JPH0511355Y2

JPH0511355Y2 -

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Publication number: JPH0511355Y2
Application number: JP1990048401U
Authority: JP
Priority date: 1990-05-09
Filing date: 1990-05-09
Publication date: 1993-03-19
Anticipated expiration: 2003-03-19
Also published as: KR950005430Y1; KR910020388U; JPH048776U; US5100304A

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は電磁往復動式ポンプに関するものであ
り、特に、流体の吸引及び吐出を行うためのピス
トンを、当該電磁往復動式ポンプのケーシングに
設けられた片持ちのシヤフトに摺動可能に挿通し
た構造を有する電磁往復動式ポンプに関するもの
である。

（従来の技術）シリンダ内に摺動可能に配置されたピストンヘ
ツドを有するピストンを、ばねを用いて一方向に
偏倚させ、該ピストンを、該ピストンの外周部に
複数の磁極が位置するように配置された電磁石を
用いて、前記方向と逆の方向に周期的に吸引し
て、流体を吸引及び吐出する形式のポンプ（以
下、電磁往復動式ポンプという）が、例えば特公
昭57−51551号公報に示されている。

前記公報に示された電磁往復動式ポンプのピス
トンは、ピストンヘツドがシリンダ内に配置さ
れ、そして、該ピストンの、ピストンヘツドと逆
方向の端部が、前記シリンダと同様の筒状部内に
配置されることにより、前記シリンダの中心軸方
向に摺動可能に支持されている。

ところで、このように、ピストンが、そのピス
トンの前後の外周部、すなわちピストンヘツド外
周部及び該ヘツド側と反対側端部の外周部で支持
されていると、ピストン径を大きくした場合に、
前記ピストンヘツド外周部及び該ヘツド側と反対
側端部の外周部も大きくせざるを得なくなり、ピ
ストンの摺動抵抗が大きくなつてしまう。この結
果、当該電磁往復動式ポンプの吐出効率あるいは
吸引効率が低下する。

このような懸念を解消するために、実公昭62−
18712号公報には、ポンプのケーシングに片持ち
シヤフトを設けると共に、ピストンに前記シヤフ
トの外径とほぼ同一内径の穴を形成し、そして、
前記穴を、前記シヤフトに挿入することにより、
ピストンを支持する形式の電磁往復動式ポンプが
開示されている。

ここで、ピストン復帰用のばねはコイルばねで
あり、ピストンと前記片持ちシヤフトの固定部と
の間に配置されている。そして前記ばねの両端部
は、それぞれピストン及び前記シヤフトの支持部
に固定されている（同公報第１図参照）。

このように、ピストンに穴を形成し、該穴に軸
受となるシヤフトを挿入すれば、ピストン径を大
きくしても、ピストンに形成されるべき穴をあま
り大きく形成する必要がなく、この結果、ピスト
ンの摺動抵抗もあまり増大しない。

（考案が解決しようとする課題）上記した実公昭62−18712号公報記載の技術は、
次のような問題点を有していた。

すなわち、ピストンが電磁石で吸引されると
き、ピストンのアーマチユアは、その外周部に配
置された複数の磁極のうちのいずれか一方の側に
吸い寄せられる。この結果、ピストン摺動部が偏
摩耗し、該ピストンの寿命が短い。

この問題を解決するため、実公昭55−45094号
公報には、コイルばねの一端をケーシング側に対
して、パネ座を介して球面上に回転自在に支承さ
せ、コイルばねの圧縮から復元時に発生するねじ
り力により、コイルばねの他端に固定されたピス
トンを徐々に回転させ、ピストンの偏摩耗を防止
する技術が開示されている。

しかしながら、この技術では、コイルばねは、
球面といういわば点で支承されているため、コイ
ルばねの往復動に際し、バネ座はコイルばねの中
心軸方向から傾き、コイルばね自身が僅かながら
も折曲する場合があり、かえつてピストンがシリ
ンダの一方に偏倚力を受けるという欠点がある。

本考案は、前述の問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、ピストン径を大き
くしてもピストンの摺動抵抗があまり大きくなら
ず、またピストンが偏摩耗することのない電磁往
復動式ポンプを提供することにある。

（課題を解決するための手段及び作用）前記の問題点を解決するために、本考案は、ピ
ストン及びケーシング間に配置されたピストン復
帰用のコイルばねの一方の端部を、ピストン又は
ケーシングに対して、ばね受けを介して、前記コ
イルばねの中心軸から半径方向に等間隔に配置さ
れた複数個の球状体によって回転自在に支持させ
た点に特徴がある。

