JPH05106811A

JPH05106811A - 液体燃料バーナ

Info

Publication number: JPH05106811A
Application number: JP26932691A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Iwanaga; 鉄男岩永
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1991-10-17
Filing date: 1991-10-17
Publication date: 1993-04-27

Abstract

(57)【要約】【目的】圧力噴霧方式の液体燃料バーナにおいて，広
い負荷範囲で霧化と燃焼を良好に保つこと。【構成】燃料が単純にアトマイザの中心から放射状に
噴出するのではなく，旋回力を与えられてアトマイザか
ら旋回しながら噴出されるように，複数の噴射穴の軸線
をアトマイザの軸線を含む平面に対して傾斜させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，陸用ボイラをはじめと
して舶用ボイラ，加熱炉，焼却炉等に使用される液体燃
料噴射バーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】図５（ａ）は従来の液体燃料バーナのア
トマイザの一例を示す正面図，図５（ｂ）は同じく縦断
面図（図５（ａ）のＥ−Ｅ断面）である。図中（０１）
は，一方の側が平面で，他方は円錐台形をした円盤状の
バーナチップである。このバーナチップ（０１）の平面
側の中心には円形の座ぐりが形成されていて，噴射媒体
の流路（０２）となっている。この流路（０２）から円
錐台の側面傾斜部に向かって放射状に，すなわちアトマ
イザの軸線を含む平面に沿って，流入穴（０４）が６〜
８個（図示例の場合は６個）明けられ，更に，その下流
外側には多少大きい径の噴射穴（０５）が明けられてい
る。また平面側の外周部には，円環状の燃料流路（０
３）が加工されていて，これから，上記各噴射穴（０
５）へ流入穴（０６）が接続されている。噴射穴（０
５）はすべて同一穴径で，かつ等間隔に配置されてい
る。

【０００３】上記のような従来のアトマイザで液体燃料
を噴霧燃焼させる場合，噴霧された燃料はアトマイザの
中心から周囲に向かって，放射状に飛散し浮遊燃焼す
る。また従来は霧化を促進するため，噴射穴（０５）の
数は通常６〜８個となっており，かつ各噴射穴（０５）
は同じ径となっている場合が多かった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の液体燃料バ
ーナには，次のような解決すべき課題があった。１）霧化された燃料と燃焼用空気との混合が不十分な
ので，条件が悪いと良好な燃焼を保持できない。２）霧化および燃焼を良好に保持するためには，６〜
８個の噴射穴が必要なので，噴霧容量が小さい場合に
は，それに伴って穴径を小さくする必要があり，その穴
あけ用ドリルの折損が起りやすい。また，小径の穴には
異物が詰まりやすい。３）安定的な濃淡燃焼が困難なので，ＮＯ_xが発生し
やすい。４）上記１）と関連するが，粗悪な燃料を良好に燃焼
させることが困難で，煤塵が発生しやすく，燃焼効率も
悪い。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は，前記従来の課
題を解決するために，蒸気または空気を噴霧媒体とし，
複数の噴射穴を有する液体燃料バーナにおいて，上記複
数の噴射穴の軸線がアトマイザの軸線を含む平面に対し
て傾斜していることを特徴とする液体燃料バーナを提案
するものである。

【０００６】

【作用】

１）本発明においては，複数の噴射穴の軸線がアトマ
イザの軸線を含む平面に対して傾斜しているので，霧化
燃料がアトマイザの軸線の周りに旋回する。そうする
と，アトマイザの軸線にほぼ平行に直進して来る燃焼用
空気との混合が格段に良くなる。逆に混合状態を同程度
とする場合には，燃焼用空気の流速を小さく（言い換え
ればその空気の圧力を小さく）できるので，その供給動
力を低減できる。２）噴射穴の長さが，傾斜した分だけ長くなるので，
噴射媒体（蒸気または空気）による燃料の霧化効果が向
上する。３）穴数を減らしても良好な霧化および燃焼を保持す
るので，噴霧容量が小さい場合には穴数を減らすことが
でき，穴径が小さくなり過ぎない。４）濃淡燃焼をさせ易いので，ＮＯ_xの発生を抑制で
きる。

【０００７】

【実施例】図１（ａ）は本発明の第１実施例のアトマイ
ザを示す正面図，図１（ｂ）は同じく縦断面図（図１
（ａ）のＡ−Ａ断面）である。図中（１１）は，一方の
側が平面で，他方は円錐台形をした円盤状のバーナチッ
プである。そのバーナチップ（１１）の平面側の中心に
は円形の座ぐりが形成されていて，噴射媒体の流路（１
２）となっている。この流路（１２）から円錐台の側面
傾斜部に向かい，アトマイザの軸線を含む平面に対して
傾斜した方向（つまり左回りに旋回するような方向）
に，流入穴（１４）が６〜８個（本図の場合は６個）明
けられ，更に，その下流外側に延長した箇所には多少大
きい径の噴射穴（１５）が明けられている。また平面側
の外周部には，円環状の燃料流路（１３）が加工されて
いて，これから上記各噴射穴（１５）へ，流入穴（１
６）が接続されている。噴射穴（１５）はすべて同一穴
径で，かつ等間隔に配置されている。

【０００８】本実施例においては，複数の噴射穴（１
５）の軸線がバーナチップ（１１）の軸線（アトマイザ
の軸線）を含む面に対して傾斜しているので，霧化燃料
がアトマイザの軸線の周りに旋回する。そうすると，ア
トマイザの軸線にほぼ平行に供給される燃焼用空気との
混合が格段に良くなる。逆に混合状態を同程度とする場
合には，燃焼用の空気の流速を小さく（言い換えればそ
の空気の圧力を小さく）できるので，その供給動力が低
減される。

