JPH05103758A - 内視鏡テレビシステム - Google Patents

内視鏡テレビシステム

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JPH05103758A
JPH05103758A JP3269410A JP26941091A JPH05103758A JP H05103758 A JPH05103758 A JP H05103758A JP 3269410 A JP3269410 A JP 3269410A JP 26941091 A JP26941091 A JP 26941091A JP H05103758 A JPH05103758 A JP H05103758A
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pass filter
television
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color difference
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Mitsujiro Konno
光次郎 金野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】硬性鏡とファイバースコープを選択して使用す
る内視鏡テレビシステムにおいて、解像を向上した硬性
鏡画像と従来程度の解像レベルのファイバースコープ画
像を得ることである。 【構成】硬性鏡6とファイバースコープ1を選択して使
用し、この選択に応じて色差信号出力の抑圧特性を変化
させ、しかもこの抑圧特性がファイバーの射出端面の固
定パターンによる周波数スペクトルと強度に応じて設定
されている色信号抑圧回路を、カメラコントロールユニ
ット28に備えている。キーボード29でいずれかの抑
圧特性を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファイバースコープと
硬性鏡とを選択的に使用して、体腔内等の画像をモニタ
ーテレビ等で観察できるようにした内視鏡テレビシステ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、体腔内等をモニターテレビ等に映
し出して観察するようにした内視鏡テレビシステムが普
及してきている。このようなテレビシステムは、多人数
で同時に物体を観察できる他、画像処理技術を利用し
て、物体像に含まれる情報のうち特定の情報のみを目立
たせたり、消去したりして表示することができるため、
生体の診断や各種検査等にも利用できて便利であり、今
後その用途は一層広がってゆこうとしている。
【0003】このような内視鏡テレビシステムの一例を
図18,19を用いて説明する。図18において、物体
Mを観察するためのファイバースコープ1は像伝送系と
してイメージガイドファイバー束2が用いられており、
その先端部には対物レンズ3が、又その後方の接眼部4
内には接眼レンズ5が夫々設けられている。又、硬性鏡
6には像伝送系としてリレーレンズ7が配設され、ファ
イバースコープ1と同様に対物レンズ3と接眼レンズ5
がその前後に設けられている。そして、両接眼部4,4
と光学系を有さないテレビカメラ8とを光学的に接続す
るアダプター9には、結像レンズ10が内蔵されてい
る。テレビカメラ8内には、光学的ローパスフィルター
11及び固体撮像素子12が順次配設されていて、固体
撮像素子12から出力された電気信号をテレビ信号に変
換するカメラコントロールユニット13を介して、モニ
ターテレビ14で物体像をテレビ画像として観察できる
ようになっている。
【0004】従って、図示しない光源及びライトガイド
によって伝達された照明光により、物体Mの像は対物レ
ンズ3によって結像され、その像は、ファイバースコー
プ1を選択した場合にはイメージガイドファイバー2に
よって伝達され、又硬性鏡6においてはリレーレンズ7
によって伝達される。そして、接眼レンズ4及び結像レ
ンズ10により光学的ローパスフィルター11を介して
固体撮像素子12上に再結像し、この像はカメラコント
ロールユニット13を介してテレビモニター14にテレ
ビ画像として映し出される。
【0005】又、図19に示す内視鏡テレビシステム
は、アダプター9は設けられておらず、結像レンズ10
は光学的ローパスフィルター11及び固体撮像素子12
と共にテレビカメラのカメラヘッド15内に内蔵されて
いる。このような構成においても、図18のシステムと
同様な効果が得られる。
【0006】ところで、これらの内視鏡テレビシステム
のように、CCD等の固体撮像素子12を利用して物体
像を離散的に空間サンプリングして撮影する光学機器に
おいては、物体像中に撮像側のナイキスト周波数以上の
高周波成分が含まれている場合、その高周波成分とサン
プリング周波数とのビートにより、エリアジング、モア
レ等と呼ばれる擬信号が発生する。従来、このような擬
色信号は、撮像光学系と固体撮像素子12との間に、上
述のように光学的ローパスフィルター11を配設するこ
とによって除去している。
【0007】しかしながら、ファイバースコープ等によ
り得られた物体像をテレビカメラで撮像する場合、特開
昭63−291026号公報で詳細に述べられているよ
うに、多数枚の複屈折板を用いた光学的ローパスフィル
ターで、レスポンスを十分に落とさなければならない。
ところで、図18,19に示すようにファイバースコー
プ1と硬性鏡6とを選択的に使用可能な内視鏡テレビシ
ステムにおいては、これら以外の光学系が共通であるた
めに、いづれを使用しても同一の光学的ローパスフィル
ター11を使用するようになっている。そのため、ファ
イバースコープ1使用時に発生するモアレを除去するよ
うな特性を有する光学的ローパスフィルターを配設する
場合には、硬性鏡6を使用するとモニター画像の解像力
が低下し、又硬性鏡6使用時に解像力が向上するような
特性の光学的ローパスフィルターを用いた場合には、フ
ァイバースコープ1使用時に発生するモアレによって画
質が低下することになる。そのため、このような内視鏡
テレビシステムでは、ファイバースコープ1と硬性鏡6
