JPH05113729A - 加熱ロール - Google Patents

加熱ロール

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JPH05113729A
JPH05113729A JP30101891A JP30101891A JPH05113729A JP H05113729 A JPH05113729 A JP H05113729A JP 30101891 A JP30101891 A JP 30101891A JP 30101891 A JP30101891 A JP 30101891A JP H05113729 A JPH05113729 A JP H05113729A
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infrared radiation
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Seiju Maejima
正受 前嶋
Shuichi Matsumoto
秀一 松本
Kouichi Sarunami
光一 猿波
Sadayoshi Nishiyama
貞義 西山
Yutaka Osanai
裕 小山内
Rokuro Ito
六郎 伊藤
Mamoru Matsuo
守 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 200℃以上という高温に耐え、温度分布の
均一性または熱効率性に優れた部材からなる加熱ロール
を提供することを目的とする。 【構成】 Mnを0.3〜4.3重量%含有し、残部が
Alおよび不可避不純物とからなる組成を有し、かつM
nとAlの金属間化合物が分散析出しているアルミニウ
ム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤外線放射特
性に優れたアルマイト層が形成されていることを特徴と
する加熱ロール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機等のオフイー
スオートメーション機器が有する加熱ロールに関するも
ので、特に加熱立ち上がり時間の短縮および温度分布の
均一性において大幅な改善を可能にする加熱ロールに関
する。
【0002】
【従来の技術】コピー機は現在、事務用機器の中でも広
く使用されている。また、コンピューターの普及にとも
ない、電子写真式のプリンターもその印字スピードと靜
粛性から多く使用されるようになっている。
【0003】コピーもしくはプリンター等を用いての複
写には、帯電、露光、現像、転写、定着という一連のプ
ロセスがある。複写機の「原稿を忠実にかつ安定して再
現する」という目的を達するには、特に転写、定着とい
うプロセスが大きく影響している。
【0004】この定着プロセスは被印刷材上に保持した
トナー像を熱などのエネルギーを付与して溶融、固着さ
せる工程であり、装置の単純化、安全性、熱効率の高さ
等の点から考えると、熱ローラー定着が最も適してい
る。
【0005】最近、出現している複写のフルカラー化は
この定着工程において混色され、最終の色再現が完成す
るものであるが、ここで重要な点は重ねられた複数のト
ナー像を充分に加熱溶融するとともに、トナーの定着ロ
ールである加熱ロールへのオフセットを防止する点であ
る。
【0006】従って、熱ローラー定着に用いる加熱ロー
ルは構造が単純であり、熱効率および安全性が高いこと
以外にも、均熱性が高いことなどが要求されている。
【0007】前記定着プロセスにおいて、被印刷物が加
熱ロール外表面から得る熱エネルギーが印字品質に大き
な影響を及ぼすことから、従来から加熱ロールの素材に
は耐熱性を備えかつ、熱伝導率の大きいものが使用され
ていた。
【0008】従来の加熱ロールは、高力アルミニウム合
金(6000系)または耐食アルミニウム合金(500
0系)の内表面にアルマイト層が形成された円筒状の押
し出し材からなるもので、有機染料を用いてその表面を
黒色に染色されていた。また、化学薬品を用いて前記押
し出し材の内表面に黒色化成膜が形成されたものも使用
されていた。
【0009】前記加熱ロールの内部には棒状ヒータ、も
しくはハロゲンランプなどの発熱体が挿入されており、
これらの発熱体によって発生した熱は前述の黒色に染色
されたアルマイト層や黒色化皮膜からなる層により吸収
され、その吸収された熱が加熱ロール外表面に伝達して
いた。
【0010】加熱ロールの内表面を黒色に染色するいわ
ゆる黒色化は、加熱ロール内部に設置された発熱体の熱
を効率よく吸収し、その熱を加熱ロールの外表面に短時
間に伝達させるために形成されているものである。この
黒色化処理が施された加熱ロールは、一定温度を保て、
加えて加熱ロールの外表面の温度をコントロールし易く
なるという利点もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現状のアルミ
ニウム材料を黒色化処理したものは耐熱性に劣るため、
長期使用した場合には特性が低下するという問題があ
る。つまり、現状でのアルマイト層は200℃以上に加
熱されると、基材との熱膨張率の違いによりクラックが
発生し、その結果、発熱体からの熱の吸収が悪くなると
共に均一な温度分布が得られ難くなるという問題があ
る。さらに、アルミニウム材料を有機染料を用いて黒色
化処理を施したものは、150℃以上に加熱されると有
機物が熱分解するため、その色調が黒色から茶色や黄色
に変色し、熱吸収が悪くなると共に、加熱ロール外表面
の温度の均一性が悪くなるという欠点がある。
【0012】従って、現状では200℃以上で長時間安
定した特性を保持できるようなアルミニウム材料を基材
とした加熱ロールを得ることは困難な状態である。本発
