JPH05107524A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH05107524A
JPH05107524A JP27238191A JP27238191A JPH05107524A JP H05107524 A JPH05107524 A JP H05107524A JP 27238191 A JP27238191 A JP 27238191A JP 27238191 A JP27238191 A JP 27238191A JP H05107524 A JPH05107524 A JP H05107524A
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JP
Japan
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liquid crystal
fine particles
crystal display
molecules
transmittance
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Application number
JP27238191A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Hado
仁 羽藤
Yoshihiro Kinoshita
喜宏 木下
Yasuharu Tanaka
康晴 田中
Yasukatsu Hirai
保功 平井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一対の電極X 、Y と、これら電極間に挟まれ
内部に空隙を分布した立体マトリクス層12と、空隙に満
たされた液晶13とを具備してなる液晶表示素子におい
て、液晶中に微粒子15が混合されている。 【効果】 散乱特性の高い、また、同時に透過率ー印加
電圧曲のヒステリシスを低減させ、マルチプレクス駆動
が可能な高分子分散型液晶表示素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関し、特
に高分子分散型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子分散型液晶表示素子は光散乱型液
晶表示素子の一つであり、液晶分子の配列を変化させる
ことで光の透過、散乱を制御する液晶表示素子である。
光散乱型液晶表示素子には熱と電圧で液晶分子の配列を
変化させる熱書き込み方式液晶表示素子や電圧で液晶分
子の配列を変化させる高分子分散型液晶表示素子がある
が、本発明は後者に関する。高分子分散型液晶表示素子
は高分子物質中に液晶物質を分散させた構造、あるい
は、液晶物質中に高分子物質を分散させた構造を持って
いる。
【0003】例えば、ネマティック液晶をマイクロカプ
セル化した NCAP(SID'85 Digest,68(1985))やPolyme
r Dispersed LCD (J.Appl.Phys.60,2142(1986) )が発
表されている。これらの素子は、水滴状の液晶を高分子
物質中に分散させた構造を持っており、電圧を印加して
いない状態では水滴状カプセル内の液晶分子配列は液晶
分子と高分子の相互作用により概略不規則な配列をと
る。このとき高分子の屈折率と液晶の屈折率に差が生じ
ているので入射した光は散乱する。これに電圧を印加す
ると液晶の分子配列は液晶分子の長軸が電界の方向に揃
う。このときの液晶の屈折率(常光の屈折率no )と高
分子の屈折率がほぼ一致していれば光は透過する。
【0004】別の例として、液晶物質中に高分子を3次
元状の網目のように巡らせた構造の液晶表示素子(Poly
mer Network LCD 第15回液晶討論会2B12,2B13(198
9) )があげられる。この動作原理は前述のような高分
子の屈折率と液晶の屈折率の差に基づく散乱ー透明のス
イッチングとは異るとされている。電圧を印加していな
い場合、光の散乱強度は液晶の屈折率異方性Δn(異常
光の屈折率ne −常光の屈折率no )が大きいとき、Δ
nのランダム度が大きいときに高いとされている。ま
た、電圧を印加した場合にはΔnの秩序度を大きくした
ときに光の透過率が高くなる。
【0005】しかしながら、従来の液晶表示素子におい
ては、その散乱特性は十分でなく、そのコントラスト比