の画質について、いづれか一方を犠牲にするか、或いは
特開平2−289225号公報に記載のように、ファイ
バースコープを用いる際にのみ、結像レンズ10のピン
トを若干ぼかすことにより、モアレが発生しないように
していた。
【0008】しかしながら最近では、モアレやノイズを
なくした、解像やコントラストの良い内視鏡テレビ画像
を得るために、デジタル技術をうまく使用する方法が考
えられている。この技術について、次に説明する。図2
0は従来のアナログ回路を用いたカメラコントロールユ
ニット13の要部ブロック図である。図中、テレビカメ
ラ8内の固体撮像素子12から出力された電気信号は、
カメラコントロールユニット13内において、並列に配
置された電気的ローパスフィルター16と電気的バンド
パスフィルター17を夫々通過することによって、各々
輝度情報と色情報を与える電気信号に分割される。輝度
情報は、アパーチャ信号作成回路18によってエッジ強
調用のアパーチャ信号を作成するための電気信号と、テ
レビ信号の輝度信号になる電気信号とに分割される。
又、色情報を与える電気信号は、変調回路19で変調さ
れてテレビ信号の色差(クロマ)信号となる。
【0009】次に、図21に示すデジタル回路を用いた
カメラコントロールユニットのブロック図においては、
上述の回路と同様に輝度情報と色情報を与える各電気信
号に分割されるが、その後夫々の電気信号はデジタル回
路20でデジタル化されることで、以後の回路によって
ノイズが加わることが防止され、S/N比が向上するこ
とになる。ここで、アパーチャ信号作成回路18によっ
て輝度情報から分割されたアパーチャ信号の働きを、図
22で概念的に説明する。図22の(A)の矩形波を輝
度情報を与える電気信号であるとして、この信号を信号
処理して図(B)のようなアパーチャ信号を作成する。
このアパーチャ信号を図(A)の輝度信号と重ねること
で、図(C)に示すようなエッジを強調した信号(アパ
ーチャ信号)が得られる。しかも、図(C)に示すよう
な信号は、見かけ上、負の点像強度分布を持つので、見
かけのレスポンスは図23(A)に示すものから(B)
に示すような形状に変化し、100%を越えるため、レ
スポンス即ち物体像のコントラストを上げることができ
る。
【0010】図21に示すカメラコントロールユニット
13には、このようなデジタル技術を利用した色信号抑
圧回路が内蔵されている。図22(C)に示すアパーチ
ャ信号がアパーチャ信号作成回路18で作成されると、
回路21でアパーチャ信号の振幅の絶対値をとり、その
値に応じて色情報を与える電気信号の出力強度をクロマ
ゲインコントローラ22で調整し(以上をアパーチャ補
正回路という)、クロマサプレス回路23で変調回路1
9から出力された色差信号を抑圧するようになってお
り、これらの回路は色信号抑圧回路を構成する。このた
め、物体像中にモアレの原因になり得る高周波成分が含
まれている場合、その高周波成分から作成されるアパー
チャ信号の振幅が大きい値となるので、色信号抑圧回路
が働いて色差信号についてその部分のモアレを除去する
ようになっている。
【0011】従って、このようなデジタル技術を利用し
た色信号抑圧回路を内蔵するカメラコントロールユニッ
ト13を用いれば、従来のように光学的ローパスフィル
ターを用いたり、像を若干ぼかしたりしてモアレを除去
する必要がなくなるので、解像が良くなり且つエンハン
スを十分効かせられる。そのため、従来の画像よりコン
トラストが劣ることのない画像を提供でき、しかもデジ
タル回路を用いているためにS/N比が良くなり、ノイ
ズも少なくなる。このような色信号抑圧回路は、従来の
アナログ回路を用いて構成することも可能であるが、デ
ジタル回路としてデジタル信号を処理することで、より
安定的に動作するようになるのである。
【0012】ところで、最近の外科手術では、内視鏡観
察下で行う手術方法がかなり採用されてきている。この
手術方法は、切開による従来の外科手術と比較して患者
に与える負担が少ないため、術後の入院期間が短くてす
む等の利点がある。このような手術の一例として、腹腔
鏡的胆嚢摘出術がある。この手術は胆石等の障害のため
に胆嚢を摘出しなければならない場合に、内視鏡を用い
て行う手術である。特に最近注目されているのは、Comm
on Bile Duct Scopyと呼ばれる術式である。この手術
は、腹腔鏡的胆嚢摘出術の術中に、胆管中に胆石が詰ま
っていることが発見された場合に、観察用として用いら
れる硬性鏡を、鉗子チャネルからメスやハサミ等を出す
等して手術を行い得るファイバースコープに切り換え
て、この胆石を取り除くというものである。この例が示
すように、ファイバースコープと硬性鏡の両方に使用可
能でしかも高画質の医療用テレビカメラシステムが、今
後ますます求められてきている。
【0013】ところで、ファイバースコープにおいて
は、解像できる周波数は像伝送系であるイメージガイド
ファイバー束の繊維ピッチによって決定されるので、固
体撮像素子側の解像力をそれ以上に向上させてもあまり
意味はないが、硬性鏡のように像伝送系としてレンズを
用いている場合には、固体撮像素子側の解像力を上げる
ことは、得られる内視鏡画像の向上に直結するという特
徴を有している。従って、上述のような内視鏡テレビシ
ステムにおいて、色信号抑圧回路を有するカメラコント
ロールユニットを用いて、硬性鏡使用時には非常に良好
な硬性鏡画像が得られるようにすると共に、ファイバー
スコープ使用時には従来と同程度の画像が得られるよう
にすれば、より高精度な内視鏡テレビシステムを実現で
き、上述のような手術をより的確且つ迅速に行うことが
できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ファイバー
スコープのように像伝送系にイメージガイドファイバー
束を用いている場合には、テレビカメラの被写体は図2
4(A),(B)で示されるような、コア25とクラッ
ド26から成るイメージガイドファイバー束の射出端面
であるために、実使用に際しては図(C),(D)のよ
うにコア25とクラッド26とに明確な明暗差が現れ、
高周波成分を非常に多く含むことになる。そのため、ア
パーチャ信号の強度は非常に強くなり、色信号抑圧回路
は色情報を与える電気信号の出力強度を弱くする方向で
