JPH05115068A - 内視鏡用撮像装置 - Google Patents

内視鏡用撮像装置

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JPH05115068A
JPH05115068A JP3274157A JP27415791A JPH05115068A JP H05115068 A JPH05115068 A JP H05115068A JP 3274157 A JP3274157 A JP 3274157A JP 27415791 A JP27415791 A JP 27415791A JP H05115068 A JPH05115068 A JP H05115068A
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Yoshiharu Takasugi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ワイド状態からテレ状態まで、内視鏡画像のモ
ニター観察時にモアレの発生を防止し、しかも小型・軽
量にすることである。 【構成】ズーム光学系のバリエータ−レンズ18の前側
に第一の光学的ローパスフィルター22を、ズーム光学
系の後側に第二の光学的ローパスフィルター23を配置
する。モアレの強くでる8つのサンプリングポイントで
形成される四角形を考えたとき、第一の光学的ローパス
フィルター22によるトラップ線の多角形が、ワイド状
態で四角形を囲み、テレ状態でこれらトラップ線が四角
形の領域内を通過するように構成する。これらトラップ
線はズーミング時にはファイバースコープの像面周波数
と同期して移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体を内視鏡を介して
撮像して、モニター観察できるような内視鏡用撮像装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】撮像素子を用いたテレビカメラ等は最近
広く普及してきているが、撮像素子がより小型化且つ高
感度化されてきているため、医療分野においてもこれら
撮像素子によるモニター観察により、診断や治療を十分
行うことができるようになってきている。特に内視鏡を
用いて体腔内を観察して診断するような場合、従来は術
者一人しか患部の観察ができなかったが、内視鏡先端部
に撮像素子を内蔵したビデオスコープを用いたり、通常
のファイバースコープに小型のテレビカメラを接続した
りすることで、複数の人が同時にモニター観察できるよ
うになってきている。このモニター観察は、従来の内視
鏡眼視観察と比較して観察者の眼の疲労を軽減すること
ができる上に、術者以外の大勢の人が同一画像を観察で
きるので教育上の観点からも非常に都合がよいという利
点がある。
【0003】ところで、内視鏡観察に用いられるテレビ
カメラは、小型・軽量であることが要求される。なぜな
ら、術者は、内視鏡にテレビカメラを取り付けた状態
で、検査や診断の間中、片手で内視鏡を保持し続けなけ
ればならず、しかもときには内視鏡の向きを変えたり、
種々の処置具等も操作しなければならないからである。
又、内視鏡のイメージガイドファイバー束は通常規則正
しく配列されており、このイメージガイドファイバー束
による画像を、更に撮像素子によって離散サンプリング
してモニター画像を得るようになっているため、モアレ
といわれる擬信号が著しく発生する。このモアレを防止
するために、光学的ローパスフィルターをテレビカメラ
の光路途中に配置する必要があり、通常、この光学的ロ
ーパスフィルターは複数の水晶複屈折板によって構成さ
れる場合が多く、更にこれに位相フィルター等他の光学
的ローパスフィルターを組み合わせることもある。
【0004】このようにモアレ防止のためには、多くの
フィルターが必要であり、これらのフィルターは通常、
レンズ系と撮像素子の間に配置することが多く、そのた
めレンズ系のバックフォーカスは十分長くとらなければ
ならない。ところで、撮像素子が高密度化及び高感度化
されてくると、これに用いる光学系の性能も非常に優れ
たものが必要になる。しかし、前述のように撮像素子の
前側に多くのフィルターを配置しなければならないた
め、例えば撮像素子の前側に更にフィルター1枚分(約
1〜3mm厚)追加できるようなスペースをとろうとす
ると、更にバックフォーカスを長くすることが必要にな
る。このような場合、光学系の性能を落とさずにバック
フォーカスだけを伸ばすことは技術的に大変である。し
かも、バックフォーカスを伸ばすことで光学系全体が大
きくなるようなことは、装置が大型化し重量も大きくな
るので当然避けなければならない。
【0005】更に、モアレ防止のために光学的ローパス
フィルターを多く用いると、解像力の低下を招いて画像
がボケてしまう上に、多くのスペースが必要であるとい
う問題がある。又、逆に、光学的ローパスフィルターを
あまり用いないとモアレの除去が不十分になってしま
い、いづれの場合も診断上問題になってしまう。このよ
うに、撮像装置をより小型・軽量化して、しかも光学的
性能も良好にしようとすると、光学的ローパスフィルタ
ーを最適化して設置しなければならないことは、当然で
ある。
【0006】次に、内視鏡にテレビカメラ等の撮像装置
を取り付けた内視鏡撮像システムの構成を、図46によ
り説明する。図中、光源1からの照明光は、ライトガイ
ドファイバー束2及び照明レンズ3を通して、図示しな
い物体に照射される。光源1内にはハロゲンランプ又は
キセノンランプが内蔵されていて、通常、物体に白色光
を照射する。そして、物体像は照明レンズ3と並設され
た対物レンズ4により結像され、ファイバースコープの
場合にはイメージガイドファイバー束5を介して伝達さ
れ、又硬性鏡の場合にはリレーレンズを介して伝達され
て、接眼部6内の接眼レンズ7で拡大される。接眼部6
内には、接眼レンズ7の後方に、通常、スコープ毎に開
口径の異なる固定絞り8とカバーガラス9が配置されて
いる。
【0007】接眼部6に取り付けられたテレビカメラ1
0内においては、固定絞り8を通過した光束は、カバー
ガラス11及び赤外カットフィルター12を通過した
後、結像レンズ13によって光学的ローパスフィルター
14を介して内視鏡像として撮像素子15上に結像させ
られる。撮像素子15により得られた電気信号は、カメ
ラコントロールユニット16により信号処理されて、テ
レビモニター17に画像として映し出される。
【0008】尚、テレビカメラ10は、撮像素子15の
各受光素子部に、カラーフィルターを配置したいわゆる
モザイク型のCCD(固体撮像素子)を用いたものが多
い。又、その他には、3色分解プリズムを使用して観察
光をR,G,Bの3原色に分け、3個のCCDによって
R,G,Bの各原色画像を夫々撮像した後、合成してカ
ラー画像を得る3板式テレビカメラや、光源内にR,
G,B3原色の回転フィルターを設けて3原色の照明光
を順次物体に照射し、CCDで色の異なる各画像を順次
取り込み、これらを合成することでカラー化を行う面順
次式のテレビカメラ等がある。
【0009】又、図46の内視鏡撮像システムにおい
て、赤外カットフィルター12は、撮像素子15が赤外
域に感度を持つため、赤外波長域の光をカットして、得
られる画像が色再現性の悪いものになってしまうのを防
止するために設けられている。この赤外カットフィルタ
ーには、吸収型と干渉型があるが、吸収型は、ガラス成
分内にリン酸を多く含むことが多いために耐性が弱く、
表面部分が溶けだしたり、白く濁ったりすることがあ
る。又、干渉型においても、干渉膜をコーティングした
面上に無数の細かな白点が発生することがある。又、像
面近傍の光束は非常に細くなるので、このようなフィル
ターを撮像素子に近接して設けると、モニター画面上に
黒点状に映ったり、画像がボケたりすることになってし
まう。
【0010】そこで、赤外カットフィルターの耐性を向
上させるために、従来は、耐性の強いガラスでこれを挟
んで側面を接着剤等で密封したりすることが行われてい
る。しかし、これではフィルター厚や外形が大きくなる
上に、接合のために多くの作業時間が必要になってしま
う。又、光学系のバックフォーカスをなるべく短くする
ために赤外カットフィルターを撮像素子のカバーガラス
の代わりに用いることもあるが、これでは赤外カットフ
ィルターが像面により一層近づくため、光線径が更に小
さくなり、フィルター表面の変化がまともに画像への影