は実用的に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様に従来の高分子
分散型液晶表示素子では、散乱特性が十分でなく、その
結果実用的なコントラスト比をうることが困難であっ
た。また、その電圧−透過率特性にヒステリシスがあ
り、マルチプレクス駆動する事が困難であった。
【0007】本発明は以上に鑑みなされたもので、散乱
特性の高い高分子分散型液晶表示素子を提供することを
目的としている。また、同時に透過率ー印加電圧特性の
ヒステリシスを低減させ、マルチプレクス駆動が可能な
高分子分散型液晶表示素子を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の電極
と、これら電極間に挟まれ内部に空隙を分布した立体マ
トリクス層と、空隙に満たされた液晶とを具備してなる
液晶表示素子において、液晶中に微細粒子が混合されて
いることを特徴とする液晶表示素子を得るものである。
【0009】
【作用】一対の電極の間に、内部に空隙を分布形成して
なる透明性の樹脂の立体マトリクス層を配置し、これら
空隙部分に液晶物質を満たした液晶表示素子、例えば、
樹脂中に液晶を水滴状に分散させた構造や、液晶中に樹
脂を3次元的網目状に張り巡らせた構造においては、液
晶は樹脂の空隙表面の持つ配向規制能力により配向し、
通常、液晶は樹脂表面でランダムな配向(例えば、樹脂
壁面に対し液晶分子の長軸が水平で、その向きが様々な
配向)となる。
【0010】図4(a)に、従来装置の一例として樹脂
中に液晶を水滴状に分散させた構造の概略図を示す。2
枚のガラス基板11に透明電極X,対向側透明電極Y を形成
し、X とY が対向するように配置した隙間に樹脂マトリ
クス12と樹脂マトリクスのカプセル状空隙に充填された
液晶13が形成される。ここに11a はスペーサを示す。こ
の時、図4(b)に示すように液晶分子14の配列は、樹
脂壁面12a に対して分子の長軸が水平でその向きが様々
な配列を取る。
【0011】これらの液晶表示素子では、一般的に、光
の散乱度を高くするために、マトリクス空隙である水滴
状液晶カプセルの粒径或いは樹脂の3次元的網目の間隙
の大きさを1〜2μm程度に制御することが望ましい。
平均空隙が大きすぎると光の散乱回数が少なく、小さす
ぎると可視光の波長に近づいてくるので光の散乱が抑制
されるからである。
【0012】しかしながら、実際には平均間隙(液晶部
分)の大きさは液晶材料や高分子樹脂の特性に左右され
散乱特性の最も良い条件に設定することは困難であっ
た。
【0013】本発明では、透明性の高分子樹脂と液晶物
質の他に、微細粒子が混合されている。図2(a)は、
本発明による液晶表示素子の構造を示す図である。樹脂
マトリクス12および液晶13内に微細粒子15が混在してい
る。
【0014】この微粒子15は、ポリエチレンやポリエチ
レンテレフタレートなどの高分子物質やシリカやアルミ
ナなどの無機物質などから形成される。また、微細粒子
の大きさや添加濃度は、マトリクス空隙中の液晶層の大
きさよりも小さく、液晶物質の光散乱性を高める条件で
制御する。また、微細粒子はマトリクス空隙内の液晶物
質のほか、立体マトリクス層自体例えば透明性の高分子
樹脂中に存在してもよい。この微細粒子の表面の性質と
して、表面エネルギーが低いいわゆる液晶分子を垂直配
向させる表面である場合、液晶分子14の配列は図2
(b)に示すように、樹脂壁面12a に対しては分子の長
軸が水平であるが、微細粒子15の表面15a では分子の長
軸が垂直となるため、これらの相互間で分子配列の不連
続点が生じ光散乱性が高まる。
【0015】また、微細粒子の表面の性質として、表面
エネルギーが高いいわゆる液晶分子を水平配向させる表
面である場合、液晶分子14の配列は図2(c)に示すよ
うに、樹脂壁面12a および微細粒子表面15a において分
子の長軸が水平に配列する。ここで、微細粒子15は、マ
トリクス空隙の液晶13内及び、樹脂壁面12a に3次元的
に分布しているので、図4(b) に示す微細粒子のない構
成に比較して、液晶層の外壁は複雑な形状となる。しか
るに製法上可能で、可視光の波長に近づかない大きさの
液晶層にて、充分な光散乱性を得る。このように、透明
性の高分子樹脂と液晶物質の他に、微細粒子を混合する
ことにより、液晶の分子は、光の散乱効果を高める方向
に配列する。
