JPH0511106B2 - - Google Patents

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JPH0511106B2
JPH0511106B2 JP28116385A JP28116385A JPH0511106B2 JP H0511106 B2 JPH0511106 B2 JP H0511106B2 JP 28116385 A JP28116385 A JP 28116385A JP 28116385 A JP28116385 A JP 28116385A JP H0511106 B2 JPH0511106 B2 JP H0511106B2
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JP
Japan
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dichloropropane
cyanide
allyl
reaction
allyl chloride
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JP28116385A
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Takayoshi Masuda
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は1,2−ジクロロプロパンの有効利用
によるアリルシアニドの製造方法に関する。
更に詳しくは、1,2−ジクロロプロパンを分
解して得られる主としてアリルクロライド及びク
ロロプロペン類から成る分解生成物を、混合物の
まま金属シアン化物と反応させてアリルシアニド
を製造する方法に関するものである。
アリルシアニドは農薬、医薬等の各種の有機合
成用中間体として有用な化合物である。
〔従来の技術〕
1,2−ジクロロプロパンは、プロピレン高温
塩素化によるアリルクロライドの製造時やプロピ
レンのクロロヒドロリン化によるプロピレンオキ
シド中間体のプロピレンクロロヒドリンの製造時
にかなりの割合で副生(一般に、アリルクロライ
ドやプロピレンオキシドに対して5〜15程度の割
合)するが、その用途は、専ら安価な溶剤としの
需要に限定され、化学工業用原料としては殆ど有
効に利用されていないのが現状である。
1,2−ジクロロプロパンを熱分解等の方法に
よつて脱塩化水素し、利用価値の高いアリルクロ
ライドを製造する方法(例えば、特開昭54−
135712号公報参照)が知られているが、本法によ
るアリルクロライド(沸点45.1℃)の選択率は50
〜75%程度であり、クロロプロペン類、即ち、ト
ランス−1−クロロプロペン(沸点37.4℃)、シ
ス−1−クロロプロペン(沸点32.8℃)及び2−
クロロプロペン(沸点22.6℃)やその他の副生物
が相当量副生し、しかも1−ムロロプロペン(特
にトランス体)の沸点がアリルクロライドの沸点
に近いので、精製して高純度のアリルクロライド
を得ることは相当困難であるなど、実用上の価値
に乏しい。
以上の様に、1,2−ジクロロプロパンは真の
意味で有効利用が行われていないのが実状であ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述の様に、1,2−ジクロロプロパンを分解
して得られるアリルクロライドとクロロプロペン
類との混合物中から蒸溜等の通常の手段によつて
クロロプロペン類を経済的に分離除去し、化学工
業用原料として利用可能な高純度のアリルクロラ
イドを得ることは極めて難しい。
その為、混合物のままでアリルクロライド又は
クロロプロペン類のいずれか一方のみを選択的に
反応させ、未反応の他方の成分を分離する方法
(いわゆる反応分離法)が考えられる。しかし、
例えば塩素や塩化水素の付加反応、クロロヒドリ
ン化反応等の方法では、アリルクロライド並びに
クロロプロペンの類のいずれ共反応してしまう
為、その目的を達し得ない。
従つて、アリルクロライド又はクロロプロペン
類のいずれか一方のみと選択的に反応させ、しか
も利用価値の高い生成物を得ることが可能な反応
分離法の開発が望まれていのが現状である。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者等は、かかる状況に鑑み、1,2−ジ
クロロプロパンの有効利用策として、1,2−ジ
クロロプロパンの分解によつて得られるアリルク
ロライドとクロロプロペン類との混合物中のアリ
ルクロライドのみを選択的に反応させ、しかも利
用価値の高い生成物を取得する方法について鋭意
検討を行つた。その結果、該混合物をそのまま金
属シアン化物と反応させることにより、アリルク
ロライドのみを選択的にアリルシアニド(Allyl
cyanide;別名ビニルアセトニトリル、3−ブテ
ンニトリルともいう)に転換できることを見出
し、本発明を完成させるに至つたものである。
即ち、本発明は、1,2−ジクロロプロパンを
分解して得られる主としてアリルクロライド及び
クロロプロペン類から成る分解生成物を混合物の
まま金属シアン化物と反応させることを特徴とす
るアリルシアニドの製造方法である。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる1,2−ジクロロプロパンの分
解生成物は、1,2−ジクロロプロパンを触媒の
存在下、又は不存在下に熱分解する方法、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム
等のアルカリと反応させる方法等の各種の方法に
よつて容易に取得することができる。前記の方法
によつて得られる1,2−ジクロロプロパンの分
解生成物は、通常、アリルクロライド50〜75%、
クロロプロペン(トランス−1−クロロプロペ
ン、シス−1−クロロプロペン及び2−クロロプ
ロペンの総称)25〜50%程度の組成から成る。
尚、1,2−ジクロロプロパンの分解の方法や分
解率によつては、この他に副生物のベンゼンや未
反応の1,2−ジクロロプロパン等を含有するこ
ともあり、未反応の1,2−ジクロロプロパン
(沸点96.4℃)は、蒸溜によつて除去することも
できるが、これらの化合物が含有されていても特
に支障はない。
又、この様にして得られる分解生成物と同様の
組成を有するものであれば、無論本発明の方法に
使用することが可能である。
次に、本発明に用いる金属シアン化物として
は、例えばシアン化ナトリウムやシアン化カリウ
ムの様なシアン化アルカリ族金属(アルカリ族金
属のシアン化物)、シアン化銅等が代表的な例で
