JPH05116587A - 同一方向の溶接箇所を有するガス発生器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 エアーバッグ用ガス発生器のハウジングの新
規な溶接構造を提供する。 【構成】 ガス発生器において、中央筒状室、燃焼室及
びクーラント・フィルタ室を規定する環状空間を形成す
るハウジングがディフューザシェル２とクロージャーシ
ェル３とからなり、該ディフユーザシェルは円形頂壁か
ら伸びる同心の複数個の筒状部４，５を有し、該クロー
ジャーシェルはディフューザシェルの筒状部に対する同
心の噛み合わせ面３ｄを具備し、該ディフューザシェル
の複数個の筒状部が該クロージャーシェルの同心式の噛
み合わせ面に同一方向に位置する溶接箇所１に於て溶接
される様にしたことを特徴とする同一方向の溶接箇所を
有するガス発生器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の衝突事故等に
よる衝撃からドライバー及び乗員を保護するためのエア
ーバッグに使用されるガス発生器に係り、特にガス発生
器のハウジングの新規な溶接構造に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
様に、従来乗用車においてその衝突時の衝撃から運転者
を保護するための安全装置は、エアバッグとこのエアバ
ッグを極めて短時間で膨張させるためのガス発生器から
なっている。

【０００３】このガス発生器は主構成要素として中央の
雷管またはスクイブ・エンハンサを収容する中央筒状室
を有し、これを囲繞してガス発生剤が収容される円筒状
の燃焼室が形成され、更にこの燃焼室を囲繞して半径方
向外側に断面矩形のクーラント・フィルタ室が形成され
ており、燃焼室から発生したガスはクーラント及びフィ
ルタを通過してクーラント・フィルタ室のガス流出口か
らエアバッグへ流入する様になっている。

【０００４】従来、かかるガス発生器の燃焼室及びフィ
ルタ・クーラント室を形成するためのハウジングの構造
については種々の提案がなされている。

【０００５】例えば、特開平２−155857号公報ではガス
発生装置の小型化、軽量化のため、燃焼室がハウジング
本体の有底筒状部と、これの開口部に溶接接続される蓋
部材により形成されるガス発生装置が提案されている。

【０００６】又特開昭55−152639号公報はケーシングの
重量を低減するための薄板構造のガス発生器として、点
火装置の収容筒とカバーとＳ字状のケーシングにより燃
焼室とフィルタ室とを形成し、且つフィルタ室（膨張
室）の流出開口が延長されたケーシング部分内にスリッ
ト状に打ち抜いて作られたガス発生器を開示している。
併し、これら従来のハウジング構造では溶接箇所が複数
箇所別方向にあり、組立作業及び溶接作業においてガス
発生器を反転させねばならず、工程上労力を要してい
た。即ちこれらの従来のハウジング構造を略示すると、
その縦断面は図３及び図４に示すようになるが、複数個
の溶接個所１が別方向に存在し、組立及び溶接が面倒で
あった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、発明者等は種々検討の結果、ガス発生器のハウジ
ングを形成するディフューザシェルとクロージャシェル
の複数個の溶接個所を全て同一方向に設ける構造を見出
し、本発明を完成するに到った。

【０００８】即ち、本発明は、雷管またはスクイブ・エ
ンハンサを収容する中央筒状室と、該中央筒状室を囲繞
してガス発生剤が収容される燃焼室と、該燃焼室を囲繞
して環状に配置され燃焼室と連通する開口を通過したガ
スの流入するクーラント・フィルタ室と、該クーラント
・フィルタ室に形成され、該クーラント・フィルタを通
過したガスをエアバッグに流出させるガス流出口を備え
たガス発生器において、上記中央筒状室、燃焼室及びク
ーラント・フィルタ室を規定する環状空間を形成するハ
ウジングがディフューザシェルとクロージャシェルとか
らなり、該ディフューザシェルは円形頂壁から伸びる同
心の複数個の筒状部を有し、該クロージャーシェルはデ
イフューザシェルの筒状部に対する同心の噛み合わせ面
を具備し、該ディフューザシェルの複数個の筒状部が該
クロージャシェルの同心式の噛み合わせ面に同一方向に
位置する溶接箇所に於て溶接される様にしたことを特徴
とする同一方向の溶接箇所を有するガス発生器に係るも
のである。