（実施例）以下に、図面を参照して、本考案を詳細に説明
する。

第１図は本考案の第１の実施例の縦断面図であ
る。

第４図は第１図のＡ−A′断面視図である。

図において、複数の磁極１にはコイル２が巻回
されていて、それらは、シリンダ３Ａを有する前
部ケーシング３、及び後部ケーシング４により挟
持されることにより固定されている。前記磁極１
及びコイル２は、電磁石を構成している。これら
電磁石は、後述するピストン６の側面の側に配置
されている。

前部ケーシング３には、該前部ケーシング３に
形成されたシリンダ３Ａの中心軸にその中心軸が
一致するように、主軸５が植立されている。すな
わち、この主軸５は、片持ちされている。

この主軸５の自由端からは、ピストンヘツド６
Ａを有するピストン６が摺動自在に挿通されてい
る。符号７は、前記主軸５の外周又はピストン６
の内壁に固定された軸受であり、ピストン６を摺
動自在及び回転自在に支持している。なお、ピス
トン６のシリンダ３Ａ側の端部は、ピストンヘツ
ド６Ａが該シリンダ３Ａ内に内接していることに
より支持されているので、軸受７は、ピストン６
の、ピストンヘツド６Ａが形成された側と反対側
に配置される。

前記ピストンヘツド６Ａは円筒状であり、前記
シリンダ３Ａ及びピストンヘツド６Ａにより、圧
力室１２が形成される。

前記ピストンヘツド６Ａには、吸入口６Ｂ及び
吸入弁６Ｃが設けられ、シリンダ３Ａには、吐出
口１３及び吐出弁１４が設けられている。

アーマチユア８は、前記ピストン６に取り付け
られている。

圧縮コイルばね９は、前記ピストン６と、前記
後部ケ−シング４の間にあってそれらと同一中心
軸上に配置されている。この圧縮コイルばね９
の、ピストン６側の端部は、該ピストン６に固定
され、その後部ケーシング４側の端部は、ばね受
け３１に固定されている。このばね受け３１は、
第４図に示すように、後部ケーシング４に、圧縮
コイルばね９の中心軸上から半径方向に等間隔に
配置された複数個の球状体３３により、回転自在
に支持されている。

前記ばね受け３１には、前記各球状体３３を受
けるための複数の凹部３２が形成されている。こ
の例は、圧縮コイルばね９の後部ケーシング４側
の端部に、スラスト軸受を取り付けた構成となつ
ている。

前記後部ケーシング４には、流体取入口１５が
形成されている。

さて、以上の構成を有する本考案の第１の実施
例において、コイル２に通電すると、アーマチユ
ア８が圧縮コイルばね９の弾発力に抗して磁極１
の方向に吸引され、圧力室１２の体積が増大す
る。コイル２への通電を解除すれば、圧縮コイル
ばね９の弾発力により、ピストン６が初期位置に
復帰して、圧力室１２の体積は減少する。

したがつて、コイル２に、例えば半波交流を通
電すれば、ピストン６は往復動を繰返し、圧力室
１２内には、吸入口６Ｂ及び吸入弁６Ｃを介して
流体が導入され、そして、吐出口１３及び吐出弁
１４を介して、圧力室１２より流体が排出され
る。前部ケーシング３及び後部ケーシング４内に
は、流体取入口１５を介して、流体が導入され
る。

なお、ピストン６が電磁石により吸引される原
理は、前記各公報に示された電磁往復動式ポンプ
と同じである。

さて、圧縮コイルばね９が圧縮されるとき、及
び伸長するときの双方において、該圧縮コイルば
ね９の両端面は相対的に回転されようとする。す
なわち、圧縮コイルばね９はねじれながら、伸縮
する。

このねじれにより、圧縮コイルばね９の両端部
には、ほぼ同一のねじれ力が発生するが、ピスト
ン６は、軸受７及びピストンヘツド６Ａにより、
主軸５及びシリンダ３Ａに対して回転自在に取り
付けられ、また圧縮コイルばね９は、ばね受け１
０及び球状体１１により後部ケーシング４に対し
て回転自在に取り付けられているから、ピストン
６の往復動の際に、ピストン６及びばね受け１０
が少しずつ回転する。

ここで、アーマチユア８が磁極１に吸引される
際に、該アーマチユア８は複数の磁極１のうちの
一方の側に偏倚されることがあつても、前記ピス
トン６の回転により、軸受７及びピストンヘツド
６Ａ、すなわちピストン６の摺動部は偏摩耗せ
ず、摩耗したとしても均一に摩耗する。この結
果、ピストン６、ひいては当該電磁往復動式ポン
プの寿命が延びる。

