JPH05107155A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JPH05107155A
JPH05107155A JP3267768A JP26776891A JPH05107155A JP H05107155 A JPH05107155 A JP H05107155A JP 3267768 A JP3267768 A JP 3267768A JP 26776891 A JP26776891 A JP 26776891A JP H05107155 A JPH05107155 A JP H05107155A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪路走行時等の誤判定を防止する。 【構成】 機関の各気筒の所定のクランク角間の回転速
度を計測する手段1を設け、この回転速度の変動状態か
ら気筒の失火を判別する内燃機関の失火検出装置におい
て、判定レベルの上限値を設定する手段2と、判定レベ
ルの下限値を設定する手段3と、前記回転速度の変動レ
ベルが判定レベルの下限値より大きく上限値以下のとき
に失火と判定し、上限値を越えたときは失火にないと判
定する判定手段4とを設ける。また、機関の各気筒の所
定のクランク角間の回転速度を計測する手段を設け、こ
の回転速度の変動状態から判定手段が気筒の失火を判別
する内燃機関の失火検出装置において、前記回転速度の
変動周期が所定の期間、所定の周波数域にあるとき、も
しくは回転速度の変動レベルが所定の期間内に一定数以
上、所定レベルを越えたときは、前記判定手段による失
火判定を中止する中止手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の失火を検
出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の着火ミス等による失火を検出
する装置として、機関の回転角センサの信号から、各気
筒の所定のクランク角間の回転速度を計測し、この回転
速度の変動状態から気筒の失火を判別するものがある
(特開昭58ー19532号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな装置にあっては、失火を常に正確に検出することは
難しく、失火の判別にミスを生じることがある。
【0004】即ち、回転速度を計測するものだと、外乱
によって機関の回転が変動した場合、例えば車両走行中
に路面状態が悪くなったときは、その衝動が駆動系から
伝わって機関の回転が変動することから、計測する回転
速度の変動が大きくなってしまい、このため失火にない
のに誤って失火と判定したり、複数の気筒が失火と判定
してしまうのである。
【0005】この発明は、このような問題点を解決する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、図1に示す
ように機関の各気筒の所定のクランク角間の回転速度を
計測する手段1を設け、この回転速度の変動状態から気
筒の失火を判別する内燃機関の失火検出装置において、
判定レベルの上限値を設定する手段2と、判定レベルの
下限値を設定する手段3と、前記回転速度の変動レベル
が判定レベルの下限値より大きく上限値以下のときに失
火と判定し、上限値を越えたときは失火にないと判定す
る判定手段4とを設ける。
【0007】また、図2に示すように機関の各気筒の所
定のクランク角間の回転速度を計測する手段11を設
け、この回転速度の変動状態から判定手段12が気筒の
失火を判別する内燃機関の失火検出装置において、前記
回転速度の変動周期が所定の期間、所定の周波数域にあ
るとき、もしくは回転速度の変動レベルが所定の期間内
に一定数以上、所定レベルを越えたときは、前記判定手
段12による失火判定を中止する中止手段13を設け
る。
【0008】
【作用】即ち、悪路走行時等には機関の回転の変動が大
きくなり、したがってこの変動に対し判定レベルに上限
値を設定することで、計測した回転速度の変動レベルが
その上限値を越えた場合は、外乱によるものと判定で
き、誤判定を防止する。
【0009】また、悪路走行時にその衝動によって機関
の回転は所定周期で連続的に変動する。したがって、計
測した回転速度の変動周期が所定期間、所定周波数域に
ある場合、もしくはその回転速度の変動レベルが所定期
間内に一定数以上、所定レベルを越えた場合に、失火判
定を中止することで、判定ミスを防止する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0011】図3に示すように、20はエンジン、21
はそのクランクシャフトである。
【0012】クランクシャフト21に取付けたフライホ
イール22の周囲にはリングギヤ23が形成され、リン
