JPH05103598A - 水生生物用飼料及び水生生物の体色黒変抑制方法 - Google Patents

水生生物用飼料及び水生生物の体色黒変抑制方法

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JPH05103598A
JPH05103598A JP3292243A JP29224391A JPH05103598A JP H05103598 A JPH05103598 A JP H05103598A JP 3292243 A JP3292243 A JP 3292243A JP 29224391 A JP29224391 A JP 29224391A JP H05103598 A JPH05103598 A JP H05103598A
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feed
hinokitiol
fish
aquatic organism
sunburn
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Yukio Yanagimoto
行雄 柳本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】魚等の水生生物、特に養殖されるものにおい
て、その体表の日焼けを軽減する。 【構成】魚等の飼料にヒノキチオールを配合することに
より、魚の体表の色を、即ちメラニンの生成を抑制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、魚介類や海豚その他
の海獣等の水生生物用飼料及び水生生物の変色方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】魚類特に食用で高級魚とされる鯛等の魚
は、味もさることながら、その外観によっても商品価値
が左右されるものである。近年この鯛のような魚は、需
要の大きさから養殖が盛んに行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、天然の鯛の
場合、紫外線が当たらない遠海の深みに生息するもので
あるが、養殖の鯛の場合、近海の浅い場所において、飼
養される。このため、体表が、太陽光の紫外線によって
日焼けし、黒ずんでしまい、上述の商品価値が著しく低
下するものであった。体表の美しい鯛を望むものであれ
ば、現状では高価な天然の鯛を購入する以外になく、こ
のような鯛の需要に対して、その稀少量から供給量も制
限された。本願発明は、上記課題の解決を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、本願発明者は、魚等の養殖のための飼料に着目し、
この飼料に魚の体表の脱色効果を持たせるに到った。本
願第1の発明の水生生物用飼料は、ヒノキチオールが含
有されてなることを特徴とする。又本願第2の発明の水
生生物の変色方法は、ヒノキチオールを飼料に含有させ
て、飼養動物に与えることを特徴とする。
【0005】
【作用】ヒノキチオールは、魚類等の水生生物に投与さ
れることにより、メラニンの生成を抑制して、その体表
の色の黒ずみを押さえることが可能であることが、本願
発明者により発見された。詳述すると鯛の場合、通常養
殖によって体表が黒みがかるところが、ピンク系の赤色
を呈し、天然の鯛と同様の体色を維持するのである。こ
れは、蛋白質中の銅とヒノキチオールが、反応してチロ
シナーゼ(酵素)活性を押さえ、メラニンの生成を抑制
するからである(これは、ヒノキチオールが銅とキレー
ト生成することにより酵素を捕まえるからであると考え
られる)。又ヒノキチオールは、抗菌作用を有し、鯛の
場合ビブリオ菌の増殖が抑制される。更にヒキチオール
として一般に使用されるものは、天然物であるため、魚
を食べることによって人体内に入っても、安全である。
【0006】ヒノキチオールは、4−イソプロピルトロ
ポロンにあたり、β−ツヤプリシン(thujapri
cin)とも呼ばれる。その分子式は、C10122
表される。その構造式は、化1に示す通りである。
【0007】
【化1】
【0008】ヒノキチオールは、台湾ヒノキの精油から
単離・命名され、七員環の化学構造を持つものである。
ヒノキチオールは、カナダのレッドシーダ等ヒノキ科の
植物から採取できる。このヒノキチオールの最も高いも
のが、青森ヒバ(ヒノキアスナロ)である。ヒノキチオ
ールの性状を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】ヒノキチオールの結晶の外観は、一般に白
色及び淡黄色結晶とされるが、精製直後のものや密封し
て光遮断して保存しているものは、白色透明である。利
用の上で重要となる溶解性について述べる。有機溶媒に
は、比較的種類を問わず溶けるが、その中でもエタノー
ル等のアルコールには良く溶ける。水には、1リットル
当たり約0.2g程度しか溶けないが、酸やアルカリ、
そして塩化ナトリウム等の水溶液を用いると溶解度は向
上する。ヒノキチオールは、ヒバ油等の天然のもの、合
成したものの何れでも使用可能である。尚ヒバ油を用い
る場合、木の芯から抽出される。又ヒバ油からヒノキチ
オールを抽出せず、ヒバ抽自身を直接用いるものであっ
ても実施可能である。
【0011】一般に養殖魚用の飼料としては、主として
天然物(魚粉、魚油、大豆等の穀類等)からなる生餌
と、各種ビタミンやカルシウム等の飼料添加物と、天然
物に飼料添加物を加えた混合飼料とに分類されるが、本
願第1の発明の水生生物用飼料は、飼料中に、ヒノキチ