調整することになってしまう。このため、ファイバース
コープにより得られた内視鏡画像は、あたかも色が抜け
落ちたような画像になってしまうという問題がある。
【0015】本発明は、このような課題に鑑みて、モア
レがなく解像力が向上した硬性鏡画像を得られると共
に、ファイバースコープによる撮像の際に色の抜け落ち
る現象を防止して従来程度のレベルの画像が得られるよ
うにした、内視鏡テレビシステムを提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明による内
視鏡テレビシステムは、内視鏡の像伝送系としてイメー
ジガイドファイバー束又はリレーレンズを選択して用
い、得られた像を結像レンズによって光学的ローパスフ
ィルターを介して固体撮像素子上に再結像せしめ、この
固体撮像素子から出力された電気信号をカメラコントロ
ールユニットでテレビ信号に変換して、出力されたテレ
ビ信号を内視鏡画像としてテレビモニターに映し出すよ
うにした内視鏡テレビシステムにおいて、カメラコント
ロールユニットには、像伝送系に応じて色差信号出力の
抑圧特性が制御され且つイメージガイドファイバー束の
像の固定パターンによる周波数スペクトル及び強度に応
じて抑圧特性が設定されている電気回路が備えられてい
ると共に、選択された像伝送系に応じて色差信号出力の
抑圧特性を切り換える手段を有することを特徴とするも
のである。
【0017】しかも、像伝送系としてリレーレンズを使
用した場合に、抑圧特性による色差信号出力の強度が5
0%であるときの空間周波数をfcとし、像伝送系とし
てイメージガイドファイバー束を使用した場合に、抑圧
特性による色差信号出力の強度が50%であるときの空
間周波数をfc′とし、又イメージガイドファイバー束
の像の固定パターンによる周波数スペクトルをfFとす
ると、 fc<fc′であり、 且つfF≧fcの時にfc′≧fF という条件を満たすように色差信号出力の抑圧特性が調
整されているものである。
【0018】又、本発明による内視鏡テレビシステム
は、内視鏡の像伝送系としてイメージガイドファイバー
束又はリレーレンズを選択して用い、得られた像を結像
レンズによって光学的ローパスフィルターを介して固体
撮像素子上に再結像せしめ、この固体撮像素子から出力
された電気信号をカメラコントロールユニットでテレビ
信号に変換して、出力されたテレビ信号を内視鏡画像と
してテレビモニターに映し出すようにした内視鏡テレビ
システムにおいて、カメラコントロールユニットには、
撮像する像中に含まれる空間周波数に応じて色差信号出
力の抑圧特性を制御する電気回路が含まれていると共
に、光学的ローパスフィルターは、カットオフ周波数の
異なる硬性鏡用の光学的ローパスフィルターとファイバ
ースコープ用の光学的ローパスフィルターから成ってい
て、像伝送系としてイメージガイドファイバー束又はリ
レーレンズを選択することに応じて光学的ローパスフィ
ルターを切り換えて使用するようにしたことを特徴とす
るものである。
【0019】しかも、前述の抑圧特性による色差信号出
力の強度が50%であるときの空間周波数をfcとし、
イメージガイドファイバー束の像の固定パターンによる
周波数スペクトルをfFとし、ファイバースコープ用の
光学的ローパスフィルターによるカットオフ周波数をf
Lとすると、 fF≧fcの時にfL≦fF という条件を満たすようにしたものである。
【0020】モアレがなく解像のよい硬性鏡画像を得る
ために色信号抑圧回路を有する電気回路を持つカメラコ
ントロールユニットを用いた場合、ファイバースコープ
を撮像したときに生じる色差信号の色消え現象を防止
し、従来程度のレベルの画像を得るためには、図22
(C)で得られるようなエッジを強調した信号(アパー
チャ信号)の振幅の絶対値を、硬性鏡使用時とファイバ
ースコープ使用時とで、電気的或いは光学的手段を用い
ることで切り換えるようにすればよい。電気的切り換え
手段としては、各々の像伝送系を用いた内視鏡に応じ
て、アパーチャ信号出力の周波数特性を選択できる構成
にすればよい。又、光学的手段としては、各々の像伝送
系を用いた内視鏡の特性に応じて、光学的ローパスフィ
ルターを交換するようにすればよい。
【0021】次に、前述の切り換え手段のうち、電気的
手段について説明する。図1(A),(B)は、電気的
切り換え手段を設けた時の、撮像する像中に含まれる空
間周波数成分とカメラコントロールユニットから出力さ
れる色差信号出力の抑圧特性との関係、並びに空間周波
数成分と光学的ローパスフィルターのレスポンスとの関
係を表す原理図である。本発明のカメラコントロールユ
ニットにおける電気回路では、空間周波数成分が高周波
になるに従い、色差信号が徐々に抑圧されるようになっ
ている。しかも、空間周波数に対するその抑圧特性は、
硬性鏡が選択された時は図1(A)に示す曲線を描き、
ファイバースコープが選択された時は同図(B)に示す
曲線を描くように、抑圧特性が変化するようになってい
る。又、光学的ローパスフィルターは硬性鏡用光学的ロ
ーパスフィルターを用い、内視鏡をファイバースコープ
に切り換えても変更しない。そして、テレビカメラで撮
像されるファイバースコープの射出端面は、図24
(C),(D)に示すような固定パターンによる周波数
スペクトルfFを呈する像となる。
【0022】本発明による内視鏡テレビシステムはこの
ような構成を備えているから、硬性鏡のように像伝送系
として通常のレンズを用いている内視鏡画像では、部分
的にモアレが出ても電気的に除去されるので、光学的ロ
ーパスフィルターのカットオフ周波数fLを従来より高
周波側に設定することができ、そのために解像力を向上
させることができる。又、カメラコントロールユニット
に図21に示すようなデジタル回路を用いているため、
S/N比が良好でノイズが少なく、しかもエンハンスを
十分効かせることができるため、従来よりコントラスト
が低下することのない硬性鏡画像を得ることができる。
【0023】次に、この内視鏡テレビシステムにおい
て、ファイバースコープを選択した場合について説明す
る。まず、テレビカメラの被写体として、図24(A)
に示すような六方最密構造を持つイメージガイドファイ
バー束の射出端面を撮像すると、像中に含まれる周波数