【0016】また、本発明では、微細粒子の径を連続的
にかえることにより、実質的な液晶領域の大きさを連続
的に制御することが出来る。液晶の粒の大きさは、印加
電圧−透過率の閾値特性を決めるので、その結果、液晶
領域の大きさに依存した何種類もの印加電圧−透過率特
性を平均化した印加電圧−透過率特性が得られ、印加電
圧−透過率特性のヒステリシスを実質的に無くすことが
可能である。
【0017】
【実施例】
[実施例1]以下、本発明の実施例を説明する。
【0018】図1および図2に示す本実施例は本発明を
マルチプレクス駆動液晶表示素子に適用したものであ
る。さて、液晶表示パネル10は、複数本の走査線Y(Y1
Y2 Y3・・・YN)64本と複数本信号線X(X1 X2 X3・
・・XN)64本とが交差配列で対向するように配設さ
れ、そして、走査線Yと信号線Xはそれぞれ走査線電極
駆動部20と信号線電極駆動部30に接続されている。走査
線電極駆動部20と信号線電極駆動部30は駆動電圧発生回
路50(図1(b))から供給される電圧を制御部40から
の信号に基づき液晶表示パネル10に出力する。
【0019】液晶パネル10は次のように作成した。すな
わち、得られる高分子分散型液晶表示素子は2枚の電極
X、Y付き基板11,11 の間に、樹脂と液晶物質とを混合
させた層を注入する。混合物を構成する樹脂は、透明で
屈折率が1.524のアクリル系紫外線硬化型樹脂(ノ
ーランド社製NOA65)を用いた。この樹脂に、シア
ノビフェニル系液晶(BDH社製E7)を重量比1:1
で室温にて5分間スタラー混合し、それに微細粒子とし
て直径約0.3〜0.6μmのシリカ球を濃度約0.5
wt%で混合した。
【0020】これにスペーサ11a として直径が約10μ
mのガラスファイバーを混ぜ2枚の電極付き基板の間に
挟み均一なセル厚を得て、ここへ紫外線を30分間照射
し紫外線硬化型樹脂を硬化させて本実施例の液晶表示パ
ネル10を得た。すなわち、固化した透明な高分子樹脂マ
トリクス層12中に、多数の微細な空隙が生じ、この部分
を液晶13と微細粒子5 で埋めた構造を有している。
【0021】透過率ー印加電圧曲線を求めるために、液
晶表示素子にHe-Ne レーザー光を入射させ、透過率を測
定した。光のスポット径は2mmで、透過したレーザー
光は液晶表示素子から距離20cmのところにあるフォ
トダイオードにより検出した。試作した素子は電圧を印
加しない状態では透過率約0.2%と良好な散乱状態を
示していた。図3に、0Vから徐々に印加電圧(交流7
0Hz)を50Vまで増加、50Vから徐々に0Vまで
減少させていったときの透過率ー印加電圧曲線を示す。
50Vの電圧を印加した状態では透過率約80%(最大
透過率)を示した。ここで、最大透過率の半分の透過率
となる電圧をVup50とVdoun50とし、Vup50とVdoun50
の差をヒステリシスの大きさΔVと定義する。本実施例
の場合Vup50=18V、Vdoun50=17.8Vで、ヒス
テリシスの大きさは、ΔV=0.2Vと小さい値を示し
た。
【0022】次に、駆動法としてよく知られた最適バイ
アス法を用いて画像表示したところ、コントラスト比6
の良好な表示が得られ、また表示内容を次々と変化させ
ても良好な表示が維持された。
【0023】(比較例1)実施例1と同様の構成におい
て、微細粒子を混合しないで液晶表示素子を作成し、透
過率ー印加電圧曲線を求めた。この場合、電圧を印加し
ない状態では透過率約1.1%と散乱状態が悪く、コン
トラスト比が悪かった。また、Vup50=19.4V、V
down50=17.1Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV
=2.3Vと大きかった。このため、マルチプレクス駆
動をした場合、表示がメモリーされ問題があった。
【0024】[実施例2]実施例1と同様の構成におい
て、微細粒子として、垂直配向剤としてオクタデシルト
リエトキシシラン液で表面処理をした直径が約0.2〜
1.2μmのシリカ球を濃度0.6wt%で添加し液晶
表示素子を作成した。
【0025】透過率ー印加電圧曲線を求めた。この場
合、電圧を印加しない状態では透過率約0.18%と散
乱状態が良好であった。Vup50=20.2V、Vdown50
=20.1Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV=0.