響となって現れてしまうことになる。更に、結像光学系
がズームレンズである場合には、ズーミングの状態によ
り撮像素子への光線入射角度が大きく変わってしまうこ
とがある。この場合、赤外カットフィルターへの入射角
度も変わるため、特に干渉型フィルターでは光線入射角
により、その分光透過率特性が変化してしまい、色再現
性が変わって画像にも影響が出てしまうという問題があ
る。
【0011】このような場合に、図46に示すように、
カバーガラス11と結像レンズ13の間に赤外カットフ
ィルター12を配置すると、この位置では、光束径はほ
ぼ接眼部6の固定絞り8によって決定しており、全系の
中では光束がかなり太いため、フィルター12にゴミや
キズ等が多少あったとしても、得られる画像にはほとん
ど影響は出てこない。又、固定絞り8の絞り径に対し
て、テレビカメラ10側から見た物点位置の方がずっと
大きく、且つ光束の広がり角としては小さくなっている
ので、干渉型フィルターのように分光特性が入射光線の
角度依存性を有していても、結像レンズ13の後方に配
置する場合と異なり、特別に入射角度を抑えなければな
らないというようなこともない。又、テレビカメラがズ
ームレンズを有していても、このズームレンズ前側の光
束の様子は、ズーム状態によらず一定であるから、画像
に影響は出ない。
【0012】更に、このような配置では、元々内視鏡接
眼部6による像つまりテレビカメラ側から見た物点は
(視度的にプラス,マイナスの差はあるが)遠方にでき
るため、例えばフィルター1枚分バックフォーカスを伸
ばすよりも、結像光学系の前方に配置する方が、全体に
殆ど影響を与えずにスペースを確保することが容易にで
きる。
【0013】尚、図46の構成の変形例として、図47
に示すように、赤外カットフィルター12をテレビカメ
ラ10のカバーガラスとして第一面に設けてもよい。但
し、吸収型フィルターは耐性が弱いので、YAGレーザ
ー光を除去するYAGカットフィルター等を併せて使用
する場合には、その内側に置いたり、複数組み合わせて
から配置する等しなければならない。この場合、カバー
ガラスとして用いられるYAGカットフィルターのよう
な干渉型フィルターは手術時等に使用される消毒薬品に
対する耐性を持たせるために、そのYAGカット用コー
ティングを施した面を内側に向けるようにするとよい。
【0014】又、図48に示すように、内視鏡接眼部6
とテレビカメラ10との間にアダプター16を取り付
け、このアダプター16内に赤外カットフィルター12
を配置するようにしてもよい。この場合においても、ア
ダプター16から射出される光束が上述したような特性
を有していれば、赤外カットフィルター12をテレビカ
メラ側のレンズ系の前側に配置するようにすることも可
能である。尚、赤外カットフィルター類全てをレンズ系
の前に持ってくる必要はなく、フィルターを配設できる
スペースや耐性,特性等を考慮して決定すればよい。
又、赤外カットフィルターの必要な通常の可視観察に限
らず、特殊観察を行う場合において、他の種類のフィル
ターを用いる場合にも、同様な配置構成を採用してもよ
い。又、干渉型フィルターを使用する代わりに、レンズ
表面に干渉膜をコーティングしたものを用いてもよい
し、その場合通常の硝材の代わりに特殊硝材でレンズを
構成するようにしてもよい。この場合も、光線入射角が
あまり大きくないような所に配置することが必要であ
る。
【0015】更に、図49のように、光学系全体が一体
に配設されているような場合にも、同様に適用できる。
この構成においては、像伝送系であるイメージガイドフ
ァイバー束が取り外し可能であり、それ以後の結像光学
系が一体になっているが、内部の構成要素は上述のもの
と同様であるため、この構成ではレンズ系中の途中に配
置されている明るさ絞りの後ろ側に赤外カットフィルタ
ー12を設けるようにしたものである。
【0016】次に、ズーム光学系を備えた内視鏡撮像シ
ステムの撮像光学系について、図50に基づいて説明す
る。図中、カバーガラス11はCCDからの反射光がフ
レアやゴーストの原因にならないように少し傾けて配置
されている。又、ズームレンズ系の途中のバリエーター
レンズ18の前側には、第一の光学的ローパスフィルタ
ー19が配設され、バリエーターレンズ18の後側で撮
像素子15の前側には、第二の光学的ローパスフィルタ
ー20が配設されている。これらフィルター19,20
は、夫々複数の水晶板から成る平行平面板によって構成
されている。ここで、第一の光学的ローパスフィルター
19はバリエーターレンズ18の前側に配設することに
よって、ズーミングに伴ってその特性が可変であり、第
二の光学的ローパスフィルター20は撮像素子15の前
側に位置するため、一定の特性が与えられている
【0017】第一及び第二の光学的ローパスフィルター
19,20は撮像素子15の前側に一括して配設しても
よいが、上述のように一部をレンズ系中に設けること
で、フィルターの構成枚数を比較的少なくできる上に、
後述のように特性の良好な光学的ローパスフィルターを
構成できるという利点がある。次に、このように構成す
る理由について述べる。
【0018】図51は、像面上の二次元周波数空間を示
すものであり、横軸νxは撮像素子15の水平走査方向
と一致するものである。図中、原点0を中心に均等な六
方向に延びる小判形長円は、各種ファイバースコープの
イメージガイドファイバー束によって決定される像面周
波数のとり得る範囲を示している。これは、ファイバー
スコープは、用途や種類毎にイメージガイドファイバー
径や接眼倍率の異なるものが多数存在するからである。
この範囲が特定方向にしか存在しないのは、イメージガ
イドファイバー束が、通常は六方最密構造といわれる規
則的な配列を成していることに起因している。又、図
中、a,bで示されたものを含む規則的に配列された丸
印は、撮像素子15の画素構造によって決定されるサン
プリングポイントを示すものである。
【0019】次に、図52は、固体撮像素子15のカラ
ーフィルターとして最近用いられている補色型モザイク
フィルターの配列を表すものである。このタイプのカラ
ーフィルターを備えた撮像系においては、画像信号を読
みだす際に、垂直方向の隣接する2画素の信号を混合す
るようにしている。それは、つまり、第一のフィールド
(Aフィールド)では図中右側に示されたように、垂直
2画素を混合して水平走査を行い、第2のフィールド
(Bフィールド)では図中左側に示されたように垂直方
向に1画素ずらして水平走査を行う。
【0020】このとき、Aフィールドにおけるnライ
ン,n+1ラインの輝度信号をYAn,YAn+1、Bフィー
ルドにおけるnライン,n+1ラインの輝度信号を
Bn,YBn +1、とし、各フィルター透過後の光による画
素の電荷を夫々Mg,Ye,G,Cyとすると、 YAn=(Ye+Mg)+(Cy+G) =YAn+1 =(Ye+G)+(Cy+Mg) =2R+3G+2B YBn=(Mg+Ye)+(G+Cy) =YBn+1 =(G+Ye)+(Mg+Cy) =2R+3G+2B と各輝度信号が得られる。
【0021】又、色信号は隣接する水平画素の差になる
ので、それをCAn,CAn+1,CBn,CBn+1とすると、 CAn=(Ye+Mg)−(Cy+G) =CBn =(Mg+Ye)−(G+Cy) =2R−G CAn+1=(Cy+Mg)−(Ye+G) =CBn+1 =(Mg+Cy)−(G+Ye) =2B−G となり、各フィールドにおいてライン毎にR又はBが得
られる。この撮像方式では固体撮像素子の垂直2画素が
1水平走査線に相当することになる。
【0022】従って、水平方向のユニットセルサイズP
x、垂直方向のユニットセルサイズPyを夫々図示のよ
うに定めると、図51における例えばサンプリングポイ
ントaは、水平方向周波数νx=1/2Px、垂直方向
周波数νy=1/4Pyで示される。図中、これらサン
プリングポイント近傍に物体の周波数スペクトルが存在
すると、その画像はモアレを発生して見にくいものにな
ってしまう。そのため、物体のもつ特定の周波数スペク
トルを落とすように光学的ローパスフィルターを配置す
るものであるが、通常は光学的ローパスフィルターとし
て複屈折性を有する水晶板を使用することが多い。各水
晶板によるカットオフ周波数を示すトラップ線は、図上
直線で示されている。図53はこの水晶板の側面図を示
すものであり、図54は水晶板の結晶軸方向を示すもの
である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図51のよ