明は前記事情に鑑みてなされたもので、200℃以上と
いう高温に耐え、温度分布の均一性と熱効率性に優れた
部材からなる加熱ロールを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】ここで、耐熱性が高い、
黒色の自然発色アルマイトについて説明をする。この自
然発色アルマイトの発色機構はアルミニウム合金中の合
金元素の一部がアルマイト層中に固溶して残留するた
め、その金属イオンが着色中心となって灰色〜黒色、茶
色、黄色等に発色したりあるいはこれらの金属イオンが
固溶することによって生成される格子欠陥などの存在に
よって黒色に着色して見える現象である。またこのよう
な着色現象は前記アルマイト層中に数μm〜0.1μm
位の金属粒子や金属間化合物粒子が分散して存在するこ
とによる光の散乱、吸収などにも起因しているものと考
えられる。
【0014】このような自然発色合金の中で、複写機等
に使用される加熱ロールに加工でき、さらにアルマイト
層の特性が加熱ロールとして適するものを実験によって
求めた結果、以下に示す合金(特願平2−228971
号、特願平3−155229)を基材とし、このロール
基材の表面の少なくとも内面にアルマイト層を形成した
ものが好適に用いられることが分かった。
【0015】すなわち請求項1の加熱ロールでは、Mn
を0.3〜4.3重量%含有し、残部がAlおよび不可
避不純物とからなる組成を有し、かつMnとAlの金属
間化合物が分散析出しているアルミニウム合金からなる
基材の少なくとも内面に遠赤外線放射特性に優れたアル
マイト層を備えた加熱ロールとなすことにより前記問題
の解決を図った。
【0016】この様な遠赤外線の放射特性に優れた加熱
ロールを得るには、溶湯中に塊状あるいは粉末状などの
Al−Mn合金を添加してから、例えば連続鋳造装置で
鋳造し、その後熱処理を施し、ついで通常の多孔質系硫
酸電解液を用いて陽極酸化処理すればよい。
【0017】また、Mnの添加量については、添加量が
4.3重量%を越えると鋳造時に粗大なMn化合物が生
じ、圧延などの加工が困難になると同時に、アルマイト
層の形成時にMn化合物を起点にしてクラックが生じ易
くなるので好ましくない。また、Mnの含有量が0.4
重量%より少ない場合は、Al−Mn系の金属間化合物
の析出量と分散状態に不足を生じ、充分に枝分かれした
状態のアルマイト層が生成できず、高温までクラックの
発生しないアルマイト層とならないので好ましくない。
【0018】請求項2の加熱ロールでは、Mn0.3〜
4.3重量%とMgを0.05重量%〜6重量%含有
し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有
し、かつMnとAlの金属間化合物が分散析出している
アルミニウム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤
外線放射特性に優れたアルマイト層を備えた加熱ロール
となすことにより前記問題の解決を図った。
【0019】この遠赤外線放射特性に優れたアルマイト
層を有する加熱ロールも請求項1の加熱ロールを得るた
めに行った工程と同様の工程により得られる。Mnの添
加量については、その添加量が4.3重量%を越えると
鋳造時に粗大なMn化合物が生じ、圧延などの加工が困
難になると同時に、アルマイト層の形成時にMn化合物
を起点にしてアルマイト層にクラックが生じ易くなるの
で好ましくない。また、Mnの含有量が0.4重量%よ
り少ない場合は、AlとMnの金属間化合物の析出量と
分散状態に不足を生じ、充分に枝別れした状態のアルマ
イト層が生成できず、500℃までクラックの入らない
アルマイト層とならないので好ましくない。
【0020】さらに、Mgは前記AlとMnの金属間化
合物の析出を促進させるために添加するのであるが、そ
の添加量が0.05重量%より少ない場合にはその析出
促進の効果がなく、また一方、添加量が6.0重量%を
越えると鋳造性や圧延性が低下するので好ましくない。
【0021】なお、請求項1または請求項2の加熱ロー
ルに用いる基材となる合金においては、以下に記載する
範囲で不純物元素を含んでいても差し支えない。Fe
0.5重量%未満、Si0.5重量%未満、Cr0.3
重量%未満、Zr0.3重量%未満、V0.3重量%未
満、Ni1重量%未満、Cu1重量%未満、Zn1重量
%未満、Ti0.2重量%未満、Bi0.05重量%未
満、Be0.05重量%未満である。不純物が前記範囲
を越えると、生成される金属間化合物の質の変化をきた
し、赤外線放射特性が悪くなるとともに、鋳造性、圧延
性等が低下して製造加工が困難となる。
【0022】請求項3の加熱ロールでは、Siを2〜2
5重量%含有し、残部がAlおよび不可避不純物とから
なる組成を有し、かつSi細粒が分散析出しているアル
ミニウム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤外線
放射特性に優れたアルマイト層を備えた加熱ロールとな
すことにより前記問題の解決を図った。
【0023】この遠赤外線放射特性に優れたアルマイト
層を有する加熱ロールも、請求項1の加熱ロールを得る
ために行った工程と同様の工程によって得ることができ
る。
【0024】Siの含有量については、その添加量が2
5重量%を越えると、アルマイト層中の金属Si粒子の
体積率が大きすぎてアルマイト層の強度、耐食性が低下
してしまうので好ましくない。また、添加量が2重量%
より小さい場合には金属Si粒子の析出の数が少なくな
り、耐熱特性や遠赤外線の放射特性が不十分となるので
好ましくない。
【0025】請求項4の加熱ロールでは、Siを2〜2
5重量%含有し、かつFe0.05〜2.0重量%、M
g0.05〜2.0重量%、Cu0.05〜6.0重量
%、Mn0.05〜2.0重量%、Ni0.05〜3.
