JPH05112757A - 高耐久撥水皮膜の形成溶液 - Google Patents

高耐久撥水皮膜の形成溶液

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JPH05112757A
JPH05112757A JP3271300A JP27130091A JPH05112757A JP H05112757 A JPH05112757 A JP H05112757A JP 3271300 A JP3271300 A JP 3271300A JP 27130091 A JP27130091 A JP 27130091A JP H05112757 A JPH05112757 A JP H05112757A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高耐久撥水皮膜の形成溶液内における反応の進
行を抑制して寿命を延長する。 【構成】M(OR)n で表される金属アルコキシドと、
アルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で置換され
た置換金属アルコキシドと、アルコールと、水と、酸ま
たは塩基とからなり、アルコール量が金属アルコキシド
と置換金属アルコキシドの合計量に対してモル比で15
倍以上含まれている。アルコール量の増加により相対的
にアルコキシド濃度が減少したために、加水分解された
アルコキシドの脱水縮合反応速度が低下し、耐傷つき性
及び密着性の良好な状態を長時間維持できるようになっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス基板表面などに
撥水皮膜を形成するための溶液組成に関する。本発明の
形成溶液を用いて形成された撥水皮膜をもつ撥水ガラス
は、自動車のウインドガラス、ミラーなどに利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】雨天時などにウインドガラスやサイドミ
ラーに付着した水滴をはじき、視界を良好とすることを
目的として、撥水ガラスが検討されている。例えばガラ
ス自体を撥水化することが考えられるが、現時点では技
術的に解決すべき課題が多々あり、実用化には至ってい
ない。そこでガラス基板表面に撥水性の透明皮膜を形成
することが想起され、種々の提案がなされている。
【0003】例えば、ガラス基板表面にポリジメチルシ
ロキサンなどのシリコーン系の樹脂皮膜をもつ撥水ガラ
スが提案されている。シリコーン系樹脂は極めて良好な
撥水性を有するので、この撥水ガラスは優れた撥水性を
備えている。ところがシリコーン系樹脂皮膜をもつ撥水
ガラスでは、撥水皮膜の耐候性が不十分であり、実用に
際して撥水性の寿命が短いという不具合がある。そして
この原因としては、以下の機構によることも明らかとな
っている。すなわち、シリコーン系樹脂皮膜は水の透過
が可能である。そのため水が撥水皮膜を透過してガラス
基板に達し、ガラス基板中に含まれるアルカリ成分を溶
出させる。一方シリコーン系樹脂は耐アルカリ性が良好
とはいい難いため、そのアルカリ成分により加水分解を
受け撥水性が低下してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
撥水皮膜の耐アルカリ性を向上させて撥水性を長期間維
持させるとともに、ガラス基板への密着性を向上させる
ことを目的として鋭意研究の結果、ゾル−ゲル法による
高耐久撥水皮膜の形成方法を開発した(特願平3−10
7417号)。この方法は、シリコンアルコキシドと、
アルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で置換され
た置換シリコンアルコキシドと、アルコールと、水と、
酸または塩基とからなる形成溶液をガラス基板表面に塗
布し、焼成することによりシロキサン結合を成長させて
撥水皮膜を形成する方法である。この方法によれば、緻
密で高い硬度を有し耐久性に優れた撥水皮膜を容易に形
成することができる。
【0005】ところが更に研究を進めた結果、形成溶液