1Vと実質的に問題とならない程度に小さかった。
【0026】なお上記実施例では、単純マルチプレクス
駆動素子について述べたが、薄膜トランジスタなどのア
クティブ素子を用いたアクティブマトリクス液晶表示素
子に応用可能であることはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、散乱特性の高い、ま
た、同時に透過率ー印加電圧特性のヒステリシスを低減
させ、マルチプレクス駆動が可能な高分子分散型液晶表
示素子が得られる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)は、本発明をマルチプレクス駆動液晶表
示素子に適用した実施例を示す平面図、(b)は(a)
の液晶駆動用電源回路を示す図である。
【0030】
【図2】(a)は図1の実施例の液晶表示パネルを示す
一部断面図、(b)、(c)は(a)のマトリクス空隙
中の液晶分子の配列状態を説明する図である。
【0031】
【図3】液晶表示素子の透過率ー印加電圧曲線を示した
図である。
【0032】
【図4】(a)は従来の表示素子を概略的に示す一部断
面図、(b)は(a)のマトリクス空隙の液晶層の液晶
分子の配列状態を説明する図である。
【0033】
【符号の説明】
11…基板、 12…樹脂マトリクス層、 12a …樹脂壁面、 13…液晶、 14…液晶分子、 15…微細粒子、 15a …微細粒子表面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関し、特
に高分子分散型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子分散型液晶表示素子は光散乱型液
晶表示素子の一つであり、液晶分子の配列を変化させる
ことで光の透過、散乱を制御する液晶表示素子である。
光散乱型液晶表示素子には熱と電圧で液晶分子の配列を
変化させる熱書き込み方式液晶表示素子や電圧で液晶分
子の配列を変化させる高分子分散型液晶表示素子がある
が、本発明は後者に関する。高分子分散型液晶表示素子
は高分子物質中に液晶物質を分散させた構造、あるい
は、液晶物質中に高分子物質を分散させた構造を持って
いる。
【0003】例えば、ネマティック液晶をマイクロカプ
セル化した NCAP(SID'85 Digest,68(1985))やPolyme
r Dispersed LCD (J.Appl.Phys.60,2142(1986) )が発
表されている。これらの素子は、水滴状の液晶を高分子
物質中に分散させた構造を持っており、電圧を印加して
いない状態では水滴状カプセル内の液晶分子配列は液晶
分子と高分子の相互作用により概略不規則な配列をと
る。このとき高分子の屈折率と液晶の屈折率に差が生じ
ているので入射した光は散乱する。これに電圧を印加す
ると液晶の分子配列は液晶分子の長軸が電界の方向に揃
う。このときの液晶の屈折率(常光の屈折率no )と高
分子の屈折率がほぼ一致していれば光は透過する。
【0004】別の例として、液晶物質中に高分子を3次
元状の網目のように巡らせた構造の液晶表示素子(Poly
mer Network LCD 第15回液晶討論会2B12,2B13(198
9) )があげられる。この動作原理は前述のような高分
子の屈折率と液晶の屈折率の差に基づく散乱ー透明のス
イッチングとは異るとされている。電圧を印加していな
い場合、光の散乱強度は液晶の屈折率異方性Δn(異常
光の屈折率ne −常光の屈折率no )が大きいとき、Δ
nのランダム度が大きいときに高いとされている。ま
た、電圧を印加した場合にはΔnの秩序度を大きくした
ときに光の透過率が高くなる。
【0005】しかしながら、従来の液晶表示素子におい
ては、その散乱特性は十分でなく、そのコントラスト比
は実用的に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様に従来の高分子
分散型液晶表示素子では、散乱特性が十分でなく、その
結果実用的なコントラスト比をうることが困難であっ
た。また、その電圧−透過率特性にヒステリシスがあ
り、マルチプレクス駆動する事が困難であった。
【0007】本発明は以上に鑑みなされたもので、散乱
特性の高い高分子分散型液晶表示素子を提供することを
目的としている。また、同時に透過率ー印加電圧特性の
ヒステリシスを低減させ、マルチプレクス駆動が可能な
高分子分散型液晶表示素子を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の電極
と、これら電極間に挟まれ内部に空隙を分布した立体マ
トリクス層と、空隙に満たされた液晶とを具備してなる
液晶表示素子において、液晶中に微細粒子が混合されて
いることを特徴とする液晶表示素子を得るものである。
【0009】