グギヤ23の外周に回転角センサ24が配設される。
【0013】回転角センサ24は、リングギヤ23の歯
数に応じ、クランク角の数度毎に角度信号を出力し、そ
の角度信号は失火計測回路26に送られる。
【0014】クランクシャフト21に同期回転するカム
シャフト側には、基準角センサ25が配設される。
【0015】基準角センサ25は、基準位置信号ならび
に各気筒の所定のクランク角毎に気筒判別信号を出力
し、その基準位置信号、気筒判別信号は失火計測回路2
6に送られる。
【0016】失火計測回路26は、基準角センサ25の
基準位置信号、気筒判別信号を基準に各気筒の燃焼行程
毎に回転角センサ24の信号をカウントし、このカウン
ト値から各気筒の燃焼行程中の回転時間(回転速度)を
測定し、その回転時間の変動状態から各気筒の失火を判
別する。
【0017】次に、失火計測内容を図4のフローチャー
トに基づいて説明する。
【0018】まず、気筒の点火毎に、ステップ101,
102にて回転角センサ24の信号から燃焼行程中の回
転時間Tを測定し、記憶していく。6気筒エンジンであ
れば、今回の測定値から7回前までの測定値をT1〜T7
として記憶、更新する。
【0019】ステップ103では、失火の診断条件を満
たしているかどうかを見る。診断条件は、スロットル弁
の開度の変化が小さく、エンジン回転数、エンジン負荷
等が所定範囲にあるときにOKとなる。
【0020】診断条件がOKであれば、ステップ104
にて回転時間T1,T4,T7をもとに、次式(1)によ
りT4の気筒の失火パラメータAを演算する。
【0021】 A={3×(T4−T7)+3×(T4−T1)}/(T73 ‥‥(1) ここで、T4はT1を測定した現気筒に対し燃焼行程が同
一クランク角間にある気筒の値、T7は現気筒の前回の
値で、乗数3は燃焼間隔に対する加速時等の補正分を、
(T73はエンジン回転数に対する補正分を示す。
【0022】即ち、燃焼行程が同一のクランク角間にあ
って異なる気筒の回転時間を基準に失火パラメータAを
求める。
【0023】ステップ105,106では、失火パラメ
ータAの判定レベルの下限値B1ならびに上限値B2を
演算する。
【0024】この下限値B1、上限値B2は、エンジン
回転数nとエンジン負荷torqueをもとに予め設定
したデータマップから検索する。
【0025】下限値B1、上限値B2は、それぞれエン
ジン回転数nが小さくなるにしたがい、またエンジン負
荷torqueが高くなるにしたがい大きな値を取る。
ただし、上限値B2は下限値B1から比例的に求めても
良い。
【0026】ステップ107,108では、失火パラメ
ータAを下限値B1、上限値B2と比較する。
【0027】失火パラメータAが下限値B1と上限値B
2の間にあれば、失火と判定し、ステップ109にて該
当気筒の失火カウンタを+1する。
【0028】失火パラメータAが下限値B1以下のとき
もしくは上限値B2を越えたときは、失火にないと判定
し、カウントしない。
【0029】そして、この判定毎に、ステップ110に
て判定回数カウンタを+1すると共に、ステップ11
1,112にて判定回数カウンタが所定数になると、失
火の発生率を算出し、発生率が所定値(例えば1〜2
%)以上であれば、ステップ113にて警報等の表示を
行う。
【0030】なお、ステップ101が図1の回転速度計
測手段に、ステップ105,106が同じく判定レベル
の下限値設定手段、上限値設定手段に、ステップ107
〜109が同じく判定手段に対応するものである。
【0031】このように各気筒の燃焼行程中の回転時間
(回転速度)を計測し、この変動レベルつまり同一クラ
ンク角間にある異なる気筒の回転時間を基準に失火パラ
メータを求め、これが判定レベルの下限値と上限値の間
にあるときにのみ、失火と判定するので、各気筒の失火
を的確に検出でき、検出ミスを防止できる。
【0032】即ち、エンジンの回転状態から失火を判別
する場合、悪路走行時にはエンジンの回転が変動するこ
とで、失火の判定をミスしやすいが、その判定レベルに
上限値を設定したので、図5のように上限値を越えたと
きは、その変動が外乱によるものと判別でき、このため
悪路走行時に誤判定を防止できる。
【0033】また、悪路走行以外に、例えばギヤチェン
ジ後のクラッチ接続時にも、図6のようにエンジンの回
転が変動するが、この場合も変動が上限値を越えること
から、外乱によるものと判別でき、同様に誤判定を防止
できるのである。
【0034】したがって、検出装置としての高い信頼性
を確保できる。
【0035】図7は本発明の他の実施例を示し、各気筒
の燃焼行程中の回転時間(回転速度)の変動周期から、
悪路走行を判別して失火の誤判定を防止するものであ
る。
【0036】まず、ステップ201,202にて前述の
実施例と同様に失火パラメータを演算し、その失火判定
