JPH05104797A - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さな用紙に印字可能とすることである。 【構成】 プラテンに対向して往復動自在に設けられた
キャリアに印字ヘッドを取付け、前記キャリアに前記印
字ヘッドにインクリボンを供給するリボンカセットを着
脱自在に取付け、前記プラテンに近接配置され駆動部に
連結されて回動するフィードローラ３を設け、このフィ
ードローラ３のローラ軸５の中間部に中継ローラ軸１８
及び中間フィードローラ１９を有する可動部１７を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクリボンが収納さ
れたリボンカセットを印字ヘッドの周囲に着脱自在に取
付けた印字装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の一例を図８ないし図１０に基づい
て説明する。まず、紙面に対して直交する方向に細長い
プラテン１が設けられ、このプラテン１を介して用紙２
を搬送するそれぞれ対になったフィードローラ３，４が
図示しない駆動装置に連結されて設けられている。これ
らのフィードローラ３，４は、ローラ軸５とこのローラ
軸５に所定の間隔をおいて取付けられたローラ体６とよ
りなっている。ついで、前記プラテン１の上方には、そ
のプラテン１と平行なガイド軸７が設けられている。こ
のガイド軸７には、軸方向に沿ってキャリア８が往復摺
動自在に取付けられ、このキャリア８には前記プラテン
１に対向する印字ヘッド９が固定されている。また、前
記キャリア８には、リボンカセット装着フレーム１０が
固定され、このリボンカセット装着フレーム１０の相対
向する支壁１１の上端内面には、所定高さの支持ピン１
２が突出形成されている。

【０００３】ついで、前記リボンカセット装着フレーム
１０に設けられた支持ピン１２に係合して回動支点１３
を形成する前面側及び上方に開口した凹部状の係合部１
４が両側面に形成されたリボンカセット１５が設けられ
ている。このリボンカセット１５は、前記印字ヘッド９
を囲繞するように取付けられるものであり、かつ、その
リボンカセット１５内には、リボンガイドを介して前記
印字ヘッド９の先端に供給されるインクリボン１６が収
納されている。

【０００４】しかして、リボンカセット１５の着脱に
は、回動支点１３を中心としてそのリボンカセット１５
を円弧となる方向に回動させ、このリボンカセット１５
の先端側は、印字ヘッド９の先端から間隔を持たせた状
態にする。そのため、回動支点１３を中心としてリボン
カセット１５の先端までの曲率を描いた時に、そのリボ
ンカセット１５の先端が上部側のフィードローラ３のロ
ーラ体６に当ることがないように図１０に示すようにプ
ラテン１位置からＬ₁ 離反した位置に一対のフィードロ
ーラ３を位置決めして配設している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】リボンカセット１５の
取付け、取外しに当っては、回動支点１３を中心として
リボンカセット１５を回動させているものであるが、そ
の回動を行なわせるためには、前述のようにフィードロ
ーラ３の位置をプラテン１の印字位置からＬ₁ 離反した
位置に設定しなければならない。すなわち、フィードロ
ーラ３の設置位置をプラテン１から寸法Ｌ₁ より小さい
位置にすることができない。

【０００６】一方、フィードローラ３，４で用紙２を搬
送させる場合の用紙２の大きさは、フィードローラ３，
４の間隔寸法Ｌ₂ 以上でなければならない。すなわち、
常に何れかのフィードローラ３，４で用紙２を挟持して
いなければならないものであり、フィードローラ３，４
の間隔寸法Ｌ₂ 以下の長さの用紙２を送ることは不可能
である。そのため、名刺等の印刷を行なうことは、きわ
めて困難なものである。すなわち、小さな用紙２に印字
することがきわめて難しいと云う問題がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】プラテンに対向して往復
動自在に設けられたキャリアに印字ヘッドを取付け、前
記キャリアに前記印字ヘッドにインクリボンを供給する
リボンカセットを着脱自在に取付け、前記プラテンに近
接配置され駆動部に連結されて回動するフィードローラ
を設け、このフィードローラのローラ軸の中間部に中継
ローラ軸及び中間フィードローラを有する可動部を設け
た。