には、その固定パターンによる強度の強い周波数スペク
トルfF=1/(Pf×β×sin 60°)が含まれる。
ここで、Pfはファイバーの像のピッチであり、βは結
像光学系の倍率である。又、被写体が同図(B)に示す
ようなランダム構造を持つイメージガイドファイバー束
の射出端面である場合には、同様にして、その固定パタ
ーンによる周波数スペクトルfFは、fF=1/(P
f′×β)で表される。ここで、Pf′はランダム構造
のファイバーの平均ピッチである。
【0024】そして、図1(A)において、カメラコン
トロールユニットの電気回路では、硬性鏡の場合の色差
信号出力の抑圧特性が選択されているから、その出力強
度の特性曲線はイメージガイドファイバー束の射出端面
の固定パターンにおける周波数スペクトルfFに対し
て、図示のように交差する。図中、抑圧特性を色差信号
出力の強度が90%になるよう制御した場合のこれに対
応する周波数をfc-90 とすると、空間周波数fFにお
ける色差信号の出力強度は90%以下であり、 fF≧fc-90 という特性を呈する。このため、ファイバースコープ使
用時には、色差信号が抑圧されて色が抜けて白っぽい画
像になってしまう。尚、色差信号の出力強度が約90%
以下になると、観察者にややモノクロ風の内視鏡画像と
みなされてしまうという現象は、実験により確かめられ
ている。
【0025】そこで、ファイバースコープを使用する場
合には、図1(B)に示すように抑圧特性(クロマ応答
特性)を変化させ、しかも変化後の抑圧特性の色差信号
出力強度が90%になる時の周波数fc-90 ′が、 fF≦fc-90 ′ なる条件を満たすように変化させる。これにより、空間
周波数fFにおける色差信号出力強度を90%以上にす
ることができ、ファイバースコープ使用時に色が抜けて
白っぽい画像になるという欠点を防止することができ
る。
【0026】又、図2(A)に示すように、硬性鏡使用
時に既にfF≦fc-90 である場合には、抑圧特性を変
化させることなく内視鏡をファイバースコープに切り換
えたとき、画像がモノクロになってしまうわけではな
く、必ずしも切り換えは必要ないが、空間周波数fFに
おける色再現性をより正確にするために、図1(B)の
場合と同様に図2(B)に示すように色差信号出力のレ
ベルを上げて、fc-90 <fc-90 ′となるようにして
もよい。
【0027】尚、色差信号出力の強度が90%以下に抑
制されると何となく色が抜けて白っぽい画像になるが、
実使用上で問題となる限界は、色差信号出力が約50%
まで下がった場合であることが、医者からの臨床報告で
明らかになっている。そして、色差信号出力が90〜5
0%の範囲内で特に色消え現象やモアレが気になる場合
には、デフォーカスすることで従来と同程度の画質を保
持することができる。従って、色差信号出力の強度は少
なくとも50%以上であれば、実使用上問題はない。
【0028】次に、光学的切り換え手段について説明す
る。図3(A),(B)は、撮像する像中に含まれる空
間周波数成分とカメラコントロールユニットから出力さ
れる色差信号出力の抑圧特性(クロマ応答特性)との関
係、及び空間周波数と光学的ローパスフィルターのレス
ポンスとの関係を表した原理図である。本発明において
も、電気回路に色信号抑圧回路が備えられており、その
ために、空間周波数成分が高周波になるに従い色差信号
は徐々に抑圧されるような特性を有しており、図1
(A)と同様に色差信号出力の抑圧特性は、硬性鏡使用
時で最適な特性となる。しかも、この抑圧特性はファイ
バースコープが選択された場合にも、変更されない。
又、光学的ローパスフィルターは、硬性鏡用の光学的ロ
ーパスフィルターとファイバースコープ用の光学的ロー
パスフィルターとが備えられており、両者はレスポンス
を異にし、後述のようにカットオフ周波数が異なってい
る。両フィルターは像伝送系としてリレーレンズを用い
るかイメージガイドファイバー束を用いるかで、切り換
え制御されるようになっている。
【0029】そして、上述の図1で説明した発明と同様
に、硬性鏡用の光学的ローパスフィルターはカットオフ
周波数が従来のものより高周波側に設定されており、解
像力を向上させることができる。更に、デジタル回路を
用いているため、S/N比が良くてノイズが少なく、し
かもエンハンスを十分効かせることができるため、従来
のものと比較してコントラストが劣ることのない硬性鏡
画像が得られる。
【0030】次に内視鏡をファイバースコープに切り換
えた場合、色信号抑圧回路を内蔵するカメラコントロー
ルユニットを用いているため、イメージガイドファイバ
ー束の射出端面を撮像すると、像中に含まれる周波数に
は、ファイバー束の固定パターンによる強度の強い周波
数スペクトルfFが含まれている。ここで、色信号抑圧
回路による色差信号出力の抑圧特性は硬性鏡用のもので
あり、色差信号出力の強度が90%の空間周波数をfc
-90 とすると、図3(A)に示すように、fF≧fc
-90 となる場合、周波数fFで作成されるアパーチャ信
号の振幅に応ずる色差信号出力強度は、硬性鏡用の光学
的ローパスフィルターを用いていると約90%以下にな
る。そのため、やはり何となく色が抜けて白っぽい画像
になる。本発明では、fF≧fc-90 であっても、ファ
イバースコープ用光学的ローパスフィルターは、カット
オフ周波数fLがfL≦fFであるような特性を有する
ように構成してある。
【0031】よって、ファイバースコープへの切り換え
と共に、硬性鏡用光学的ローパスフィルターをファイバ
ースコープ用光学的ローパスフィルターへ、手早く切り
換えるようにする。これにより、図24(C),(D)
のようなコア25とクラッド26による白黒エッジがぼ
やけるので、周波数スペクトルfFが弱い強度になり、
硬性鏡で得られた像中に含まれる周波数成分とほぼ同様
の扱いができる。 即ち、図3(B)では、fFにおけ
る色差信号出力の強度が90%以下であることが読み取
れるが、図上、像面上でファイバースコープ特有の網目
の周波数であるfFがカットオフ周波数fLとほぼ重な
るために、fFは解像しない。そのため、不必要なアパ
ーチャ信号が作られず、色を消すことなく従来と同程度
の解像を有する画像が得られることになる。
【0032】尚、この場合でも、実使用上問題となる限
