相間移動触媒
として第4級アンモニウム塩を共存させることによりH
CFC−123の分解反応は起こさずに、HCFC−1
23aの分解反応を促進することを特徴とするHCFC
−123の精製方法である。
【0011】本発明において用いうる相間移動触媒を括
弧内の省略記号とともに例示すると、ベンジルトリエチ
ルアンモニウムブロマイド(BTEAB)、ベンジルト
リエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチル
アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブ
ロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムアイオダイド(TBAI)、テトラブチルアン
モニウム硫酸水素塩(TBAHS)、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロライド(TOMAC)、ドデシルピ
リジニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロマイ
ド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、オク
チルトリメチルアンモニウムクロマイド、デシルトリメ
チルアンモニウムブロマイド(DTMAB)、デシルト
リメチルアンモニウムクロライド(DMAC)、ドデシ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド(LTMAB)、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(LTMA
C)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド
(CTMAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロマイド(CTMAC)、ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムヒドロキシド、セチルジメチルエチルアンモ
ニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩を挙げるこ
とができる。さらにこれらのうちで、TOMAC、DT
MAB、DTMAC、LTMAB、LTMAC、CTM
AB、CTMACが好ましい。
弧内の省略記号とともに例示すると、ベンジルトリエチ
ルアンモニウムブロマイド(BTEAB)、ベンジルト
リエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチル
アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブ
ロマイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テ
トラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムアイオダイド(TBAI)、テトラブチルアン
モニウム硫酸水素塩(TBAHS)、トリオクチルメチ
ルアンモニウムクロライド(TOMAC)、ドデシルピ
リジニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロマイ
ド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、オク
チルトリメチルアンモニウムクロマイド、デシルトリメ
チルアンモニウムブロマイド(DTMAB)、デシルト
リメチルアンモニウムクロライド(DMAC)、ドデシ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド(LTMAB)、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(LTMA
C)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド
(CTMAB)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロマイド(CTMAC)、ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムヒドロキシド、セチルジメチルエチルアンモ
ニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩を挙げるこ
とができる。さらにこれらのうちで、TOMAC、DT
MAB、DTMAC、LTMAB、LTMAC、CTM
AB、CTMACが好ましい。
【0012】相間移動触媒の塩基性溶液への添加量は、
分解処理されるべきHCFC−123aに対して0.1
〜20モル%が好ましく、1〜10モル%がより好まし
い。塩基性水溶液を形成する塩基性物質としては、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が用いられ
るが、水への溶解度の大きい水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが好ましい。またこの塩基性水溶液の濃度は、
10〜50重量%が好ましい。
分解処理されるべきHCFC−123aに対して0.1
〜20モル%が好ましく、1〜10モル%がより好まし
い。塩基性水溶液を形成する塩基性物質としては、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が用いられ
るが、水への溶解度の大きい水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが好ましい。またこの塩基性水溶液の濃度は、
10〜50重量%が好ましい。
【0013】本発明の方法は処理温度について臨界的で
はなく、反応速度を高めるには高い温度が望ましいが、
HCFC−123は27.1℃で沸騰するので高温での
処理には密閉容器を必要とし、容器に圧力がかかること
から通常0〜60℃が好ましい。一方、操作圧力は特に
限定する必要はないが、必要以上に高い圧力は装置の操
作性および経済性の点で不都合であるので、ゲージ圧0
〜2kg/cm2 が推奨しうる。
はなく、反応速度を高めるには高い温度が望ましいが、
HCFC−123は27.1℃で沸騰するので高温での
処理には密閉容器を必要とし、容器に圧力がかかること
から通常0〜60℃が好ましい。一方、操作圧力は特に
限定する必要はないが、必要以上に高い圧力は装置の操
作性および経済性の点で不都合であるので、ゲージ圧0
〜2kg/cm2 が推奨しうる。
【0014】本発明により処理する粗HCFC−123
は、反応器から流出するフッ素化反応生成物からフッ化
水素および塩化水素を除いたのみの粗生成物でもよい
が、予め実質的にHCFC−123a以外の不純物を含
まないものが望ましい。また、本発明により処理する粗
HCFC−123の組成は、反応方法、反応条件、また
は前処理の方法により大きく変化するので、粗HCFC
−123に含まれるHCFC−123aの比率を特に限
定する必要はないが、通常HCFC−123a/(HC
