JPH05115238A - 燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置 - Google Patents
燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置Info
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- JPH05115238A JPH05115238A JP3305698A JP30569891A JPH05115238A JP H05115238 A JPH05115238 A JP H05115238A JP 3305698 A JP3305698 A JP 3305698A JP 30569891 A JP30569891 A JP 30569891A JP H05115238 A JPH05115238 A JP H05115238A
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- container
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 作動後短時間で発煙し、しかも発煙の勢いが
強く、更に短時間でより広く拡散させることができるよ
うにした燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置を提供する。 【構成】 燻煙剤または燻蒸剤を底部が平滑な金属容器
(1)に収容する。該金属容器(1)の底部外表面に直
接に接して、もしくは厚さが2mm以下の金属板(5)を
該金属容器(1)の底部外表面に重ね、該金属板(5)
に接触するようにして、フェロシリコン粉末と金属酸化
物とを圧搾成形してなる発熱体(4)を配置する。ま
た、該金属容器(1)の底部面積(A)に対する該発熱
体(4)の該金属容器(1)の底部または該金属板
(5)との接触面積(B)の割合(B/A)を0.2以
上0.9以下とする。更に、前記発熱体(4)の下部に
前記発熱体(4)を着火させるための着火具(7)と断
熱剤(6)を具備する。
強く、更に短時間でより広く拡散させることができるよ
うにした燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置を提供する。 【構成】 燻煙剤または燻蒸剤を底部が平滑な金属容器
(1)に収容する。該金属容器(1)の底部外表面に直
接に接して、もしくは厚さが2mm以下の金属板(5)を
該金属容器(1)の底部外表面に重ね、該金属板(5)
に接触するようにして、フェロシリコン粉末と金属酸化
物とを圧搾成形してなる発熱体(4)を配置する。ま
た、該金属容器(1)の底部面積(A)に対する該発熱
体(4)の該金属容器(1)の底部または該金属板
(5)との接触面積(B)の割合(B/A)を0.2以
上0.9以下とする。更に、前記発熱体(4)の下部に
前記発熱体(4)を着火させるための着火具(7)と断
熱剤(6)を具備する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燻煙剤または燻蒸剤の加
熱装置に関するものである。
熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燻煙剤や燻蒸剤は、燃焼剤の燃焼ガス、
または発泡剤の加熱分解のガスにより、殺虫剤や殺菌剤
をエアロゾルとして発散させる製剤で、広く使用されて
いる。従来、燻煙剤の加熱装置としては、容器の上面に
突出した点火薬と、それに接続し、燻煙剤を収容する容
器内に配置し、容器内の燻煙剤の一部を着火・加熱させ
るための発煙剤から構成するものが使用されてきた。ま
た、燻煙剤および燻蒸剤の加熱装置として、酸化カルシ
ウム等の加水発熱剤を用いた装置も使用され、また種々
提案されている。
または発泡剤の加熱分解のガスにより、殺虫剤や殺菌剤
をエアロゾルとして発散させる製剤で、広く使用されて
いる。従来、燻煙剤の加熱装置としては、容器の上面に
突出した点火薬と、それに接続し、燻煙剤を収容する容
器内に配置し、容器内の燻煙剤の一部を着火・加熱させ
るための発煙剤から構成するものが使用されてきた。ま
た、燻煙剤および燻蒸剤の加熱装置として、酸化カルシ
ウム等の加水発熱剤を用いた装置も使用され、また種々
提案されている。
【0003】然るに、従来の燻煙剤の着火装置や加水発
熱体を用いるものでは、燻煙剤または燻蒸剤を収容する
容器内の温度が、短時間かつ均一に燻煙剤または燻蒸剤
の分解に必要な200℃〜300℃以上に達しないた