界は色差信号出力の強度が約50%まで下がった場合で
あり、色差信号出力は50%以上であればよい。90〜
50%の範囲で特に色消え現象やモアレが気になる場合
には、デフォーカスすることで従来と同程度の画質を保
持できることはいうまでもない。又、例えば図4(B)
で示すように、硬性鏡使用時に既にfF≦fc-90 であ
る場合には、硬性鏡用光学的ローパスフィルターをファ
イバースコープ用光学的ローパスフィルターに切り換え
なくても、画像がモノクロになってしまうわけではない
が、空間周波数fFにおける色再現性をより正確にする
ために、fL≦fFを満たすファイバースコープ用光学
的ローパスフィルターに切り換えて使用するようにして
もよい。
【0033】
【実施例】以下、図示した実施例により本発明を詳細に
説明する。まず、本発明の第一実施例として、電気的切
り換え手段を有する内視鏡テレビシステムを説明する。
図5は第一実施例の要部を示すものであるが、上述の従
来技術と同様な部分は同一の符号を用いてその説明は省
略する。図18及び図19に示すファイバースコープ1
と硬性鏡6は、本図では省略されており、これら内視鏡
は結像レンズ10を内蔵するアダプター9を介してテレ
ビカメラ8に、択一的に光学的接続がなされ得るように
なっている。又、テレビカメラ8内の固体撮像素子12
はカメラコントロールユニット28に接続されている。
このカメラコントロールユニット28は、固体撮像素子
12から出力された電気信号を輝度情報と色情報に分離
させ、輝度情報から作成されたアパーチャ信号を色情報
の出力回路へフィードバックさせることで、撮像する像
中に含まれる周波数によって、色差信号の出力強度が硬
性鏡6とファイバースコープ1の夫々を採用した場合に
夫々最適な強度となるように、クロマゲインコントロー
ラ22による色差信号出力の抑圧特性を変化させること
ができる色信号抑圧回路を含む電気回路を備えている。
【0034】このような、アパーチャ信号補正回路のカ
ラーゲインコントローラ22による色差信号出力の抑圧
特性を変化させる調整は、カメラコントロールユニット
28に電気的に接続されたキーボード29を操作するこ
とによって制御される。尚、キーボード29に代えて、
図6に示すようにテレビカメラ8のヘッドに直接スイッ
チ手段30を取り付けてもよい。この場合、スイッチ手
段30には、ファイバースコープ用の色差信号出力の抑
圧特性への切り換えスイッチ(FM)31と、硬性鏡6
用の色差信号出力の抑圧特性への切り換えスイッチ(R
M)32とが設けられている。或いは、スイッチ手段3
0はフットスイッチ(図5参照)33としてもよい。
尚、各スイッチ31,32はボタン式にして非連続的に
調整できるようにしてもよいし、ダイヤル式のように連
続的に調整できるようにしてもよい。
【0035】又、テレビカメラ8内の固体撮像素子12
の物体側には、後述の第二実施例で説明するような硬性
鏡用の光学的ローパスフィルター44が配設され、硬性
鏡使用時の画質を向上させるようになっている。
【0036】本実施例は上述のように構成されており、
図7(A),(B)に基づいて作用を説明する。図7
(A),(B)は本実施例の電気回路によって調整し得
る、撮像する像中に含まれる空間周波数成分とカメラコ
ントロールユニット28から出力される色差信号出力の
抑圧特性との関係、及び空間周波数成分と硬性鏡用の光
学的ローパスフィルター44のレスポンスとの関係を表
す図である。まず、像伝送系として硬性鏡を用いた場
合、色信号抑圧回路内のクロマゲインコントローラ22
による色差信号出力の抑圧特性は、図7(A)に示すよ
うに調整されている。この場合、図では空間周波数が中
〜高周波のときに色差信号の出力強度は大きくなるが、
同時に光学的ローパスフィルターのレスポンスがこの領
域で非常に小さくなるので、これとの関係で図中の色差
信号強度に関わらず抑圧の度合いが大きくなる。従っ
て、実質的には図1(A)の色差信号の抑圧特性と同一
になり、空間周波数成分が中〜高周波になると抑圧され
る(図1は原理図として現しているので、見かけ上曲線
が異なる)。本発明では、ファイバー束の空間周波数f
F近傍での抑圧特性の制御が重要なのである。これによ
り、部分的なモアレが電気的に除去されるため、光学的
ローパスフィルターのカットオフ周波数を従来より高周
波側に設定することができ、しかもアパーチャ信号強度
は大きくなるので、エッジ強調が働いて見かけのレスポ
ンスを向上させて、解像の良い画像が得られる。
【0037】次に、硬性鏡からファイバースコープに切
り換えた場合、像伝送系としてイメージガイドファイバ
ー束が用いられているため、ファイバー束射出端面のコ
ア25とクラッド26の黒白エッジのコントラストがは
っきりしている。そのため、必然的にアパーチャ信号強
度が大きくなり、色信号抑圧回路での色差信号調整によ
り、内視鏡画像の色が消える現象が起き得るが、例えば
キーボード29を操作して、色差信号の抑圧特性を切り
換え調整し、図7(B)に示すように、イメージガイド
ファイバー束の固定パターンによる周波数スペクトルf
Fにおける色差信号出力の強度を50%以上、本実施例
では90%以上の強度に抑圧する。これによって、ファ
イバースコープ使用時には、テレビモニター14上の内
視鏡画像から色が消える現象を防止して、解像のよい画
像が得られる。
【0038】従って、本実施例によれば、硬性鏡とファ
イバースコープを切り換えて使用する内視鏡テレビシス
テムにおいて、硬性鏡使用時の画像の解像を向上させる
ことができると共に、ファイバースコープ使用時でも従
来と同レベルの解像を有する画像が得られ、内視鏡観察
下で行う外科手術等をより的確且つ迅速に行うことがで
きる。
【0039】次に、本発明の第二実施例として、二種類
の光学的ローパスフィルターを切り換えて使用する内視
鏡テレビシステムについて説明する。図8は本実施例に
よる内視鏡テレビシステムの要部斜視図であり、図示し
ない硬性鏡6が接続されるアダプター9には、硬性鏡用
の光学的ローパスフィルターが内蔵されたカメラヘッド
35が取り付けられ、又同様にファイバースコープ1が
接続される別のアダプター9には、ファイバースコープ
用の光学的ローパスフィルターが内蔵されたカメラヘッ
