JPH0510772B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は各種電子機器に利用される縦形スイツ
チに関するものである。

従来例の構成とその問題点 一般にスイツチとしては、操作体をスライドさ
せたり、揺動させることにより可動接片を制御し
てスイツチング制御する横形のものと、操作体を
押込む方向に揺動させて可動接片を縦方向に摺動
させてスイツチング制御する縦形のものの２種類
がある。

この縦形スイツチとしては、一般的に第１図に
示すように構成されていた。すなわち、合成樹脂
からなる上面開放のケース１には、複数の後述す
る固定端子を縦方向に並べて合成樹脂体１１で一
体化した端子ブロツク３ａ，３ｂが組込まれると
ともに、この端子ブロツク３ａ，３ｂそれぞれの
複数の固定端子間を摺接するΩ状のそれぞれの可
動接触片４ａ，４ｂを保持した操作体５が組込ま
れ、さらに、この操作体５を上動付勢するコイル
バネ６が収納されており、この操作体５の一部を
はめこむ開口７ａをもつたカバー７が上記ケース
１の上面に被せられてケース１の側面の係合突部
１ａにカバー７の側面の係合孔７ｂを係合させて
構成されている。

さらに第２図により上記端子ブロツク３ａにつ
いて詳細に説明すると、端子ブロツク３ａは、ほ
ぼフ字状に形成された第１の固定端子８，７字状
に形成された第２の固定端子９、逆Ｌ字状に形成
された第３の固定端子１０をそれぞれの接触部８
ａ，９ａ，１０ａが縦一列に絶縁されて配置さ
れ、それぞれの端子足８ｂ，９ｂ，１０ｂは横一
列に配置され、上述の接触部８ａ，９ａ，１０ａ
と端子足８ｂ，９ｂ，１０ｂのみを表出するよう
に合成樹脂体１１でモールドされて構成されてい
た。

なお、端子ブロツク３ｂも上記端子ブロツク３
ａと同様の構成であるので説明は省略する。

次に動作について説明すると、通常、コイルバ
ネ６により上動している操作体５をコイルバネ６
に抗して押圧し下動させると、可動接触片４ａお
よび可動接触片４ｂがそれぞれ端子ブロツク３
ａ，３ｂの接触部８ａ，９ａ間を橋絡していたも
のが、この操作体５に保持された可動接触片４
ａ，４ｂも下動し、上記接触部８ａ，９ａ間を摺
接して、上記それぞれの端子ブロツク３ａ，３ｂ
の接触部９ａ，１０ａ間を橋絡してスイツチの切
替えを行うものである。

このような端子ブロツク３ａ，３ｂは、小形、
薄形化という限られた寸法内で構成することが必
要であり、また、接続足８ｂ，９ｂ，１０ｂの半
田付け時の耐フラツク性、半田耐熱性を考慮した
ものでなければならず、第３図に示すように、特
に第３の固定端子１０の接続足１０ｂに矢印Ａ方
向の負荷が加えられると変形を生じて隙間１２が
発生し、半田付時にフラツクスが流入して接触部
１０ａに付着して可動接触片４ａ，４ｂとの導通
に支障をきたし、スイツチとしての信頼性に大き
な問題を残すものとなつていた。

発明の目的 本発明は以上のような従来の欠点を除去するも
のであり、半田付時のフラツクスの流入のおそれ
がなく固定端子が強固に合成樹脂に保持されスイ
ツチとしての信頼性の高い縦形スイツチを提供す
ることを目的とするものである。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明は、ケース内
に複数の固定端子を縦方向に並べこの複数の固定
端子の接触部を側面、接続足を下面より突出させ
るように合成樹脂体と一体にモールドした端子ブ
ロツクと、この複数の固定端子の接触部を摺接す
る可動接触片を保持した操作体と、この操作体を
上動付勢するコイルバネを収納し、ケースに操作
体の一部を挿通させたカバーを結合するととも
に、上記端子ブロツクの最下段の接触部を有する
固定端子を、この接触部と、この接触部の片側か
ら下方に伸びた中間垂直部と、この中間垂直部の
一端から横方向に伸びた中間水平部と、この中間
水平部の中間から下方に伸びた接続足で形成し、
さらに、この下方に伸びた中間垂直部とこの中間
垂直部一端から横方向に伸びた中間水平部を合成
樹脂体中に一体にモールドした構成として、半田
付時に接触部にフラツクスが流入できないように
したものである。

