JPH05111390A - モノクローナル抗体及び産生細胞 - Google Patents

モノクローナル抗体及び産生細胞

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JPH05111390A
JPH05111390A JP3302472A JP30247291A JPH05111390A JP H05111390 A JPH05111390 A JP H05111390A JP 3302472 A JP3302472 A JP 3302472A JP 30247291 A JP30247291 A JP 30247291A JP H05111390 A JPH05111390 A JP H05111390A
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Japan
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cells
monoclonal antibody
antibody
tenascin
present
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JP3302472A
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Hisatetsu Kawakatsu
一左哲 川勝
Junichi Yano
純一 矢野
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Nippon Shinyaku Co Ltd
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Nippon Shinyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ヒト−テネイシンのアミノ酸配列のうち細胞接
着に関与する部位を特異的に認識できるモノクローナル
抗体を取得する。 【構成】ヒト−テネイシンの細胞接着に関与する部位を
特異的に認識できるモノクローナル抗体及びこれを産生
するハイブリドーマ。 【効果】ヒト−テネイシンの細胞接着機能を阻害して癌
転移阻害作用を有する物質を取得することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト−テネイシンの細
胞接着活性を有する部位を特異的に認識することができ
るモノクローナル抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】テネイシンは、はじめタイプVコラーゲ
ンに対するモノクローナル抗体を得ようとした際に偶然
特異な染色性を示す抗体の抗原として発見された糖蛋白
質で、細胞の間質側に発現する物質として知られてい
る。
【0003】テネイシンは、分子量が約250Kと19
0Kの二つのサブユニットが6量体を構成する細胞外マ
トリックスを構成する蛋白質として今日では知られてい
る。歴史的にはその存在は、GP250、GMEM、マ
イオテンディナス抗体、ヘキサブラキオン、サイトタク
チン等の名称で知られていたが、1986年に間充織−
上皮間の相互作用が、形態形成に重要な胎児組織や、癌
の間質に誘導されることが発見されて、一躍注目を浴び
ることとなった。
【0004】テネイシンは、赤血球凝集作用、細胞接着
に対する作用、癌細胞の増殖促進作用等が報告されてい
るが、その生理的機能ははっきりとは判明していない。
その後、ヒト−テネイシン、マウス−テネイシン、トリ
−テネイシン等の遺伝子配列が決定され、そのN末端側
より、EGF、フィブロネクチン、フィブリノーゲン様
の繰り返し構造(ドメイン)を有する蛋白質であること
が判っている。
【0005】また、テネイシンは糖鎖の修飾を受けてお
り、GlcNAcやシアル酸が含まれていることが判明してい
る。これまでの研究では、遺伝子配列から計算される分
子量やシアリダーゼ処理による分子量の減少からみて、
分子全体の10〜20%が糖鎖にあたると思われる。ツ
ニカマイシンをテネイシン産生細胞に添加して修飾を阻
害してみると、10〜20%の分子量の減少が観察され