【作用】一対の電極の間に、内部に空隙を分布形成して
なる透明性の樹脂の立体マトリクス層を配置し、これら
空隙部分に液晶物質を満たした液晶表示素子、例えば、
樹脂中に液晶を水滴状に分散させた構造や、液晶中に樹
脂を3次元的網目状に張り巡らせた構造においては、液
晶は樹脂の空隙表面の持つ配向規制能力により配向し、
通常、液晶は樹脂表面でランダムな配向(例えば、樹脂
壁面に対し液晶分子の長軸が水平で、その向きが様々な
配向)となる。
【0010】図4(a)に、従来装置の一例として樹脂
中に液晶を水滴状に分散させた構造の概略図を示す。2
枚のガラス基板11に透明電極X,対向側透明電極Y を形成
し、X とY が対向するように配置した隙間に樹脂マトリ
クス12と樹脂マトリクスのカプセル状空隙に充填された
液晶13が形成される。ここに11a はスペーサを示す。こ
の時、図4(b)に示すように液晶分子14の配列は、樹
脂壁面12a に対して分子の長軸が水平でその向きが様々
な配列を取る。
【0011】これらの液晶表示素子では、一般的に、光
の散乱度を高くするために、マトリクス空隙である水滴
状液晶カプセルの粒径或いは樹脂の3次元的網目の間隙
の大きさを1〜2μm程度に制御することが望ましい。
平均空隙が大きすぎると光の散乱回数が少なく、小さす
ぎると可視光の波長に近づいてくるので光の散乱が抑制
されるからである。
【0012】しかしながら、実際には平均間隙(液晶部
分)の大きさは液晶材料や高分子樹脂の特性に左右され
散乱特性の最も良い条件に設定することは困難であっ
た。
【0013】本発明では、透明性の高分子樹脂と液晶物
質の他に、微細粒子が混合されている。図2(a)は、
本発明による液晶表示素子の構造を示す図である。樹脂
マトリクス12および液晶13内に微細粒子15が混在してい
る。
【0014】この微粒子15は、ポリエチレンやポリエチ
レンテレフタレートなどの高分子物質やシリカやアルミ
ナなどの無機物質などから形成される。また、微細粒子
の大きさや添加濃度は、マトリクス空隙中の液晶層の大
きさよりも小さく、液晶物質の光散乱性を高める条件で
制御する。また、微細粒子はマトリクス空隙内の液晶物
質のほか、立体マトリクス層自体例えば透明性の高分子
樹脂中に存在してもよい。この微細粒子の表面の性質と
して、表面エネルギーが低いいわゆる液晶分子を垂直配
向させる表面である場合、液晶分子14の配列は図2
(b)に示すように、樹脂壁面12a に対しては分子の長
軸が水平であるが、微細粒子15の表面15a では分子の長
軸が垂直となるため、これらの相互間で分子配列の不連
続点が生じ光散乱性が高まる。
【0015】また、微細粒子の表面の性質として、表面
エネルギーが高いいわゆる液晶分子を水平配向させる表
面である場合、液晶分子14の配列は図2(c)に示すよ
うに、樹脂壁面12a および微細粒子表面15a において分
子の長軸が水平に配列する。ここで、微細粒子15は、マ
トリクス空隙の液晶13内及び、樹脂壁面12a に3次元的
に分布しているので、図4(b) に示す微細粒子のない構
成に比較して、液晶層の外壁は複雑な形状となる。しか
るに製法上可能で、可視光の波長に近づかない大きさの
液晶層にて、充分な光散乱性を得る。このように、透明
性の高分子樹脂と液晶物質の他に、微細粒子を混合する
ことにより、液晶の分子は、光の散乱効果を高める方向
に配列する。
【0016】また、本発明では、微細粒子の径を連続的
にかえることにより、実質的な液晶領域の大きさを連続
的に制御することが出来る。液晶の粒の大きさは、印加
電圧−透過率の閾値特性を決めるので、その結果、液晶
領域の大きさに依存した何種類もの印加電圧−透過率特
性を平均化した印加電圧−透過率特性が得られ、印加電
圧−透過率特性のヒステリシスを実質的に無くすことが
可能である。
【0017】
【実施例】 [実施例1]以下、本発明の実施例を説明する。
【0018】図1および図2に示す本実施例は本発明を
マルチプレクス駆動液晶表示素子に適用したものであ
る。さて、液晶表示パネル10は、複数本の走査線Y(Y1
Y2 Y3・・・YN)64本と複数本信号線X(X1 X2 X3・
・・XN)64本とが交差配列で対向するように配設さ
れ、そして、走査線Yと信号線Xはそれぞれ走査線電極
駆動部20と信号線電極駆動部30に接続されている。走査
線電極駆動部20と信号線電極駆動部30は駆動電圧発生回
路50(図1(b))から供給される電圧を制御部40から
の信号に基づき液晶表示パネル10に出力する。
【0019】液晶パネル10は次のように作成した。すな
わち、得られる高分子分散型液晶表示素子は2枚の電極
X、Y付き基板11,11 の間に、樹脂と液晶物質とを混合
させた層を注入する。混合物を構成する樹脂は、透明で
屈折率が1.524のアクリル系紫外線硬化型樹脂(ノ