ド36が取り付けられている。二つのカメラヘッド3
5,36は、色信号抑圧回路を含む電気回路を備えたカ
メラコントロールユニット37に並列に接続されてい
る。
【0040】カメラコントロールユニット37の電気回
路は、各カメラヘッド35,36内の固体撮像素子1
2,12から出力された電気信号を輝度情報と色情報に
分離し、輝度情報から作成されたアパーチャ信号を色信
号抑圧回路を介して色情報にフィードバックすること
で、撮像する像中に含まれる周波数に応じて色差信号の
出力強度を変化させることができるようになっている。
そして、アパーチャ補正回路におけるクロマゲインコン
トローラ22による色差信号出力の抑圧特性は、硬性鏡
6による内視鏡画像の画質を向上させるために、図7
(A)に示す第一実施例の抑圧特性と等しい特性であ
る、図9(A)のような特性が得られるように調整され
ている。
【0041】又、カメラコントロールユニット37に
は、2台のカメラヘッド35,36からのいづれかの信
号を選択できるようなスイッチ手段38が設置されてお
り、硬性鏡6を使用する場合にカメラヘッド35からの
信号を入力させるスイッチ39と、ファイバースコープ
を使用する場合にカメラヘッド36からの信号を入力さ
せるスイッチ40とが設けられている。尚、スイッチ手
段38は、図10に示すようにカメラヘッド35又は3
6に取り付けられていてもよいし、或いは図8に示すよ
うにキーボード42やフットスイッチ43のような外部
入力手段として構成してもよい。
【0042】次に、カメラヘッド35に内蔵された硬性
鏡用の光学的ローパスフィルター44について説明す
る。この光学的ローパスフィルター44は、図11
(A)に示すように、1枚の複屈折板45と光路長を一
定にするためのガラス板46とから構成されている。複
屈折板45は1.51mmの厚さを有し、同図(B)に示され
た結晶軸方向を有している。又、この光学的ローパスフ
ィルター44は、図12に示すようなトラップ特性を有
している。図において、ωx,ωyは夫々二次元空間周
波数を示しており、ωxが水平走査方向に対応してい
る。モアレの位置を示すポイント47は固体撮像素子1
2の水平走査方向の2画素分、垂直方向の4画素分であ
る。即ち、固体撮像素子12の1画素のピッチが横9.6
μm ×縦9.9 μm であるとすると、ポイント47は(ω
x,ωy)=(52.1,25.3)〔本/mm〕である。そし
て、光学的ローパスフィルター44は、図13(A),
(B)のような、水平走査方向及び垂直方向のレスポン
スを有する。
【0043】通常、硬性鏡用の光学的ローパスフィルタ
ーは、カットオフ周波数を固体撮像素子の水平走査方向
のナイキスト周波数52.1〔本/mm〕にあわせるものであ
るが、本実施例では、上述のように光学的ローパスフィ
ルター44として1枚の複屈折板45のみを用い、その
カットオフ周波数を固体撮像素子12の水平走査方向の
ナイキスト周波数52.1〔本/mm〕よりも高周波数側であ
る56.3〔本/mm〕に設定している。本実施例では、カメ
ラコントロールユニット37にモアレ除去用の色信号抑
圧回路が備えられているので、硬性鏡使用時において、
このような構成であっても十分にモアレを除去できる。
そのため、ナイキスト周波数におけるレスポンスが向上
し、従来よりも解像が向上した内視鏡テレビ画像を得る
ことができる。
【0044】次に、カメラヘッド36に内蔵されたファ
イバースコープ用の光学的ローパスフィルター48につ
いて説明する。この光学的ローパスフィルター48は、
本実施例による内視鏡テレビシステムにおいて、固定パ
ターンによる空間周波数fFが、fF≧48〔本/mm〕
となるようなファイバースコープを撮像した場合に、色
消えのない従来のものと同レベルの内視鏡テレビ画像が
得られるようにするためのものである。この光学的ロー
パスフィルター48は、図14(A)に示すように4枚
の複屈折板49a,49b,49c,49dから構成さ
れていて、夫々2.24mm,2.27mm,2mm ,2.46mmの厚さを
有すると共に、夫々同図(B)に示すような結晶軸方向
を持っている。図示された角度は、水平走査方向から測
った値である。又、この光学的ローパスフィルター48
は、図15に示すようなトラップ特性を有している。
【0045】そして、固定パターンによる空間周波数f
Fが、fF≧48〔本/mm〕となるようなファイバース
コープ1を使用したときの光学的ローパスフィルター4
8は、図16(A),(B)のような、水平走査方向及
び垂直方向のレスポンスを持つ。又、同図(C),
(D)は空間周波数ωxに対し、+30°方向及び−3
0°方向のレスポンスを示すものであり、この2つの方
向はモアレのポイント47に近似する領域を通る。色差
信号の抑圧特性は、硬性鏡による撮像の場合の画像の画
質を向上させるために、図9(A)のように調整されて
いるので、この光学的ローパスフィルター48は、この
応答特性に合わせて、色差信号の出力強度が90%とな
る周波数をfc-90 、イメージガイドファイバー束の固
定パターンによる周波数スペクトルをfFとした場合、
光学的ローパスフィルター48によるカットオフ周波数
fLは、fF≧fc-90の時にfL≦fFとなるような
条件を満足するように構成されている。
【0046】本実施例は上述のように構成されているか
ら、内視鏡テレビシステムを用いて撮像する場合、例え
ばカメラコントロールユニット37のスイッチ手段38
で、一方のスイッチ39を0Nして硬性鏡6を選択する
と、硬性鏡6のリレーレンズ7を伝達する物体の像は接
眼レンズ4及び結像レンズ10により、カメラヘッド3
5内の光学的ローパスフィルター44を介して、固体撮
像素子12上に再結像される。そして、この像は電気信
号としてカメラコントロールユニット37に入力され、
カメラコントロールユニット37内の電気回路の色信号
抑圧回路で、モアレが電気的に除去される。しかも、光
学的ローパスフィルター44のカットオフ周波数が固体
撮像素子12の水平走査方向のナイキスト周波数より高
周波側に設定されているから、従来の硬性鏡による内視
鏡画像よりも解像を向上させることができる。
【0047】そして、必要に応じてスイッチ手段38を
切り換え、ファイバースコープによる像がカメラヘッド