る。
【0006】テネイシンの糖鎖については、HNK−1
という抗原決定基がテネイシンやJ1蛋白質上に存在す
るという報告もあり、この構造は硫黄を含む複雑な糖脂
質であることが判っている。しかし、種差の問題もあ
り、すべてのテネイシンがHNK−1を持っているとは
考えにくい。
【0007】テネイシンの薬理作用については上記のほ
か、細胞増殖や形態形成に関与する種々の作用が知られ
ているが、これらがテネイシンの構造上のいかなる部位
と関連しているか等については研究が待たれるところで
あった。
【0008】テネイシンを特異的に認識することができ
るモノクローナル抗体については種々の研究がなされて
おり、例えば、ヒトのフィブロブラストからヒト−テネ
イシンを抽出した後、フィブロネクチンを除去する等し
て高純度のヒト−テネイシンを取得し、これにより免疫
したラットの脾臓細胞を細胞融合することにより取得し
たハイブリドーマから目的のモノクローナル抗体を取得
する方法等が知られている(特開平2−219590
号)。
【0009】しかしながら、これらの方法では、ヒト−
テネイシンの構造上の特定の部位を認識するモノクロー
ナル抗体を取得するものではないから、ヒト−テネイシ
ンの有する生理活性の薬理上有用なもののみを選択的に
利用しようとする目的には適うものではなかった。
【0010】一方、細胞の癌化とこれの阻止作用につい
ては種々の研究が進んでいて、例えば、癌細胞の転移に
関していえば、転移に関係している部位でのペプチドで
は、細胞の接着作用が、初期の転移に直接関係すること
が判っている(Journal ofcellular physiology 134 2
87-291(1988)) 。
【0011】そこで、癌細胞の接着を阻害する物質が存
在すれば、このことにより癌転移を阻止しうることが予
想された。
【0012】ところで、テネイシン同様の細胞外マトリ
ックスを構成する蛋白質であるフィブロネクチンが細胞
接着の機能を有することは知られていた。フィブロネク
チンの研究から、フィブロネクチンが有するアミノ酸の
配列のうち接着活性を有する部位がRGD(Arg-Gly-As
p )アミノ酸配列を有する部位であることが判ってい
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ヒト−テネイシンの遺
伝子配列は研究により既に解明がなされており、そのこ
とからヒト−テネイシンのアミノ酸配列のうち、細胞接
着に関与する部位がいずこであるかを解明することがで
きれば、そのアミノ酸配列を特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体を取得することができ、それにより、ヒト−
テネイシンの細胞接着機能を阻害して癌転移阻害の作用
を有する物質を取得することができることとなる。本発
明の目的は、そのようなモノクローナル抗体を取得する
ことにあった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、上記のようなモノクローナル抗体を取得すること
に成功し、本発明を完成した。
【0015】本発明の要旨は、ヒト−テネイシンの接着
活性を有する部位を特異的に認識するモノクローナル抗
体そのものにある。本発明の要旨はまた、そのようなモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマそのものに
もある。本発明に係るモノクローナル抗体は、以下のよ
うにして取得することができる。
【0016】まず上記細胞接着に関与するRGDの配列
を有するペプチドを化学的に合成する。本発明において
は、Gly-26-Cysと称することができる配列番号1 のよう
なアミノ酸配列を有するペプチドを合成することができ
る。
【0017】本発明においては、抗原性を高めるため
に、上記のようにして取得したペプチドを、適当なキャ
リア(carrier) 、例えばキーホール リムペット ヘモ
シアニン(keyhole limpet hemocyanin) 等に結合させて
免疫することができる。
【0018】ペプチドとキャリアの結合反応には、適当
な化学試薬、例えば、グルタールアルデヒド、カルボジ