うに、ある一定領域内に物体の周波数スペクトルが存在
するとなると、各々のファイバースコープに対応するよ
うにフィルターを構成することはできない。そのため、
複数の水晶板をうまく組み合わせて、その領域内の周波
数レスポンスを十分おとすことができるように、何本も
のトラップ線が通るように構成しなければならない。従
来は、水平方向や垂直方向の解像力をおとさないよう
に、例えば図51中のaやbといったサンプリングポイ
ントよりも高周波側の位置でレスポンスをおとすよう
に、水晶板のトラップ線を配置することが多かった。こ
のような構成の場合、一般的な被写体を撮像する場合は
よいが、ファイバースコープの射出端面のような特殊な
被写体を撮像する場合には、上述のようなサンプリング
ポイントよりもより低周波側に、ファイバー配列で定ま
る特定周波数スペクトルを有するものが多いため、この
ようなレスポンスのおとし方でははなはだ不十分であ
る。
【0024】そのため、ファイバースコープが被写体で
ある場合、これらのサンプリングポイントを挟むこれら
ポイントの低周波側から高周波側までの広い範囲に亘っ
てなるべくレスポンスをおとすようにする必要がある。
更に、結像光学系がズームレンズとなると、一層複雑で
ある。例えば或るファイバースコープ1本を例にとって
みても、ズーミングすることでファイバースコープの像
面周波数は連続的に変化してしまうことになるため、任
意のズーム状態毎に物体像の周波数レスポンスをおとす
ようにすることは難しく、その上全ての種類のファイバ
ースコープに対してこれを達成できるようにすること
は、不可能である。
【0025】即ち、ズーム光学系を用いた場合、例えば
図51において、ファイバースコープによる小判型の周
波数領域が、ズーミングによって実線のものから破線で
示すように広くなってしまうため、従来のような光学的
ローパスフィルターの構成では、モアレ除去が不十分に
なってしまうという問題がある。又、このような場合に
モアレを除去しようとすると、水晶板をもっと追加しな
ければならず、結果的にフィルターやテレビカメラの大
型化を招いてしまうことになる。更に、この場合、より
低周波数のレスポンスをおとすため、テレビカメラ全体
の解像力の低下を招くことになり、特にズーム光学系を
用いた場合、ワイド状態のような高周波数領域では、モ
アレは発生しないが画像がボケて解像力が低下してしま
うという弊害が生じてしまうという問題がある。
【0026】本発明は、このような課題に鑑みて、モニ
ター画像でのモアレの発生を十分抑えることができて、
しかも小型且つ軽量の内視鏡用撮像装置を提供すること
を目的とするものである。又、本発明の他の目的は、特
に結像光学系としてズームレンズを用いた場合にも、モ
アレの発生を十分抑えることができる内視鏡用撮像装置
を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明による内
視鏡用撮像装置は、補色カラーモザイクフィルターを有
し垂直方向の2画素の信号を混合して1つの水平走査線
の輝度信号を得るようにした固体撮像素子と、この固体
撮像素子上に物体の像を形成する変倍部を有する結像光
学系とを備えた内視鏡用撮像装置において、変倍部の前
に第一の光学的ローパスフィルターを配置すると共に、
この変倍部と固体撮像素子との間に第二の光学的ローパ
スフィルターを設け、固体撮像素子の水平方向及び垂直
方向のユニットセルサイズを夫々Px,Pyとして、二
次元周波数空間上の8つのサンプリングポイント(−
〔±1/2Px〕,±1/4Py),(±1/2Px,
±1/4Py),(0,±1/4Py),(±1/2P
x,0)(複合同順)によって形成される四角形領域に
対して、第一の光学的ローパスフィルターによる像面上
のトラップ線で囲まれる多角形が、結像光学系のワイド
状態では前記四角形の領域を囲み、テレ状態では四角形
の領域内を前述のトラップ線が全て通るようにしたこと
を特徴とするものである。
【0028】又、補色カラーモザイクフィルターを有し
垂直方向の2画素の信号を混合して輝度信号を得るよう
にした固体撮像素子と、この固体撮像素子上に物体の像
を形成する結像光学系とを備えた内視鏡用撮像装置にお
いて、固体撮像素子の水平方向及び垂直方向のユニット
セルサイズを夫々Px,Pyとして、二次元周波数空間
上に現れる8つのサンプリングポイント(−〔±1/2
Px〕,±1/4Py),(±1/2Px,±1/4P
y),(0,±1/4Py),(±1/2Px,0)
(複合同順)のうち、少なくとも4つの点における空間
周波数レスポンスを低下させるソフトフォーカスレンズ
を設けたことを特徴とするものである。
【0029】又、垂直方向の各画素毎に1つの水平走査
線の輝度信号を得るようにした固体撮像素子と、この固
体撮像素子上に物体の像を形成する結像光学系とを備え
た内視鏡用撮像装置において、固体撮像素子の水平方向
及び垂直方向のユニットセルサイズを夫々Px,Pyと
して、二次元周波数空間上に現れる8つのサンプリング
ポイント(−〔±1/2Px〕,±1/2Py),(±
1/2Px,±1/2Py),(0,±1/2Py),
(±1/2Px,0)(複合同順)のうち、少なくとも
4つの点における空間周波数レスポンスを低下させるソ
フトフォーカスレンズを設けたことを特徴とするもので
ある。
【0030】各ズーム状態毎にモアレを除去するために
は、物体の特定周波数レスポンスをおとすだけでなく、
サンプリングポイント周辺のレスポンスをおとすように
光学的ローパスフィルターを配置することが必要であ
る。ところで、モアレの出やすいサンプリングポイント
周辺に水晶板のトラップ線がくるようにしてモアレの発
生を抑える必要がある。又、サンプリングポイントから
周波数的に離れていたり、ファイバー配列の規則性によ
りサンプリングポイントと特定周波数との位置関係がズ
レているような、モアレの発生しにくいところには、水
晶板のトラップ線を配置しなくてもよく、実用上あまり
問題になることはない。又、周波数が高いところは、光
学系そのものの周波数レスポンス特性が低下することも
あり、このようなポイント周辺では厳密にレスポンスを
落とす必要はない。
【0031】しかし、固定のカットオフ周波数特性を有
する水晶板だけで光学的ローパスフィルターを構成しよ
うとすると、ズーミングの各状態のうち、各ファイバー
スコープの像面周波数が小さくなるテレ状態でモアレが
発生しないように、主に低周波数領域のレスポンスをお
としてしまうため、ワイド状態になったときの解像力の
低下が著しくなる。そこで、第一の光学的ローパスフィ
ルターをバリエーターレンズの前側に配置することで、
このフィルターの水晶板によるカットオフ周波数特性を
可変とすることができる。即ち、第一の光学的ローパス
フィルターによるトラップ線は、ワイド状態では8つの
サンプリングポイントの高周波側に位置してファイバー
スコープの像面周波数のレスポンスをおとし、ズーミン
グ時にはこの像面周波数に同期して移動し、そしてテレ
状態ではサンプリングポイントの低周波側で像面周波数
のレスポンスをおとすように位置する。このように、あ
るファイバースコープの特定像面周波数をおとしておけ
ば、ズーミングの状態によらず、常にそのファイバース
コープの像面周波数をおとすことができ、サンプリング
ポイントを挟んだ低周波数側から高周波数側まで広い範
囲に亘って、レスポンスをおとすことができる。
【0032】又、光学的ローパスフィルターとしてソフ
トフォーカスレンズを用いた場合には、サンプリングポ
イント周辺でレスポンスが低下する領域が存在し、この
領域のレスポンスをおとすことができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。本発明の第一実施例は、図50に示す撮像光学系
と基本構造を同一にしており、本実施例においては、バ
リエーターレンズ18の前側に配置される第一の光学的
ローパスフィルターを符号22で表し、バリエーターレ
ンズ18の後ろ側に配置される第二の光学的ローパスフ
ィルターを符号23で表すものとする。図1は第一及び
第二の光学的ローパスフィルター22,23による二次
元周波数空間上におけるトラップ線を示すものであり、
(A)はワイド(広角)状態、(B)はテレ(望遠)状
態を夫々示すものである。図中、同図(A)のワイド状
態では、サンプリングポイントに対し高周波側にファイ
バースコープの小判形の像面周波数が位置するが、テレ