【０００９】溶接方法としては、通常のアーク溶接、レ
ーザービーム溶接及び電子線溶接（ＥＢＷ，Electron B
eam Welding ）等が挙げられる。

【００１０】

【実施例】以下本発明を図面に示した実施例により説明
するが、本発明はこの実施例に制限されるものではな
い。

【００１１】図１は自動車乗員保護のためのエアバッグ
用の本発明によるガス発生器の縦断面図を示すものであ
り、図２は図１のガス発生器構造を形成する各部品を分
解して示した組立、溶接前の状態を示す略示図である。

【００１２】ガス発生器のハウジングはディフューザシ
ェル２とクロージャシェル３とからなり、ディフューザ
シェル２は円形頂壁から延びる内筒部４及び外筒部５を
有し、内筒部は中央の雷管またはスクイブ・エンハンサ
を収容する中央筒状室を形成し、外筒部５はガス発生剤
容器６、クーラント７及びフィルタ８等を収容する環状
空間を規定する。

【００１３】クロージャーシェル３は、円形壁部3aと、
この円形壁部3aの外周部に形成された軸方向曲折部3bを
有し、この曲折部3bが、ディフューザーシェル２の外周
部に形成された段部5aに係合している。

【００１４】クロージャーシェル３は、その円形壁部3a
に貫通孔14を有し、この貫通孔14にディフューザーシェ
ルの内筒部４が貫入し、内筒部４の一部はクロージャー
シェルの外面3cより突出している。

【００１５】突出する内筒部の外周面4aとクロージャー
シェルの外面3cとが交差する円周領域に溶接箇所１が形
成されている。

【００１６】また、前記曲折部3bの外周面3dと前記段部
5aの端面5bとが交差する円周領域に溶接箇所１が形成さ
れている。

【００１７】２つの溶接箇所１は、いずれもハウジング
の一方の側（図１では上側）に位置し、同一方向からの
溶接を可能にしている。

【００１８】尚、９は燃焼リング、10は保持リングであ
る。点火装置（図示せず）から筒状室４の周壁に設けら
れた開口12を通して着火されたガス発生剤６から出た燃
焼ガスは燃焼リング９の環状側壁に多数設けられた連通
口13を通過して膨張室に入り、その内部のクーラント７
及びフイルタ８を通過してディフューザシェル２の外側
壁に設けられた多数のガス流出口11を通って流出し、エ
アバッグに流入して瞬時にこれを膨張させる様になって
いる。

【００１９】本発明のガス発生器のハウジングは、ディ
フューザシェル２とクロージャーシェル３との間の環状
溶接箇所１の溶接が電子ビーム溶接或はレーザービーム
溶接によりなされるが、溶接個所が全て同一方向である
ので、ガス発生器組立体を反転させる必要がなく、二個
所の溶接を一度に行うことができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明の溶接構造を用いることにより、
溶接作業においてガス発生器を反転させる必要がなくな
り、作業能率が向上すると共に、ガス発生器の構成部品
の組み付けにおいても全て同一方向より部品を組込むこ
とができるので、工程上の負担が軽減される。更に、複
数箇所の溶接を同時に行うことができ、従って自動化対
応が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガス発生器本体の縦断面図である。

【図２】ガス発生器の構成部品を分解して示した略示図
である。

【図３】従来のハウジング構造の一例を示した概略図で
ある。

【図４】従来のハウジング構造の他の例を示した概略図
である。

【符号の説明】

１ 溶接個所 ２ ディフューザシェル ３ クロージャシェル ４ 内筒部 ５ 外筒部 ６ ガス発生剤容器 ７ クーラント ８ フィルタ ９ 燃焼リング 10 保持リング 11 ガス流出口 12 開口 13 連通口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 雷管またはスクイブ・エンハンサを収容
   する中央筒状室と、該中央筒状室を囲繞してガス発生剤
   が収容される燃焼室と、該燃焼室を囲繞して環状に配置
   され燃焼室と連通する開口を通過したガスの流入するク
   ーラント・フィルタ室と、該クーラント・フィルタ室に
   形成され、該クーラント・フィルタを通過したガスをエ
   アバッグに流出させるガス流出口を備えたガス発生器に
   おいて、上記中央筒状室、燃焼室及びクーラント・フィ
   ルタ室を規定する環状空間を形成するハウジングがディ
   フューザシェルとクロージャシェルとからなり、該ディ
   フューザシェルは円形頂壁から伸びる同心の複数個の筒
   状部を有し、該クロージャシェルはディフューザシェル
   の筒状部に対する同心の噛み合わせ面を具備し、該ディ
   フューザシェルの複数個の筒状部が該クロージャシェル
   の同心式の噛み合わせ面に同一方向に位置する溶接個所
   に於て溶接される様にしたことを特徴とする同一方向の
   溶接箇所を有するガス発生器。