の調製直後から時間が経つにつれて、得られる撥水皮膜
の耐傷つき性が低下することが明らかとなった。これは
形成溶液に加水分解及び脱水縮合などの反応が生じ、時
間の経過に伴って組成が変化することに主な原因があ
る。そのため形成溶液は調製後約24時間以内に使用す
る必要があり、寿命が短いという不具合があった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、高耐久撥水皮膜の形成溶液内における反応
の進行を抑制して寿命を延長することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の高耐久撥水皮膜
の形成溶液は、M(OR)n で表される金属アルコキシ
ドと、アルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で置
換された置換金属アルコキシドと、アルコールと、水
と、酸または塩基とからなり、アルコール量が金属アル
コキシドと置換金属アルコキシドの合計量に対してモル
比で15倍以上含まれていることを特徴とする。
【0008】金属アルコキシドとしては、撥水皮膜の被
形成材の材質に合わせてシリコンアルコキシド、チタン
アルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、アルミニウ
ムアルコキシドなどから選択して用いることができる。
ガラス基板に透明な撥水皮膜を形成する場合には、シリ
コンアルコキシドを主とし、シリコンアルコキシドの量
の50%(mol%)以下のチタンアルコキシド、ジル
コニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシドなど
を含有させることが好ましい。これにより撥水皮膜の屈
折率を調整することができ、光学干渉が防止される。ま
たガラス基板に撥水皮膜を形成する場合には、燐アルコ
キシドを全アルコキシドの量の20%(mol%)以下
の量で混合することも好ましい。燐元素がガラス基板中
のアルカリイオンをトラップするため、アルカリイオン
が撥水皮膜中を拡散するのが抑制され、撥水皮膜の耐久
性が一層向上する。
【0009】置換金属アルコキシドとは、上記した金属
アルコキシドのアルコキシル基の一部がフルオロアルキ
ル基で置換されたものである。この置換金属アルコキシ
ドにより、形成される皮膜中にフルオロアルキル基を導
入することができ、撥水性を付与することができる。こ
の置換金属アルコキシドの量は、全アルコキシド量の1
0%(mol%)未満とすることが好ましい。これによ
り撥水皮膜の撥水性と硬度とを両立させることができ
る。置換金属アルコキシドの量が全アルコキシド量の1
0%を超えると、撥水皮膜の硬度が低下して実用に供し
得ない。全アルコキシド量の5%以下とすれば、特に硬
度に優れた撥水皮膜が得られる。
【0010】アルコールは上記アルコキシドの溶媒とし
て機能し、用いたアルコキシドの構成要素のアルキル基
と同一のアルキル基をもつアルコールが望ましい。そし
て本発明の最大の特徴は、アルコール量が全アルコキシ
ド量に対してモル比で15倍以上含まれているところに
ある。アルコールの量をモル比で15倍以上とすること
により、形成溶液内における反応が抑制され、溶液の寿
命を長くすることができる。またアルコキシドの濃度が
低下することにより塗布膜厚が低下するため、同一焼成
条件においては膜厚が厚い場合に比べて焼成が一層進行
する。したがって反応が進行し過ぎた形成溶液であって
も耐傷つき性が確保され、結果的に実用上の形成溶液の
寿命が延長される。
【0011】水と、酸または塩基はアルコキシドの加水
分解反応に与かり、水はアルコキシドの量に対して、モ
ル比にて2倍以上となるように配合される。また酸また
は塩基の量は、必要とされる膜質により決められる。本
発明の形成溶液は、ディッピング、スピンコート、スプ
レーなどの公知の塗布手段で基材に塗布され焼成され
る。塗膜厚は特に制限されないが、乾燥時で通常50〜
100nmである。通常、焼成に先立って水や溶媒を除
去する乾燥工程が行われる。この焼成を大気中で行う場
合は、350℃以下の温度で行うことが望ましい。35