め、煙の噴出する勢いが弱く、そのため室内に有効成分
が充分拡散しない等の問題があった。
熱体を用いるものでは、燻煙剤または燻蒸剤を収容する
容器内の温度が、短時間かつ均一に燻煙剤または燻蒸剤
の分解に必要な200℃〜300℃以上に達しないた
め、煙の噴出する勢いが弱く、そのため室内に有効成分
が充分拡散しない等の問題があった。
【0004】また、酸化カルシウム等を用いる発熱剤に
おいては、上記の問題に加え、水を添加してからの温度
上昇速度が遅く、そのため燻煙剤または燻蒸剤が熱分解
し、煙が出始めるまでに数分間を要し、この間使用者が
不安感をいだく等の問題もあった。更に、酸化カルシウ
ムの発熱量は比較的小さいため所望の温度まで温度上昇
させるためには、酸化カルシウムを多量に要し、また酸
化カルシウムは吸湿性が強いことから気密容器に収容す
る必要があり、経済性にも問題があった。
おいては、上記の問題に加え、水を添加してからの温度
上昇速度が遅く、そのため燻煙剤または燻蒸剤が熱分解
し、煙が出始めるまでに数分間を要し、この間使用者が
不安感をいだく等の問題もあった。更に、酸化カルシウ
ムの発熱量は比較的小さいため所望の温度まで温度上昇
させるためには、酸化カルシウムを多量に要し、また酸
化カルシウムは吸湿性が強いことから気密容器に収容す
る必要があり、経済性にも問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
問題点につき検討した結果、燻煙剤または燻蒸剤を収容
する容器の底面の一定面積に発熱体を直接あるいは厚さ
2mm以下の鉄板を介して接触させ、該発熱体をその下方
から燃焼させることにより、作動後短時間のうちに容器
内温度が均一に200℃〜300℃以上となり、その結
果作動後短時間で発煙し、しかも発煙の勢いが強く、拡
散性も充分であることを見いだし、本発明を完成するに
至ったものである。
問題点につき検討した結果、燻煙剤または燻蒸剤を収容
する容器の底面の一定面積に発熱体を直接あるいは厚さ
2mm以下の鉄板を介して接触させ、該発熱体をその下方
から燃焼させることにより、作動後短時間のうちに容器
内温度が均一に200℃〜300℃以上となり、その結
果作動後短時間で発煙し、しかも発煙の勢いが強く、拡
散性も充分であることを見いだし、本発明を完成するに
至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】而して、本発明の要旨と
するところは、燻煙剤または燻蒸剤を底部が平滑な金属
容器に収容し、該金属容器の底部外表面に直接に接し
て、もしくは厚さが2mm以下の金属板を該金属容器の底
部外表面に重ね、該金属板に接触するようにして、フェ
ロシリコン粉末と金属酸化物とを圧搾成形してなる発熱
体を配置し、該金属容器の底部面積(A)に対する該発
熱体の該金属容器の底部または該金属板との接触面積
(B)の割合(B/A)を、0.2以上0.9以下と
し、かつ前記発熱体の横または下部に前記発熱体を着火
させるための着火具と断熱剤を具備してなる燻煙剤また
は燻蒸剤の加熱装置にある。
するところは、燻煙剤または燻蒸剤を底部が平滑な金属
容器に収容し、該金属容器の底部外表面に直接に接し
て、もしくは厚さが2mm以下の金属板を該金属容器の底
部外表面に重ね、該金属板に接触するようにして、フェ
ロシリコン粉末と金属酸化物とを圧搾成形してなる発熱
体を配置し、該金属容器の底部面積(A)に対する該発
熱体の該金属容器の底部または該金属板との接触面積
(B)の割合(B/A)を、0.2以上0.9以下と
し、かつ前記発熱体の横または下部に前記発熱体を着火
させるための着火具と断熱剤を具備してなる燻煙剤また
は燻蒸剤の加熱装置にある。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて更に
具体的に説明する。図1は燻煙剤または燻蒸剤の加熱装
置の一例として、家屋内で衛生害虫を駆除することを目
的とした燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置を示す。
具体的に説明する。図1は燻煙剤または燻蒸剤の加熱装
置の一例として、家屋内で衛生害虫を駆除することを目
的とした燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置を示す。
【0008】本発明において、燻煙剤または燻蒸剤を収
容する容器1は、鉄、アルミニウム等の金属製で、容器
の底面は平滑面に成形される。容器の上面には燻煙剤ま
たは燻蒸剤より発生する煙を噴出させる噴煙口2が設け