ある。中でもシアン化アルカリ族金属は、工業的
に大量生産されており、安価に入手可能な為、特
に有利に使用できる。
上述した1,2−ジクロロプロパンの分解生成
物に対する金属シアン化物の使用割合は、該分解
生成物中のアリルクロライド換算で、化学量論比
と等量か、又は金属シアン化物が若干過剰になる
程度使用するのが良い。
反応溶媒としては、通常、水、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、エチレングリコー
ル等の一価、又は多価アルコール類、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のグリコールエーテル
類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン
類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニト
リル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、ヘキサメチルホスホルムアミド等の非プ
ロトン性極性溶媒等が使用される。
これらの反応溶媒は、1,2−ジクロロプロパ
ンの分解生成物に対して、通常10〜1000重量%、
好ましくは20〜500重量%の割合で使用される。
尚、反応の際、ヨウ化アルカリ族金属の如き反
応促進剤や第4アンモニウム塩(例えば、テトラ
メチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエ
チルアンモニウムクロライド、テトラブチルアン
モニウムブロマイド等)、第4ホスホニウム塩
(例えば、トリブチルメチルホスホニウムヨーダ
イド、トリフエニルメチルホスホニウムブロマイ
ド、トリフエニルベンジルホスホニウムブロマイ
ド等)、クラウンエーテル等のいわゆる相間移動
触媒を併用することもできる。
反応温度は、通常20〜200℃、好ましくは50〜
150℃であり、又、反応圧力は0〜10Kg/m2G程
度が望ましい。
反応終了後、未反応のクロロプロペン類、生成
した無機塩類(アルカリ族金属塩化物、塩化銅
等)、反応溶媒を蒸溜、濾過、抽出等の方法を併
用して除去することにより、目的とするアリルシ
アニドを取得することができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。
参考例 1,2−ジクロロプロパンの熱分解 周囲に電熱ヒーターを巻いた石英管(内径2.5
cm、長さ110cm)の管内温度を510℃にコントロー
ルしながら石英管の一端より1,2−ジクロロプ
ロパンを400g/hrの流量で連続的に装入し、1,
2−ジクロロプロパンの熱分解を行つた。
石英管の他端からガス状ででてくる分解物を氷
水で冷却したコンデンサーで凝縮させ、含有され
ている塩化水素を水洗で除去後、乾燥し、引き続
いて脱色の為の単蒸溜を行うことにより分解生成
物を260g/hrの割合で得た。
分解生成物をガスクロマトグラフイーで分析し
た結果、その組成はアリルクロライド60.5重量
%、1−クロロプロペン(トランス体とシス体の
合計)34.7重量%、2−クロロプロペン2.0重量
%、ベンゼン0.3重量%及び未反応の1,2−ジ
クロロプロパン2.5重量%であつた。
実施例 1 撹拌機と温度計を備えた1のオートクレーブ
に、参考例で得た1,2−ジクロロプロパンの熱
分解生成物126.4g(アリルクロライドとして1
モル)、シアン化ナトリウム73.5g(1.5モル)及
び水200mlを仕込み、140℃の温度で10時間反応を
おこなつた。
反応終了後、オートクレーブを室温まで冷却し
てから反応生成物を取り出し、水層を分離除去し
た。残りの有機層を水洗、乾燥することにより、
シアン化アリルとクロロプロペン類を含有する粗
製品95.0gを得た。該粗製品をガスクロマトグラ
フイーにて分析の結果アリルシアニドの含有率は
49.9重量%であつた。
上記結果より計算によつて算出したアリルシア
ニドの収量は47.4g(0.707モル)であつた。
実施例 2 実施例1と同一のオートクレーブに、参考例で
得た1,2−ジクロロプロパンの熱分解生成物
252.8g(アリルクロライドとして2モル)、シア
ン化ナトリウム117.6g(2.4モル)、ベンジルト
リエチルアンモニウムクロライド4.54g(0.02モ
ル)及び水400mlを仕込み、100℃の温度で5時間
反応を行つた後、実施例1に準ずる方法で分液、
水洗、乾燥を行つた結果、アリルシアニドとクロ
ロプロペン類を含有する粗製品209.2gを得た。
該粗製品中のアリルシアニドの含有率は55.2重量
%(収量115.5g=1.72モル)であつた。
次に、該粗製品の全量を論理段数10段の小型回
分式蒸溜塔を用い、還流比の条件にて常圧蒸溜を
行つた結果、殆どクロロプロペン類から成る前留
分94.3gと主留分(沸点118.5℃)として精アリ
ルシアニド99.7g(1.49モル)を得た。
〔発明の効果〕
以上詳述した様に、本発明の方法によれば、
1,2−ジクロロプロパンを分解して得られる主
としてアリルクロライド及びクロロプロペン類か
らなる分解生成物を混合物のまま金属シアン化物
と反応させることにより、該分解生成物中のアリ
ルクロライドのみを選択的に反応させ、利用価値
の高いアリルシアニドを製造できると共に、未反
応のクロロプロペン類も工業的に使用し得る程度
の純度のものを取得することが可能である。
従つて、本発明は、従来余り有効に利用されて
いなかつた1,2−ジクロロプロパンを遥かに有
効に利用することを可能としたものであり、産業
上の利用価値の高いものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1,2−ジクロロプロパンを分解して得られ
    る主としてアリルクロライド及びクロロプロペン
    類から成る分解生成物を、混合物のまま金属シア
    ン化物と反応させることを特徴とするアリルシア
    ニドの製造方法。 2 1,2−ジクロロプロパンの分解生成物が、
    1,2−ジクロロプロパンの熱分解生成物である
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 金属シアン化物が、シアン化アルカリ族金属
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。
JP28116385A 1985-12-16 1985-12-16 アリルシアニドの製造方法 Granted JPS62142149A (ja)

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