イミド、MBS(N-(m- マレイミドベンゾイルオキシ)
スクシンイミド) 等を用いることができる。
【0019】以下に、このようにして得られたものを抗
原として用い、本発明に係るモノクローナル抗体を取得
する方法について述べる。まず免疫化細胞の調製につい
て説明する。これは動物の体内に抗原を投与し、その動
物の細胞を取得することによって得ることができるもの
である。
【0020】当該動物としては、例えば、マウス等のこ
れまで常法として実験に供されてきた動物を使用するこ
とができる。抗原は腹腔内等に投与することが望まし
い。投与は、常法によりフロインドのコンプリートアジ
ュバンドに混合して投与するのが適当であるが、本発明
においては投与後数週間の間隔で数回投与を繰り返すこ
とが好ましい。投与間隔は、2週間で充分であるし、投
与回数は2〜4回が好ましい。その後、当該動物を屠殺
し、例えば、脾臓等の臓器を摘出し、常法に従って細胞
を得る。
【0021】次に免疫化細胞に増殖機能を付与するため
の骨髄腫細胞との細胞融合について述べる。ここに用い
る骨髄細胞は、例えば、SP2/0-Ag14株等を、例えば、FC
S(牛胎仔血清)を含む培地で培養し、望ましくは対数増
殖期にある細胞を用いる。細胞融合の方法は、免疫化細
胞と骨髄腫細胞を細胞数の比で 1:1〜10:1の範囲で混合
し、ポリエチレングリコール等の融合剤又は電気刺激等
の方法を用いることができる。
【0022】融合後の細胞は、直ちに又は通常培地での
前培養後、ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン
を加えたいわゆるHAT培地で培養することにより、免
疫化細胞と骨髄腫細胞の組み合わせで融合した細胞のみ
を選択することができる。本発明においては、例えば、
酵素免疫測定法( ELISA法)等によって抗体価を確認し
つつ抗体産生細胞の選別を行うことができる。
【0023】抗体価を確認することができた細胞は、限
外希釈法、軟寒天法等の常法に従って、ウェル(Well)プ
レート及びシャーレによる培養を繰り返し、このあいだ
に抗体産生能、産生抗体の免疫化学的試験、抗原特異性
試験等を行うことによって選別することができる。ま
た、マイクロマニュピュレーター又はセルソーターを用
いて選別することもできる。
【0024】本発明に係る細胞は、通常の状態において
継続的に本発明に係るモノクローナル抗体を産生するこ
とができる。従って、本発明に係るモノクローナル抗体
を利用するときは、本発明に係る細胞の培養液の上清液
を直接そのまま本発明に係るモノクローナル抗体溶液と
して利用することができる。
【0025】また、本発明に係るモノクローナル抗体
は、例えばマウス等の通常実験に供される動物体内に
(例えば腹腔内に)、抗体産生細胞を投与し、例えば腹
水等の動物体液を採取することによっても生産すること
ができる。
【0026】本発明に係る細胞の培養液又は腹水より本
発明に係るモノクローナル抗体を精製取得するために
は、例えば、硫安沈澱、イオン交換クロマトグラフィー
等の方法によって取得することができる。
【0027】こうして取得したモノクローナル抗体は、
例えば各種の緩衝液、必要に応じて塩、更にはアジド等
を添加することにより、又は凍結乾燥等の方法により安
定した物質として保存することができる。
【0028】これらの抗体のイミュノグロブリン各クラ
スの同定は、クラス特異性抗体を用いた ELISA法により
行うことができる。このようにして得られたモノクロー
ナル抗体は、以下の免疫生化学的手法により、各蛋白質
に特異的に結合することを確認することができる。本発
明に係るモノクローナル抗体を用い、ウエスタン・ブロ
ッティングの手法を適用する同定方法について説明す
る。
【0029】この手法は、生物由来検体中の当該ペプチ
ドの同定及び定量に応用することができる。即ち、当該
ペプチド又は当該ペプチドを含む生物由来の検体を、常
法に従って、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分
画した後、ナイロンメンブラン又はニトロセルロースメ
ンブランにブロッティングする。メンブラン上に移行し
たペプチドとモノクローナル抗体とを結合させ、つい
