JPH05109317A - マイクロ波用誘電体磁器の製造方法 - Google Patents

マイクロ波用誘電体磁器の製造方法

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JPH05109317A
JPH05109317A JP3264772A JP26477291A JPH05109317A JP H05109317 A JPH05109317 A JP H05109317A JP 3264772 A JP3264772 A JP 3264772A JP 26477291 A JP26477291 A JP 26477291A JP H05109317 A JPH05109317 A JP H05109317A
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JP
Japan
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porcelain
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oxygen
microwave
firing
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Pending
Application number
JP3264772A
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English (en)
Inventor
Seiichiro Hirahara
誠一郎 平原
Tomoji Kawaguchi
智司 川口
Katsunari Makii
克成 牧井
Nobuyoshi Fujikawa
信儀 藤川
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】La2 3 −CaO−TiO2 −MgO系やB
aO−Nd2 3 −TiO2 系などのマイクロ波用誘電
体磁器を構成する金属酸化物の混合物あるいは仮焼物を
成形後、酸素分圧が0.2気圧を越える高酸素濃度雰囲
気中で1250℃〜1700℃の温度で焼成し、望まし
くは、磁器中の酸素空孔濃度が7×1018個/cm3
下になるように制御する。 【効果】マイクロ波領域において磁器のQ値を顕著に高
めることができ、また、安易な方法であることから量産
性に優れ、良好な特性を有する磁器を安定して製造する
ことができる。また、これにより高周波化、大電力化に
対して充分に対応可能な共振器材料あるいは基板材料を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体磁器、特にマイ
クロ波領域での共振器や回路基板材料として適した高い
Q値を有する誘電体磁器の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、自動車電話、コードレステレホン、
パーナル無線機、衛星放送受信機の実用化に伴ってマイ
クロ波領域での誘電体磁器が広く使用されている。この
ようなマイクロ波用誘電体磁器は主として共振器に用い
られるが、そこに要求される特性として(1)誘電体中
では波長が1/εr1/2 に短縮されるので、小型化の要
求に対して比誘電率が大きい事、(2)高周波での誘電
損失が小さいこと、すなわち高Q値であること、(3)
共振周波数の温度に対する変化が小さいこと、即ち、比
誘電率の温度依存性が小さく且つ安定であることの3特
性が主として挙げられる。
【0003】従来、この種の誘電体磁器としては、例え
ば、BaO−TiO2 系材料、BaO−REO−TiO
2 (但し、REOは希土類元素酸化物) 系材料、MgT
iO3 −CaTiO3 系材料及び複合ペロブスカイト系
材料などの複合酸化物磁器材料が知られている。このよ
うな誘電体磁器は、通常、磁器を構成する金属酸化物を
所定の割合になるように秤量混合したものを、所望によ
り仮焼した後に成形し、その後、酸化性雰囲気中でその
組成における最適焼成温度で焼成して得られている。
【0004】また、マイクロ波用誘電体磁器に対する前
述の3つの要求特性の中で、最近では使用周波数の高周
波化、大電力化に伴い、高Q値を有することが特に要求
されている。そこで、従来より、K.Wakino et al.J.Am.
Ceram.Soc.,67,278 (1984)に示されるように、結晶粒中
の不純物や不純物相を除去したり、あるいはS.Kwashima
et al.J.Am.Ceram.Soc.,66,421 (1983)に示されるよう
に複合ペロブスカイト系材料において陽イオンを規則的
に配列化する試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかし乍ら、Q値を
高めるために不純物を除去する方法では、原料の高純度
化や製造工程の精密な制御が必要でありコスト高の要因
となる。また、陽イオンの規則配列化による改善は、不
規則配列の結晶構造に比べて規則配列した結晶構造がエ