基準を設定する。
【0037】次に、ステップ203にて失火判定基準を
越えた失火パラメータの発生間隔(変動周期)Tを演算
し、ステップ204,205にて変動周期Tが所定範囲
(所定周波数域‥5〜15Hz)内にあるかどうかを判
定する。
【0038】変動周期Tが所定範囲内にあれば、ステッ
プ206にて変動カウンタを+1し、所定範囲にないと
きは、ステップ207にて変動カウンタを−1する。
【0039】そして、変動カウンタが所定値以下のとき
は、ステップ208から209以降に進み、失火がある
毎に失火カウンタを、その判定毎に判定カウンタを+1
し、失火判定を行う。
【0040】一方、変動カウンタが所定値(5〜10)
を越えた場合は、悪路走行時にあると判定して、ステッ
プ208から217に進み、失火カウンタ、判定カウン
タをクリアし、失火判定を中止する。
【0041】ステップ212以降では、判定カウンタが
所定数になると、失火の発生率を算出し、発生率が所定
値以上であれば、警報等の表示を行う。
【0042】なお、ステップ203〜208,217が
図2の中止手段に、ステップ209以降が同じく判定手
段に対応するものである。
【0043】悪路走行時に路面からの衝動が駆動系から
エンジンに伝わるが、この衝動によるエンジンの回転の
変動は、駆動系のバネ定数と慣性質量によって定まり、
図8のように所定の周期(10Hz前後)で現れる。
【0044】即ち、エンジンの回転の変動周期が、所定
の期間、所定の周期にあれば、悪路走行と判別でき、こ
の際失火判定を中止することにより、誤判定を確実に防
止できる。
【0045】なお、エンジンの回転の変動周期は、失火
パラメータが負から正に、あるいは正から負に切り替わ
る時間間隔を計測することで求めても良い。また、燃焼
行程中の回転時間(回転速度)の測定値が増加から減少
へと転じる時間間隔を計測することで求めても良い。
【0046】図9は同じく本発明の他の実施例を示し、
悪路走行を判別して誤判定を防止するものである。
【0047】まず、ステップ301,302にて前述の
実施例と同様に失火パラメータMISCを演算し、悪路
判定レベルMCTHを設定する。悪路判定レベルMCT
Hは、失火判定レベルより小さな値を取る。
【0048】ステップ304では、失火パラメータMI
SCを悪路判定レベルMCTHと比較し、失火パラメー
タMISCが大きければ、ステップ306にてカウンタ
メモリのキャリーをセットし、失火パラメータMISC
が小さければ、ステップ307にてカウンタメモリのキ
ャリーをクリアする。
【0049】次に、ステップ308にてカウンタメモリ
をロールし、ステップ311にてそのビットの数から失
火パラメータMISCが悪路判定レベルMCTHを越え
た回数HFCNTを読み込む。
【0050】この場合、カウンタメモリには過去8回の
データがセットされる。
【0051】そして、ステップ312にて過去8回のう
ち悪路判定レベルMCTHを越えた回数HFCNTが3
回以上であれば、3回未満になるまでステップ313に
て失火判定を中止する。
【0052】図10にHFCNTが4回のときの判定禁
止区間を示す。
【0053】一方、HFCNTが3回未満であれば、ス
テップ314にて失火パラメータMISCを失火判定レ
ベルと比較して失火判定を行う。
【0054】なお、ステップ304〜313が図2の中
止手段に対応する。
【0055】悪路走行中はエンジンの回転の変動が所定
の期間続く。即ち、失火パラメータが失火判定レベルを
越える場合、図11のようにその前後でも失火パラメー
タは変動し、たびたび悪路判定レベルを越える。
【0056】これにより、エンジンの回転の変動レベル
つまり失火パラメータが、所定の期間内に一定数以上、
所定レベルを越えた場合、悪路走行と判別でき、誤判定
を確実に防止できる。
【0057】また、過去8回のうちHFCNTが3回以
上のときに、失火判定を中止するので、実際の失火があ
ったときに失火を見落とすことはない。
【0058】なお、過去16回のデータであれば、HF
CNTが5回以上のときに、悪路走行と判別する。
【0059】図12は同じく本発明の他の実施例を示
し、失火を判定した場合、すぐには失火をカウントせ
ず、所定のディレイタイムをおいてカウントするもので
ある。
【0060】ステップ401の診断条件は、スロットル
弁の開度の変化が小さく、エンジン回転数、エンジン負
荷等が所定範囲にあるときにOKとなり、ステップ40
3の悪路判定は、前図7、図9の実施例と同じで良い。
【0061】ステップ405では、演算した失火パラメ
ータを所定の判定レベルと比較し、失火であればステッ
プ406にて失火記憶フラグのキャリーをセットし、失
火でなければステップ407にて失火記憶フラグのキャ
リーをクリアし、ステップ408にて失火記憶フラグを
ロールする。
