JPH05111197A - 電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型かつ安価に、交流的に商用電源と、電源
の供給を受ける利用側の電子回路を静電的に分離し、商
用電源に重畳されてくるノイズが利用側の電子回路に混
入せず、逆に利用側の電子回路の内部で発生するノイズ
を商用電源に放出しない電源回路を提供する。 【構成】 制限抵抗２に直列に接続された複数の発光ダ
イオード２と、上記発光ダイオード３と隔離かつ相対し
て直列に接続された複数の太陽電池４を設け、商用電源
１０を供給することにより発光ダイオード３から光５を
発生させ、これを太陽電池４で受光して再度直流電圧に
変換し電子回路等の電源として動作させることで、商用
電源１０と、利用側の電子回路を、ノイズについて分離
することができるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＡＣ１００Ｖ等の商用
電源を用いて動作する電子回路の電源装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子回路が低消費電力化し、微弱
な電気信号を取り扱うようになったため、商用電源から
ノイズが混入しにくく、かつ商用電源に対して電子回路
内部のノイズを放出しにくい小型の電子回路用電源装置
が求められている。

【０００３】従来この種の電源装置は図３に示すよう
に、商用電源１０１を電源トランス１０２の一次側１０
３ａ、１０３ｂ間に印加し、電磁誘導的に降圧して二次
側１０４ａ、１０４ｂ間に発生させた７〜８Ｖ程度の交
流電圧を、ダイオードブリッジ１０５で整流し、さらに
コンデンサ１０６で平滑して、直流出力１０７ａ、１０
７ｂを作って、利用側の電子回路１０８に供給してい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の電源
トランス１０２を利用した電源装置では、直流出力１０
７ａ、１０７ｂに小規模な電子回路を接続し小電力を供
給する場合でも、電源トランスのサイズ・重量が比較的
大きくなり、したがって電源装置も大きくなる。また電
源トランス１０２を小型化しようとすると、一般に一次
側巻線１０９と二次側巻線１１０が空間的に接近し、高
周波帯域での静電的な絶縁が悪くなり、商用電源１０１
に重畳されてくるノイズが電子回路内に混入し誤動作を
引き起こしたり、電子回路内部のノイズが商用電源１０
１に放出されたりしやすくなる。

【０００５】また電磁誘導で一次側１０３ａ、１０３ｂ
と二次側１０４ａ、１０４ｂが結合されているので、一
次側で電流が大きく変化すると、高い電圧が二次側に誘
起されノイズとなる。

【０００６】本発明は上記課題を解決するもので、小型
かつ簡単な構成で商用電源１０１からのノイズの混入を
なくし、また利用側電子回路１０８の内部で発生するノ
イズが商用電源へ放出されることを防止することができ
る電源装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、制限抵抗に直列に接続された複数の発光ダ
イオードと、上記発光ダイオードと隔離かつ相対して直
列に接続された複数の太陽電池を設け、商用電源を供給
することにより発光ダイオードから光を発生させ、これ
を太陽電池で受光して再度直流電圧に変換し電子回路等
の電源として動作させる構成としたものである。

【０００８】

【作用】本発明は上記した構成により、商用電源によっ
て発光ダイオードが発光し、発生した光が相対する太陽
電池により受光され、太陽電池は光のエネルギーを電気
エネルギーに変換し、太陽電池が直列に複数接続されて
いることで、電子回路が動作できうる、たとえば５Ｖ程
度の電圧を発生し、接続する利用側の電子回路に電気を
供給することができるものである。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図１およ
び図２を参照しながら説明する。

【００１０】図１に示すように、複数の発光ダイオード
３と制限抵抗２が直列接続され、両端が商用電源１０を
供給するための商用電源端子６ａと商用電源端子６ｂに
接続されている。

【００１１】一方、電子回路等で使用する利用側には、
太陽電池４が複数直列に接続され、前記太陽電池４の両
端が直流出力７ａと直流出力７ｂに接続されている。

【００１２】装置ケース１は上記の商用電源１０による
発光側の回路１５と、受光側の回路１６を収納した遮光
性の絶縁物のケースであり、この装置ケース１には外部
からの光の侵入を防ぎ、商用電源端子６ａ、商用電源端
子６ｂ、直流出力７ａおよび直流出力７ｂの端子を固定
する役割をする。