ネルギ−的に安定である特殊な複合ペロブスカイト系材
料にのみ適用できるもので、その他の一般的な材料に対
しては適用できないという問題があった。
【0006】また、上記いずれの方法では、各種の条件
を設定しても高Q値の再現性に乏しいためにその制御が
難しく、量産時等において特性の安定した磁器を製造す
ることが難しかった。
【0007】よって、本発明は、高いQ値を有するとと
もにQ値の制御を容易に行うことのできるマイクロ波用
として適した誘電体磁器の製造方法を提供するにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、Q値を
高めるための製造方法について検討したところ、誘電体
磁器のQ値が磁器中の酸素空孔濃度により決定され、そ
の酸素空孔濃度を低減することにより高Q値が得られる
という新規知見に基づいて検討を加えた結果、誘電体磁
器を構成する複数の金属の酸化物をよりなる混合粉末や
仮焼粉末を所定の形状に成形した後、酸素分圧が0.2
気圧を越える高酸素濃度雰囲気中で1250℃〜170
0℃で焼成することにより、Q値を向上できることを見
出したものである。
【0009】以下に、本発明を詳述する。本発明は、マ
イクロ波誘電体磁器のQ値が磁器中の酸素空孔濃度によ
り決定されるという新規知見に基づくものである。即
ち、マイクロ波領域での誘電特性は主にイオン分極によ
り発現する。3次元結晶格子のイオン分極による複素比
誘電率は2原子1次元の格子振動モデルを用いて簡略し
て考えることができ、その誘電率ε'(ω) は数1で与え
られる。
【0010】
【数1】
【0011】なお、式中、ωT は格子振動の横波の光学
モ−ドの角周波数、γは減衰定数、ε(無限大)は電子
分極による比誘電率、ε(0)はマイクロ波より低い周
波数における比誘電率である。
【0012】さらにマイクロ波領域においてはωT >>
ωであるので数2および数3のように近似される。
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】したがってQ値を高めるためには格子振動
を減衰させるγを小さくすればよいことになる。
【0016】ここで、γを大きくする要因について解析
を行ったところ、結晶格子中の酸素空孔が、格子振動を
減衰させるγを大きくすることがわかった。即ち、酸素
空孔濃度を小さくすることにより、γも小さくなり、そ
れに伴い磁器のQ値も大きくすることができると考えら
れる。
【0017】この酸素空孔濃度は、熱重量法によって求
められるもので、例えば、酸素分圧〔Po2 1 で焼成
された磁器を焼成温度と同一温度で〔Po2 1 より低
い酸素分圧〔Po2 2 で熱処理し、〔Po2 2 での
熱平衡に到達させて磁器中の酸素空孔濃度を変化させ
る。この熱処理前後の磁器の単位体積当たりの重量変化
から酸素空孔濃度の変化量(△〔Vo¨〕)を求める。
次に、この酸素空孔生成反応の平衡定数から熱処理前後
での酸素空孔濃度の比〔Vo¨〕1 /〔Vo¨〕2 を求
める。そしてこの比〔Vo¨〕1 /〔Vo¨〕2 と前述
の△〔Vo¨〕とから、それぞれの酸素分圧における酸
素空孔濃度〔Vo¨〕1 、〔Vo¨〕2 を求めることが
できる。具体的には次の数4および数5から、〔Vo
¨〕1 、〔Vo¨〕2 を求めることができる。
【0018】
【数4】
【0019】
【数5】
【0020】本発明のマイクロ波用誘電体磁器の製造方
法は、上記見解により酸素空孔濃度を効率的に低減する
ための方法である。まず、原料粉末として誘電体磁器を
構成する金属の酸化物、あるいは焼成や熱処理により酸
化物に変換し得る硝酸塩、炭酸塩等の粉末を所定の割合
になるように混合する。この混合粉末を所望により仮焼
処理する。この仮焼処理は、大気等の酸化性雰囲気で1
000℃〜1300℃で行われ、その後粉砕し1.5μ
m以下の粒子に造粒する。
【0021】その後、混合粉末あるいは仮焼粉末を所望
の形状に成形する。成形は、周知の成形方法、例えば、
プレス成形、押し出し成形、ドクターブレード成形等の
方法で成形する。
【0022】次に、上記の方法により得られた成形体を
その組成物の最適焼成温度にて焼成する。本発明によれ
ば、その組成により焼成温度が異なるが、充分に焼結可
能な焼成温度に設定され、およそ1250℃〜1700
℃で1〜4時間程度焼成する。本発明によれば、この焼
成時の雰囲気中の酸素分圧を0.2気圧を越える雰囲
気、特に酸素分圧が1.5気圧以上の雰囲気にて焼成す
ることが重要である。酸素分圧を上記の範囲に設定した
のは、焼成時の酸素分圧が0.2気圧以下では、磁器中
の酸素空孔濃度が高く、磁器のQ値が低いためである。
また、この時の雰囲気中には酸素以外にアルゴン等の不
活性ガスを混入してもよい。
【0023】また、焼成時間は、当然磁器が充分に焼結
するに充分な時間であることが必要であるが、望ましく
はさらに磁器中の酸素空孔濃度がその温度における熱平
衡状態に達するに充分な時間であることがよく、およそ
1〜4時間が好適である。
【0024】なお、焼成手段としては、常圧焼成の他に
熱間静水圧焼成等により焼成することも可能である。
