JPH05105555A - 無機系建材の耐凍害性の改良方法 - Google Patents
無機系建材の耐凍害性の改良方法Info
- Publication number
- JPH05105555A JPH05105555A JP29628191A JP29628191A JPH05105555A JP H05105555 A JPH05105555 A JP H05105555A JP 29628191 A JP29628191 A JP 29628191A JP 29628191 A JP29628191 A JP 29628191A JP H05105555 A JPH05105555 A JP H05105555A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- building material
- inorganic building
- pores
- panel
- solution
- Prior art date
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- Pending
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- Panels For Use In Building Construction (AREA)
- Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 無機系建材の耐凍害性の改良方法を提供す
る。 【構成】 ALCパネル11をシリコーン系樹脂を含む溶
液13に浸漬し、その後ALCパネル11を乾燥させる。こ
れにより、ALCパネル11中の凍害に関わる細孔がシリ
コーン系樹脂で略埋まるため、水分のこれらの細孔への
浸入が防止されて、凍害の発生がなくなる。
る。 【構成】 ALCパネル11をシリコーン系樹脂を含む溶
液13に浸漬し、その後ALCパネル11を乾燥させる。こ
れにより、ALCパネル11中の凍害に関わる細孔がシリ
コーン系樹脂で略埋まるため、水分のこれらの細孔への
浸入が防止されて、凍害の発生がなくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オートクレーブ養生気
泡コンクリート(ALC)パネルのような無機系建材の
耐凍害性の改良方法に関する。
泡コンクリート(ALC)パネルのような無機系建材の
耐凍害性の改良方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年、オートクレーブ養生気泡コンクリー
ト(ALC)パネルが建材として使用されるようになっ
てきている。このようなALCパネルは、セメントとケ
イ砂を主原料とし、気泡が混入されたコンクリートスラ
リーを配筋材が配置された成形用枠内に打設し、一次的
に硬化させた後、成形されたパネルを高温、高圧のオー
トクレーブ内で蒸気養生させることにより製造されてい
る。
ト(ALC)パネルが建材として使用されるようになっ
てきている。このようなALCパネルは、セメントとケ
イ砂を主原料とし、気泡が混入されたコンクリートスラ
リーを配筋材が配置された成形用枠内に打設し、一次的
に硬化させた後、成形されたパネルを高温、高圧のオー
トクレーブ内で蒸気養生させることにより製造されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ALCパネルのよ
うな無機系建材は、冬季にコンクリート中の細孔に浸入
した水分が細孔内で凍結した場合、体積が膨張すること
により、表層が剥離したり、破壊が起きたりすることも
ある。従来、この凍害機構の解明がなされており、図4
に示すように、たとえばALCパネル中の細孔の分布を
測定すると、半径の小さい方にコンクリートのトバモラ
イト結晶に基づく第一の山A、また半径の大きい方にコ
ンクリート中の気泡に基づく第二の山Bがあるが、第一
の山Aにある半径100 〜 1,000nmの毛細管空隙が凍害と
相関があるとされている。そこで、本発明は、無機系建
材の耐凍害性を改良することができる方法を提供するこ
とを目的とする。
うな無機系建材は、冬季にコンクリート中の細孔に浸入
した水分が細孔内で凍結した場合、体積が膨張すること
により、表層が剥離したり、破壊が起きたりすることも
ある。従来、この凍害機構の解明がなされており、図4
に示すように、たとえばALCパネル中の細孔の分布を
測定すると、半径の小さい方にコンクリートのトバモラ
イト結晶に基づく第一の山A、また半径の大きい方にコ
ンクリート中の気泡に基づく第二の山Bがあるが、第一
の山Aにある半径100 〜 1,000nmの毛細管空隙が凍害と
相関があるとされている。そこで、本発明は、無機系建
材の耐凍害性を改良することができる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る無機系建材
の耐凍害性の改良方法は、無機系建材をシリコーン系樹
脂を含む溶液に浸漬し、その後前記無機系建材を乾燥さ
せることを特徴とする。前記シリコーン系樹脂として
は、例えばシリコーンとアクリル、ウレタンとの共重合
体を挙げることができる。