0℃を超えると酸化反応によりフルオロアルキル基に分
解が生じ、撥水性が低下する。焼成は、雰囲気中に少量
の水蒸気を導入して行うことも好ましい。このようにす
れば未反応のアルコキシドの加水分解が促進され、一層
緻密で硬い撥水皮膜を形成することができる。また、ア
ンモニアガスの存在下で焼成することも好ましい。これ
により金属酸化物が部分的にオキシナイトライド化さ
れ、撥水皮膜の硬度が一層向上する。
【0012】
【作用】本発明の形成溶液では、アルコール量が全アル
コキシド量に対してモル比で15倍以上含まれている。
したがって溶液内におけるアルコキシドの反応の進行が
抑制され、形成溶液の寿命が延長される。また溶媒量が
多くなることからアルコキシドの濃度が低下し、塗布時
の膜厚が低下する。そのため同一焼成条件においては、
膜厚が厚い場合に比べて焼成が一層進行する。したがっ
て反応が進行し過ぎた形成溶液であっても耐傷つき性が
確保され、結果的に実用上の形成溶液の寿命が延長され
る。
【0013】なお、基板に塗布時の形成溶液中のアルコ
キシドの重合状態が撥水皮膜の硬度及び密着性に大きく
影響し、重合状態には最適な範囲が存在する。したがっ
てアルコキシドを最適な重合状態とするために、形成溶
液は調製後熟成してから用いる必要がある。
【0014】
【実施例】
(実施例1)1リットルのビーカにテトラエトキシシラ
ン200g、フルオロアルキルシラン(CF3(CF)7CH2CH2
Si(OCH3)3)5.46g及びエタノール1700gを混合
し、20分間攪拌する。そしてさらに水83gと0.1
N塩酸水溶液104gを加えて2時間攪拌して本実施例
の形成溶液を調製した。この形成溶液中には、エタノー
ルが約37モル含まれ、アルコキシドの合計モル数約
0.97モルに比べて格段に多く含有されている。
【0015】このようにして作製した溶液を密封容器に
入れ、25℃にて放置した。そして所定時間経過毎に、
ソーダライムガラス基板にディッピング法(引き上げ速
度30mm/分)にて塗布し、250℃で1時間焼成し
て撥水皮膜を形成した。図1に経過時間と膜厚との関係
を示す。このように本実施例の形成溶液は、時間が経過
してもほぼ一定の膜厚で塗布され、粘度の変化が小さい
ことがわかる。また水との接触角は、時間の経過にかか
わらず110度近辺の値を示し、撥水性に優れていた。
【0016】また得られた撥水皮膜の耐傷つき性を調べ
るために、上記で得られたそれぞれの撥水皮膜について
JIS−R3212に基づくテーバー磨耗試験後のヘイ
ズ値の増加(%)を測定した。結果を図2に示す。図2
より、溶液調製後4日(25℃)までは溶液中のアルコ
キシドの反応が不十分なため剥離が生じているが、溶液
調製後5日間の熟成(25℃)を行うことにより、耐傷
つき性及び密着性に優れた撥水皮膜を形成することがで
き、その後は30日間経過してもその性能を維持してい
ることがわかる。 (比較例1)エタノールの量を426.5gとしたこと
以外は実施例1と同様の組成で、比較例1の形成溶液を
調製した。この形成溶液中には、エタノールが約9.3
モル含まれ、アルコキシドの合計モル数約0.97モル
の約10倍で実施例1に比べて約1/4の量である。
【0017】この形成溶液について実施例1と同様に撥
水皮膜を形成し、経過時間と膜厚の関係と、経過時間と
ヘイズ値の増加との関係を測定した。それぞれの結果を
図3及び図4に示す。図3より比較例1の溶液は時間の
経過とともに膜厚が厚くなり、粘度が上昇していること
がわかる。また図4より、溶液調製後2日以上経過する
と撥水皮膜に剥離が生じ、溶液の寿命が短いことがわか
る。
【0018】したがって実施例1と比較例1を比較すれ
ば、エタノールを増量することにより溶液の寿命が著し
く延びることが明らかである。 (実施例2)1リットルのビーカにテトラエトキシシラ
ン208g、フルオロアルキルシラン(CF3(CF)7CH2CH2
Si(OCH3)3)5.95g及びエタノール1700gを混合
し、20分間攪拌する。そしてさらに水83gと0.1
N塩酸水溶液104gを加えて2時間攪拌した。この溶
液中には、エタノールが約37モル含まれ、アルコキシ