で、35S又は 125Iで標識したプロテインA(protein
A)と結合させる。このとき、過剰のモノクローナル抗
体とプロテインAは、そのつど充分に洗浄により除去し
ておく。これにより、用いたモノクローナル抗体の特異
性に応じて当該ペプチドの位置に、その量に応じた35
又は 125Iが存在することになり、メンブラン上の35
又は 125IをRIスキャナー又はオートラジオグラフィ
ーで検出することでペプチドの同定と定量を行うことが
できる。
【0030】次に、RIP(ラジオイミュノプレシピテ
イション)の手法を適用することを特徴とする当該ペプ
チドの同定方法について述べる。RIPにおいては、例
えば、35S等で標識したメチオニン等を含む培養液中
で、検体となる細胞を培養することによって検体となる
細胞に取り込ませる。その後、可溶化のための緩衝液を
加えた後、可溶化物(lysate)を取得する。そして、本発
明に係るモノクローナル抗体を加えて混合することによ
り抗原抗体反応を完結させる。
【0031】その後常法に従い、プロテインA−セファ
ロース等を加えた後、遠心分離と緩衝液による洗浄を繰
り返して、本発明に係るペプチド以外の混在物を取り除
く。その後、常法に従って電気泳動を行い、ラジオアイ
ソトープの検出を行う。検体細胞に当該ペプチドが存在
すれば、用いたモノクローナル抗体の特異性に応じたバ
ンドが現れることとなる。
【0032】次にイミュノサイトケミストリーの手法を
適用することを特徴とする生物中の当該ペプチドの検出
方法について説明する。培養細胞の場合は、フォルムア
ルデヒド−リン酸緩衝液(PBS)溶液等の適切な固定液で
固定し、必要に応じてトリトン処理を行い、試料とする
ことができる。これらの試料に、本発明に係るモノクロ
ーナル抗体を加えて抗原抗体反応を完結させた後、リン
酸緩衝液で充分に洗浄する。二次抗体としてビオチン結
合−抗イミュノグロブリンを反応させた後、充分に洗浄
する。ここに生じたペプチド−モノクローナル抗体−ビ
オチン結合二次抗体の複合物に蛍光標識したアビジンを
反応させ、その蛍光を蛍光顕微鏡で観察することにより
細胞中のペプチドを検出することができる。
【0033】病理組織の場合には、ホルマリンその他の
適切な固定液で固定し切片としたもの、又は凍結は切片
をホルムアルデヒド固定したもの等を、必要に応じて界
面活性剤等の処理を行った標本を試料として同様の操作
によりイミュノサイトケミストリーを行うことができ
る。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明の一例を
示すものであって、本発明はこれらに限定されるもので
はない。実施例1 ヒト−テネイシンの細胞接着活性部位に対するモノクロ
ーナル抗体の作製 (1) 抗原の作製 遺伝子配列より予測されるアミノ酸配列のうち、1番目
のグリシンから26番目のシステインまでの26個のアミノ
酸を常法に従って化学合成した。このペプチドのアミノ
酸配列は、配列番号1 の通りである。
【0035】このペプチド10mgを精製蒸留水2mlに溶解
したものを、5mg/mlのKLH溶液(カルビオケム社製
フラクションVを使用)と混合し、カップリング剤とし
て水溶性カルボジイミド(蛋白質研究奨励会製)を最終
濃度 0.2M となるように加えた。
【0036】pHが 6.0になるように維持しながら、30分
から1時間のあいだpHの変動がなくなるまでカップリン
グ反応を行わせた後、4℃でPBS(−)で透析し、ゲ
ル濾過カラムを通して未反応物を除く。このようにして
12mgのペプチド−KLH結合体を得た。
【0037】(2) 免疫化細胞の調製 10週令のBALB/C雌性マウスの腹腔内に、 (1)で得られた
物質 100μg を含む溶液 0.1mlと、フロインドのコンプ
リートアジュバンド(DIFCO社製) 0.1mlとの混合液を投
与する。その後2週間間隔で2回、上記溶液とインコン
プリートアジュバンド(DIFCO社製) との混合溶液を腹腔
内に投与する。その後、そのマウスを頸椎脱臼により致
死させ、無菌的に脾臓を採取する。
【0038】セレクター(BELCO社製) に上記脾臓約1g
を乗せ、ダルベッコ変法 MEM(D-MEM) 培地を供給しなが