FC−123+HCFC−123a)の比が0.01〜
0.15である。さらに、前処理の段階において、HC
FC−123aの濃度を異性化反応等の他の方法により
低減させておくことがより好ましい。
は、反応器から流出するフッ素化反応生成物からフッ化
水素および塩化水素を除いたのみの粗生成物でもよい
が、予め実質的にHCFC−123a以外の不純物を含
まないものが望ましい。また、本発明により処理する粗
HCFC−123の組成は、反応方法、反応条件、また
は前処理の方法により大きく変化するので、粗HCFC
−123に含まれるHCFC−123aの比率を特に限
定する必要はないが、通常HCFC−123a/(HC
FC−123+HCFC−123a)の比が0.01〜
0.15である。さらに、前処理の段階において、HC
FC−123aの濃度を異性化反応等の他の方法により
低減させておくことがより好ましい。
【0015】本発明においては、強制混合は必ずしも必
要ではないが反応速度を向上させる目的で、振盪、攪
拌、ラインミキサーによる混合等を行ってもよい。また
反応処理は回分式もしくは連続式で行うことができる。
要ではないが反応速度を向上させる目的で、振盪、攪
拌、ラインミキサーによる混合等を行ってもよい。また
反応処理は回分式もしくは連続式で行うことができる。
【0016】本発明の処理を施した粗HCFC−123
は、ついで水洗浄、乾燥さらに蒸留操作により実質的に
不純物を含まないHCFC−123とする。また、本発
明の方法により処理したHCFC−123をさらに他の
物理的吸着法、吸収法等の処理を施すことも可能であ
る。
は、ついで水洗浄、乾燥さらに蒸留操作により実質的に
不純物を含まないHCFC−123とする。また、本発
明の方法により処理したHCFC−123をさらに他の
物理的吸着法、吸収法等の処理を施すことも可能であ
る。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
実施態様はこれらに限るものではない。
実施態様はこれらに限るものではない。
【0018】実施例1 HCFC−123aが9.5%とHCFC−123が9
0.5%である粗HCFC−123を20g、50重量
%水酸化ナトリウム水溶液50gを100ccガラス製
エレンマイヤーフラスコにいれた後、相間移動触媒とし
てヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(C
TMAB)を0.048g(HCFC−123aに対し
て1モル%)を添加し、エレンマイヤーフラスコ上部に
氷冷した還流冷却器を取りつけ、その後25℃に保ちな
がらマグネチックスターラーで攪拌を続けた。2時間
後、エレンマイヤーフラスコを静置して内容物の有機相
を分離し、ガスクロマトグラフィーで分析したところH
CFC−123aの濃度は0.1%に低下していた。ガ
スクロマトグラフィーの検出下限濃度は0.0001重
量%である。
0.5%である粗HCFC−123を20g、50重量
%水酸化ナトリウム水溶液50gを100ccガラス製
エレンマイヤーフラスコにいれた後、相間移動触媒とし
てヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(C
TMAB)を0.048g(HCFC−123aに対し
て1モル%)を添加し、エレンマイヤーフラスコ上部に
氷冷した還流冷却器を取りつけ、その後25℃に保ちな
がらマグネチックスターラーで攪拌を続けた。2時間
後、エレンマイヤーフラスコを静置して内容物の有機相
を分離し、ガスクロマトグラフィーで分析したところH
CFC−123aの濃度は0.1%に低下していた。ガ
スクロマトグラフィーの検出下限濃度は0.0001重
量%である。
【0019】実施例2〜5および実施例7〜12 相間移動触媒としての第4級アンモニウム塩およびその
濃度、アルカリ物質およびその濃度、処理温度もしくは
処理時間を変化させ、実施例1と同様の装置を用い同様
の処理と分析を行った。それぞれの結果を条件とともに
表1に示す。
濃度、アルカリ物質およびその濃度、処理温度もしくは
処理時間を変化させ、実施例1と同様の装置を用い同様
の処理と分析を行った。それぞれの結果を条件とともに
表1に示す。
【0020】実施例6 処理容器として200ccのSUS316の容器をもち
い、密閉系で実験を行い、処理温度を50℃とした他は
実施例1と同様に実施した。結果を条件とともに表1に
示す。
い、密閉系で実験を行い、処理温度を50℃とした他は
実施例1と同様に実施した。結果を条件とともに表1に
示す。
【0021】比較例 相間移動触媒を添加しないで実施例6と同様の実験をお
こない、3時間後分析したところHCFC−123aの
濃度には有意の変化はなかった。
こない、3時間後分析したところHCFC−123aの
濃度には有意の変化はなかった。
【0022】実施例の結果と比較例の結果を比較対照す
ると本発明の効果の顕著なことは明白である。
ると本発明の効果の顕著なことは明白である。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、HCFC−12
3を製造する際に副生成するHCFC−123aを、実
質的に常温、常圧の温和な条件で容易な操作により除去
しうるという効果を奏する。
3を製造する際に副生成するHCFC−123aを、実
質的に常温、常圧の温和な条件で容易な操作により除去
しうるという効果を奏する。
Claims (1)
- 【請求項1】 塩基性水溶液と接触させることによる
1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタンを
含む2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタ
ンの精製方法において、該塩基性水溶液に第4級アンモ
ニウム塩を共存させることを特徴とする精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28169591A JPH05117179A (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28169591A JPH05117179A (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117179A true JPH05117179A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17642696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28169591A Pending JPH05117179A (ja) | 1991-10-28 | 1991-10-28 | 2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH05117179A (ja) |
-
1991
- 1991-10-28 JP JP28169591A patent/JPH05117179A/ja active Pending
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