状態では、逆にファイバースコープの像面周波数がサン
プリングポイントに対し低周波側に位置する。
【0034】ここで、ファイバースコープがいくら高解
像であっても、テレビカメラで撮像する場合には撮像素
子のサンプリング周波数以上の周波数は解像できない。
そのため、ワイド状態ではサンプリング周波数が解像限
界となるので、サンプリングポイント以上の高周波数の
レスポンスをおとしても問題にはならない。又、テレ状
態では、ファイバースコープの像面周波数がサンプリン
グポイントよりも小さくなるので、ファイバースコープ
の像面周波数で解像限界が決定されてしまう。従って、
ファイバースコープの像面周波数程度のレスポンスをお
とすようにすれば、ファイバースコープの解像力の低下
はほとんどない。
【0035】この特徴を十分活かすために、第一の光学
的ローパスフィルター22を上述のようにバリエーター
レンズ18の前側に配置することで、そのトラップ線が
図1の二次元周波数空間上に破線で示す位置に現れるよ
うに、その水晶板を構成する。このトラップ線はズーミ
ングによって移動するものであり、可動トラップ線とす
る。又、第二の光学的ローパスフィルター23を上述の
ようにバリエーターレンズ18の後側に配置すること
で、そのトラップ線が図1の二次元周波数空間上に実線
で示すように撮像素子のサンプリングポイント近傍の位
置に現れるように、その水晶板を構成する。このトラッ
プ線はズーミングによっても移動せず、固定トラップ線
とする。
【0036】そして、目安として、固定トラップ線はサ
ンプリングポイントより高周波数側に位置するようにす
る。又、可動トラップ線は、ワイド状態ではサンプリン
グポイントの高周波数側に位置し、テレ状態ではサンプ
リングポイントの低周波側に位置し、且つズーミング中
はファイバースコープの像面周波数と同期して高周波側
と低周波側の間を移動するようになっている。そのた
め、サンプリングポイントより大きい像面周波数のレス
ポンスをおとす場合には第二の光学的ローパスフィルタ
ー23により、又サンプリングポイントより小さい像面
周波数のレスポンスをおとす場合には第一の光学的ロー
パスフィルター22によって行うようにする。
【0037】又、二次元周波数空間上で、少なくとも四
つのサンプリングポイントa(1/2Px,1/4P
y),c(−1/2Px,−1/4Py),d(1/2
Px,−1/4Py),e(−1/2Px,1/4P
y)によって形成される四角形に対して、第一の光学的
ローパスフィルター22による可動トラップ線によって
囲まれる多角形が、ワイド状態ではこの四角形の領域外
に位置するようにする。これにより、ワイド状態でのテ
レビカメラの解像力を低下させることがない。又、テレ
状態ではこれら可動トラップ線がこの四角形の領域内の
像面周波数上に位置するようにする。これにより、テレ
状態でのファイバースコープの解像力を低下させずに、
モアレの発生を防止することができる。
【0038】しかも、各サンプリングポイントa,c,
d,eの各近傍では、各ポイントを挟んで少なくとも3
本以上のトラップ線が存在するようなズーミング状態が
あるようにするとよい。又、垂直方向の別のサンプリン
グポイントf(0,1/2Py),g(0,−1/2P
y)近傍のレスポンスもおとしておくとよい。このよう
に3本以上のトラップ線により、これらのサンプリング
ポイントa,c,d,e、或いは更にf,gを挟むこと
により、これらのポイント近傍のレスポンスをより広範
囲に亘って、より確実におとすことができる。更に、上
述の四角形上で且つ水平走査方向軸線νxのサンプリン
グポイントb(1/2Px,0),h(−1/2Px,
0)についても、同様に3本以上のトラップ線で挟むよ
うな状態が存在するようにして、これらの領域の周波数
レスポンスを十分おとすようにすると尚良い。
【0039】このようなトラップ線を実現し得る第一及
び第二の光学的ローパスフィルター22,23を構成す
る水晶板を示すと、図2及び図3のようになる。即ち、
図2は水晶板の側面図を示すものであり、第一の光学的
ローパスフィルター22は3枚の水晶板22a,22
b,22cによって構成され、又、第二の光学的ローパ
スフィルター23は、2枚の水晶板23a,23bによ
って構成されている。又、図3は各水晶板22a,22
b,22c,23a,23bの結晶軸方向を夫々示す図
であり、各結晶板のなす角が順次45°づつずれるよう
に構成されている。
【0040】本実施例は上述のように構成されているか
ら、例えば本実施例による内視鏡撮像装置の撮像光学系
が、図1(A)に示すワイド状態にあると、撮像素子1
5(図50参照)の六つのサンプリングポイントa,
b,c,d,e、hによって形成される四角形領域に対
し、第一の光学的ローパスフィルター22による破線の
可動トラップ線はこの四角形より外側即ち高周波側に位
置しており、テレビカメラの解像力を劣化させることは
ない。この状態では、これらサンプリングポイントの高
周波側近傍に位置する第二の光学的ローパスフィルター
23による実線の固定トラップ線によって、像面周波数
のレスポンスがおとされるため、モアレの発生を防止し
て良好な解像を実現できる。
【0041】次に、バリエーターレンズ18を移動させ
てズーミングを行うと、ズーミング中はファイバースコ
ープの像面周波数の移動に同期して可動トラップ線の周
波数が変化するので、この可動トラップ線によって像面
周波数程度のレスポンスをおとすことができる。又、固
定トラップ線によってサンプリングポイント付近の像面
周波数のレスポンスをおとすから、サンプリングポイン
ト付近の広い範囲に亘ってレスポンスをおとすことがで
きる。そして、図1(B)に示すテレ状態では、サンプ
リングポイントより低周波数のレスポンスをおとすこと
が必要であるが、ファイバースコープの像面周波数と同
期して移動する可動トラップ線によってこの効果を得る
ことができるから、比較的解像力の低下を防止できる。
しかも、サンプリングポイント付近の広い範囲に亘って
レスポンスをおとすことができる。
【0042】ここで、もし、サンプリングポイントより
低周波数のレスポンスを固定トラップ線によっておとす
ようにすると、ワイド状態やテレ状態等ズーミング状態
にかかわらず低周波数領域のレスポンスをおとすことに
なるため、解像力の低下が著しく、画質の劣化により、
観察に耐え難いものになってしまう。又、サンプリング
ポイント近傍が最もモアレが強く発生するものであるか
ら、ズーミングしてもモアレが発生しないようにするた
めには、これらのポイント近傍の周波数を固定トラップ
線によっておとすようにするのがよい。なぜなら、ズー
ミングによって可動トラップ線が移動するため、全ての
光学的ローパスフィルターをバリエーターレンズ18の
前側に配置すると、ズーム状態によってはそのおとし方
が不十分となり、モアレが発生することがあるからであ
る。
【0043】上述のように本実施例によれば、ズーム光
学系を用いた内視鏡撮像装置において、ズーム状態に関
わらずモアレの発生を確実に防止できると共に、光学的
ローパスフィルター22,23を最適化して構成できる
から、装置を小型・軽量にすることができる。
【0044】尚、上述の第一実施例は、ファイバースコ
ープのイメージガイドファイバー束の配列が六方最密構
造を有する場合であるが、ファイバー束が石英ファイバ
ーをランダムに配置したランダムイメージガイドファイ
バー束から成るファイバースコープと組み合わせて使用
する場合にも、十分なモアレ除去効果を発揮し得るもの
である。このファイバースコープは、基本的には、イメ
ージガイドファイバー束が不規則に並んでいるため、方
向特性を持たず、又イメージガイドの各ファイバー間の
間隔もバラツキがあるため、このファイバースコープの
像面上の空間周波数特性は、図4(A)又は(B)に示
すようなドーナッツ状を呈する。そのため、上述した実
施例のものと比較して、よりあらゆるサンプリングポイ
ント領域において、確実に周波数レスポンスをおとすよ
うにしなければならない。
【0045】尚、図4に示す空間周波数特性は一例であ
り、イメージガイドの各ファイバー間距離やファイバー
スコープの接眼倍率が異なるような別のファイバースコ
ープを使用すれば、ドーナッツ状の像面周波数領域も異
なってくることはいうまでもない。しかし、この場合に
おいても、以下に述べる別の実施例のように、水平方
向,垂直方向等の各サンプリングポイント近傍をなるべ
く均等に効率良くおとすようにすれば、本発明の基本的