ら約10μのメッシュを通過させて D-MEMに懸濁状態の脾
臓細胞を得る。これを100G、5分間の遠心分離にかけ
て、脾臓細胞を採取する。0.84 %の塩化アンモニウム
溶液に20mMのヘペス(HEPES)緩衝液( pH 7.4) を加えた
溶液1ml中に上記細胞を入れて溶血させる。1,000G、5
分間の遠心分離にかけて細胞を取得する。再び D-MEM培
地に懸濁させる。
【0039】(3) 骨髄腫細胞の調製 8-アザグアニン耐性でかつイミュノグロブリン非分泌型
のマウス骨髄腫細胞株SP2/0-Ag14 株を、20%のウシ胎
児血清(FCS) を含む D-MEM培地で、10%CO2 ・37℃イ
ンキュベーター内で培養し、対数増殖期にある細胞を集
め、次の操作に用いた。1,000G、5分間の遠心分離にか
けて細胞のみを取得し、更に D-MEM培地に懸濁して、血
球計算盤で細胞数をカウントする。再び1,000G、5分間
の遠心分離にかけて後、 D-MEM培地に懸濁させる。
【0040】(4) 細胞の融合 (2)で得た免疫化細胞108 〜3×108 個を含む D-ME
M培地と、 (3)で得た骨髄腫細胞108 個を含む D-MEM
培地とを混合し一様にした後、1,000G、5分間の遠心分
離にかける。上清を除き沈渣を取得し、これに25%(w/
v) のポリエチレングリコール1500(PEG 1500 。ベーリ
ンガー社製) とヘペス緩衝液 37.5mM を含む溶液1mlを
1分間にわたって滴下する。その後、 D-MEM培地でゆっ
くり希釈して全体を10mlとする。
【0041】これに20% FCSを含む D-MEM培地10mlを加
えて、1,000G、5分間の遠心分離にかける。得られた細
胞に20% FCSを含む D-MEMを加えて106 cell/mlにな
るようにし、コーニング社製の24穴培養プレートに1ml
/well の割合となるように乗せる。10%CO2 ・37℃イ
ンキュベーター中で24時間培養する。その後、HAT 溶液
を添加して融合細胞以外の細胞を除き、更に2週間培養
を続ける。
【0042】(5) ELISA法による抗体価の測定 ダイナテック・ラボラトリー社製マイクロタイタープレ
ート(No.001-010-2101) の各wellを、 (1)で得たペプチ
ド1μg /ml及び精製テネイシン1μg /mlでコーティ
ングする。測定対象となる抗体を含む上清液 150μl を
wellに採り、37℃インキュベーター内で2時間放置し、
その後PBS(リン酸緩衝液) で洗浄した。これにペルオキ
シダーゼ結合ヒツジ抗マウス全抗体を加え、37℃インキ
ュベーターで1時間放置し、PBS で洗浄後発色剤(ABTS)
を加えて15分間発色させ、停止液( 0.1Mクエン酸− 0.0
2 %ナトリウムアジド) を加えて反応を停止させた後、
タイターテック社製マルチスキャンでwellの吸光度を測
定して、抗体価を算出した。
【0043】(6) 抗体産生細胞の選別 ELISA法で確認されたwell内の細胞を、60mmφのシャー
レ内の軟寒天培地上に撒く。10%CO2 ・37℃インキュ
ベーター内で2週間培養し、コロニーを形成させる。で
きたコロニーを採り、24穴培養プレートにのせる。再び
ELISA法によって抗体活性を確認する。抗体活性の確認
されたwell内の細胞を、60mmφのシャーレ内の軟寒天培
地上に撒く。10%CO2 ・37℃インキュベーター内で2
週間培養し、コロニーを形成させる。できたコロニーを
採り、24穴培養プレートにのせる。再び ELISA法によっ
て抗体活性を確認し、有用な細胞を選別した。
【0044】(7) 抗体の取得 (6)で得た抗体産生細胞は、本発明抗体を常時産生す
るので、この抗体産生細胞を培養した培養液の上清液
は、直接、本発明抗体溶液として使用することができ
る。 (6)で得た抗体産生細胞の培養液に硫酸アンモニウム
を最終濃度30%となるように加える。遠心分離し、沈渣
をとり、これにpH 7.4のリン酸緩衝液20mMを加え、同じ
リン酸緩衝液(0.02 %ナトリウムアジドを含む) を用い
て透析して硫酸アンモニウムを除く。透析後の液体を凍
結乾燥して、白色粉末を得る。
【0045】 BALB/C雄性マウス腹腔内に、プリスタ
ン 0.5mlを注射し、2週間飼育する。(6)で得た抗体産