【０００９】本実施例ではまた，噴射穴（１５）の長さ
が，傾斜した分だけ長くなるから，噴射媒体（蒸気また
は空気）による燃料の霧化効果が向上する。更に本実施
例では，炉壁等に対する衝突（インピンジメント）の予
防作用もある。

【００１０】次に図２（ａ）は本発明の第２実施例のア
トマイザを示す正面図，図２（ｂ）は同じく縦断面図
（図２（ａ）のＢ−Ｂ断面）である。前記従来のバーナ
チップ（０１）の噴射穴（０５）の数が６〜８個または
それ以上だったのに対し，本実施例のバーナチップ（２
１）では，噴射穴（２５）の数が半数以下の３個であ
る。その他の点は，前記図１により説明した第１実施例
と同様であるから，同様の部分については，図１中で用
いた符号の数字に１０を加算した数字を符号として付
け，詳しい説明を省く。

【００１１】本実施例においても，霧化した燃料が旋回
し，空気との混合が良好なので，噴射穴（２５）の数が
少なくても燃焼を良好に保持できる。したがって噴霧容
量が小さい場合，本実施例のように噴射穴（２５）の数
を少なくすれば，噴射穴の径を小さくせずにすみ，穴明
け加工が容易になるばかりでなく，異物の詰まりも抑止
される。

【００１２】次に図３（ａ）は本発明の第３実施例のア
トマイザを示す正面図，図３（ｂ）は同じく縦断面図
（図３（ａ）のＣ−Ｃ断面）である。本実施例において
は，寸法（径）が互いに異なる２種の噴射穴（３５
ａ），（３５ｂ）と，それに対応する噴射媒体流入穴
（３４ａ），（３４ｂ），燃料流入穴（３６ａ），（３
６ｂ）が，交互に配置されている。これにより，広い負
荷範囲にわたって燃料と空気の混合が良好となり，安定
した燃焼が達成される。その他の点は，前記図１により
説明した第１実施例と同様であるから，同様の部分につ
いては，図１中で用いた符号の数字に２０を加算した数
字を符号として付け，詳しい説明を省く。

【００１３】次に図４（ａ）は本発明の第４実施例のア
トマイザを示す正面図，図４（ｂ）は同じく縦断面図
（図４（ａ）のＤ−Ｄ断面）である。本実施例において
は，バーナチップ（４１）が上半分と下半分（左半分と
右半分でもよい）に分けられ，寸法（径）の大きい噴射
穴（４５ａ）と，それに対応する流入穴（４４ａ），
（４６ａ）が，上半分に，寸法（径）の小さい噴射穴
（４５ｂ）とそれに対応する流入穴（４４ｂ），（４６
ｂ）が下半分に，それぞれ設けられている（逆でもよ
い）。これにより，濃淡燃焼が容易になって，ＮＯ_x発
生を抑制することができる。その他の点は，前記図１に
より説明した第１実施例と同様であるから，同様の部分
については，図１中で用いた符号の数字に３０を加算し
た数字を符号として付け，詳しい説明を省く。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。１）燃焼促進と補機動力低減２）霧化改善による燃焼促進と保炎域の拡大３）穴径保持による閉塞の防止４）ＮＯ_x発生の抑制，煤塵発生の減少５）炉壁等への衝突の防止６）粗悪燃料の活用促進７）燃焼用空気側に設ける保炎装置（例えばスワラー
やデイフューザ）の廃止または簡略化による重量軽減８）同上保炎装置の損焼対策（取替）工事の省略

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の第１実施例のアトマイザを示す
図で，図１（ａ）は正面図，図１（ｂ）は縦断面図（図
１（ａ）のＡ−Ａ断面）である。

【図２】図２は本発明の第２実施例のアトマイザを示す
図で，図２（ａ）は正面図，図２（ｂ）は縦断面図（図
２（ａ）のＢ−Ｂ断面）である。

【図３】図３は本発明の第３実施例のアトマイザを示す
図で，図３（ａ）は正面図，図３（ｂ）は縦断面図（図
３（ａ）のＣ−Ｃ断面）である。

【図４】図４は本発明の第４実施例のアトマイザを示す
図で，図４（ａ）は正面図，図４（ｂ）は縦断面図（図
４（ａ）のＤ−Ｄ断面）である。

【図５】図５は従来の液体燃料バーナのアトマイザの一
例を示す図で，図５（ａ）は正面図，図５（ｂ）は縦断
面図（図５（ａ）のＥ−Ｅ断面）である。

【符号の説明】

（０１），（１１），（２１），（３１），（４１）
バーナチップ（０２），（１２），（２２），（３２），（４２）
噴射媒体流路（０３），（１３），（２３），（３３），（４３）
燃料流路（０４），（１４），（２４），（３４ａ），（３４
ｂ），（４４ａ），（４４ｂ）
噴射媒体流入穴（０５），（１５），（２５），（３５ａ），（３５
ｂ），（４５ａ），（４５ｂ）
噴射穴（０６），（１６），（２６），（３６ａ），（３６
ｂ），（４６ａ），（４６ｂ）
燃料流入穴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】蒸気または空気を噴霧媒体とし，複数の
噴射穴を有する液体燃料バーナにおいて，上記複数の噴
射穴の軸線がアトマイザの軸線を含む平面に対して傾斜
していることを特徴とする液体燃料バーナ。