オールを配合することを要旨とするもので、上記の飼料
に適宜量配合して供給し得る。この水生生物用飼料の形
態は、固体の他、流動性のあるものとして供給すること
も可能である。上記飼料添加物として、ビタミンA、ビ
タミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB16、ビタミン
E、ビタミンK、カルシウム、リン酸カルシウム、イノ
シトール等が通常使用される。ここで言う飼料とは、上
記の、配合飼料、混合飼料及び飼料添加物のいずれをも
含むものである。配合飼料の場合、生餌と、添加物・混
合飼料との配合比率は約5:5である。これらの餌は、
モイストペレット製造機(押し出し機)により、圧力を
かけて押し出される。そして、適量づつにカットされる
のである。尚上記モイストペレット製造機は、冷凍魚
(ミンチ)と配合飼料を練り合わせたものを押し出す装
置である。通常生餌の場合、上記装置によって現場で飼
料が作られ、すぐに給餌される。又このようにすぐ給餌
されない場合、飼料は、冷凍して4〜5日間の間に使用
されるものである。通常魚の飼料の摂取率は、ミンチの
場合は約3割であり、生餌の場合は約7割である。モイ
スト(練り餌)の場合は、8割強が摂取される。尚ヒノ
キチオールの飼料への混入が困難である場合は、約25
気圧の加圧によってヒノキチオールを水溶させることが
出来る。これは、コンプレッサによって徐々に加圧を繰
り返すことによって実施が可能である。
【0012】ヒノキチオールの飼料への添加による黒色
抑制の効果は、1回に給餌飼料への含有率が高い程効果
が表れるのが早く、又効果はより顕著である。逆に、ヒ
ノキチオールを含有した飼料の給餌回数を増やすのであ
れば、1回の飼料の含有率を減らしても同様の黒色抑制
の効果が得られる。ヒノキチオールの飼料への添加が、
例えば15回の給餌に対してなされる場合給餌の開始か
ら、この15回間継続して、ヒノキチオールを飼料へ投
与する。この間にヒノキチオールの投与を1週間中断す
ると、魚に日焼けが生じるので注意を要する。上記15
回給餌後出荷に至る5日間は、鯛等の対象魚に対して、
飼料を与えない。このように飼料を与えない期間を設け
るのは、出荷前に餌を与えた場合、車で運搬している間
に魚が車酔いを起こし、餌を吐いて死ぬからである。又
この他魚の身を締める(引き締める)ためにも、このよ
うな餌を与えない期間を設けるのが好ましいのである。
このように給餌を行わない間は、当然ヒノキチオールも
魚に与えられないこととなるが、ヒノキチオールの中断
期間が1週間以内であれば、日焼けが再発することはな
い。但し最も好ましくは、ヒノキチオール(給餌)の中
断期間は、3日以内である。従って状況が許せぱ、上記
の給餌中止の5日を3日程度としても日焼けに関して、
確実にその再発を防止することが可能である。
【0013】既述のモイストペレット製造機によって作
った飼料の場合において、飼料中約約0.005〜0.
2%(重量)の比率でヒノキチオールが含まれるのが適
当であり、特に約0.01%の含有率が最適値である。
例えば、15回間給餌とした場合、鯛約5000kgに
対して、1回その重量の2%即ち100kgの餌が与え
られる。この供給される餌100kg中約10g前後の
ヒノキチオール、即ち鯛約5000kgの場合1回の給
仕に際して5〜20gのヒノキチオールが投与される。
【0014】以下、本願発明の実施例を説明する。
【0015】
【実施例1】既述のモイストペレット製造機によって製
造した飼料を用いる真鯛の養殖において、ヒノキチオー
ルの飼料への添加を15回の給餌に対して行った。給餌
の開始から、この15回間継続して、ヒノキチオールを
飼料へ投与した。この実施例において、鯛約5000k
gに対して、1回に供給される餌100kg中10gヒ
ノキチオールを含有させた。その結果、ヒノキチオール
を含有しない従来の飼料で養殖を行った鯛に比べ、体色
は、天然のものに近いピンク系の赤色のものが得られ
た。特に体側、背から背びれにかけて、顕著に日焼けが
押さえられていた。
【0016】
【実施例2】既述のモイストペレット製造機によって製
造した飼料を用いる真鯛の養殖において、ヒノキチオー
ルの飼料への添加を60回の給餌に対して行った。給餌
の開始から、この60回間継続して、ヒノキチオールを
飼料へ投与した。この実施例において、1回のヒノキチ
オールを実施例1の1/3に薄め、鯛約5000kgに
対して、1回に供給される餌100kg中約3.3gヒ
ノキチオールを含有させた。その結果、この場合もヒノ
キチオールを含有しない従来の飼料で養殖を行った鯛に
比べて、体色は、天然のものに近いピンク系の赤色のも
のが得られた。特に体側、背から背びれにかけて、顕著
に日焼けが押さえられていた。
【0017】
【発明の効果】本願第1の発明の実施によって、ヒノキ
チオールの効果により、魚等の水生生物の体表の色を天
然のものと同様にすることが可能となった。又本願第2
の発明の実施によって、天然の魚類に劣らない商品価値
の高い水生生物が飼養可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキチオールが含有されてなることを
    特徴とする水生生物用飼料。
  2. 【請求項2】 ヒノキチオールを飼料に含有させ、飼養
    動物に与えることを特徴とする水生生物の体色黒変抑制
    方法。
JP3292243A 1991-10-11 1991-10-11 水生生物用飼料及び水生生物の体色黒変抑制方法 Pending JPH05103598A (ja)

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