JPH0511701U - 電気自動車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空調機を搭載する電気自動車において、空調
機の運転状態に影響を受けることなく、安定した信頼性
の高い走行が可能な電気自動車を提供することを目的を
する。 【構成】 充電装置２ｂから直流電力を電気自動車本体
１０に搭載された駆動電動機用バッテリ３ａ及び空調機
用バッテリ３ｂに充電し、駆動電動機用バッテリ３ａか
らは駆動用制御装置４ａを介して駆動電動機５に電力供
給して車輪６を回転駆動させ、空調機用バッテリ３ｂか
らは空調機用制御装置４ｂを介して空調機７を運転す
る。 【効果】 駆動電動機と空調機に電力を供給するバッテ
リを各々別々に設けると共に、駆動電動機及び空調機を
制御する制御装置も各々別々に設けているので、空気調
和機の制御系統が故障しても、駆動電動機の制御系統に
異常がなければ、継続して走行が可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

［考案の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は駆動電動機の回転力により走行する電気自動車に係り、特に、空調機 を搭載した電気自動車に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、電気自動車では図２に示すように商用電源１から交流電力を充電装 置２ａに充電し、充電装置２ａから直流電力を電気自動車本体１０に搭載された 主バッテリ３に充電し、この主バッテリ３から制御装置４を介して空調機７及び 駆動電動機５に電力供給し、空調すると共に車輪６を回転駆動させるように構成 している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このように空調機を搭載する従来の電気自動車では、空調機と 駆動電動機の制御装置を一体に構成しているため、空調機側の制御系統が故障す るだけで、制御装置の保護制御が働いて走行不能になってしまうという欠点があ る。

【０００４】 また、このような構成における修理・メインテナンスにおいては、制御装置が 一体になっているため、駆動電動機と空調機のどちらが原因で走行不能に至った のか判断するのに時間がかかり、修理・メインテナンスの対応が難しかった。

【０００５】 さらに、従来の電気自動車では、空調機用電力と駆動電動機用電力の両方を一 つのバッテリから取り出すため、空調機による電力消費が電気自動車の走行距離 に大きく影響するので、空調機を運転させて走行する時には、電力消費の速度が 空調機の未使用時と異なるため、走行可能な残存距離を把握することが難しいと いう問題がある。

【０００６】 本考案は上述したような問題点を解消し、空調機の運転状態に影響を受けるこ となく、安定した信頼性の高い走行が可能な電気自動車を提供することを目的を する。 ［考案の構成］

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を解決するために、本考案では自動車本体を走行させる駆動電動機及 び自動車本体に設けられた空調機に電力を供給するバッテリを搭載する電気自動 車において、駆動電動機と空調機に電力を供給するバッテリを各々別々に設ける と共に、駆動電動機及び空調機を制御する制御装置も各々別々に設けて構成して いる。

【０００８】

【作用】

このような構成では、駆動電動機及び空調機のバッテリ及び制御装置が別体に 設けられているので、走行中に空調機側の制御系統が故障しても、駆動電動機側 の制御装置に影響を及ぼすことがなく、継続して安定した走行が可能である。 また、走行中に空調機を運転させても、駆動電動機用のバッテリの電力の消費 速度は変わらないので、走行可能な残存距離を把握することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

【００１０】 図１は本考案の一実施例である電気自動車の構成を示すブロック図で、電気自 動車本体１０は、駆動電動機用バッテリ３ａと駆動用制御装置４ａと駆動電動機 ５と車輪６が接続される一方、空調機用バッテリ３ｂと空調機用制御装置４ｂと 空調機７が接続されている。さらに、駆動電動機用バッテリ３ａには運転可能な 残存電力量を表示する残存電力メータ８が接続され、空調機用バッテリ３ｂにも 運転可能な残存電力量を表示する残存電力メータ９が接続されている。

【００１１】 また、電気自動車本体１０の充電システムとして商用電源１からの交流電源を 直流電源に変換して出力する充電装置２ｂが設けられ、電気自動車本体１０は充 電時、駆動電動機用バッテリ３ａ及び空調機用バッテリ３ｂと充電装置２ｂを接 続して、各々別々に充電できるようになっている。

【００１２】 このように構成される電気自動車では、走行前に充電装置２ｂから直流電力を 電気自動車本体１０に搭載された駆動電動機用バッテリ３ａ及び空調機用バッテ リ３ｂに充電しておく。

【００１３】 そして、駆動電動機用バッテリ３ａからは駆動用制御装置４ａを介して駆動電 動機５に電力供給して車輪６を回転駆動させ、空調機用バッテリ３ｂからは空調 機用制御装置４ｂを介して空調機７を運転する。 このとき、駆動用制御装置４ａはドライバーにより調整される速度指令に基づ いて駆動電動機５の回転数を制御する。

【００１４】 一方、空調機用制御装置４ｂはドライバーにより空調機７の電源スイッチ（図 示せず）がオンされると設定スイッチ等で調整・設定される運転指令に基づいて 空調機７の圧縮機、送風機等の制御を行って車内を空調制御する。

【００１５】 また、電気自動車本体１０の走行中には残存電力メータ８が駆動電動機用バッ テリ３ａの残存電力量を表示し、残存電力メータ９は空調機用バッテリ３ｂの残 存電力量を表示するようになっている。

【００１６】 以上のように、本実施例によれば駆動電動機と空調機に電力を供給するバッテ リを各々別々に設けると共に、駆動電動機及び空調機を制御する制御装置も各々 別々に設けて構成しているので、空調機側の制御系統が故障して空調機側の制御 装置で保護制御が働いても、駆動電動機側の制御系統に異常がなければ継続して 電気自動車を走行させることが可能である。

【００１７】 また、制御装置を別々に設けているので、従来の電気自動車ような制御装置を 一体に設けているものに比べて、どちらの制御系統が故障しているのかを容易に 判断でき、修理・メインテナンスを別々にでき対応がしやすい。

【００１８】 さらに、本実施例ではバッテリを駆動電動機用と空調機用に別けて、駆動電動 機用の残存電力メータと空調機用の残存電力メータを設けているので、走行中に 空調機を運転させても、駆動電動機用のバッテリの電力の消費速度はあまり変わ らないので、ほぼ正確に走行可能な残存距離を把握することができる。

【００１９】 また、駆動電動機用バッテリと空調機用バッテリの収納位置を電気自動車本体 の前後あるいは左右に分けて設置することにより、従来のように１つだけバッテ リを設ける電気自動車に比べて車体全体の重量バランスを良くすることもできる 。

【００２０】

【考案の効果】

本考案によれば、電気自動車の駆動電動機と空調機に電力を供給するバッテリ を各々別々に設けると共に、駆動電動機及び空調機を制御する制御装置も各々別 々に設けているので、空調機の運転状態に影響することなく継続して安定した走 行が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例における電気自動車の構成を
示すブロック図である。

【図２】従来の電気自動車の構成を示すブロック図であ
る。

【符号の説明】

２ｂ…充電装置、３ａ…駆動電動機用バッテリ、３ｂ…
空調機用バッテリ、４ａ…駆動用制御装置、４ｂ…空調
機用制御装置、５…駆動電動機、７…空調機。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】自動車本体を走行させる駆動電動機及び自
   動車本体に設けられた空調機に電力を供給するバッテリ
   を搭載する電気自動車において、 前記駆動電動機と前記空調機に電力を供給するバッテリ
   を各々別々に設けると共に、前記駆動電動機及び前記空
   調機を制御する制御装置も各々別々に設けたことを特徴
   とする電気自動車。