0重量%、Cr0.05〜0.5重量%、V0.05〜
0.5重量%、Zr0.05〜0.5重量%、Zn1.
0を越え7.0重量%以下のうち1種または2種以上を
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物が含まれる合
金からなる基材の少なくとも内面に遠赤外線放射特性を
有するアルマイト層を備えた加熱ロールとなすことによ
り前記問題の解決を図った。
【0026】この場合もやはり請求項1の加熱ロール用
部材を得るために行った工程と同様の工程によって得る
ことができる。
【0027】Siの含有量については、その添加量が2
5重量%を越えると、アルマイト層中の金属Si粒子の
体積率が大きすぎてアルマイト層の強度、耐食性が低下
してしまうので好ましくはい。また、添加量が2重量%
より小さい場合には金属Si粒子の析出数が少なくな
り、アルマイト層の耐熱性が悪くなると共に遠赤外線の
放射特性が不十分となるので好ましくない。
【0028】Feは強度向上および結晶粒微細化のため
に有効である。Feの添加量が0.05重量%未満では
その効果が得られず、2.0重量%を越えればアルマイ
ト層の強度と耐食性が低下する。また、Feの添加量が
2.0重量%を越えると、SiがFeと化合して、Al
−Fe−Si系の金属間化合物の量が増加し、遠赤外線
放射特性が低下する。従って、Feを添加する場合の添
加量は、0.05〜2.0重量%の範囲が好ましい。な
お、ダイカスト鋳造を適用する場合は、Feの添加量が
0.2重量%未満であると焼き付きが生じ易くなってダ
イカスト鋳造が困難となることがあるので、0.2重量
%以上であることが好ましい。
【0029】Mgも強度向上に寄与する。Mgの添加量
が0.05重量%未満ではその効果が得られず、2.0
重量%を越えるとMgとSiとが結合してMg2 Siの
生成量が増加し、遠赤外線放射特性が低下する。従っ
て、Mgを添加する場合の添加量は、0.05〜2.0
重量%の範囲が好ましい。
【0030】Cuも強度向上に寄与する。Cuの添加量
が0.05重量%未満では、その効果が得られず、6.
0重量%を越えると、鋳造性、塑性加工性、耐食性が低
下する。従って、Cuを添加する場合の添加量は、0.
05〜6.0重量%が好ましい。
【0031】Mnは強度向上に寄与するとともに、結晶
粒微細化、耐熱性向上に寄与する。Mnの添加量が0.
05重量%未満ではこれらの効果が得られず、2.0重
量%を越えるとMnがSiと結合してAl−Mn−Si
系の金属間化合物の生成量が増加し、遠赤外線放射特性
が低下する。また、添加量が2.0重量%を越えると鋳
造も困難となる。従って、Mnを添加する場合の添加量
は、0.05〜2.0重量%が好ましい。
【0032】Niも強度向上に寄与するとともに、耐熱
性向上に寄与する。Niの添加量が0.05重量%未満
ではこれらの効果が得られず、3.0重量%を越えると
鋳造が困難となる。従って、Niを添加する場合の添加
量は、0.05〜3.0重量%が好ましい。
【0033】Cr、Zr、Vの元素も強度向上に寄与す
るとともに結晶粒微細化に寄与する。いずれも0.05
重量%未満ではそれらの効果が得られず、0.5重量%
を越えると粗大な金属間化合物が生成し、これによって
強度が低下する。従って、Cr、Zr、Vのうち1種ま
たは2種以上を添加する場合の添加量はいずれも単独量
で0.05〜0.5重量%が好ましい。なお、スラブ、
ビレットなどの圧延や押しだし、あるいは鋳造を適用す
る場合は、これらの元素の単独添加量は、0.3重量%
をこえると塑性加工性が低下して製造が困難となるか
ら、単独添加量で0.3重量%以下が好ましい。
【0034】Znは溶解原料にスクラップを使用した場
合に必然的に混入する元素であるが、1重量%を越えて
積極的に含有させた場合強度向上に寄与する。Zn1重
量%以下ではその効果が得られず、7.0重量%を越え
るとその鋳造性が低下する。従って、Znを積極的に含
有させる場合、その添加量は1.0重量%を越え7.0
以下が好ましい。
【0035】さらに、請求項3または請求項4の加熱ロ
ールに用いる加熱ロール基材用の合金としては、組織微
細化のために請求項5で規定しているように、Ti、
P、Na、Sb、Srのうち1種または2種以上を含有
してもよい。これらの成分限定理由は次の通りである。
【0036】Tiは鋳塊結晶粒の微細化を通じて組織の
微細化に寄与する。Tiの添加量が0.005重量%未
満ではその効果が得られず、0.2重量%を越えると粗
大な金属間化合物が生成されて好ましくない。従って、
Tiを添加する場合の添加量は、0.005〜0.2重
量%が好ましい。なお、鋳塊結晶粒微細化のためには、
TiとともにBを共存させることが効果的である。この
場合Bの添加量は1ppm未満ではその効果が得られ
ず、100ppmを越えるとその効果が飽和するからT
iとあわせてBを添加する場合の添加量は、1〜100
ppmの範囲が好ましい。
【0037】Pは初晶Siの微細化に寄与する。この
為、Pの添加量は初晶Siが初出するような約10重量
%以上のSiを含有する合金の場合に効果的である。P
の添加量は0.005重量%未満では初晶Siの微細化
の効果が得られず、0.1重量%を越えるとその効果が
飽和する。従って、Pを添加する場合の添加量は、0.
