JPH0510520U - 消波根固めブロツク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は海岸の堤防や護岸等の根固めをする
消波根固めブロックに関し、既設の小型の消波根固めブ
ロックを経済的かつ有効的に再利用することである。 【構成】 複数の脚部２ａを有する既設の小型の消波根
固めブロック２の脚部２ａにアンカー筋３ａ及び凹凸部
３ｂを設け、該アンカー筋３ａ及び凹凸部３ｂを介して
小型の消波根固めブロック２に新生コンクリート５を被
覆した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は海岸の堤防や護岸等の根固めをする消波根固めブロックに関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

海、湖、河川等の堤防や護岸等には、これらに対する波圧や波の打ち上げ高さ を減少させるために消波根固めブロックが用いられている。

【０００３】 この消波根固めブロックは堤防や護岸等の根固め用として、小型の消波根固め ブロックが堤防や護岸等の前面に積み重ねられているが、近年の大型の消波根固 めブロックによる離岸築堤造と親水護岸等による海岸地域の整備により、これら 小型の消波根固めブロックが不必要となり再利用法が検討されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような小型の消波根固めブロックを再利用する場合は、運搬等に 手間と費用がかかりすぎるため、施工場所が限定されてしまうという問題があっ た。 本考案は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、既設の 小型の消波根固めブロックを経済的かつ有効的に再利用することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を達成するための本考案の消波根固めブロックの第１考案は、多数 の脚部を有する既設の小型の消波根固めブロックの外面に新生コンクリートを被 覆してなることを特徴とする構成であり、 第２考案は多数の脚部を有する既設の小型の消波根固めブロックに接着体を備 え、該小型の消波根固めブロックの外面に新生コンクリートを被覆してなること を特徴とする構成にすることであり、 前記接着体は脚部の先端部に突設したアンカー筋と、該脚部の先端部に設けた 凹凸部とで形成したものであり、 また、前記接着体は小型の消波根固めブロックの表面に鉄筋を配筋して形成し たものであり、 また、前記接着体は小型の消波根固めブロックの表面に凹凸部を設け、該表面 にセメントペーストを適宜厚さに被覆して形成したものであり、 また、前記接着体は樹脂系接着剤、又は繊維補強コンクリートであることを特 徴とする構成にすることである。

【０００６】

【作用】

而して、上記構成によれば、既設の小型の消波根固めブロックに設けた接着体 を介して、該消波根固めブロックの表面に新生コンクリートが被覆されることに より、既設の小型の消波根固めブロックを利用して大型の消波根固めブロックが 形成される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の消波根固めブロックの一実施例を図面に基づいて説明する。 図１及び図２は本考案の消波根固めブロックの断面図、図３、図４及び図５は 製造方法を示した断面図である。

【０００８】 本考案の消波根固めブロック１は既設の８ｔの小型の消波根固めブロック２を 利用して３２ｔの大型の消波根固めブロック１を製造するものであり、前記小型 の消波根固めブロック２の脚部２ａの先端面に接着体３として３本のアンカー筋 ３ａと、凹凸部３ｂとを設けて新生コンクリート５との接着を強化している。

【０００９】 このアンカー筋３ａは市販の樹脂カプセルアンカーを使用し、凹凸部３ｂは脚 部２ａの先端面とその周辺部をはつって形成する。 また、前記アンカー筋３ａに夫々横筋４を溶接し、さらに前記凹凸部３ｂを小 型の消波根固めブロック２の全面に形成することにより新生コンクリート５との 接着強度をさらに大きくしている。

【００１０】 次に、この消波根固めブロック１の製造方法について説明する。 先ず、小型の消波根固めブロック２の表面をワイヤブラシでブラッシングすると 共に、噴霧機で水を噴射して表面を湿らせる。

【００１１】 そして、小型の消波根固めブロック２を、３分割した型枠底板６ａに設置する と共に、残りの型枠板６ｂを組み立てて大型の消波根固めブロック１用の型枠６ を形成する。この型枠底板６ａへの設置はフレッシュコンクリートｍを打設した 際に、小型の消波根固めブロック２が平面視において中心位置にくるように設置 する。 そして、型枠６上端の充填孔６ｃから型枠６内にフレッシュコンクリートｍを 打設し、該フレッシュコンクリートｍの硬化後に型枠６を解体して大型の消波根 固めブロック１を形成する。

【００１２】 また、図５に示すものは、小型の消波根固めブロック２を型枠６に設置する際 にスペーサ７を用いるものであり、該スペーサ７を介することにより、小型の消 波根固めブロック２を大型の消波根固めブロック１の中心位置に配置することが できると共に、新生コンクリート５により小型の消波根固めブロック２全面を被 覆することができる。

【００１３】 また、図６に示すものは、接着体３として小型の消波根固めブロック２に鉄筋 ８を配筋した大型の消波根固めブロック１であり、脚部２ａの長手方向にそって 縦筋８ａを配筋すると共に、その上から帯筋８ｂをはちまき状に巻き付けて小型 の消波根固めブロック２全体をメッシュ状に配筋した鉄筋８で覆うものであり、 この鉄筋８により新生コンクリート５と小型の消波根固めブロック２とを一体化 できると共に、新生コンクリート５自体の強度も高めることができる。