られ、また噴煙口より燻煙剤または燻蒸剤がこぼれるの
を防止するために、容器1の噴煙口より下方に金属多孔
板、プラスチックフィルム等の内蓋3を設けている。
容する容器1は、鉄、アルミニウム等の金属製で、容器
の底面は平滑面に成形される。容器の上面には燻煙剤ま
たは燻蒸剤より発生する煙を噴出させる噴煙口2が設け
られ、また噴煙口より燻煙剤または燻蒸剤がこぼれるの
を防止するために、容器1の噴煙口より下方に金属多孔
板、プラスチックフィルム等の内蓋3を設けている。
【0009】本発明においては、容器1の底面に直接接
触するように、もしくは厚さ2mm以下の金属板を容器底
面に重ね、この金属板に接触するように発熱体4を配置
する。図1においては金属板5を設け、これに発熱体を
接触させたものを例示した。金属板の材質は鉄、銅、ス
テンレスが使用でき、これらを円板状に打ち抜いたもの
が好ましい。
触するように、もしくは厚さ2mm以下の金属板を容器底
面に重ね、この金属板に接触するように発熱体4を配置
する。図1においては金属板5を設け、これに発熱体を
接触させたものを例示した。金属板の材質は鉄、銅、ス
テンレスが使用でき、これらを円板状に打ち抜いたもの
が好ましい。
【0010】金属板を設けない場合、容器は最も迅速に
加熱され、また金属板を設け、その厚さを増大させる
と、それとともに加熱速度は徐々に低下する。発熱体と
容器底部との間に空間がある場合、もしくは金属板の厚
さが2mmを超える場合は、発熱体の熱が充分に容器に伝
達せず、燻煙剤または燻蒸剤の発煙性能において問題が
ある。
加熱され、また金属板を設け、その厚さを増大させる
と、それとともに加熱速度は徐々に低下する。発熱体と
容器底部との間に空間がある場合、もしくは金属板の厚
さが2mmを超える場合は、発熱体の熱が充分に容器に伝
達せず、燻煙剤または燻蒸剤の発煙性能において問題が
ある。
【0011】本発明において、発熱体の容器底面もしく
は金属板との接触面積は、容器1の底部面積に対し0.
2以上0.9以下の割合である必要があり、好ましくは
0.4〜0.8である。0.2未満であると燻煙剤また
は燻蒸剤の充分な加熱が行えず、また0.9を超えると
必要以上に容器内温度が上昇し、有効成分の熱分解が生
じる。
は金属板との接触面積は、容器1の底部面積に対し0.
2以上0.9以下の割合である必要があり、好ましくは
0.4〜0.8である。0.2未満であると燻煙剤また
は燻蒸剤の充分な加熱が行えず、また0.9を超えると
必要以上に容器内温度が上昇し、有効成分の熱分解が生
じる。
【0012】また本発明に用いられる発熱体4は、フエ
ロシリコン粉末と金属酸化物からなる圧搾成形物を用い
る。金属酸化物は鉛丹、酸化鉄、酸化銅、過マンガン酸
カリウム等を用いることができる。また発熱体の着火感
度を高めるために、アルミニウム、ホウ素、鉄等の金属
粉末に酸化鉄、酸化銅、過酸化バリウム等を混合したも
のを加えることもできる。
ロシリコン粉末と金属酸化物からなる圧搾成形物を用い
る。金属酸化物は鉛丹、酸化鉄、酸化銅、過マンガン酸
カリウム等を用いることができる。また発熱体の着火感
度を高めるために、アルミニウム、ホウ素、鉄等の金属
粉末に酸化鉄、酸化銅、過酸化バリウム等を混合したも
のを加えることもできる。
【0013】更に、該発熱体4は、圧搾成形物の強度を
保つ目的、あるいは燃焼温度を調節する目的のために、
ケイ酸ナトリウム等の無機質バインダーあるいはアルミ
ナ、二酸化ケイ素、その他無機鉱物質粉末等を適宜加え
ることもできる。フェロシリコン粉末と金属酸化物の割
合は、フェロシリコン粉末100重量部に対して100
〜400重量部、好ましくは200〜300重量部を配
合して構成される。また、該発熱体4は円柱状とすれば
製作が容易である。
保つ目的、あるいは燃焼温度を調節する目的のために、
ケイ酸ナトリウム等の無機質バインダーあるいはアルミ
ナ、二酸化ケイ素、その他無機鉱物質粉末等を適宜加え
ることもできる。フェロシリコン粉末と金属酸化物の割
合は、フェロシリコン粉末100重量部に対して100
〜400重量部、好ましくは200〜300重量部を配
合して構成される。また、該発熱体4は円柱状とすれば
製作が容易である。
【0014】また、本発明において使用される断熱剤6
は、発熱体の側部と下部に位置し、発熱体より発生する
熱を発熱体の側面および下部から外周部に伝導するのを
防止する働きをする。この材質としては、熱伝導性が悪
く、熱により分解等の変化を受けにくいものが好まし
く、例えばガラス、ケイ石、バーミキュライト、パーラ
イト、石コウ、セメント、ロックウール等が挙げられ
る。また形状としては粒状、粉状、板状、シート状ある