な考え方をそのままランダムイメージガイドファイバー
束の場合にも適用することが可能である。
【0046】次に、第一実施例と同一の基本構成を備え
た具体例を実施例1乃至6として、順次説明する。実施
例1において、図5は水晶板の側面図を示すものであ
り、第一実施例と同様に、第一の光学的ローパスフィル
ター25は3枚の水晶板25a,25b,25cによっ
て構成され、又、第二の光学的ローパスフィルター26
は、2枚の水晶板26a,26bによって構成されてい
る。又、図6は各水晶板25a,25b,25c,26
a,26bの結晶軸方向を夫々示す図であり、各結晶板
のなす角が順次45°づつずれるように構成されてい
る。又、光軸と結晶軸とのなす角は約±45°として構
成すると、同じ分離量に対して水晶板を最も薄くできる
利点がある。又、実施例1の二次元周波数空間における
トラップ線は、ワイド状態では図7(A)のように、テ
レ状態では同図(B)のように表れる。
【0047】図8乃至図10は実施例2を示すものであ
り、図8において、第一の光学的ローパスフィルター2
7は3枚の水晶板27a,27b,27cから成り、第
二の光学的ローパスフィルター28は2枚の水晶板28
a,28bから成る。又、各水晶板の結晶軸方向は図9
に示されている。又、実施例2の二次元周波数空間にお
けるトラップ線は、ワイド状態では図10(A)のよう
に、テレ状態では同図(B)のように表れる。
【0048】図11乃至図13は実施例3を示すもので
あり、図11において、第一の光学的ローパスフィルタ
ー29は3枚の水晶板29a,29b,29cから成
り、第二の光学的ローパスフィルター30も3枚の水晶
板30a,30b,30cから成る。又、各水晶板の結
晶軸方向は図12に示されている。又、実施例3の二次
元周波数空間におけるトラップ線は、ワイド状態では図
13(A)のように、テレ状態では同図(B)のように
表れる。
【0049】図14乃至図16は実施例4を示すもので
あり、図14において、第一の光学的ローパスフィルタ
ー31は3枚の水晶板31a,31b,31cから成
り、第二の光学的ローパスフィルター32は2枚の水晶
板32a,32bから成る。又、各水晶板の結晶軸方向
は図15に示されており、水平,垂直軸方向に対して4
5°づつずれるようになっている。又、実施例4の二次
元周波数空間におけるトラップ線は、ワイド状態では図
16(A)のように、テレ状態では同図(B)のように
表れる。
【0050】図17乃至図19は実施例5を示すもので
あり、図17において、第一の光学的ローパスフィルタ
ー33は3枚の水晶板33a,33b,33cから成
り、第二の光学的ローパスフィルター34も3枚の水晶
板34a,34b,34cから成る。又、各水晶板の結
晶軸方向は図18に示されている。又、実施例5の二次
元周波数空間におけるトラップ線は、ワイド状態では図
19(A)のように、テレ状態では同図(B)のように
表れる。
【0051】図20乃至図22は実施例6を示すもので
あり、図20において、第一の光学的ローパスフィルタ
ー35は2枚の水晶板35a,35bから成り、第二の
光学的ローパスフィルター36は3枚の水晶板36a,
36b,36cから成る。又、各水晶板の結晶軸方向は
図21に示されている。又、水晶板35aと35b及び
水晶板36bと36cのように、隣接する水晶板の結晶
軸のずれが90°となる場合、その間に夫々λ/4板3
7,38を挟んで偏光状態を解消するようにしている。
【0052】λ/4板を挟んだ構成では、各水晶板の構
成角度は任意に設定できるので、例えばサンプリングポ
イントの配列に応じて水晶板の角度を自由に決定するこ
とができる。又、λ/4板の代わりに薄い水晶板や他の
偏光解消手段を用いてもよい。更に、これらλ/4,薄
い水晶板,他の偏光解消手段等は第一の光学的ローパス
フィルター35又は第二の光学的ローパスフィルター3
6だけに設けるようにしてもよく、必要に応じて第一の
光学的ローパスフィルター35の一番後側や第二の光学
的ローパスフィルター36の一番前側に設けるようにし
てもよい。又、実施例6の二次元周波数空間におけるト
ラップ線は、ワイド状態では図22(A)のように、テ
レ状態では同図(B)のように表れる。
【0053】次に、光学的ローパスフィルターとして水
晶板の代わりにソフトフォーカスレンズを用いたもの
を、本発明の第二実施例として説明する。ソフトフォー
カスレンズは、点像強度分布をコントロールすることで
画像の周波数レスポンスの特性を任意に与えることがで
きる。ソフトフォーカスレンズによって、例えば球面収
差等の収差を発生させて或るボケ量を与えたり、又光束
を分割して結像させることで、像面上では像が何重にも
なって一種のボケを与えることができる。これらのボケ
効果によりモアレの発生を防ごうとするものである。
【0054】このようなソフトフォーカスレンズの具体
的構成としては、非球面レンズを用いるのがよい。非球
面であるから、任意に点像強度分布をコントロールする
ことが可能である。又、独立したレンズを配設すること
なく、アダプターやテレビカメラ等のカバーガラスや結
像レンズを非球面レンズとして、ソフトフォーカスレン
ズの機能を持たせるようにしてもよい。このように構成
すれば、ソフトフォーカスレンズ用のスペースが必要な
く、全長を短くすることができて、撮像光学系がコンパ
クトになるという利点がある。そして、光学的ローパス
フィルターの一部、例えばバリエーターレンズ18の後
側に位置する第二の光学的ローパスフィルターをソフト
フォーカスレンズによって構成するようにすれば、水晶
板だけを用いて光学的ローパスフィルター全体を構成す
るよりも、水晶板枚数を減少させることができるという
利点もある。
【0055】光学的ローパスフィルターとして水晶板を
用いた場合の周波数特性は、図23に示すようにCOS
関数的に変化するため、周波数が高くなるに従い、MT
F特性は0になった後再びレスポンスが上がってくるよ
うになっている。一方、ソフトフォーカスレンズを用い
た場合には、図24のように、MTF特性は完全には0
にならないが、MTF特性はなだらかに低下してゆくた
め、MTF特性の小さい周波数領域は比較的広い。従っ
て、サンプリングポイント近傍の周波数レスポンスを低
下させるのに都合がよい特性を有している。
【0056】このため、ソフトフォーカスレンズによっ
て、モアレの強く出る二次元周波数空間上の8つのサン
プリングポイントa(1/2Px,1/4Py),c
(−1/2Px,−1/4Py),d(1/2Px,−
1/4Py),e(−1/2Px,−1/4Py),i
(0,1/4Py),j(0,−1/4Py),b(1
/2Px,0),e(−1/2Px,0)の内、少なく
とも4点における周波数領域のレスポンスを低下させる
ようにするのがよい。なぜなら、撮像素子のユニットセ
ルサイズPx,Pyの大きさや、ソフトフォーカスレン
ズによってレスポンスをカットできる周波数領域の大き
さによっては、1枚のソフトフォーカスレンズで一度に
4点を越えるサンプリングポイントを押さえることがで
きないためである。しかしながら、このような場合、2
枚以上のソフトフォーカスレンズを使用したり、或いは
押さえきれないポイントについては水晶板の光学的ロー
パスフィルターを加えて構成するようにしてもよい。
【0057】又、ソフトフォーカスレンズは、軸対称型
の非球面レンズとシリンドリカルレンズのように或る方
向性をもった非球面レンズとがある。図25(A)は軸
対称型のソフトフォーカスレンズ38の一例の断面と正
面を示すものであり、軸周辺がリング状に隆起して非球
面を形成している。このレンズ38は軸対称なので、光
学的ローパスフィルターとして使用した場合、点像がリ
ング状にボケるため同図(B)に示すように、二次元周
波数空間で軸対称な領域39についてMTF特性を低下
させる。又、図26(A)は方向性をもったソフトフォ
ーカスレンズ40の側面と正面を示すものであり、図で
は水平方向に一対隆起した形状を呈している。このレン
ズ40は、同図(B)のように水平方向に平行な一対の
領域40a,40bにおいて、MTF特性をおとすこと
になる。
【0058】図25の軸対称型ソフトフォーカスレンズ
38では、同図(B)において、モアレの強く出る二次
元周波数空間上の4つのサンプリングポイントa(1/
2Px,1/4Py),c(−1/2Px,−1/4P
y),d(1/2Px,−1/4Py),e(−1/2
Px,1/4Py)の周波数のレスポンスをおとしてい