36内の固体撮像素子12に結像され、その信号がカメ
ラコントロールユニット37へ入力される。これによ
り、像伝送系の切り換えに応じて光学的ローパスフィル
ターも硬性鏡用のフィルター44からファイバースコー
プ用のフィルター48へ切り換えられたことになる。す
ると、カメラコントロールユニット37内の電気回路に
よる色差信号出力の抑圧特性は、図9(B)において、
同図(A)と同様であるが、この光学的ローパスフィル
ター48は、fF≧fc-90 の時にfL≦fFとなるよ
うな条件を満足するものであるから、周波数スペクトル
fFがナイキスト周波数fL近傍に位置するために、像
面上でファイバースコープ特有の網目の周波数であるf
Fが解像せず、不必要なアパーチャ信号が作られない。
そのため、色を消すことなく従来と同レベルの画像が得
られることになる。
【0048】上述のように本実施例でも、硬性鏡による
画像の解像を向上できると共に、ファイバースコープに
切り換えた場合に、画像の色が消える現象が防止され、
従来程度のレベルの解像を実現できる。
【0049】尚、本実施例では、硬性鏡用の色差信号応
答特性を表す空間周波数として、色差信号出力強度が9
0%となる値fc-90 を採用し、50%となる空間周波
数fcを採用しなかったのは、内視鏡テレビシステムと
して十分に望ましい特性を得るためであり、実使用上
は、fcを色差信号出力強度が50%以上となる空間周
波数で良いことはいうまでもない。又、このようなファ
イバースコープを使用してモアレが発生しても、デフォ
ーカスを用いれば除去可能であり、或いはこのモアレを
除去できるように更に複屈折板の枚数を増やしてもかま
わない。
【0050】尚、このような光学的ローパスフィルター
のローパス特性は、複屈折板に代えて非球面レンズやラ
ンダム位相板等を用いても得られる。又、デフォーカス
を用いてこのようなローパス特性を得るために、アダプ
ター9におけるフォーカスリングの、望ましいローパス
特性が得られる位置にクリック機構を設けるようにして
もよい。更に、結像レンズにズームレンズを用いると像
面上のファイバーの周波数スペクトルfFが変化する
が、液晶等を用いてローパス特性を空間周波数fFに一
致させるように調整したり、ズームレンズの前にローパ
スフィルターを配置して、ローパス特性を空間周波数f
Fになるように変化させてもよい。
【0051】又、本第二実施例では、2台のカメラヘッ
ドを切り換えるようにしたが、カメラヘッドは3台以上
であってもよい。或いは図17で示すように、カメラコ
ントロールユニット37に1つの入力端子を設け、複数
のカメラヘッドの各出力端子を挿脱して切り換えるよう
にしてもよい。
【0052】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る内視鏡テレ
ビシステムは、色差信号出力の抑圧特性を選択できる電
気回路又は選択可能な複数の光学的ローパスフィルター
を配設するようにしたから、硬性鏡使用時における画像
の解像を向上させることができると共に、ファイバース
コープ使用時には従来と同程度の解像を保持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気的切り換え手段を有する本発明による内視
鏡テレビシステムにおいて、fF≧fc-90 の場合の、
像中の空間周波数成分と色差信号出力の抑圧特性との関
係及び空間周波数成分と光学的ローパスフィルターのレ
スポンスとの関係を示す原理図であり、(A)は硬性鏡
使用時、(B)はファイバースコープ使用時のものであ
る。
【図2】fF<fc-90 の場合の、図1と同様な図であ
る。
【図3】光学的切り換え手段を有する本発明による内視
鏡テレビシステムにおいて、図1と同様な図である。
【図4】図3の内視鏡テレビシステムにおいて、図2と
同様な図である。
【図5】本発明の第一実施例の要部外観斜視図である。
【図6】カメラヘッドにスイッチ手段を取り付けた図5
の変形例である。
【図7】第一実施例について、像中の空間周波数成分と
色差信号出力の抑圧特性との関係及び空間周波数成分と
光学的ローパスフィルターのレスポンスとの関係を示す
図であり、(A)は硬性鏡使用時、(B)はファイバー
スコープ使用時のものである。
【図8】本発明の第二実施例の要部外観斜視図である。
【図9】第二実施例について、図7と同様な図である。
【図10】カメラヘッドにスイッチ手段を取り付けた図
8の変形例である。
【図11】硬性鏡用の光学的ローパスフィルターを示す
ものであって、(A)は略平面図、(B)は複屈折板の
結晶軸方向を示す図である。
【図12】図11の光学的ローパスフィルターのトラッ
プ特性を二次元周波数平面で示す図である。
【図13】図11の光学的ローパスフィルターのレスポ
ンスを示す図であって、(A)は水平走査方向、(B)
は垂直方向を夫々示す図である。
【図14】ファイバースコープ用の光学的ローパスフィ
ルターを示すものであって、(A)は略平面図、(B)
は各々の複屈折板の結晶軸方向を示す図である。
【図15】図14の光学的ローパスフィルターのトラッ
プ特性を二次元周波数平面で示す図である。
【図16】図14の光学的ローパスフィルターのレスポ
ンスを示す図であって、(A)は水平走査方向、(B)
は垂直方向、(C)は空間周波数ωxに対し+30°の
方向、(D)は同じく−30°の方向を夫々示す図であ
る。
【図17】光学的ローパスフィルターの切り換え手段の
変形例を示す要部斜視図である。
【図18】従来の内視鏡テレビシステムの構成図であ
る。
【図19】従来の内視鏡テレビシステムの他の構成図で
ある。
【図20】従来のテレビ信号作成回路のブロック図であ
る。
【図21】図20のブロック図にデジタル回路と色信号
抑圧回路が付加されたテレビ信号作成回路のブロック図
である。
【図22】アパーチャ信号作成のための説明図であり、
(A)は輝度信号、(B)はアパーチャ信号、(C)は
(A)と(B)の信号を重ねたアパーチャ信号である。
【図23】空間周波数における見かけのレスポンスを示
す図であり、(A)はアパーチャ信号が重なる前、
(B)はアパーチャ信号が重なった状態を夫々示す。
【図24】(A),(B)は夫々イメージガイドファイ
バー束の射出端面の固定パターンを示すものであり、