の耐凍害性の改良方法は、無機系建材をシリコーン系樹
脂を含む溶液に浸漬し、その後前記無機系建材を乾燥さ
せることを特徴とする。前記シリコーン系樹脂として
は、例えばシリコーンとアクリル、ウレタンとの共重合
体を挙げることができる。
【0005】前記溶液は、シリコーン系樹脂を溶剤(ト
ルエン等)に溶かして調製することができる。前記乾燥
は、熱風等により行うことができる。前記無機系建材に
は、各種の無機系建材が含まれ、例えばALCパネル、
プレキャストコンクリートパネル、窯業系サイディング
材等を挙げることができる。
ルエン等)に溶かして調製することができる。前記乾燥
は、熱風等により行うことができる。前記無機系建材に
は、各種の無機系建材が含まれ、例えばALCパネル、
プレキャストコンクリートパネル、窯業系サイディング
材等を挙げることができる。
【0006】
【作用】無機系建材をシリコーン系樹脂を含む溶液に浸
漬すると、シリコーン系樹脂は浸透性が強いため、溶液
がコンクリート中の前記第1の山Aで表された細孔中に
容易に浸透し、溶液が細孔中に毛管現象により保持され
る。その後無機系建材を乾燥させることにより、半径10
0 〜 1,000nmの細孔を含む前記第1の山Aで表された細
孔がシリコーン系樹脂で略埋まるため、凍害に関わる細
孔への水の浸入の虞れがなくなり、従って凍害の発生を
防止できるようになる。
漬すると、シリコーン系樹脂は浸透性が強いため、溶液
がコンクリート中の前記第1の山Aで表された細孔中に
容易に浸透し、溶液が細孔中に毛管現象により保持され
る。その後無機系建材を乾燥させることにより、半径10
0 〜 1,000nmの細孔を含む前記第1の山Aで表された細
孔がシリコーン系樹脂で略埋まるため、凍害に関わる細
孔への水の浸入の虞れがなくなり、従って凍害の発生を
防止できるようになる。
【0007】
【実施例】本発明をALCパネルの製造に適用した場合
の一実施例を説明する。先ず、図1に示すように、AL
Cパネル11を収容できる適当な大きさの槽12を用意し、
この槽12内に本実施例に係るシリコーン系樹脂の溶液13
を半分程満たす。
の一実施例を説明する。先ず、図1に示すように、AL
Cパネル11を収容できる適当な大きさの槽12を用意し、
この槽12内に本実施例に係るシリコーン系樹脂の溶液13
を半分程満たす。
【0008】このシリコーン系樹脂溶液13は、シリコー
ンとアクリルとの共重合体樹脂をトルエンに溶かして調
製したものである。そして、槽12の底面に置かれた支持
片14にオートクレーブ養生後のALCパネル11をパネル
11の下部が漬かるようにして載せる。
ンとアクリルとの共重合体樹脂をトルエンに溶かして調
製したものである。そして、槽12の底面に置かれた支持
片14にオートクレーブ養生後のALCパネル11をパネル
11の下部が漬かるようにして載せる。
【0009】次に、図2に示すように、所定時間放置し
ておくことにより、コンクリート15中の前記第1の山
(図3参照)Aに相当する細孔内に毛管現象によりシリ
コーン系樹脂溶液13が浸透し、多数の細孔を介してパネ
ル11全体に溶液13が行きわたる。この後、パネル11を溶
液13から引き上げると、細孔内に毛管現象により保持さ
れているシリコーン系樹脂溶液13がパネル11内に残る。
ておくことにより、コンクリート15中の前記第1の山
(図3参照)Aに相当する細孔内に毛管現象によりシリ
コーン系樹脂溶液13が浸透し、多数の細孔を介してパネ
ル11全体に溶液13が行きわたる。この後、パネル11を溶
液13から引き上げると、細孔内に毛管現象により保持さ
れているシリコーン系樹脂溶液13がパネル11内に残る。
【0010】なお、パネル11の溶液13への浸漬時に前記
第2の山Bに相当する細孔にシリコーン系樹脂溶液13が
入っていても、パネル11を溶液13から引き上げた際に流
出するので、前記第2の山Bに相当する細孔内に溶液13
が残ることはない。次に、図3に示すように、パネル11
を熱風等により乾燥させることにより、細孔内のシリコ
ーン系樹脂溶液13が固まり、前記第1の山Aに相当する
細孔がシリコーン系樹脂によって略塞がれた本実施例に
係るALCパネル11が得られる。
第2の山Bに相当する細孔にシリコーン系樹脂溶液13が
入っていても、パネル11を溶液13から引き上げた際に流
出するので、前記第2の山Bに相当する細孔内に溶液13
が残ることはない。次に、図3に示すように、パネル11
を熱風等により乾燥させることにより、細孔内のシリコ
ーン系樹脂溶液13が固まり、前記第1の山Aに相当する
細孔がシリコーン系樹脂によって略塞がれた本実施例に
係るALCパネル11が得られる。
【0011】上記実施例に係るALCパネル11の耐凍害
性の改良方法によれば、ALCパネル11中の凍害に関わ
る半径100 〜 1,000nmの細孔を含む前記第1の山Aで表
された細孔がシリコーン系樹脂で略埋まるため、細孔内
に水が浸入する虞れがなくなる。従って、冬季にコンク
リート15中の細孔に浸入した水分が凍結して膨張するこ
とによるALCパネル11の表層の剥離や破壊がなくな
り、耐凍害性を改良することができる。
性の改良方法によれば、ALCパネル11中の凍害に関わ
る半径100 〜 1,000nmの細孔を含む前記第1の山Aで表