ーランド社製NOA65)を用いた。この樹脂に、シア
ノビフェニル系液晶(BDH社製E7)を重量比1:1
で室温にて5分間スタラー混合し、それに微細粒子とし
て直径約0.3〜0.6μmのシリカ球を濃度約0.5
wt%で混合した。
【0020】これにスペーサ11a として直径が約10μ
mのガラスファイバーを混ぜ2枚の電極付き基板の間に
挟み均一なセル厚を得て、ここへ紫外線を30分間照射
し紫外線硬化型樹脂を硬化させて本実施例の液晶表示パ
ネル10を得た。すなわち、固化した透明な高分子樹脂マ
トリクス層12中に、多数の微細な空隙が生じ、この部分
を液晶13と微細粒子5 で埋めた構造を有している。
【0021】透過率ー印加電圧曲線を求めるために、液
晶表示素子にHe-Ne レーザー光を入射させ、透過率を測
定した。光のスポット径は2mmで、透過したレーザー
光は液晶表示素子から距離20cmのところにあるフォ
トダイオードにより検出した。試作した素子は電圧を印
加しない状態では透過率約0.2%と良好な散乱状態を
示していた。図3に、0Vから徐々に印加電圧(交流7
0Hz)を50Vまで増加、50Vから徐々に0Vまで
減少させていったときの透過率ー印加電圧曲線を示す。
50Vの電圧を印加した状態では透過率約80%(最大
透過率)を示した。ここで、最大透過率の半分の透過率
となる電圧をVup50とVdoun50とし、Vup50とVdoun50
の差をヒステリシスの大きさΔVと定義する。本実施例
の場合Vup50=18V、Vdoun50=17.8Vで、ヒス
テリシスの大きさは、ΔV=0.2Vと小さい値を示し
た。
【0022】次に、駆動法としてよく知られた最適バイ
アス法を用いて画像表示したところ、コントラスト比6
の良好な表示が得られ、また表示内容を次々と変化させ
ても良好な表示が維持された。
【0023】(比較例1)実施例1と同様の構成におい
て、微細粒子を混合しないで液晶表示素子を作成し、透
過率ー印加電圧曲線を求めた。この場合、電圧を印加し
ない状態では透過率約1.1%と散乱状態が悪く、コン
トラスト比が悪かった。また、Vup50=19.4V、V
down50=17.1Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV
=2.3Vと大きかった。このため、マルチプレクス駆
動をした場合、表示がメモリーされ問題があった。
【0024】[実施例2]実施例1と同様の構成におい
て、微細粒子として、垂直配向剤としてオクタデシルト
リエトキシシラン液で表面処理をした直径が約0.2〜
1.2μmのシリカ球を濃度0.6wt%で添加し液晶
表示素子を作成した。
【0025】透過率ー印加電圧曲線を求めた。この場
合、電圧を印加しない状態では透過率約0.18%と散
乱状態が良好であった。Vup50=20.2V、Vdown50
=20.1Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV=0.
1Vと実質的に問題とならない程度に小さかった。
【0026】なお上記実施例では、単純マルチプレクス
駆動素子について述べたが、薄膜トランジスタなどのア
クティブ素子を用いたアクティブマトリクス液晶表示素
子に応用可能であることはいうまでもない。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、散乱特性の高い、ま
た、同時に透過率ー印加電圧特性のヒステリシスを低減
させ、マルチプレクス駆動が可能な高分子分散型液晶表
示素子が得られる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明をマルチプレクス駆動液晶表
示素子に適用した実施例を示す平面図、(b)は(a)
の液晶駆動用電源回路を示す図である。
【図2】(a)は図1の実施例の液晶表示パネルを示す
一部断面図、(b)、(c)は(a)のマトリクス空隙
中の液晶分子の配列状態を説明する図である。
【図3】液晶表示素子の透過率ー印加電圧曲線を示した
図である。
【図4】(a)は従来の表示素子を概略的に示す一部断
面図、(b)は(a)のマトリクス空隙の液晶層の液晶
分子の配列状態を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 保功 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極と、これら電極間に挟まれ内
    部に空隙を分布した立体マトリクス層と、前記空隙に満
    たされた液晶とを具備してなる液晶表示素子において、
    前記液晶中に微細粒子が混合されていることを特徴とす
    る液晶表示素子。
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