る。又、垂直方向においても、サンプリングポイントi
(0,1/4Py),f(0,1/2Py)間、及びj
(0,−1/4Py),g(0,−1/2Py)間の領
域のレスポンスをおとすように設定されている。又、サ
ンプリングポイントf(0,1/2Py)とg(0,−
1/2Py)近傍にもモアレが発生するので、この領域
も抑えている。
【0059】又、図26の方向性をもつソフトフォーカ
スレンズ40では、a(1/2Px,1/4Py),i
(0,1/4Py),e(−1/2Px,1/4Py)
と、c(−1/2Px,−1/4Py),j(0,−1
/4Py),d(1/2Px,−1/4Py)の垂直方
向の各サンプリングポイントの周波数レスポンスをおと
している。
【0060】尚、上述の説明は、撮像素子に図52のよ
うな補色モザイクフィルターを用いて、垂直方向4画素
分で色信号を作るような場合に適用し得るものである
が、R,G,B各色の照明光を被写体に照射して各色の
画像を取り込み合成してカラー画像を得る面順次式の撮
像装置や、観察光をハーフプリズム等でR,G,B三原
色に分けて各撮像素子で得られた三つの画像を合成する
3板式の撮像装置等にはそのまま適用できない。即ち、
面順次式カラー方式の撮像系や3板式カラー撮像系で
は、図52のようなカラーフィルターを使用しないた
め、固体撮像素子の水平ラインが水平走査線と一致す
る。従って、図52の方式に関して述べたことを面順次
式カラー方式の撮像系や3板式カラー撮像系に適用する
場合には、垂直方向を半分に考えて2PyをPyと置き
換えれば、前述した説明が通用することになる。
【0061】次に、ソフトフォーカスレンズを光学的ロ
ーパスフィルターとして用いた場合の撮像光学系の構成
例を図27(A)乃至(E)に基づいて説明する。同図
(A)は、テレビカメラのカバーガラスをソフトフォー
カスレンズ42としたものであり、その片面又は両面が
非球面になっている。又、このソフトフォーカスレンズ
42は表面に干渉膜をコーティングして、赤外カットフ
ィルターとしての役割をもつようにしてもよい。そし
て、その後方に、ズームレンズ41,水晶板によって構
成された光学的ローパスフィルター23,撮像素子15
が順次配列されている。同図(B)では、赤外カットフ
ィルター43とソフトフォーカスレンズ44とが別個に
配設されており、両者が前後逆に配置されたものが同図
(C)に示されている。
【0062】同図(D)は、赤外カットフィルター43
の後方に位置する結像光学系45の入射側レンズ表面4
5aを非球面として、ソフトフォーカスレンズ化したも
のである。同図(E)はカバーガラス46及び結像光学
系45をソフトフォーカスレンズ化しており、複数のソ
フトフォーカスレンズを採用することで、水晶板等から
成る通常の光学的ローパスフィルター23の構成枚数を
削減することができる利点がある。
【0063】これらの構成において、レンズ系の前側に
ソフトフォーカスレンズを設けるようにしており、入射
瞳位置近傍にソフトフォーカスレンズを配置すること
で、画面の中心及び周辺に、全体に亘って均一なソフト
フォーカス効果をだすことができる。又、同図(A)の
ように、カバーガラス42をソフトフォーカスレンズと
した場合、このカバーガラス42を取り外して他のカバ
ーガラスと交換可能にしてもよい。そして、例えば硬性
鏡使用時には通常のカバーガラスを用い、ファイバース
コープ使用時にはソフトフォーカスレンズとしてのカバ
ーガラス42を用いることで、硬性鏡の解像を低下させ
ることなくファイバースコープのモアレ発生を防止する
ことができる。
【0064】又、図28(A),(B)に示すように、
硬性鏡に取り付け可能で平行平板カバーガラス46を内
蔵するアダプター47と、ファイバースコープに取り付
け可能でソフトフォーカスレンズ48を内蔵するアダプ
ター49を設けてもよい。これにより、硬性鏡とファイ
バースコープのいずれかの使用によって、ソフトフォー
カスレンズ48を使い分けることができる。又、これら
のアダプター47,49を1つのカメラコントロールユ
ニットに配設しておいて、必要に応じて切り換え使用す
るようにしてもよい。
【0065】図29は、観察光学系50と撮影光学系5
1を含む撮像装置を示すものであり、ハーフプリズム5
2によって光路分割した後の撮像光学系51側光路にソ
フトフォーカスレンズ48が配設されている。この構成
によれば、光路分割後にソフトフォーカスレンズ48を
設けているから、目視による観察時に不必要な解像力の
低下を防止することができるという利点がある。又、こ
の場合、ソフトフォーカスレンズ48に代えて撮影光学
系53のレンズ面を非球面にして、ソフトフォーカスレ
ンズ化してもよい。
【0066】図30は、3板式撮像装置の要部を示すも
のであり、撮影光学系54の前側にソフトフォーカスレ
ンズ55が設けられている。この構成に代えて、撮影光
学系54中にソフトフォーカスレンズ55を配設しても
よい。この例でも、光学的ローパスフィルターとして、
ソフトフォーカスレンズ55と水晶板とを併用するよう
にしてもよい。
【0067】又、ソフトフォーカスレンズの特性を可変
にすれば、種々のファイバースコープに合わせてソフト
フォーカスレンズを最適化することができる。特性を可
変にする方法としては、レンズ表面の形状を変形させる
ことで可変にしたり、レンズ内部の屈折率を変化させる
こと等が挙げられる。その一例が図31に示されてお
り、図中、ソフトフォーカスレンズ56に液晶(ツイス
トネマチック液晶)レンズ57が接合されている。図
(A)に示すように液晶レンズ57に電圧を印加した状
態から、図(B)のように電圧を印加しない状態に変化
させると、液晶レンズ57内部の液晶分子の配列が変化
し、屈折率を変えることができる。このようにして、ソ
フトフォーカスレンズ56の特性を変えることができ
る。こういったレンズを、水晶板や他のソフトフォーカ
スレンズと組み合わせて使用してもよい。
【0068】ところで、図26(A)に示すような方向
性をもったソフトフォーカスレンズを撮像装置に取り付
けて使用する場合、テレビカメラの撮像素子15との位
置関係を厳密に適合させなければならない。ソフトフォ
ーカスレンズとCCDとの位置出しが精度良く行われな
いと、良好な画像を得ることができない。そのための手
段として、ソフトフォーカスレンズそのものに表裏判別
や方向判別用の位置出し部を形成しておく必要がある。
これについて、図32乃至図35により以下に説明す
る。図32において、ソフトフォーカスレンズ58はY
軸方向に沿って非球面形状に形成されており、外周の下
方部分58aが非球面形状方向と平行にカットされてい
る。これにより配置方向の判別ができる。又、一方の面
の外縁に面取り58bを施すことで、表裏判別ができ
る。尚、面取り部分については、表裏面で面取りの大き
さを変えるようにしてもよい。
【0069】図33においては、ソフトフォーカスレン
ズ58の一方の面の上下2か所に小さな突部58c,5
8dが設けられている。ソフトフォーカスレンズ58は
成形によって作製できるから、金型に凹部をつけておけ
ば容易に形成できる。又、このソフトフォーカスレンズ
58が取り付けられる本体部分を、この突部58c,5
8dと嵌合する枠構造にしておけば、精度良く組み立て
ることができる。
【0070】又、図32で示すような下方部分58aが
成形でうまくできない場合には、図34のように、方向
判別のできる線状の微小突部58eを形成しておき、取
り付け後に追加工して微小突部58eをカットするよう
にしてもよい。又、図35に示すソフトフォーカスレン
ズ58は、一方の面の周縁部に比較的大きな突部58f
を突出形成し、これに適合する本体の枠を作製すれば、
精度良く方向出しができる。
【0071】但し、上述のような各位置出し部は、いず
れの場合もレンズ径の有効径外に設けることが必要であ
る。又、これら位置出し部は、非球面の方向性が明瞭で
あれば、いずれの方向に形成してもよい。又、これら位
置出し部は1か所に設けるだけでなく、2か所以上に設
けたり、複数個の位置出し部を組み合わせるようにして
もよい。もちろん、位置出し部の凹凸は逆に形成しても
よい。
【0072】又、ソフトフォーカスレンズはテレビカメ
ラに直接組み込む他に、アダプター内に取り付け、この
アダプターをテレビカメラに取り付けて使用することも
ある。このような場合には、アダプター内のソフトフォ
ーカスレンズとテレビカメラのCCDとの位置関係を精
密に決定できるようにしておく必要がある。そのために