005〜0.1重量%が好ましい。
【0038】Na、Sb、Srの元素は共晶Siの微細
化に寄与する。いずれも0.005重量%未満ではその
効果が得られない。Na、Srは0.1重量%を越える
とその効果が飽和し、Sbは0.3重量%を越えるとそ
の効果が飽和する。従って、Naを添加する場合の添加
量は0.005〜0.1重量%、Sbを添加する場合の
添加量は0.005〜0.3重量%、Srを添加する場
合の添加量は0.005から0.1重量%が好ましい。
なお、Nb、Sb、SrがPと共存する場合には、Pに
よる初晶Siの微細化効果が失われてしまうから、Pと
は共存させないことが望ましい。
【0039】請求項5の加熱ロールに用いる基材となる
アルミニウム合金の添加元素は、以上の各元素の他、B
eを1〜100ppm程度添加することは特に支障はな
い。また、その他の元素も合計で1重量%以下程度の微
量であれば、特に問題はない。
【0040】なお、請求項3ないし請求項5の加熱ロー
ルを製造する場合、加熱ロール基材の製造にダイカスト
鋳造を適用する場合は、Si添加量が15重量%を越え
ると鋳造性が低下するから、15重量%以下とすること
が好ましい。また、DC鋳造法(半連続鋳造法)を適所
しかつ圧延に共する場合も、Siの添加量が、15重量
%を越えると圧延割れが生じ易くなって製造が困難とな
るから、15重量%以下とすることが好ましい。一般的
には、Siの添加量が15重量%を越える場合は粉末治
金法を適所することが好ましい。
【0041】なお、請求項1ないし請求項5の加熱ロー
ルに用いる遠赤外線放射特性に優れたアルマイト層を形
成する手段である陽極酸化処理は、特に限定されず、硫
酸、しゅう酸等の無機酸、有機酸あるいはこれらの混合
酸等の電解浴で電流波形も直流、交流、交直併用、交直
畳重、あるいは一瞬であっても正極性を有する電流波形
であればいずれでも使用できる。但し、経済性、作業効
率の観点から硫酸浴で直流電流を用いるのが好ましい。
【0042】
【作用】請求項1の加熱ロールは、Mnを0.3〜4.
3重量%含有し、残部がAlおよび不可避不純物とから
なる組成を有し、かつMnとAlの金属間化合物が分散
析出しているアルミニウム合金からなる基材の少なくと
も内面に遠赤外線放射特性に優れたアルマイト層が形成
されているものである。
【0043】請求項2の加熱ロールは、Mn0.3〜
4.3重量%とMgを0.05重量%〜6重量%含有
し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有
し、かつMnとAlの金属間化合物が分散析出している
アルミニウム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤
外線放射特性に優れたアルマイト層が形成されているも
のである。
【0044】上記請求項1および請求項2の加熱ロール
は、特定量のMnを含有するAl合金を熱処理すること
により得られるMnとAlの金属間化合物が全体に分散
析出されている合金材を基材としているものである。こ
の基材を陽極酸化処理すると、アルミニウム合金材の表
面に黒色の赤外線放射特性に優れた多孔質のアルマイト
が形成される。
【0045】ここでアルマイト層は、MnとAlの金属
間化合物の析出部分を避けるようにして成長することか
ら、複雑な多孔質構造となる。この枝分かれした複雑な
多孔質構造のアルマイト層は、歪の吸収能力が高いので
熱歪に起因するクラック発生の恐れが少ない。さらに、
仮に小さなクラックが発生したとしても、クラックが伝
播する恐れがないためにヒートショックにも強くなり、
アルマイトの耐熱性が向上する。
【0046】また、アルマイト層自身が黒色を呈するた
めに、高温において退色するという欠点もなく、低温か
ら高温まで安定した赤外線の放射特性が得られる利点を
有するものである。
【0047】なお、前記アルマイト層は、厚さ10μm
以上であることが好ましい。アルマイト層の厚さが10
μmよりも薄いときは黒色度が不足するとともに、微細
孔が枝分かれした多孔質構造のアルマイト層の熱歪を吸
収する能力も低下するため、赤外線の放射特性が低下す
るだけでなく、200℃以下でもクラックを生じ易くな
る。これに対して、アルマイト層の厚さが、10μm以
上であれば、表面の明度を示すマンセル値は明度3.5
以下の黒色度を示すようになるとともに、500℃まで
加熱してもクラックは発生せず、黒色度の変化の恐れも
ないので、広い波長域で安定した遠赤外線の放射特性が
得られる。
【0048】請求項3の加熱ロールは、Siを2〜25
重量%含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからな
る組成を有し、かつSi細粒が分散析出しているアルミ
ニウム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤外線放
射特性に優れたアルマイト層が形成されているものであ
る。
【0049】請求項4の加熱ロールは、Siを2〜25
重量%含有し、かつFe0.05〜2.0重量%、Mg
0.05〜2.0重量%、Cu0.05〜6.0重量
%、Mn0.05〜2.0重量%、Ni0.05〜3.