(C),(D)は夫々(A),(B)のファイバーにつ
いて明暗の差が激しい固定パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 ファイバースコープ 6 硬性鏡 10 結像レンズ 12 固体撮像素子 14 テレビモニター 28,37 カメラコントロールユニット 44 硬性鏡用光学的ローパスフィルター 48 ファイバースコープ用光学的ローパスフィ
ルター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】通常、硬性鏡用の光学的ローパスフィルタ
ーは、カットオフ周波数を固体撮像素子の水平走査方向
のナイキスト周波数52.1〔本/mm〕にあわせるものであ
るが、本実施例では、上述のように光学的ローパスフィ
ルター44として1枚の複屈折板45のみを用い、その
カットオフ周波数を固体撮像素子12の水平走査方向の
ナイキスト周波数52.1〔本/mm〕よりも高周波数側であ
る56.3〔本/mm〕に設定している。本実施例では、カメ
ラコントロールユニット37にモアレ除去用の色信号抑
圧回路が備えられているので、硬性鏡使用時において、
このような構成であっても十分にモアレを除去できる。
そのため、ナイキスト周波数におけるレスポンスが向上
し、従来よりもコントラストが向上した内視鏡テレビ画
像を得ることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】本実施例は上述のように構成されているか
ら、内視鏡テレビシステムを用いて撮像する場合、例え
ばカメラコントロールユニット37のスイッチ手段38
で、一方のスイッチ39を0Nして硬性鏡6を選択する
と、硬性鏡6のリレーレンズ7を伝達する物体の像は接
眼レンズ4及び結像レンズ10により、カメラヘッド3
5内の光学的ローパスフィルター44を介して、固体撮
像素子12上に再結像される。そして、この像は電気信
号としてカメラコントロールユニット37に入力され、
カメラコントロールユニット37内の電気回路の色信号
抑圧回路で、モアレが電気的に除去される。しかも、光
学的ローパスフィルター44のカットオフ周波数が固体
撮像素子12の水平走査方向のナイキスト周波数より高
周波側に設定されているから、従来の硬性鏡による内視
鏡画像よりもコントラストを向上させることができる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内視鏡の像伝送系としてイメージガイドフ
    ァイバー束又はリレーレンズを選択して用い、得られた
    像を結像レンズによって光学的ローパスフィルターを介
    して固体撮像素子上に再結像せしめ、該固体撮像素子か
    ら出力された電気信号をカメラコントロールユニットで
    テレビ信号に変換して、出力されたテレビ信号を内視鏡
    画像としてテレビモニターに映し出すようにした内視鏡
    テレビシステムにおいて、 前記カメラコントロールユニットには、前記像伝送系に
    応じて色差信号出力の抑圧特性が制御され且つ前記イメ
    ージガイドファイバー束の像の固定パターンによる周波
    数スペクトル及び強度に応じて前記抑圧特性が設定され
    ている電気回路が備えられていると共に、選択された前
    記像伝送系に応じて前記色差信号出力の抑圧特性を切り
    換える手段を有することを特徴とする内視鏡テレビシス
    テム。
  2. 【請求項2】像伝送系としてリレーレンズを使用した場
    合、前記抑圧特性による色差信号出力の強度が50%で
    あるときの空間周波数をfcとし、像伝送系としてイメ
    ージガイドファイバー束を使用した場合、前記抑圧特性
    による色差信号出力の強度が50%であるときの空間周
    波数をfc′とし、又イメージガイドファイバー束の像
    の固定パターンによる周波数スペクトルをfFとする
    と、 fc<fc′であり、 且つfF≧fcの時にfc′≧fF 成る条件を満たすように前記色差信号出力の抑圧特性が
    調整されていることを特徴とする、請求項1に記載の内
    視鏡テレビシステム。
  3. 【請求項3】内視鏡の像伝送系としてイメージガイドフ
    ァイバー束又はリレーレンズを選択して用い、得られた
    像を結像レンズによって光学的ローパスフィルターを介
    して固体撮像素子上に再結像せしめ、該固体撮像素子か
    ら出力された電気信号をカメラコントロールユニットで
    テレビ信号に変換して、出力されたテレビ信号を内視鏡
    画像としてテレビモニターに映し出すようにした内視鏡
    テレビシステムにおいて、 前記カメラコントロールユニットには、色差信号出力の
    抑圧特性を制御する電気回路が含まれていると共に、 前記光学的ローパスフィルターは、カットオフ周波数の
    異なる硬性鏡用の光学的ローパスフィルターとファイバ
    ースコープ用の光学的ローパスフィルターから成ってい
    て、前記像伝送系に応じて前記光学的ローパスフィルタ
    ーを切り換えて使用するようにしたことを特徴とする内
    視鏡テレビシステム。
  4. 【請求項4】前記抑圧特性による色差信号出力の強度が
    50%であるときの空間周波数をfcとし、イメージガ
    イドファイバー束の像の固定パターンによる周波数スペ
    クトルをfFとし、ファイバースコープ用の前記光学的
    ローパスフィルターによるカットオフ周波数をfLとす
    ると、 fF≧fcの時にfL≦fF 成る条件を満たすようにしたことを特徴とする、請求項
    3に記載の内視鏡テレビシステム。
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JP2002291691A (ja) * 2001-04-02 2002-10-08 Olympus Optical Co Ltd 電子内視鏡装置
JP2014504179A (ja) * 2010-11-29 2014-02-20 クンツ,ライナー トロカールシステム
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