いは皿状に成形して用いることができる。
は、発熱体の側部と下部に位置し、発熱体より発生する
熱を発熱体の側面および下部から外周部に伝導するのを
防止する働きをする。この材質としては、熱伝導性が悪
く、熱により分解等の変化を受けにくいものが好まし
く、例えばガラス、ケイ石、バーミキュライト、パーラ
イト、石コウ、セメント、ロックウール等が挙げられ
る。また形状としては粒状、粉状、板状、シート状ある
いは皿状に成形して用いることができる。
【0015】また、本発明において用いられる着火装置
は、マッチ頭薬組成物かあるいはライター石とヤスリか
らなる発火石で構成される着火具7が用いられる。
は、マッチ頭薬組成物かあるいはライター石とヤスリか
らなる発火石で構成される着火具7が用いられる。
【0016】また、本発明において用いられる燻煙剤ま
たは燻蒸剤8は、殺虫剤、殺菌剤または消臭剤に発熱体
と適宜バインダー、無機鉱物質粉等を加えた組成物が使
用できる。発熱剤は塩素酸カリウム、硝酸カリウム、硝
酸アンモニウム等の無機酸化剤に糖類を加えた組成物か
らなるもの、アゾジカルボンアミド、オキシビスベンゼ
ンスルフォニウムヒドラジド等の発泡剤からなるもの、
ニトロセルロース、ニトログアニジン等を例示すること
ができるが、ニトロセルロースおよび/またはアゾジカ
ルボンアミドが本発明の加熱装置に最も好ましい。
たは燻蒸剤8は、殺虫剤、殺菌剤または消臭剤に発熱体
と適宜バインダー、無機鉱物質粉等を加えた組成物が使
用できる。発熱剤は塩素酸カリウム、硝酸カリウム、硝
酸アンモニウム等の無機酸化剤に糖類を加えた組成物か
らなるもの、アゾジカルボンアミド、オキシビスベンゼ
ンスルフォニウムヒドラジド等の発泡剤からなるもの、
ニトロセルロース、ニトログアニジン等を例示すること
ができるが、ニトロセルロースおよび/またはアゾジカ
ルボンアミドが本発明の加熱装置に最も好ましい。
【0017】以下、本発明の試験例および比較例につい
て説明する。 〔試験例〕 試験例1〜5は、発熱剤にアゾジカルボンアミドを用
い、有効成分として殺虫剤ペルメトリン10重量%、増
量剤にタルクを適量配合した組成物20gを、図1に示
す金属容器1に充填し、製造したものである。試験例6
〜9は、発熱剤にニトロセルロースを用いた他は、試験
例1〜5と同様にして製造したものである。試験例10
は、発熱剤にアゾジカルボンアミドとニトロセルロース
の両者を用いた他は、試験1〜5と同様にして製造した
ものである。尚、いずれの試験例においても、発熱体と
してはフェロシリコン粉末30重量%、酸化鉄65重量
%およびケイ酸ナトリウム5重量%を混合し、圧搾成形
したものを使用した。また、金属容器の底部面積Aに対
する発熱体の容器の底部あるいは金属板との接触面積B
の比B/Aおよび金属板の厚さは表1に示すものを用い
て行った。
て説明する。 〔試験例〕 試験例1〜5は、発熱剤にアゾジカルボンアミドを用
い、有効成分として殺虫剤ペルメトリン10重量%、増
量剤にタルクを適量配合した組成物20gを、図1に示
す金属容器1に充填し、製造したものである。試験例6
〜9は、発熱剤にニトロセルロースを用いた他は、試験
例1〜5と同様にして製造したものである。試験例10
は、発熱剤にアゾジカルボンアミドとニトロセルロース
の両者を用いた他は、試験1〜5と同様にして製造した
ものである。尚、いずれの試験例においても、発熱体と
してはフェロシリコン粉末30重量%、酸化鉄65重量
%およびケイ酸ナトリウム5重量%を混合し、圧搾成形
したものを使用した。また、金属容器の底部面積Aに対
する発熱体の容器の底部あるいは金属板との接触面積B
の比B/Aおよび金属板の厚さは表1に示すものを用い
て行った。
【0018】発煙状態の試験は、燻煙剤または燻蒸剤の
発煙状態を観察し、発熱体着火後の燻煙剤または燻蒸剤
から発煙が開始するまでの時間と、発煙中の時間を測定
して行った。表1中には、前者の測定値が25秒未満
で、かつ後者の測定値が15秒以上45秒未満の測定値
のものを「良好」として示した。また、有効成分の拡散
性については、次のように試験を行った。即ち、約10
畳の広さの室内床面中央付近4箇所と四隅にスライドグ
ラスを配置し、この室内の中央で試験例の試料を使用す
る。次に、2時間室内を密閉後、スライドグラス上に沈
降した有効成分をガスクロマトグラフを用いて定量し、
各スライドグラス上の沈降量を求めた。有効成分の室内
での拡散性を示すものとして、室内の中央における沈降
量に対する室内の隅での沈降量の割合を求め、表1には
有効成分の沈降量比として示した。
発煙状態を観察し、発熱体着火後の燻煙剤または燻蒸剤