は、CCDの上下方向に合わせて一定方向にアダプター
を位置せしめた場合以外、アダプターを取り付けられな
いようなワンタッチ式取り付け手段とするか、或いはね
じ込み式とするならば、両者が一定の位置関係で固定さ
れるように、一定のネジをきっておけばよい。
【0073】図36は、図33に示すような位置出し部
を有するソフトフォーカスレンズ58を撮像装置に取り
付けた状態の例を示す断面図である。その要部拡大図が
図37であり、一対の突部58c,58dが本体の枠5
9の一対の凹部59a,59bに嵌合せしめられて、組
み立てられる。この状態で精密に方向出しが行われてい
る。尚、このような位置出し手段が備えられていない場
合には、組み立て時に顕微鏡を用いる等して方向出しを
精度良く行わなければならない。
【0074】次に、第二実施例と同一の基本構成を備え
た具体例を実施例7乃至9として、以下に説明するが、
光学的ローパスフィルター以外の構成は、ここでは省略
するものとする。図38及び図39に示す実施例7にお
いて、図38は方向性を有するソフトフォーカスレンズ
60,61の側面図を示すものであり、一方のソフトフ
ォーカスレンズ60は、ひとつの側面と、これに直交す
る方向から見た側面とが示されている。図からわかるよ
うに、この実施例で用いられているソフトフォーカスレ
ンズ60,61は、夫々一方向について一対の隆起部を
もつ非球面を備えている。一方のソフトフォーカスレン
ズ60は水平方向に一対の隆起部が並ぶように、もう1
つの同様な形状を有するソフトフォーカスレンズ61は
これと直交する方向に一対の隆起部が並ぶように2枚組
み合わせて用いる。
【0075】この構成では、水平、垂直各方向にボケた
二重像が形成されるため、図39に示す実施例7の二次
元周波数空間において、各隆起部に応じてMTF特性の
低下する領域は、ソフトフォーカスレンズ60によるも
のが領域60a,60bであり、ソフトフォーカスレン
ズ61によるものが領域61a,61bとなる。従っ
て、この領域内の水平方向及び垂直方向の各サンプリン
グポイントa,i,e,d,j,c,b,h付近等の周
波数レスポンスをおとしている。尚、領域60a,60
bと領域61a,61bのなす角度を90°としたが、
この角度は必要に応じて何度に設定してもよい。又、こ
の例ではソフトフォーカスレンズを共に方向性をもつも
のによって構成したが、軸対称型と方向性をもつものと
を組み合わせるようにしてもよい。
【0076】ところで、ソフトフォーカスレンズは、図
24で示すように必ずしもMTF特性が0にならないた
め、このレンズだけで光学的ローパスフィルターを構成
するとモアレ除去が不十分である場合がある。その場合
には、水晶板と組み合わせて光学的ローパスフィルター
を構成するとよい。水晶板はトラップ線でMTF特性を
0にすることができるから、モアレのレベルが比較的強
いところをおとすように配置するのがよい。そのため、
例えばb(1/2Px,0),h(−1/2Px,
0),a(1/2Px,1/4Py),c(−1/2P
x,−1/4Py),d(1/2Px,−1/4P
y),e(−1/2Px,1/4Py)の水平方向の各
サンプリングポイントの周波数レスポンスをおとすよう
にするのがよい。その例を実施例8及び9として以下に
説明する。
【0077】図40乃至図42は実施例8を示すもので
あり、図40において、光学的ローパスフィルターは一
対の隆起部が垂直方向に並ぶように配置したソフトフォ
ーカスレンズ60と、λ/4板63を挟む2枚の水晶板
62a,62bとから成る。又、各水晶板62a,62
bの結晶軸方向は図41に示されており、水晶板62a
の方が若干厚くなっている。又、図42に示す実施例8
の二次元周波数空間において、水晶62a,62bによ
るトラップ線は水平方向のサンプリングポイントa,
e,b,h,d,c付近の周波数レスポンスを低下させ
るように表れる。
【0078】図43乃至図45は実施例9を示すもので
あり、図43において、光学的ローパスフィルターは実
施例8と同じソフトフォーカスレンズ60と、2枚の水
晶板64a,64bとから成る。又、各水晶板64a,
64bの結晶軸方向は図44に示されており、互いに4
5°結晶軸方向をずらして配置されていて、2枚の水晶
板の厚さは同じである。又、実施例9の二次元周波数空
間における水晶62a,62bによるトラップ線は図4
5に示すように表れる。
【0079】尚、上述の実施例8,9は、方向性をもつ
ソフトフォーカスレンズ1枚と水晶板2枚との組み合わ
せによって光学的ローパスフィルターを構成している
が、ソフトフォーカスレンズや水晶板の構成枚数や組み
合わせ方は、これらの場合に限定されるものではなく、
適宜選定できるものである。又、垂直方向のi(0,1
/4Py),j(0,−1/4Py)のサンプリングポ
イントにおけるモアレの影響が弱い場合には、特に垂直
方向にレスポンスが低下する領域が表れるようなソフト
フォーカスレンズを設けなくてもよい。又、ソフトフォ
ーカスレンズを2枚用いる場合、1枚のレンズの表裏を
非球面として構成してもよい。
【0080】ところで、光学的ローパスフィルターとし
て水晶板やソフトフォーカスレンズを用いた場合でも、
六方最密構造のイメージガイドファイバー又はランダム
のイメージガイドファイバーを用いたファイバースコー
プとの組み合わせで、多少のモアレが発生することがあ
る。もちろん、この原因の一つとして部品加工精度や組
み立て精度も関係している。このような場合、ファイバ
ースコープ又はテレビカメラ側を少し回転させてやる
と、モアレが消えたり或いはそのレベルが弱くなること
がある。その回転角としては、およそ±30°(符号は
回転方向を区別したものである)の範囲内が適当であ
る。それ以上回転させても、ファイバーの積み方向の問
題で再びモアレが発生する場合が多い。
【0081】又、これとは別にデフォーカスによるモア
レ除去も可能である。具体的には、結像光学系の一部の
レンズを移動させたり、レンズ全体を移動させたり、或
いは撮像素子を移動させることが考えられる。これによ
り、ファイバースコープによってモアレが少し気になる
程度のレベルを改善しようと思う場合に、解像力をほと
んどおとさずにモアレレベルだけをおとすことが可能に
なる。
【0082】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る内視鏡用撮
像装置は、ワイド状態からテレ状態の範囲で、内視鏡画
像のモニター観察時にモアレの発生を十分抑制できるよ
うに光学的ローパスフィルターを最適化でき、しかも装
置を小型且つ軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例による二次元周波数空間上
のトラップ線,ファイバースコープの像面周波数及び撮
像素子のサンプリングポイントを示す図であり、(A)
はワイド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図2】第一実施例の光学的ローパスフィルターを構成
する各水晶板の側面図である。
【図3】図2の各水晶板の結晶軸方向を示す図である。
【図4】ファイバースコープがランダムイメージガイド
ファイバーである場合の、二次元周波数空間を示す図で
あり、(A)はワイド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図5】第一実施例中の実施例1における光学的ローパ
スフィルターを構成する各水晶板の側面図である。
【図6】図5の各水晶板の結晶軸方向を示す図である。
【図7】実施例1に関して図1と同様な二次元周波数空
間におけるトラップ線等を示す図であり、(A)はワイ
ド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図8】実施例2における光学的ローパスフィルターを
構成する各水晶板の側面図である。
【図9】図8の各水晶板の結晶軸方向を示す図である。
【図10】実施例2に関して図1と同様な二次元周波数
空間におけるトラップ線等を示す図であり、(A)はワ
イド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図11】実施例3における光学的ローパスフィルター
を構成する各水晶板の側面図である。
【図12】図11の各水晶板の結晶軸方向を示す図であ
る。
【図13】実施例3に関して図1と同様な二次元周波数
空間におけるトラップ線等を示す図であり、(A)はワ