ドの合計モル数約1モルに比べて格段に多く含有されて
いる。
【0019】このようにして作製した溶液を密封容器に
入れ、25℃にて放置した。そして所定時間経過毎に、
テトラブトキシチタネート(Ti(O-nBu)4) 30.6gを
38.5gのエタノールに混合した溶液を加え、1時間
攪拌して形成溶液を調製した。そして直ちにソーダライ
ムガラス基板にディッピング法(引き上げ速度30mm
/分)にて塗布し、250℃で1時間焼成して撥水皮膜
を形成した。
【0020】そして実施例1と同様に経過時間と膜厚の
関係と、経過時間とヘイズ値の増加との関係を測定し
た。それぞれの結果を図5及び図6に示す。このように
本実施例の形成溶液は、時間が経過してもほぼ一定の膜
厚で塗布され、粘度の変化が小さいことがわかる。また
水との接触角は、時間の経過にかかわらず110度近辺
の値を示し、撥水性に優れていた。
【0021】また図6より、溶液調製後4日(25℃)
までは溶液中のアルコキシドの反応が不十分なため剥離
が生じているが、溶液調製後5日間の熟成(25℃)を
行うことにより、耐傷つき性及び密着性に優れた撥水皮
膜を形成することができ、その後は30日間経過しても
その性能を維持していることがわかる。 (比較例2)エタノールの量を426.5gとしたこと
以外は実施例2と同様の組成で、比較例2の形成溶液を
調製した。この形成溶液中には、エタノールが約9.3
モル含まれ、アルコキシドの合計モル数約1モルの約1
0倍で実施例2に比べて約1/4の量である。
【0022】この形成溶液について実施例1と同様に撥
水皮膜を形成し、経過時間と膜厚の関係と、経過時間と
ヘイズ値の増加との関係を測定した。それぞれの結果を
図7及び図8に示す。図7より比較例2の溶液は時間の
経過とともに膜厚が厚くなり、粘度が上昇していること
がわかる。また図8より、溶液調製後2日以上経過する
と撥水皮膜に剥離が生じ、溶液の寿命が短いことがわか
る。
【0023】したがって実施例2と比較例2を比較すれ
ば、エタノールを増量することにより溶液の寿命が著し
く延びることが明らかである。 (実施例3)1リットルのビーカにテトラエトキシシラ
ン208g、フルオロアルキルシラン(CF3(CF)7CH2CH2
Si(OCH3)3)5.95g及びエタノール1700gを混合
し、20分間攪拌する。そしてさらに水83gと0.1
N塩酸水溶液104gを加えて2時間攪拌した。この溶
液中には、エタノールが約37モル含まれ、アルコキシ
ドの合計モル数約1モルに比べて格段に多く含有されて
いる。
【0024】このようにして作製した溶液を密封容器に
入れ、25℃にて放置した。そして所定時間経過毎に、
テトラブトキシチタネート(Ti(O-nBu)4) 30.6gを
38.5gのエタノールに混合した溶液と、燐アルコキ
シド(PO(OC2H5)3) 9.1gをエタノール60gに混合
した溶液を加え、1時間攪拌して形成溶液を調製した。
そして直ちにソーダライムガラス基板にディッピング法
(引き上げ速度30mm/分)にて塗布し、250℃で
1時間焼成して撥水皮膜を形成した。
【0025】そして実施例1と同様に経過時間と膜厚の
関係と、経過時間とヘイズ値の増加との関係を測定し
た。それぞれの結果を図9及び図10に示す。このよう
に本実施例の形成溶液は、時間が経過してもほぼ一定の
膜厚で塗布され、粘度の変化が小さいことがわかる。ま
た水との接触角は、時間の経過にかかわらず110度近
辺の値を示し、撥水性に優れていた。
【0026】また図10より、溶液調製後4日(25
℃)までは溶液中のアルコキシドの反応が不十分なため
剥離が生じているが、溶液調製後5日間の熟成(25
℃)を行うことにより、耐傷つき性及び密着性に優れた
撥水皮膜を形成することができ、その後は30日間経過
してもその性能を維持していることがわかる。 (比較例3)エタノールの量を426.5gとしたこと
以外は実施例3と同様の組成で、比較例3の形成溶液を
調製した。この形成溶液中には、エタノールが約9.3
モル含まれ、アルコキシドの合計モル数約1モルの約1
0倍で実施例3に比べて約1/4の量である。