【0025】このようにして得られる誘電体磁器は、本
発明者等による酸素空孔濃度とQ値との関係に関する検
討の結果、磁器中の酸素空孔濃度が7×1018個/cm
3 以下、特に4×1018個/cm3 以下に制御すれば、
安定した高Q値を有する誘電体磁器が得られることを見
出した。よって、上記焼成時の酸素分圧および焼成時間
を酸素空孔濃度が上記範囲に設定されるように制御すれ
ばよい。
【0026】本発明の上記製造方法によるQ値の改善効
果は、金属複合酸化物として知られるあらゆる誘電体組
成物に対して適用できるものであるが、マイクロ波用誘
電体磁器として高誘電率等の他の特性を満足するために
は、例えば、金属複合酸化物の金属成分中にTiを含む
ものが望ましい。さらに例えば、La−Ti−Mg−C
a−O系の誘電体磁器でLa:Ti:Mg:Caが原子
比で40〜60:15〜45:15〜45:0〜35よ
りなる組成物や、またはBa−Ti−RE−O系を主成
分とし、Ba:Ti:REが原子比で10〜20:60
〜80:10〜20の比率で、さらにBiやPb等を酸
化物換算で5〜30重量%程度添加したものが好適に使
用される。
【0027】なお、これらの組成物での焼成条件は、L
a−Ti−Mg−Ca−O系では1500℃〜1700
℃℃、Ba−RE−Ti−O系では1250℃〜140
0℃℃が好適である。
【0028】また、本発明はマイクロ波用の電子部品に
対して有用なものであるが、具体的には0.1〜10G
Hzの周波数帯域に対して特に有用であり、マイクロ波
帯域に適用される共振器や基板材料として用いられるも
のである。
【0029】
【作用】本発明の製造方法によれば、焼成時の雰囲気を
高酸素濃度雰囲気に設定することにより、焼成時に雰囲
気中の酸素の磁器中への拡散量が増加し、それにより磁
器中の酸素空孔濃度が低減される。それにより、減衰定
数γが小さくなり、結果として磁器のQ値を大きく向上
させることができる。また、この方法によれば、磁器の
誘電率に対しては何ら影響を及ぼすことがなく、Q値の
みを向上することができる。
【0030】
【実施例】
実施例1 出発原料として純度99.5%のLa2 3 粉末、Ca
CO3 粉末、TiO2 粉末、MgCO3 粉末、BaCO
3 粉末、Nd2 3 粉末、Bi2 3 粉末を用いてそれ
らを表1の組成になるように秤量し、純水を加え20時
間湿式混合を行なった。この混合物を乾燥後、1200
℃で2時間仮焼し、さらに約1重量%のバインダーを加
えてから整粒し、得られた粉末を約1000kg/cm
2 の圧力で成形し、表1に示す焼成温度および酸素分圧
下で焼成した。
【0031】得られた磁器の円筒部を平面研磨し、アセ
トン中で超音波洗浄し、150℃で1時間乾燥する。そ
の後、磁器の重量をマイクロ天秤で測定し、La2 3
−CaO−TiO2 −MgO系では4GHz、BaO−
Nd2 3 −TiO2 系では2GHzで比誘電率および
Q値を円柱共振器法にて測定した。その後、焼成温度と
同一の温度で強還元性雰囲気下で熱処理した後、磁器の
重量を測定し、前述した数式により酸素空孔濃度を算出
した。これらの酸素空孔濃度とQ値及び誘電率の測定結
果を表に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1より明らかなように、大気中、即ち酸
素分圧が0.2気圧の雰囲気で焼成した試料No.1,7
では、Q値が低いものであったが、酸素分圧を0.2気
圧を越える雰囲気に設定し、その酸素分圧を高めるに従
い、Q値が大きく向上し、また磁器中の酸素空孔濃度も
小さくなる傾向にあることがわかった。
【0034】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の製造方法
によれば、焼成時の酸素分圧を高めることにより、他の
特性に影響を及ぼすことなく、マイクロ波領域における
Q値を高めることができる。また、この方法は簡便な方
法であることから良好な特性の誘電体磁器を安定して製
造することができる。これにより高周波化、大電力化に
対して充分に対応可能な共振器材料あるいは基板材料を
提供できる。
フロントページの続き (72)発明者 藤川 信儀 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数種の金属酸化物よりなる混合物あるい
    はその仮焼物を所定の形状に成形した後、該成形体を酸
    素分圧が0.2気圧を越える酸化性雰囲気下で1250
    ℃〜1700℃の温度で焼成することを特徴とするマイ
    クロ波用誘電体磁器の製造方法。
  2. 【請求項2】前記誘電体磁器の酸素空孔濃度が7×10
    18個/cm3 以下である請求項1記載のマイクロ波用誘
    電体磁器の製造方法。
JP3264772A 1991-10-14 1991-10-14 マイクロ波用誘電体磁器の製造方法 Pending JPH05109317A (ja)

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