【００１３】前記直流出力７ａは、逆流防止ダイオード
８を介し平滑用コンデンサ９の正極に接続されている。
一方直流出力７ｂは、平滑用コンデンサ９の負極に接続
されている。

【００１４】また図２は本発明の電源装置の断面図で、
基板１１ａは発光ダイオード３と、制限抵抗２を実装す
るプリント配線板、一方基板１１ｂは太陽電池４を実装
するプリント配線板で、基板１１ａと基板１１ｂは絶縁
距離１２を隔てて相対している。

【００１５】上記構成により、商用電源１０が商用電源
端子６ａと商用電源端子６ｂ間に印加されると、商用電
源１０の電圧から発光ダイオード３の順方向電圧降下を
差し引いた電圧と制限抵抗２の抵抗値により決まる電流
が発光ダイオード３に流れる。発光ダイオード３は発光
し光５を放出する。

【００１６】図２に示すように絶縁距離１２を隔てて基
板１１ａに固定された発光ダイオード３と基板１１ｂに
固定された太陽電池４は相対しているので、発光ダイオ
ード３からの光５は太陽電池４に多く照射される。

【００１７】太陽電池４はこの光５を電気エネルギーに
変換する働きをし、光量に応じた電圧を発生し、電力を
供給できる。通常太陽電池４の発生する電圧は数１００
ｍＶであるため、太陽電池４を複数個直列接続すること
で、たとえば５Ｖ程度の電子回路を駆動できる電圧を得
ることができる。

【００１８】複数の太陽電池４の直列で得られた電圧が
直流出力７ａと直流出力７ｂの両端に現れ、これが逆流
防止ダイオード８を介して平滑用コンデンサ９を充電す
る。商用電源１０は一般に５０Ｈｚまたは６０Ｈｚの交
流であるから、光５は間欠的な発光となるため逆流防止
ダイオード８で逆流を防止し、平滑用コンデンサ９で平
滑することにより、リップルのない直流を出力端子１３
ａ、１３ｂの両端に供給するようにしている。

【００１９】出力端子１３ａ、１３ｂに、利用側の電子
回路１４の電源を接続することにより、利用側の電子回
路１４は必要とする電力を受け取ることができる。

【００２０】このとき電源装置から取り出せる電流は発
光ダイオード３の発光量と太陽電池４の受光面積等によ
り、必要な所定量に合わせることが可能である。

【００２１】このように本発明の実施例の電源装置によ
れば、商用電源１０の充電部と利用側の電子回路１４の
充電部が、絶縁距離１２で隔てられているので、絶縁距
離１２を十分に大きくとれば静電的な結合をほとんど無
くすことができるから、商用電源１０の高電圧が電子回
路１４に加わらず、商用電源１０に重畳されてくるノイ
ズが利用側の電子回路１４に混入することを防ぎ、逆に
利用側の電子回路１４で発生するノイズを商用電源１０
に放出することを無くすことができる。

【００２２】なお、実施例では発光部に発光ダイオード
３を用いているが、発光ダイオードにかえて放電管やタ
ングステン電球等によってもその効果に差異を生じな
い。

【００２３】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、複数の発光ダイオードと、隔離かつ相対し
て直列に接続された複数の太陽電池を設け、商用電源を
発光ダイオードに供給することにより、発光ダイオード
から光を発生させ、これを太陽電池で受光して再度直流
電圧に変換し、利用側の電子回路等の電源として動作さ
せる構成としたから、小型かつ安価に、交流的に商用電
源と利用側の電子回路を分離し、商用電源に重畳されて
くるノイズが利用側の電子回路に混入したり、逆に利用
側の電子回路で発生するノイズを商用電源に放出しない
電源回路を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の電源装置の電気回路図

【図２】本発明の一実施例の電源装置の断面図

【図３】従来の電源装置の電気回路図

【符号の説明】

２ 制限抵抗 ３ 発光ダイオード ４ 太陽電池 ５ 光 １０ 商用電源

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】制限抵抗に直列に接続された複数の発光ダ
   イオードと、上記発光ダイオードと隔離かつ相対し直列
   に接続された複数の太陽電池を設け、商用電源を供給す
   ることにより発光ダイオードから光を発生させ、これを
   太陽電池で受光して再度直流電圧に変換し電子回路等の
   電源として動作させる電源装置。