0重量%、Cr0.05〜0.5重量%、V0.05〜
0.5重量%、Zr0.05〜0.5重量%、Zn1.
0を越え7.0重量%以下のうち1種または2種以上を
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物を含む合金か
らなる基材の少なくとも内面に遠赤外線放射特性に優れ
たアルマイト層が形成されているものである。
【0050】請求項5の加熱ロールは、請求項3または
請求項4記載の加熱ロールにおいて、基材となる合金の
成分としてさらにTi0.005〜0.2重量%を含有
するとともに、P0.005〜0.1重量%、Na0.
005〜0.1重量%、Sb0.005〜0.3重量
%、Sr0.005〜0.1重量%のうち1種または2
種以上が含有されている。
【0051】請求項3ないし請求項5の加熱ロールに使
用されている基材となる合金は、特定量のSiを含有す
るAl合金を熱処理することにより得られるもので、金
属Si粒子が全体に分散している合金材を基材としてい
るものである。この基材を陽極酸化処理すると、合金材
の表面に金属Si粒子として取り込んだアルマイト層が
形成される。
【0052】このアルミニウム合金の組織状態、特に金
属Si粒子の分散状態について説明する。相当量のSi
を含有する系のアルミニウム合金では、鋳造時にその添
加量に応じて初晶Si、共晶Siとして晶出する。そし
て鋳造後に熱処理された場合、Alマトリックス中から
も金属Sいが析出する。これらの晶出Si(初晶Si、
共晶Si)や析出Siは陽極酸化処理後においてもその
まま金属Si粒子としてアルマイト層中に残存する。そ
してこのアルマイト層中の金属Si粒子は、遠赤外線放
射特性やアルマイト層の耐クラック性に大きな影響を与
える。
【0053】すなわち、アルマイト層中に金属Si粒子
が分散するため、入射光が散乱、吸収されて、遠赤外線
放射特性が向上する。また、可視光線も吸収されるた
め、目視の色調も黒くなる。さらに、陽極酸化処理時に
おけるポアの成長過程で、ポアが金属Si粒子を避ける
ようにして成長するため、ポアが枝分かれした構造とな
り、入射光に対するアルマイト層中での散乱、吸収が助
長され、遠赤外線放射特性が一層向上する。
【0054】アルマイト層中の金属Si粒子は応力の緩
和点として機能する。また、ポアの枝分かれ構造は歪の
吸収能が高いので、クラックが生じ難くなると共に仮に
クラックが発生してもその伝播が阻止される。
【0055】良好な遠赤外線の放射特性を得るために
は、金属Si粒子のサイズ(粒径)と分布が重要であ
る。つまり、金属Si粒子の径が0.05μm未満の場
合には、可視光線、遠赤外線の散乱吸収が不十分であっ
て、良好な放射特性が得られず、また、目視にも黄色味
が強くなって黒色とは言えなくなる。従って、粒径が
0.5μm以上の金属Si粒子が存在することが必須で
ある。このため、0.05μm以上の金属Si粒子の分
布状態を滴切に制御する必要がある。
【0056】金属Si粒子が全く存在しないか、または
存在しても粒径が0.05μm未満の金属Si粒子しか
存在しない領域は、可視光線、遠赤外線の吸収が劣る。
従ってそのような領域がある程度以上存在すると、全体
に黒色とならず、かつ遠赤外線放射特性が悪くなる。ま
た、前記領域は、応力を緩和するポイントが皆無である
かまたはきわめて少ないため、その領域のアルマイト層
はクラックが生じ易くなる。
【0057】従って、金属Si粒子が存在しないかまた
は存在しても0.05μm未満の粒子のみであるような
領域(以下、無粒子領域と略称する。)を次の2つの条
件によって規制する。 (A)無粒子領域に描ける円の最大直径が50μm以下
であること。 (B)無粒子領域のうち、直径15μmの円を描ける領
域の合計面積がアルマイト層の全面積に対し面積率で3
0%以下であること。
【0058】ここで(A)の条件は、個々の無粒子領域
の広さが小さいことを意味し、(B)の条件は、ある程
度以上の広さの無粒子領域の合計面積が少ないことを意
味する。
【0059】アルミニウム合金の鋳塊組織は、デンドラ
イト構造でありデンドライト部分(樹枝状部分)はα固
用体となっている。そしてα固溶体からなるデンドライ
ト部分の周囲は、共晶領域(α相と金属Siとが交互に
共存する領域)となっている。従って、この場合はデン
ドライト部分のα固溶体の領域が無粒子領域であるとい
える。
【0060】また、一般に過共晶のAl−Si合金で
は、初晶Siが晶出し、鋳塊組織では初晶Siの周辺が
α固溶体となることが多い。この場合、初晶Siの周辺
のα固溶体の部分を無粒子領域ということができる。
【0061】さらに、鋳造時の冷却速度が遅い除冷組織