【００１４】 この消波根固めブロック１も前記と同様に、小型の消波根固めブロック２に鉄 筋８を配筋して型枠６に設置した後に、フレッシュコンクリートｍを打設して製 造するものである。

【００１５】 また、図７に示すものは、接着体３として小型の消波根固めブロック２の表面 にセメントペースト９を被覆したものであり、小型の消波根固めブロック２の全 面に設けた凹凸部９ａを覆うようにセメントペースト９を塗り、それを型枠６内 に設置した後に新生コンクリート５を打設するものである。 そして、このセメントペースト９を介して新生コンクリート５が小型の消波根 固めブロック２と一体化されて消波根固めブロック１が製造される。

【００１６】 また、このセメントペースト９の他に樹脂系接着剤及び繊維補強コンクリート を接着体３として使用した場合も、前記と同様の方法で製造するものであり、樹 脂系接着剤としてはエチレン酢酸ビニル樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤を 使用し、繊維補強コンクリートとしては鋼線コンクリートやグラスファイバーコ ンクリートを使用する。

【００１７】 なお、本実施例においては小型の消波根固めブロック２としてテトラポッド（ 登録商標）を使用したが、図８に示すように既設の小型の六脚ブロック１０に鉄 筋８をメッシュ状に配筋して、消波根固めブロック１を製造することも任意であ り、またこの鉄筋のほかに他の接着体３を使用することも任意である。 さらに、前記テトラポッドや六脚ブロック１０に限定されず、他の消波根固め ブロックを使用することも、もちろん任意である。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は、多数の脚部を有する既設の小型の消波根固めブロックに接着体を備 え、該小型の消波根固めブロックの外面に新生コンクリートを被覆したことによ り大型の消波根固めブロックが製造できるので、既設の小型の消波根固めブロッ クを経済的かつ有効的に再利用することができる。

【００１９】 小型の消波根固めブロックに接着体を介して新生コンクリートを被覆したこと により、小型の消波根固めブロックと新生コンクリートとの接着を強化すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の消波根固めブロックの断面図である。

【図２】図１のＸーＸ線断面図である。

【図３】既製の小型の消波根固めブロックを型枠の底板
に設置した断面図である。

【図４】型枠内にフレッシュコンクリートを打設した断
面図である。

【図５】消波根固めブロックの他の製造方法を示す断面
図である。

【図６】接着体として小型の消波根固めブロックに鉄筋
を配筋した消波根固めブロックの断面図である。

【図７】接着体として小型の消波根固めブロックの表面
にセメントペーストを被覆した消波根固めブロックの断
面図である。

【図８】小型の六脚ブロックに鉄筋を配筋した消波根固
めブロックの断面図である。

【符号の説明】

１ 消波根固めブロック ２ 小型の消波根固めブロック ２ａ 脚部 ３ 接着体 ３ａ アンカー筋 ３ｂ、９ａ 凹凸部 ５ 新生コンクリート ９ セメントペースト

フロントページの続き (72)考案者 中谷 正幸 高知県香美郡土佐山田町栄町11番11号 (72)考案者 高羽 泰久 東京都新宿区西新宿３丁目２番11号 三井 不動産建設株式会社内 (72)考案者 神田 弘徳 東京都新宿区西新宿２丁目７番１号 日本 テトラポツド株式会社内 (72)考案者 竹岡 憲治 東京都渋谷区桜丘町13番10号 技研興業株 式会社内

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の脚部を有する既設の小型の消波根
   固めブロックの外面に新生コンクリートを被覆してなる
   ことを特徴とする消波根固めブロック。
2. 【請求項２】 多数の脚部を有する既設の小型の消波根
   固めブロックに接着体を備え、該小型の消波根固めブロ
   ックの外面に新生コンクリートを被覆してなることを特
   徴とする消波根固めブロック。
3. 【請求項３】 前記接着体は脚部の先端部に突設したア
   ンカー筋と、該脚部の先端部に設けた凹凸部とで形成し
   たことを特徴とする請求項２記載の消波根固めブロッ
   ク。
4. 【請求項４】 前記接着体は小型の消波根固めブロック
   の表面に鉄筋を配筋して形成したことを特徴とする請求
   項２記載の消波根固めブロック。
5. 【請求項５】 前記接着体は小型の消波根固めブロック
   の表面に凹凸部を設け、該表面にセメントペーストを適
   宜厚さに被覆して形成したことを特徴とする請求項２記
   載の消波根固めブロック。
6. 【請求項６】 前記接着体は樹脂系接着剤であることを
   特徴とする請求項２記載の消波根固めブロック。
7. 【請求項７】 前記接着体は繊維補強コンクリートであ
   ることを特徴とする請求項２記載の消波根固めブロッ
   ク。