【０００８】

【作用】印字ヘッドを保持するキャリアにリボンカセッ
トを着脱自在に取付けるが、フィードローラのローラ軸
の中間部に係脱自在の中継ローラ軸及び中間フィードロ
ーラを有する可動部を設けたので、フィードローラをプ
ラテンに近接配置させることができ、これにより、長さ
の小さな用紙への印字が容易にできるとともに装置を小
型化することができるものである。

【０００９】

【実施例】本発明の第一の実施例を図１乃至図４に基づ
いて説明する。前述の図８ないし図１０に基づいて説明
した部分と同一部分は同一符号を用い、説明も省略す
る。本実施例においても、プラテン１と印字ヘッド９と
の位置関係は同様であり、フイードローラを構成するロ
ーラ軸５の構造が相違する。

【００１０】すなわち、上部側のフィードローラ３のロ
ーラ軸５にこのローラ軸５の軸心と一致した軸心を持つ
可動体１７を設けたものである。この可動体１７は、前
記ローラ軸５に係脱する中継ローラ軸１８とこの中継ロ
ーラ軸１８に固定された中間フィードローラ１９とより
なるものである。そして、前記ローラ軸５の外径寸法と
前記中継ローラ軸１８の外径寸法とは一致している。ま
た、前記ローラ軸５の両端部には、それぞれ所定幅のス
リット２０が形成されており、前記中継ローラ軸１８の
両端部には前記スリット２０にそれぞれ嵌り込む薄板状
の嵌合片２１が形成されている。さらに、前記ローラ軸
５の端部付近と前記中継ローラ軸１８の両端付近とに
は、止め輪２２が嵌合保持される環状溝２３がそれぞれ
形成されている。そして、前記ローラ軸５と前記中継ロ
ーラ軸１８との両端にあるスリット２０及び嵌合片２１
の係合部を渡るように嵌合されたスリーブ２４が設けら
れ、これらのスリーブ２４を前記ローラ軸５側へ向けて
付勢する圧縮ばね２５が中継ローラ軸１８の両端にそれ
ぞれ装着されている。

【００１１】なお、前記スリーブ２４を把持して圧縮ば
ね２５の力に抗して中継ローラ軸１８の中心方向へ移動
させたときに、前記スリット２０と前記嵌合片２１との
係合部が露出するように各部の寸法が定められている。
すなわち、嵌合片２１の基部から環状溝２３で保持され
た止め輪２２までの寸法が、圧縮ばね２５の全圧縮長さ
とスリーブ２４の軸方向長さとの和よりも大きいように
設定されている。

【００１２】とくに、本実施例の特徴は、プラテン１に
対してその上流側と下流側とに配設されたフィードロー
ラ３，４の軸間距離Ｌｓが小さく設定されている点であ
る。

【００１３】このような構成において、プラテン１の上
流側と下流側とのフィードローラ３，４の軸間距離Ｌｓ
が小さいため、搬送可能な用紙２の長さは、Ｌｓ以上あ
れば良いものである。したがって、長さの小さな用紙２
への印字が容易に行なわれる。また、軸間間隔Ｌｓが小
さいと云うことは、装置全体の小型化にも寄与する。

【００１４】しかして、印字ヘッド９の先端にインクリ
ボン１６を供給するリボンカセット１５は、インクリボ
ン１６が消耗品であるため、時々交換しなければならな
いが、この場合には、可動体１７をローラ軸５から取外
してからリボンカセット１５の着脱を行なう。まず、印
字ヘッド９を所定の位置、すなわち、予め定められてい
るリボンカセット着脱位置に位置決めしてから両方のス
リーブ２４を把持して中継ローラ軸１８の中心方向へ移
動させる。これにより、嵌合片２１とスリット２０との
係合部が露出する。その状態で可動体１７、すなわち、
中継ローラ軸１８を嵌合片２１の長手方向に沿わせて移
動させるとスリット２０から離脱し、可動体１７はロー
ラ軸５から分離する。この状態では、リボンカセット１
５の回動の障害物がなくなっているので、リボンカセッ
ト１５の着脱作業を容易に行なうことができる。この
時、スリーブ２４と圧縮ばね２５とはローラ軸５から分
離されるが、リボンカセット１５の交換作業は一時的な
ものであるため、新たなリボンカセット１５を取り付け
てから圧縮ばね２５とスリーブ２４とを再び取り付け
る。これにより、フィードローラ３は原状に復帰し、用
紙２の送りを円滑に行なう状態になる。