の場合には、共晶組織中の金属Siが粗大で不規則針状
となり、デンドライト部分の境界が不鮮明となることが
ある。この場合、共晶組織中の金属Siの相互間の部分
全てを無粒子領域とみなければならないこともある。
【0062】鋳造後に熱処理を行う場合、デントライト
部分のα固溶体中に金属Si粒子が析出する。従って、
元のデンドライト部分も無粒子領域ではなくなることが
多い。
【0063】鋳塊に対して押しだしや鋳造、圧延等の塑
性加工を行った場合には、鋳塊段階でデンドライト部分
の無粒子領域の形状、寸法が変化する。
【0064】以上のような全ての場合に共通して無粒子
領域の広さや面積率を規定できるように前記2つの条件
(A)、(B)を適用している。
【0065】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の加熱ロールを
詳しく説明する。図1は本実施例の加熱ロール6を示す
一部断面視した斜視図である。この加熱ロール6は、外
径25.0φ、内径23.0φ、長さ250mmの以下
に示す合金からなる円筒状のロール基材3の外表面に厚
さ30μmのフッ素系樹脂膜2を形成したものであり、
ロール基材3の内表面には、図2に示すような、遠赤外
線放射特性に優れたアルマイト層4が形成されている。
このアルマイト層4は金属間化合物からなる粒子5、も
しくは単体からなる粒子5が分散しているロール基材3
の表面に前記粒子5を避ける様にして成長している。前
記フッ素系樹脂膜2はトナーの非粘着化処理のために形
成されたものである。
【0066】前記加熱ロール6は、以下に示す4種の材
料を用いて作成した。但し、c)、d)は比較のための
もので、従来用いていた加熱ロール6の材料である。 a)Mnを2.0重量%含有してなるAl合金(Al−
Mn合金) b)Siを0.5重量%含有してなるAl合金(Al−
Si合金) c)5056材(JIS記載の合金) d)6063材(JIS記載の合金)
【0067】前記a)およびb)のAl合金からなる加
熱ロール6は以下に示す手順で作成された。 溶湯中に塊状あるいは粉末状などのAl−Mn合金あ
るいはAl−Si合金を添加してから連続鋳造装置を用
いてAl合金からなるロール基材3を鋳造した。 上記ロール基材3を300〜600℃の高温で0.5
〜24時間程度の加熱処理を施した。 この加熱処理済みのロール基材3をさらに、通常の多
孔質系硫酸電解液を用いて陽極酸化処理して、内表面に
アルマイト層4を形成した。 前記ロール基材3のアルマイト層4が形成されていな
い面に、フッ素系樹脂であるテフロンをスプレーで吹き
付け、厚さ数十μmのフッ素系樹脂膜2を形成した。
【0068】前記c)およびd)の素材からなる加熱ロ
ール6は、前記素材を硫酸電解浴により陽極酸化処理し
て、厚さ25μmのアルマイト層4を形成したものであ
るが、このアルマイト層4は自然発色合金でないため、
明るい象牙色を呈していた。この為、黒色有機染料であ
るタツクブラック(奥野製薬KK製)を用いてこのアル
マイト層4を黒色に染色した。 前記c)のアルマイト層4は染色後、暗い灰色を呈して
いた。 前記d)のアルマイト層4は染色後、灰色を呈してい
た。
【0069】ついで、これら4種の加熱ロール6の熱吸
収性および熱伝達性を、図3に示すような実験により比
較した。実験に使用した発熱体1は、400Wのハロゲ
ンランプであり、加熱ロール6の中心部に設置した。そ
して、300±10℃の範囲で発熱するように温度調整
をした。
【0070】加熱ロール6の内表面に形成されたアルマ
イト層4の最外面のポイントa1 、a2 、b1 、b2
1 、c2 の表面温度を熱電対を用いて測定することに
より熱吸収性を比較し、さらに前記加熱ロール6の外表
面に形成されたフッ素系樹脂膜2の最外面のポイントA
1 、A2 、B1 、B2 、C1 、C2 の表面温度を測定す
ることにより熱伝達性を比較した。
【0071】その結果を第1表に示す。以下、余白。
【0072】第1表から明らかなように、本実施例の加
熱ロール6は従来の加熱ロール6と比較して、熱吸収
性、熱伝達性ともに優れている。また、加熱ロール6の
長手方向においても熱分布性が広く均一化している。
【0073】さらに、熱吸収性、熱伝達性の実験と平行
して、先に示したポイントで変色・クラック発生の観察
をした。その結果を第2表に示す。但し、この観察は3
00℃・2時間後の加熱ロールを観察した結果である。
【0074】以下、余白。
【0075】第2表から明らかなように、本実施例の加
熱ロール6は熱に対して変色せず、さらに従来の加熱ロ
ール6にクラックが発生するような条件下でも、クラッ