生細胞を106 〜3×106 cell/マウスとなるように
注射し、10日間飼育する。腹腔内にたまった腹水約10ml
を注射筒を用いて採取する。この腹水に硫酸アンモニウ
ムを最終濃度30%となるように加える。その後、これに
pH7.4 のリン酸緩衝液20mMを加え、同じリン酸緩衝液
(0.02 %ナトリウムアジドを含む) を用いて透析して硫
酸アンモニウムを除く。透析後の液体を凍結乾燥して、
白色粉末を得る。
【0046】(8) イミュノグロブリン各クラスの同定 イミュノグロブリン各クラスの同定は、クラス特異性抗
体(IgA, IgG1, IgG2a,IgG2b, IgG3, IgM は、バイオラ
イド社製のものを用いた) を加え、37℃、2時間反応さ
せた後、PBS で充分に洗浄した。これにペルオキシダー
ゼ結合ヒツジ抗マウス全抗体を加え、37℃インキュベー
ターで1時間放置し、PBS で洗浄後、発色剤(ABTS)を加
えて15分間発色させ、各クラスの判定を行った。この結
果の一部を表1に示す。
【0047】
【表1】 試験例1モノクローナル抗体の細胞接着阻害活性の確認 ほぼConfluent な状態にまで培養したHBL100細胞を、ト
リプシン−EDTA処理で回収し、細胞数をカウントする。
細胞をヒト−テネイシンでコーティングした96穴マイク
ロプレートに105 cells/mlの濃度で分注した。実施例1
で取得したモノクローナル抗体は細胞と同時に培地中に
加えた。
【0048】1時間後のシャーレに接着する細胞の状態
を撮影した写真を図1及び図2として示した。図中、A
は培地のみを、Bは培地に緩衝液のみを加えたもの、C
はフィブロネクチンに対するモノクローナル抗体(30-
8)(宝酒造社製)を加えたもの、Dは実施例1で取得
したモノクローナル抗体のうち整理番号1のもの、Eは
同じく整理番号4のもの、Fは同じく整理番号9のも
の、を表す。
【0049】ヒト−テネイシンの存在により細胞接着が
発生する。これは培地のシャーレへの細胞の接着という
形で表れる(A及びB)。これに細胞接着阻害活性を有
することが判っているフィブロネクチンに対するモノク
ローナル抗体(30-8)を加えると、シャーレへの細胞の
接着は阻害される(C)。実施例1により取得したモノ
クローナル抗体のうち整理番号1のものは接着阻害を起
こさないが、同4及び同9では接着損害を起こしてい
る。モノクローナル抗体が1: 10の希釈度で阻害活性が
ある。
【0050】本発明に係るモノクローナル抗体が、ヒト
−テネイシンの細胞接着に関与する部位を認識してこれ
の活性を阻害していることが明白である。
【配列表】
【0051】配列番号:1 配列の長さ:26 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、試験例1の結果を表す写真である。シ
ャーレ上の細胞を 100倍で撮影した顕微鏡写真である。
Aは培地のみを、Bは培地に緩衝液のみを加えたもの、
Cはフィブロネクチンに対するモノクローナル抗体(30
-8)(宝酒造社製)を加えたものを、それぞれ表す。
【図2】図2は、試験例1の結果を表す写真である。シ
ャーレ上の細胞を 100倍で撮影した顕微鏡写真である。
Dは実施例1で取得したモノクローナル抗体のうち整理
番号1のもの、Eは同じく整理番号4のもの、Fは同じ
く整理番号9のものを、それぞれ表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 39/395 ADU T 8413−4C G01N 33/53 V 8310−2J 33/577 B 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト−テネイシンの細胞接着活性を有す
    る部位を特異的に認識するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1のモノクローナル抗体を産生す
    るハイブリドーマ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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