【００１５】つぎに、図５乃至図７に基づいて本発明の
第二の実施例を説明する。前記実施例と同一部分は同一
符号を用い説明も省略する。本実施例は、ローラ軸５と
中継ローラ軸１８との一方の係合部にピン２６を嵌め込
んで止め輪２７により抜け止めし、かつ、他方の嵌合片
２１とスリット２０との係合部分には、ローラ軸５と中
継ローラ軸１８とで連続するねじ部２８を形成して継ぎ
手用ナット２９を螺合させたものである。したがって、
可動体１７は、中間フィードローラ１９を保持する中継
ローラ軸１８であることは同様であるが、ローラ軸５と
は係合部分が上方に回動して外れるものの離脱しないも
のである。

【００１６】このような構成において、リボンカセット
１５の着脱時に継ぎ手用ナット２９をローラ軸５方向へ
移動させると、嵌合片２１とスリット２０との係合部が
露出し、中継ローラ軸１８がピン２６を中心として上方
に回動可能になる。これにより、可動体１７をリボンカ
セット１５の回動軌跡から退避させ、リボンカセット１
５の着脱作業を容易にしている。

【００１７】リボンカセット１５を取り付けた後には、
継ぎ手用ナット２９を再び中継ローラ軸１８のねじ部２
８に螺合させることによりローラ軸５と中継ローラ軸１
８とは一体化され、これにより、正常なフィードローラ
３として動作する。

【００１８】なお、前記実施例においては、プラテン１
を介して上流側と下流側とにそれぞれ対になったフィー
ドローラ３，４を配置したものについて説明したが、実
施に当っては、少なくともリボンカセット装着側に位置
するフィードローラ３が設けられている構造のものでも
良い。すなわち、伝票に印字する印字装置であって印字
されるべき伝票を印字後に挿入側に復帰させて排出させ
る装置などに実施することができる。この場合、伝票の
挿入側にフィードローラ３を配設する。そして、このフ
ィードローラ３とプラテン１の印字位置との距離Ｌ₁が
小さくなることにより、長さの短い伝票を使用すること
が可能になるものである。

【００１９】

【発明の効果】本発明は上述のように、プラテンに対向
して往復動自在に設けられたキャリアに印字ヘッドを取
付け、前記キャリアに前記印字ヘッドにインクリボンを
供給するリボンカセットを着脱自在に取付け、前記プラ
テンに近接配置され駆動部に連結されて回動するフィー
ドローラを設け、このフィードローラのローラ軸の中間
部に中継ローラ軸及び中間フィードローラを有する可動
部を設けたので、印字ヘッドを保持するキャリアにリボ
ンカセットを着脱自在に取付けるが、フィードローラの
ローラ軸の中間部に係脱自在の中継ローラ軸及び中間フ
ィードローラを有する可動部を設けたので、フィードロ
ーラをプラテンに近接配置させることができ、これによ
り、長さの小さな用紙への印字が容易にできるとともに
装置を小型化することができると云う効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例を示す要部の分解斜視図
である。

【図２】その組立状態の縦断正面図である。

【図３】可動体を取外した状態の斜視図である。

【図４】全体の側面図である。

【図５】本発明の第二の実施例を示す組立状態の斜視図
である。

【図６】その要部の分解斜視図である。

【図７】可動体を退避させた状態の斜視図である。

【図８】従来の一例を示す斜視図である。

【図９】リボンカセットの着脱時の状態を示す斜視図で
ある。

【図１０】リボンカセットの動きを示す一部の側面図で
ある。

【符号の説明】

３ フィードローラ ５ ローラ軸 １７ 可動部 １８ 中継ローラ軸 １９ 中間フィードローラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンと、このプラテンに対向して往
   復動自在に設けられたキャリアと、このキャリアに取付
   けられた印字ヘッドと、前記キャリアに着脱自在に取付
   けられて前記印字ヘッドにインクリボンを供給するリボ
   ンカセットと、前記プラテンに近接配置され駆動部に連
   結されて回動するフィードローラと、このフィードロー
   ラのローラ軸の中間部に係脱自在の中継ローラ軸及び中
   間フィードローラを有する可動部とを具備したことを特
   徴とする印字装置。