【0027】この形成溶液について実施例1と同様に撥
水皮膜を形成し、経過時間と膜厚の関係と、経過時間と
ヘイズ値の増加との関係を測定した。それぞれの結果を
図11及び図12に示す。図11より比較例3の溶液は
時間の経過とともに膜厚が厚くなり、粘度が上昇してい
ることがわかる。また図12より、溶液調製後2日以上
経過すると撥水皮膜に剥離が生じ、溶液の寿命が短いこ
とがわかる。
【0028】したがって実施例3と比較例3を比較して
も、エタノールを増量することにより溶液の寿命が著し
く延びることが明らかである。 (試験例)上記した実施例1の溶液組成において、エタ
ノールの含有量を種々変化させた場合の溶液のポットラ
イフを測定した。なお、テーバー磨耗試験においてヘイ
ズ値の増加が2%以内となる皮膜を成膜可能な溶液の有
効日数をポットライフとした。結果を図13に示す。図
13よりエタノールのモル数が全アルコキシドのモル数
の15倍以上であれば、30日以上のポットライフが得
られることがわかる。
【0029】
【発明の効果】すなわち本発明の撥水皮膜の形成溶液に
よれば、30日以上のポットライフが得られ耐久性に優
れている。このようになる理由としては、アルコール量
の増加により相対的にアルコキシド濃度が減少したため
に、加水分解されたアルコキシドの脱水縮合反応速度が
低下し、耐傷つき性及び密着性の良好な状態を長時間維
持できるようになったものと考えられる。
【0030】またアルコール量の増加により膜厚が薄く
なり、膜中の溶媒の蒸発が容易となるとともに焼成が一
層容易となった。これにより耐傷つき性も一層向上す
る。さらに、アルコール量の増加により30mm/分と
いう速い速度で50nmという薄い撥水皮膜を形成する
ことができた。したがってディッピング時の引き上げ速
度の制御が容易であり、生産性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における経過日数と膜厚の関係を示す
グラフである。
【図2】実施例1における経過日数とヘイズ値の増加の
関係を示すグラフである。
【図3】比較例1における経過日数と膜厚の関係を示す
グラフである。
【図4】比較例1における経過日数とヘイズ値の増加の
関係を示すグラフである。
【図5】実施例2における経過日数と膜厚の関係を示す
グラフである。
【図6】実施例2における経過日数とヘイズ値の増加の
関係を示すグラフである。
【図7】比較例2における経過日数と膜厚の関係を示す
グラフである。
【図8】比較例2における経過日数とヘイズ値の増加の
関係を示すグラフである。
【図9】実施例3における経過日数と膜厚の関係を示す
グラフである。
【図10】実施例3における経過日数とヘイズ値の増加
の関係を示すグラフである。
【図11】比較例3における経過日数と膜厚の関係を示
すグラフである。
【図12】比較例3における経過日数とヘイズ値の増加
の関係を示すグラフである。
【図13】アルコール濃度とポットライフの関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 千秋 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 西村 和彦 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M(OR)n で表される金属アルコキシ
    ドと、アルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で置
    換された置換金属アルコキシドと、アルコールと、水
    と、酸または塩基とからなり、該アルコール量が該金属
    アルコキシドと該置換金属アルコキシドの合計量に対し
    てモル比で15倍以上含まれていることを特徴とする高
    耐久撥水皮膜の形成溶液。
JP3271300A 1991-10-18 1991-10-18 高耐久撥水皮膜の形成溶液 Expired - Lifetime JP2729714B2 (ja)

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