クの発生は認められなかった。
【0076】また、前記実験に使用した加熱ロール6の
素材を用いて板状の試験片を作成し、その試験片を25
0℃に加熱して、遠赤外線分光放射特性を測定した。そ
の結果を第3表に示す。
【0077】以下、余白。
【0078】表3から明らかなように、本実施例の加熱
ロール6は従来のものと比較して、遠赤外線全放射率も
大きなものとなった。
【0079】本実施例の加熱ロール6は、Mnを2.0
重量%含有してなるAl合金からなるロール基材3、ま
たはSiを5.0重量%含有してなるAl合金からなる
ロール基材3に遠赤外線放射特性に優れたアルマイト層
4が形成されたものである。この加熱ロール6は、従来
の加熱ロール6と比較して耐熱性、熱吸収性、熱伝達
性、熱均一性に優れている。この加熱ロール6を複写機
またはプリンターに用いると、被印刷物に熱がよく伝わ
り、トナーがより溶融する。従って、本実施例の加熱ロ
ール6を複写機またはプリンターに用いると、高速で安
定して鮮明な画像を再現できる。
【0080】本実施例の加熱ロール6の素材は熱伝達性
が優れているので、加熱ロール6の長手方向においても
熱分布が均一である。従って本実施例の加熱ロール6で
は、大型化が可能なため大判用紙でも全面に渡って鮮明
な画像を得ることができる。
【0081】なお、本実施例の加熱ロール6では、加熱
ロール6の内表面のみに遠赤外線放射特性に優れたアル
マイト層4を形成したが、フッ素系樹脂膜2の下に形成
することも可能である。この場合の加熱ロール6は、ロ
ール基材3の上にフッ系樹脂膜2の焼き付けて形成する
とき、アルマイト層4の遠赤外線放射率が高いために、
前記フッ素系樹脂膜2の焼付けが均一に、かつ短時間で
行うことができる。
【0082】さらに、より熱を保てるのでトナーの定着
強度がますます向上し、厚さの厚い被印刷物でも早く、
安定して鮮明な画像を複写できる。
【0083】
【発明の効果】請求項1の加熱ロールでは、Mnを0.
3〜4.3重量%含有し、残部がAlおよび不可避不純
物とからなる組成を有し、かつMnとAlの金属間化合
物が分散析出しているアルミニウム合金からなる基材の
少なくとも内面に遠赤外線放射特性に優れたアルマイト
層が形成されている。
【0084】この加熱ロールは、優れた遠赤外線放射特
性を有し、500℃程度の高温まで熱歪によるクラック
が生じることがないので耐熱性に優れ、さらに均一な温
度分布も得られる。従って、請求項1の加熱ロールは、
200℃以上という高温に耐え、温度分布の均一性と優
れた熱効率性とを兼ね備えた加熱ロールなので、この加
熱ロールを用いることにより忠実かつ安定して鮮明な画
像を再現できる。
【0085】請求項2の加熱ロールでは、Mn0.3〜
4.3重量%とMgを0.05重量%〜6重量%含有
し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有
し、かつMnとAlの金属間化合物が分散析出している
アルミニウム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤
外線放射特性に優れたアルマイト層が形成されている。
【0086】この加熱ロールは、優れた遠赤外線放射特
性を有し、さらに500℃程度の高温まで熱歪によるク
ラックが生じることがないので耐熱性に優れ、均一な温
度分布が得られる。従って、請求項2の加熱ロールは、
200℃以上という高温に耐え、温度分布の均一性と優
れた熱効率性とを兼ね備えた加熱ロールなので、この加
熱ロールを用いることにより忠実かつ安定して鮮明な画
像を再現できる。
【0087】請求項3の加熱ロールでは、Siを2〜2
5重量%含有し、残部がAlおよび不可避不純物とから
なる組成を有し、かつSi細粒が分散析出しているアル
ミニウム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤外線
放射特性に優れたアルマイト層が形成されている。
【0088】この加熱ロールは、優れた遠赤外線放射特
性を有し、さらに500℃程度の高温まで熱歪によるク
ラックが生じることがなく耐熱性に優れ、さらに均一な
熱分布が得られる。従って、請求項3の加熱ロールは、
200℃以上という高温に耐え、温度分布の均一性と優
れた熱効率性とを兼ね備えた加熱ロールなので、この加
熱ロールを用いることにより忠実かつ安定して鮮明な画
像を再現できる。
【0089】請求項4の加熱ロールでは、Siを2〜2
5重量%含有し、かつFe0.05〜2.0重量%、M
g0.05〜2.0重量%、Cu0.05〜6.0重量
%、Mn0.05〜2.0重量%、Ni0.05〜3.