から発煙が開始するまでの時間と、発煙中の時間を測定
して行った。表1中には、前者の測定値が25秒未満
で、かつ後者の測定値が15秒以上45秒未満の測定値
のものを「良好」として示した。また、有効成分の拡散
性については、次のように試験を行った。即ち、約10
畳の広さの室内床面中央付近4箇所と四隅にスライドグ
ラスを配置し、この室内の中央で試験例の試料を使用す
る。次に、2時間室内を密閉後、スライドグラス上に沈
降した有効成分をガスクロマトグラフを用いて定量し、
各スライドグラス上の沈降量を求めた。有効成分の室内
での拡散性を示すものとして、室内の中央における沈降
量に対する室内の隅での沈降量の割合を求め、表1には
有効成分の沈降量比として示した。
【表1】
【0019】試験の結果、試験例1〜10のいずれの場
合も発煙状態は「良好」であり、また拡散性も満足し得
るものであった。
合も発煙状態は「良好」であり、また拡散性も満足し得
るものであった。
【0020】〔比較例〕前記試験例1〜10における発
熱体接触面積比(B/A)と、金属板の厚さが表2に示
すように異なる他は、試験1〜10で示した方法と同様
にして製造した試料1〜6、ならびに酸化カルシウムを
発熱体として用いる市販の燻蒸剤について試験を行っ
た。
熱体接触面積比(B/A)と、金属板の厚さが表2に示
すように異なる他は、試験1〜10で示した方法と同様
にして製造した試料1〜6、ならびに酸化カルシウムを
発熱体として用いる市販の燻蒸剤について試験を行っ
た。
【表2】
【0021】試験の結果、発熱体接触面積比が0.9を
超えるもの(比較例 N0.1 〜 No.4)では、急激な爆発
的発煙が観察され、危険であり、また有効成分の沈降量
も、その絶対量は室内中央付近、隅のいずれにおいても
試験例の約50%程度であった。発熱体接触面積比が
0.2未満のものおよび金属板の厚さが2mmを超えるも
のについては、発煙状態が「不良」であり、しかも有効
成分の沈降量比もかなり低いものであった。尚、発煙状
態が「不良」とは、発煙が開始するまでの時間と発煙中
の時間のいずれかが、実施例で定義した発煙状態「良
好」の範囲外のものをいう。
超えるもの(比較例 N0.1 〜 No.4)では、急激な爆発
的発煙が観察され、危険であり、また有効成分の沈降量
も、その絶対量は室内中央付近、隅のいずれにおいても
試験例の約50%程度であった。発熱体接触面積比が
0.2未満のものおよび金属板の厚さが2mmを超えるも
のについては、発煙状態が「不良」であり、しかも有効
成分の沈降量比もかなり低いものであった。尚、発煙状
態が「不良」とは、発煙が開始するまでの時間と発煙中
の時間のいずれかが、実施例で定義した発煙状態「良
好」の範囲外のものをいう。
【0022】
【発明の効果】本発明は上記の如き構成であり、燻煙剤
または燻蒸剤を収容する容器の底面の一定面積に、発熱
体を直接あるいは厚さ2mm以下の金属板を介して接触さ
せ、該発熱体をその下方から燃焼させるものであるか
ら、作動後短時間のうちに容器内温度が均一に200〜
300℃以上となるものである。そしてその結果、作動
後短時間で発煙し、しかも発煙の勢いが強く、さらに短
時間でより広く拡散させることができるものである。
または燻蒸剤を収容する容器の底面の一定面積に、発熱
体を直接あるいは厚さ2mm以下の金属板を介して接触さ
せ、該発熱体をその下方から燃焼させるものであるか
ら、作動後短時間のうちに容器内温度が均一に200〜
300℃以上となるものである。そしてその結果、作動
後短時間で発煙し、しかも発煙の勢いが強く、さらに短
時間でより広く拡散させることができるものである。
【0023】また、発熱体として従来のように酸化カル
シウムを使用しないから、経済的にも安上がりである。
シウムを使用しないから、経済的にも安上がりである。
【0024】更にまた、本加熱装置を用いることによ
り、燻煙剤または燻蒸剤中のニトロセルロースやアゾジ
カルボンアミド等の発熱剤の配合量を、従来使用されて
きた量より少なくしても、従来と同程度以上の好ましい
燻煙性能を得ることができるものである。特に、容器の
底部面積に対する発熱体の容器の底部あるいは金属板と
の接触面積の比が、0.2以上0.9以下の範囲で大き
いほど、発熱剤の配合量は少なくて済み、またこの比を
小さくした場合、配合量をこれより若干多くすることに
より、好ましい燻煙性能に調節することが可能である。
り、燻煙剤または燻蒸剤中のニトロセルロースやアゾジ
カルボンアミド等の発熱剤の配合量を、従来使用されて
きた量より少なくしても、従来と同程度以上の好ましい