また、ばね受け３１は、複数の球状体によりコ
イルの中心軸と垂直に、即ち傾斜することなく支
承されているから、圧縮コイルばねはその中心軸
から屈曲することなく、ピストンに半径方向の偏
倚力を与えることもない。

第２図は本考案の第２の実施例の一部断面図で
あり、第１図に示された圧縮コイルばね９の、後
部ケーシング４側の端部を示したものである。第
２図において、第１図と同一の符号は、同一又は
同等部分をあらわしている。

この第２の実施例では、圧縮コイルばね９の、
後部ケーシング４側の端部に、ラジアル軸受４２
を配置したものである。このラジアル軸受４２の
外輪は、圧縮コイルばね９の、後部ケーシング４
側の端部に固定され、またその内輪は、後部ケー
シング４に植立された軸４１に固定されている。

この第２の実施例は、圧縮コイルばね９の弾発
力、すなわち圧縮コイルばね９によりラジアル軸
受４２に与えられるスラスト力があまり大きくな
い場合に採用される。

第３図は本考案の第３の実施例の縦断面図であ
る。第３図において、第１図ないし第２図と同一
の符号は、同一又は同等部分をあらわしている。

この第３の実施例は、前記第２の実施例と同様
に、圧縮コイルばね９の、後部ケーシング４の側
の端部にラジアル軸受４２を配置したものである
が、ピストン６を摺動可能及び回転可能に支持す
る主軸５Ａを後部ケーシング４側に取り付け、後
部ケーシング側の該主軸５Ａに、ラジアル軸受４
２の内輪を固定したものである。

このように、後部ケーシング４に主軸５Ａを取
り付ける構造は、第１図に示されたようなスラス
ト軸受を用いた場合にも採用することができる。

さて、前述の説明においては、圧縮コイルばね
９の、ピストン６側の端部は、該ピストン６に固
定され、その後部ケーシング４側の端部は、回転
自在に後部ケーシング４に取り付けられるものと
して説明したが、逆に、圧縮コイルばね９の、ピ
ストン６側の端部を回転自在にピストン６に取り
付け、その後部ケーシング４側の端部を該後部ケ
ーシング４に固定するようにしても良い。

（考案の効果）以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、次のような効果が達成される。

すなわち、圧縮コイルばねの両端が複数個所で
一様に支承されているので、該ピストンが電磁石
の一方の磁極の方に偏倚されることが少なく、仮
に偏倚されてもピストンの往復動にともなつて該
ピストンが回転するので、ピストンの摺動部が偏
摩耗しない。したがつて、当該電磁往復動式ポン
プの寿命が延びる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例の縦断面図であ
る。第２図は本考案の第２の実施例の一部断面図
である。第３図は本考案の第３の実施例の縦断面
図である。第４図は第１図のＡ−A′断面視図で
ある。１……磁極、２……コイル、３……前部ケーシ
ング、３Ａ……シリンダ、４……後部ケーシン
グ、５，５Ａ……主軸、６……ピストン、６Ａ…
…ピストンヘツド、６Ｂ……吸入口、６Ｃ……吸
入弁、７……軸受、８……アーマチユア、９……
圧縮コイルばね、１２……圧力室、１３……吐出
口、１４……吐出弁、１５……流体取入口、２
１，３１……ばね受け、３３……球状体、４２…
…ラジアル軸受。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】シリンダを有するケーシングと、その中心軸が前記シリンダの中心軸と一致する
ように、その一端が前記ケーシングに固定された
主軸と、その一端にピストンヘツドを有し、該ピストン
ヘツドが前記シリンダ内に挿入されるように、前
記主軸に挿入されたピストンと、前記ピストン及びケーシング間に配置され、該
ピストンを一方向に偏倚するコイルばねと、前記ピストンの側面に露出したアーマチユアを
前記方向と逆方向に吸引するように、該ピストン
の側面の側に配置された電磁石と、前記ピストンの往復動により、前記シリンダ及
びピストンヘツドにより規定される圧力室に流体
を吸引し、該圧力室から流体を吐出するための、
吸入口及び吸入弁並びに吐出口及び吐出弁とを具
備した電磁往復動式ポンプにおいて、前記コイルばねの一端は前記ピストン及びケー
シングの一方に固定され、該コイルばねの他端は
前記ピストン及びケーシングの他方に、ばね受け
を介して前記コイルばねの中心軸から半径方向に
等間隔に配置された複数個の球状体によつて回転
自在に支持されたことを特徴とする電磁往復動式
ポンプ。