0重量%、Cr0.05〜0.5重量%、V0.05〜
0.5重量%、Zr0.05〜0.5重量%、Zn1.
0を越え7.0重量%以下のうち1種または2種以上を
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物が含まれる合
金からなる基材の少なくとも内面に遠赤外線放射特性に
優れたアルマイト層が形成されている。
【0090】この加熱ロールは、優れた遠赤外線放射特
性を有し、さらに500℃程度の高温まで熱歪によるク
ラックが生じることがないので耐熱性に優れ、均一な温
度分布を得ることができる。従って、請求項4の加熱ロ
ールは、200℃以上という高温に耐え、温度分布の均
一性と優れた熱効率性とを兼ね備えた加熱ロールなの
で、この加熱ロールを用いることにより忠実かつ安定し
て鮮明な画像を再現できる。
【0091】請求項5の加熱ロールでは、請求項3また
は請求項4記載の加熱ロールのロール基材の合金成分と
して、さらにTi0.005〜0.2重量%を含有する
とともに、P0.005〜0.1重量%、Na0.00
5〜0.1重量%、Sb0.005〜0.3重量%、S
r0.005〜0.1重量%のうち1種または2種以上
が含有されている。
【0092】この加熱ロールは、優れた遠赤外線放射特
性を有し、さらに500℃程度の高温まで熱歪によるク
ラックが生じることがないので耐熱性に優れ、均一な温
度分布が得られる。従って、請求項5の加熱ロールは、
200℃以上という高温に耐え、温度分布の均一性と優
れた熱効率性とを兼ね備えた加熱ロールなので、この加
熱ロールを用いることにより忠実かつ安定して鮮明な画
像を再現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例の加熱ロールを示す一部断面視し
た斜視図である。
【図2】図2はアルマイト層を拡大した断面図である。
【図3】図3は実施例の加熱ロールを用いて行った実験
を説明するための一部断面視した斜視図である。
【符号の説明】
3 基材 4 アルマイト層 5 金属間化合物からなる粒子、単体からなる粒子 6 加熱ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 貞義 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 小山内 裕 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉電 線株式会社内 (72)発明者 伊藤 六郎 浜松市塩町25番地 (72)発明者 松尾 守 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mnを0.3〜4.3重量%含有し、残
    部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有し、か
    つMnとAlの金属間化合物が分散析出しているアルミ
    ニウム合金からなる基材の少なくとも内面に遠赤外線放
    射特性に優れたアルマイト層が形成されていることを特
    徴とする加熱ロール。
  2. 【請求項2】 Mn0.3〜4.3重量%とMgを0.
    05重量%〜6重量%含有し、残部がAlおよび不可避
    不純物とからなる組成を有し、かつMnとAlの金属間
    化合物が分散析出しているアルミニウム合金からなる基
    材の少なくとも内面に遠赤外線放射特性に優れたアルマ
    イト層が形成されていることを特徴とする加熱ロール。
  3. 【請求項3】 Siを2〜25重量%含有し、残部がA
    lおよび不可避不純物とからなる組成を有し、かつSi
    細粒が分散析出しているアルミニウム合金からなる基材
    の少なくとも内面に遠赤外線放射特性に優れたアルマイ
    ト層が形成されていることを特徴とする加熱ロール。
  4. 【請求項4】 Siを2〜25重量%含有し、かつFe
    0.05〜2.0重量%、Mg0.05〜2.0重量
    %、Cu0.05〜6.0重量%、Mn0.05〜2.
    0重量%、Ni0.05〜3.0重量%、Cr0.05
    〜0.5重量%、V0.05〜0.5重量%、Zr0.
    05〜0.5重量%、Zn1.0を越え7.0重量%以
    下のうち1種または2種以上を含有し、残部がAlおよ
    び不可避的不純物よりなる基材の少なくとも内面に遠赤
    外線放射特性に優れたアルマイト層が形成されているこ
    とを特徴とする加熱ロール。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の加熱ロー
    ルにおいて、ロール基材の合金の成分として、さらにT
    i0.005〜0.2重量%を含有するとともに、P
    0.005〜0.1重量%、Na0.005〜0.1重
    量%、Sb0.005〜0.3重量%、Sr0.005
    〜0.1重量%のうち1種または2種以上が含有されて
    いることを特徴とする加熱ロール。
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