燻煙性能を得ることができるものである。特に、容器の
底部面積に対する発熱体の容器の底部あるいは金属板と
の接触面積の比が、0.2以上0.9以下の範囲で大き
いほど、発熱剤の配合量は少なくて済み、またこの比を
小さくした場合、配合量をこれより若干多くすることに
より、好ましい燻煙性能に調節することが可能である。
【図1】本発明の一実施例の中央縦断面図である。
1 金属容器 2 噴煙口 3 内蓋 4 発熱体 5 金属板 6 断熱剤 7 着火具 8 燻煙剤または燻蒸剤
Claims (4)
- 【請求項1】 燻煙剤または燻蒸剤を底部が平滑な金属
容器に収容し、該金属容器の底部外表面に直接に接し
て、もしくは厚さが2mm以下の金属板を該金属容器の底
部外表面に重ね、該金属板に接触するようにして、フェ
ロシリコン粉末と金属酸化物とを圧搾成形してなる発熱
体を配置し、該金属容器の底部面積(A)に対する該発
熱体の該金属容器の底部または該金属板との接触面積
(B)の割合(B/A)を、0.2以上0.9以下と
し、かつ前記発熱体の横または下部に前記発熱体を着火
させるための着火具と断熱剤を具備してなる燻煙剤また
は燻蒸剤の加熱装置。 - 【請求項2】 燻煙剤または燻蒸剤がニトロセルロース
とアゾジカルボンアミドの少なくとも一種を含有する組
成物である請求項1記載の燻煙剤または燻蒸剤の加熱装
置。 - 【請求項3】 発熱体が円柱状である請求項1記載の燻
煙剤または燻蒸剤の加熱装置。 - 【請求項4】 着火具がライター石とヤスリからなる発
火石またはマッチ頭薬組成物から構成される着火装置で
ある請求項1記載の燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3305698A JP2920440B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3305698A JP2920440B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05115238A true JPH05115238A (ja) | 1993-05-14 |
JP2920440B2 JP2920440B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=17948288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3305698A Expired - Fee Related JP2920440B2 (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 燻煙剤または燻蒸剤の加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2920440B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002029878A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-01-29 | Chugai Pharmaceut Co Ltd | 燻煙剤加熱具 |
JP2007514433A (ja) * | 2003-12-17 | 2007-06-07 | ラボラトワール デ シミー エト デ ビオロジー−エル.シー.ビー. | 煙蒸ポット |
KR101407316B1 (ko) * | 2013-01-10 | 2014-06-27 | 주식회사 테콘 | 간접 가열식 훈증훈연 방제장치 |
-
1991
- 1991-10-25 JP JP3305698A patent/JP2920440B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002029878A (ja) * | 2000-07-21 | 2002-01-29 | Chugai Pharmaceut Co Ltd | 燻煙剤加熱具 |
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KR101407316B1 (ko) * | 2013-01-10 | 2014-06-27 | 주식회사 테콘 | 간접 가열식 훈증훈연 방제장치 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2920440B2 (ja) | 1999-07-19 |
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