実施例の説明 以下、本発明の実施例を図面第４図、第５図、
第６図により説明する。

縦形スイツチの全体構成は第１図に示したもの
と実質的に同一であり、また、端子ブロツクとし
ても基本的に類似しており、ここでは本発明の特
徴とする固定端子についてのみ説明し、図番につ
いても従来のものと同一の部分には同一の符号を
用いて説明する。

すなわち、要部である端子ブロツク３ａ，３ｂ
について説明する。第１の固定端子８は最上部に
接触部８ａをもつたフ字状の形状をしており下部
は固定端子８，９，１０をモールドする合成樹脂
体１１の下面の右側より下方に突出して接触足８
ｂとなつている。第２の固定端子９は中間部に接
触部９ａを突出させ、ほぼ７字状となつて接続足
９ｂは合成樹脂体１１の下面の横方向の中間より
下方に突出している。第３の固定端子１０は接触
部１０ａが３つの固定端子８〜１０の中で最下段
に位置し、この最下段の接触部１０ａの片側から
下方に伸びた中間垂直部１０ｃと、この中間垂直
部１０ｃの一端から横方向に伸びた中間水平部１
０ｄと、この中間水平部１０ｄの中間から下方に
のびた接続足１０ｂを有する構成で、少なくとも
下方に伸びた中間垂直部１０ｃとこの中間垂直部
１０ｃ一端から横方向に伸びた中間水平部１０ｄ
が合成樹脂体１１中にモールドされている。

このような端子ブロツク３ａ，３ｂとすること
により、第５図のように接続足１０ｂに矢印Ａ方
向の負荷が加えられても、接続足１０ｂ上部両側
に連続する中間水平部１０ｄがモールド成型され
ているため、接続足１０ｂは変形しにくいものと
することができるとともに、たとえ、接続足１０
ｂが変形してこの接続足１０ｂと合成樹脂体１１
との間に第６図に示すような隙間１２ａが発生す
るような大きな矢印Ａ方向の力が加わつたとして
も、中間水平部１０ａ、中間垂直部１０ｃが合成
樹脂体１１中に一体にモールドされているため、
半田付時のフラツクスが流入して接触部１０ａに
付着して可動接触片４ａ，４ｂとの導通に支障を
きたすといつたことは阻止することができる。

発明の効果 以上のように本発明の縦形スイツチは、固定端
子の形状を工夫したことにより、接続足の半田付
時にフラツクスが流入して可動接触片との導通を
不安定にするといつたことがなくなり、接続足の
外力に対する変形も少なく、機械的強度の向上も
はかれ、信頼性に富んだものとすることができ、
工業的価値の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な縦形スイツチの分解斜視図、
第２図は従来の縦形スイツチに用いる端子ブロツ
クの正面図、第３図は同端子ブロツクの問題点を
示す要部の拡大断面図、第４図は本発明の縦形ス
イツチの一実施例における端子ブロツクの正面
図、第５図は同要部の拡大断面図、第６図は同要
部の接続足に大きな負荷をかけた時の状態を示す
拡大断面図である。 １……ケース、３ａ，３ｂ……端子ブロツク、
４ａ，４ｂ……可動接触片、５……操作体、６…
…コイルバネ、７……カバー、８，９，１０……
固定端子、８ａ，９ａ，１０ａ……接触部、８
ｂ，９ｂ，１０ｂ……接続部、１０ｃ……中間垂
直部、１０ｄ……中間水平部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケース内に複数の固定端子を縦方向に並べ、
   この複数の固定端子のそれぞれの接触部を側面、
   接続足を下面より突出させるように合成樹脂体と
   一体にモールドした端子ブロツクと、この複数の
   固定端子の各上記接触部を摺接する可動接触片を
   保持した操作体と、この操作体を上動付勢するコ
   イルバネを収納し、このケースに操作体の一部を
   挿通させたカバーを結合するとともに、上記端子
   ブロツクの最下段の接触部を有する固定端子をこ
   の最下段の接触部と、この接触部の片側から下方
   に伸びた中間垂直部と、この中間垂直部の一端か
   ら横方向に伸びた中間水平部と、この中間水平部
   の中間から下方に伸びた接続足で形成し、さらに
   少なくとも上記中間垂直部と上記中間水平部を上
   記合成樹脂体中に一体にモールドしてなる縦形ス
   イツチ。