された細孔がシリコーン系樹脂で略埋まるため、細孔内
に水が浸入する虞れがなくなる。従って、冬季にコンク
リート15中の細孔に浸入した水分が凍結して膨張するこ
とによるALCパネル11の表層の剥離や破壊がなくな
り、耐凍害性を改良することができる。
【0012】また、前記第1の山Aで表された細孔内に
シリコーン系樹脂が充填されていることにより、シリコ
ーン系樹脂によるALCパネル11の補強効果も得られ
る。一方、気泡に基づく前記第二の山Bの細孔は、上記
シリコーン系樹脂溶液13へのパネル11の浸漬工程の後も
空孔の状態が維持されるので、パネル11の気泡による断
熱効果が失われることはない。
シリコーン系樹脂が充填されていることにより、シリコ
ーン系樹脂によるALCパネル11の補強効果も得られ
る。一方、気泡に基づく前記第二の山Bの細孔は、上記
シリコーン系樹脂溶液13へのパネル11の浸漬工程の後も
空孔の状態が維持されるので、パネル11の気泡による断
熱効果が失われることはない。
【0013】なお、上記実施例では、シリコーン系樹脂
としてシリコーンとアクリルとの共重合体樹脂を使用し
たが、浸透性の強い他のシリコーン系樹脂を使用しても
よい。また、上記実施例に係る無機系建材は、ALCパ
ネルであるが、例えばプレキャストコンクリートパネ
ル、窯業系サイディング材等であっても、本発明を同様
に適用することができる。
としてシリコーンとアクリルとの共重合体樹脂を使用し
たが、浸透性の強い他のシリコーン系樹脂を使用しても
よい。また、上記実施例に係る無機系建材は、ALCパ
ネルであるが、例えばプレキャストコンクリートパネ
ル、窯業系サイディング材等であっても、本発明を同様
に適用することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明に係る無機系建材の耐凍害性の改
良方法によれば、凍害に関わる細孔をシリコーン系樹脂
で埋めることができるため、耐凍害性を効果的に改良す
ることができる。
良方法によれば、凍害に関わる細孔をシリコーン系樹脂
で埋めることができるため、耐凍害性を効果的に改良す
ることができる。
【図1】本発明の一実施例に係るALCパネルの耐凍害
性の改良方法の工程図である。
性の改良方法の工程図である。
【図2】同じ実施例に係る改良方法の工程図である。
【図3】同じ実施例により得られたALCパネルの断面
図である。
図である。
【図4】ALCパネルの細孔の分布を示すグラフであ
る。
る。
11 無機系建材であるALCパネル 12 槽 13 シリコーン系樹脂溶液 15 コンクリート
Claims (1)
- 【請求項1】 無機系建材をシリコーン系樹脂を含む溶
液に浸漬し、その後前記無機系建材を乾燥させることを
特徴とする無機系建材の耐凍害性の改良方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29628191A JPH05105555A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 無機系建材の耐凍害性の改良方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29628191A JPH05105555A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 無機系建材の耐凍害性の改良方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05105555A true JPH05105555A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17831537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29628191A Pending JPH05105555A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 無機系建材の耐凍害性の改良方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05105555A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227556A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Ohbayashi Corp | セメント系組成体の表面処理方法 |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP29628191A patent/JPH05105555A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227556A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Ohbayashi Corp | セメント系組成体の表面処理方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020226 |