【0062】そして、キャリーに“1”が戻ってきたと
きに、ステップ410にて失火カウンタを+1し、ステ
ップ411では、失火判定毎に点火カウンタ(判定カウ
ンタ)を+1する。失火の判定に対し、失火記憶フラグ
の所定ビット数分、失火のカウントを遅らせる。
【0063】一方、ステップ403にて悪路走行を判別
すると、ステップ404に進み、失火記憶フラグをクリ
アする。悪路走行であれば、失火記憶フラグの記憶分は
カウンタしない。
【0064】なお、ステップ412以降では、点火カウ
ンタが所定数になると、失火の発生率を算出し、発生率
が所定値以上であれば、警報等の表示を行う。
【0065】失火の判定は点火タイミング毎に行うが、
悪路走行等の判別には所定の期間がかかり、これに相当
する期間、失火のカウントを遅らせている。
【0066】このようにすれば、失火を判定した後に悪
路走行等を判別した場合、一度カウントしたカウンタ値
をその判別後に減数せずにすみ、処理が容易になる。
【0067】また、悪路走行等毎に失火のカウント値を
クリアしたのでは、失火診断に支障を来すが、失火のカ
ウントを遅らせることで、失火を的確にカウントでき、
失火診断を正確に行うことができる。
【0068】図13は同じく本発明の他の実施例を示
し、クラッチのオン、オフを検出し、クラッチの切り換
え時には、失火診断を中止するものである。
【0069】図中、C1はクラッチスイッチの現在の状
態を、C2はクラッチスイッチの前回の状態を表し、現
在の状態C1が前回の状態C2と異なった時点から所定時
間、失火診断を禁止する(ステップ501〜505)。
【0070】クラッチの切り換え時には、図14のよう
にエンジンの回転が変動するが、これにより誤判定を防
止できる。
【0071】
【発明の効果】以上のようにこの発明は、機関の各気筒
の所定のクランク角間の回転速度の変動状態から失火を
判別する内燃機関の失火検出装置において、前記回転速
度の変動レベルが判定レベルの下限値より大きく上限値
以下のときに失火と判定し、上限値を越えたときは失火
にないと判定するので、悪路走行時等に失火の誤判定を
確実に防止できる。
【0072】また、機関の各気筒の所定のクランク角間
の回転速度の変動状態から失火を判別する内燃機関の失
火検出装置において、前記回転速度の変動周期が所定の
期間、所定の周波数域にあるとき、もしくは回転速度の
変動レベルが所定の期間内に一定数以上、所定レベルを
越えたときは、失火判定を中止するので、悪路走行時の
失火の誤判定を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の構成図である。
【図2】発明の構成図である。
【図3】構成配置図である。
【図4】計測内容を示すフローチャートである。
【図5】計測例のタイミングチャートである。
【図6】ギヤチェンジ後の回転の変動を示す特性図であ
る。
【図7】他の実施例の計測内容を示すフローチャートで
ある。
【図8】悪路走行時の回転の変動を示す特性図である。
【図9】他の実施例の計測内容を示すフローチャートで
ある。
【図10】計測例のタイミングチャートである。
【図11】悪路走行時の回転の変動を示す特性図であ
る。
【図12】他の実施例の計測内容を示すフローチャート
である。
【図13】他の実施例の失火禁止処理のフローチャート
である。
【図14】クラッチ切り換え時の回転の変動を示す特性
図である。
【符号の説明】
24 回転角センサ 25 基準角センサ 26 失火計測回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の各気筒の所定のクランク角間の回
    転速度を計測する手段を設け、この回転速度の変動状態
    から気筒の失火を判別する内燃機関の失火検出装置にお
    いて、判定レベルの上限値を設定する手段と、判定レベ
    ルの下限値を設定する手段と、前記回転速度の変動レベ
    ルが判定レベルの下限値より大きく上限値以下のときに
    失火と判定し、上限値を越えたときは失火にないと判定
    する判定手段とを設けたことを特徴とする内燃機関の失
    火検出装置。
  2. 【請求項2】 機関の各気筒の所定のクランク角間の回
    転速度を計測する手段を設け、この回転速度の変動状態
    から判定手段が気筒の失火を判別する内燃機関の失火検
    出装置において、前記回転速度の変動周期が所定の期
    間、所定の周波数域にあるとき、もしくは回転速度の変
    動レベルが所定の期間内に一定数以上、所定レベルを越
    えたときは、前記判定手段による失火判定を中止する中
    止手段を設けたことを特徴とする内燃機関の失火検出装
    置。
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