イド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図14】実施例4における光学的ローパスフィルター
を構成する各水晶板の側面図である。
【図15】図14の各水晶板の結晶軸方向を示す図であ
る。
【図16】実施例4に関して図1と同様な二次元周波数
空間におけるトラップ線等を示す図であり、(A)はワ
イド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図17】実施例5における光学的ローパスフィルター
を構成する各水晶板の側面図である。
【図18】図17の各水晶板の結晶軸方向を示す図であ
る。
【図19】実施例5に関して図1と同様な二次元周波数
空間におけるトラップ線等を示す図であり、(A)はワ
イド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図20】実施例6における光学的ローパスフィルター
を構成する各水晶板の側面図である。
【図21】図20の各水晶板の結晶軸方向を示す図であ
る。
【図22】実施例6に関して図1と同様な二次元周波数
空間におけるトラップ線等を示す図であり、(A)はワ
イド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図23】水晶板による光学的ローパスフィルターにつ
いて、MTF特性を示す図である。
【図24】ソフトフォーカスレンズによる光学的ローパ
スフィルターについて、MTF特性を示す図である。
【図25】軸対称型のソフトフォーカスレンズを用いた
光学的ローパスフィルターについて、二次元周波数空間
におけるボケ領域を示す図である。
【図26】方向性をもつ型のソフトフォーカスレンズを
用いた光学的ローパスフィルターについて、二次元周波
数空間におけるボケ領域を示す図である。
【図27】(A),(B),(C),(D),(E)は
夫々ソフトフォーカスレンズを光学的ローパスフィルタ
ーとして用いた撮像光学系を示す図である。
【図28】(A)は平行平面板を内蔵するアダプターを
硬性鏡に取り付けた説明図、(B)はソフトフォーカス
レンズを内蔵するアダプターをファイバースコープに取
り付けた説明図である。
【図29】観察光学系と撮影光学系とを有する撮像光学
系の構成図である。
【図30】ソフトフォーカスレンズを有する3板式撮像
光学系の構成図である。
【図31】液晶レンズとソフトフォーカスレンズを組み
合わせた構成図であり、(A)は通電時、(B)は遮断
時を夫々表す。
【図32】方向性をもつソフトフォーカスレンズの位置
出し部を示す側面図及び正面図である。
【図33】方向性をもつソフトフォーカスレンズの位置
出し部を示す側面図及び正面図である。
【図34】方向性をもつソフトフォーカスレンズの位置
出し部を示す側面図及び正面図である。
【図35】方向性をもつソフトフォーカスレンズの位置
出し部を示す側面図及び正面図である。
【図36】図33のソフトフォーカスレンズを撮像装置
本体に取り付けた状態を示す断面図である。
【図37】図36の要部拡大図である。
【図38】第二実施例中の実施例7における光学的ロー
パスフィルターを構成するソフトフォーカスレンズと水
晶板の側面図である。
【図39】実施例7に関して二次元周波数空間における
レスポンスが低下する領域を示す図であり、(A)はワ
イド状態、(B)はテレ状態を示す。
【図40】実施例8における光学的ローパスフィルター
を構成するソフトフォーカスレンズと水晶板の側面図で
ある。
【図41】図40の各水晶板の結晶軸方向を示す図であ
る。
【図42】実施例8に関して二次元周波数空間における
レスポンスが低下する領域とトラップ線を示す図であ
る。
【図43】実施例9における光学的ローパスフィルター
を構成するソフトフォーカスレンズと水晶板の側面図で
ある。
【図44】図43の各水晶板の結晶軸方向を示す図であ
る。
【図45】実施例9に関して二次元周波数空間における
レスポンスが低下する領域とトラップ線を示す図であ
る。
【図46】従来の内視鏡用撮像装置の概略説明図であ
る。
【図47】従来の内視鏡用撮像装置の別の構成例を示す
要部説明図である。
【図48】従来の内視鏡用撮像装置の別の構成例を示す
要部説明図である。
【図49】従来の内視鏡用撮像装置の別の構成例を示す
要部説明図である。
【図50】結像光学系の前後に夫々光学的ローパスフィ
ルターを配置した撮像光学系の構成図である。
【図51】図50の光学的ローパスフィルターのトラッ
プ線等を二次元周波数空間で示す図である。
【図52】補色型モザイクフィルターの配列を示す図で
ある。
【図53】図50の光学的ローパスフィルターの水晶板
の側面図である。
【図54】図53の水晶板の結晶軸方向を示す図であ
る。
【符号の説明】
15 撮像素子 18 バリエーターレンズ 22 第一の光学的ローパスフィルター 23 第二の光学的ローパスフィルター 38,40 ソフトフォーカスレンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補色カラーモザイクフィルターを有し垂直
    方向の2画素の信号を混合して1つの水平走査線の輝度
    信号を得るようにした固体撮像素子と、該固体撮像素子
    上に物体の像を形成する変倍部を有する結像光学系とを
    備えた内視鏡用撮像装置において、 前記変倍部の前に第一の光学的ローパスフィルターを配
    置すると共に、該変倍部と前記固体撮像素子との間に第
    二の光学的ローパスフィルターを設け、 前記固体撮像素子の水平方向及び垂直方向のユニットセ
    ルサイズを夫々Px,Pyとして、二次元周波数空間上
    の8つのサンプリングポイント(−〔±1/2Px〕,
    ±1/4Py),(±1/2Px,±1/4Py),
    (0,±1/4Py),(±1/2Px,0)(複合同
    順)によって形成される四角形領域に対して、 前記第
    一の光学的ローパスフィルターによる像面上のトラップ
    線で囲まれる多角形が、前記結像光学系のワイド状態で
    は前記四角形の領域を囲み、テレ状態では四角形の領域
    内を前記トラップ線が全て通るようにしたことを特徴と
    する内視鏡用撮像装置。
  2. 【請求項2】補色カラーモザイクフィルターを有し垂直
    方向の2画素の信号を混合して輝度信号を得るようにし
    た固体撮像素子と、該固体撮像素子上に物体の像を形成
    する結像光学系とを備えた内視鏡用撮像装置において、 前記固体撮像素子の水平方向及び垂直方向のユニットセ
    ルサイズを夫々Px,Pyとして、二次元周波数空間上
    に現れる8つのサンプリングポイント(−〔±1/2P
    x〕,±1/4Py),(±1/2Px,±1/4P
    y),(0,±1/4Py),(±1/2Px,0)
    (複合同順)のうち、少なくとも4つの点における空間
    周波数レスポンスを低下させるソフトフォーカスレンズ
    を設けたことを特徴とする内視鏡用撮像装置。
  3. 【請求項3】垂直方向の各画素毎に1つの水平走査線の
    輝度信号を得るようにした固体撮像素子と、該固体撮像
    素子上に物体の像を形成する結像光学系とを備えた内視
    鏡用撮像装置において、 前記固体撮像素子の水平方向及び垂直方向のユニットセ
    ルサイズを夫々Px,Pyとして、二次元周波数空間上
    に現れる8つのサンプリングポイント(−〔±1/2P
    x〕,±1/2Py),(±1/2Px,±1/2P
    y),(0,±1/2Py),(±1/2Px,0)
    (複合同順)のうち、少なくとも4つの点における空間
    周波数レスポンスを低下させるソフトフォーカスレンズ
    を設けたことを特徴とする内視鏡用撮像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08256975A (ja) * 1995-03-22 1996-10-08 Asahi Optical Co Ltd 電子内視鏡用固体撮像装置
WO2005088984A1 (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Olympus Corporation マルチスペクトル画像撮影装置及びアダプタレンズ

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