JP3314307B2 - 魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料 - Google Patents

魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料

Info

Publication number
JP3314307B2
JP3314307B2 JP10518592A JP10518592A JP3314307B2 JP 3314307 B2 JP3314307 B2 JP 3314307B2 JP 10518592 A JP10518592 A JP 10518592A JP 10518592 A JP10518592 A JP 10518592A JP 3314307 B2 JP3314307 B2 JP 3314307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ascorbic acid
feed
glucoside
fish
fish culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10518592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05115249A (ja
Inventor
正和 三橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK filed Critical Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Priority to JP10518592A priority Critical patent/JP3314307B2/ja
Publication of JPH05115249A publication Critical patent/JPH05115249A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3314307B2 publication Critical patent/JP3314307B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニジマス、ナマズ、ギ
ンザケ、ハマチ、イシダイなどの魚類やクルマエビ、ウ
シエビ、テナガエビ、ガザミなどの甲殻類など魚介類養
殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術および解決すべき課題】最近、魚類の増養
殖が盛んになるにつれて多くの研究者によって養殖魚の
ビタミン要求に関する研究が行われるようになった。そ
の結果L−アスコルビン酸(ビタミンC)の欠乏した飼
料を投与したニジマス、ナマズ、ギンザケ、ハマチ、イ
シダイなどに脊椎前弯、脊椎側弯、脊椎骨の骨折や脱臼
などの症状が観察され、また、ウナギでは、鰭や顎部の
出血および鰓蓋の損傷が認められることが知られてい
る。
【0003】これらのL−アスコルビン酸欠乏魚に見ら
れる症状の共通点は、結合組織の不全である。このため
養魚用飼料には、例えば、特公昭48−2195公報、
特公昭63−12573公報などに示されるようにL−
アスコルビン酸を含むビタミンが添加され給餌されてい
る。
【0004】しかし、L−アスコルビン酸は水溶性ビタ
ミン類の中でも特に不安定であり、魚粉やミネラル等を
飼料中に添加した場合、分解によるL−アスコルビン酸
の力価の低下は大きな問題である。
【0005】その要求量も種々検討されているが、10
〜20mg/kg飼料が最低必要量とされている。
【0006】一方、クルマエビ、ウシエビ、テナガエ
ビ、ガザミなどの甲殻類の養殖も近年盛んに行われてい
る。甲殻類のL−アスコルビン酸要求量も検討され、た
とえば、クルマエビの稚エビではL−アスコルビン酸と
して300〜1000mg/100g飼料とされてい
る。
【0007】また、甲殻類にはL−アスコルビン酸の合
成能がなく、飼料として添加する必要があるといわれて
いる。したがって、近年L−アスコルビン酸入りの甲殻
類養殖用飼料が市販されている。
【0008】ところが、この飼料は、ペレット造粒時に
100℃以上の高熱をかけるため、飼料に添加されてい
るL−アスコルビン酸がかなり分解されてしまう。
【0009】また、エビ類は摂餌時、飼料をかかえてか
じるという習性があるため時間がかかり、L−アスコル
ビン酸の飼料よりの溶出が大きく、口の中に入るのは、
飼料製造中および保存中の破壊も含めて、投与量の1/
10という例もある。
【0010】さらに、クルマエビなどの甲殼類を、L−
アスコルビン酸の欠乏した飼料で飼育すると生残率が急
激に低下してしまうとう報告もある。
【0011】そこで、市販の飼料では、ペレット造粒前
に、多量のL−アスコルビン酸を増し仕込みしている
が、L−アスコルビン酸は熱のみならず、魚粉や飼料中
の銅などの金属によっても分解されやすく、添加量の7
0〜80%以上も飼料製造時に分解され、また飼料保存
時の安定性が悪いという問題点がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記L−ア
スコルビン酸の問題点を解決すべく、安定でかつL−ア
スコルビン酸の活性を有する魚介類養殖飼料用添加剤の
研究を重ねた結果、EP 0398484 A2で開示
されている2−O−α−D−グルコピラノシル−L−ア
スコルビン酸(本物質を、本明細書では、L−アスコル
ビン酸−2−グルコシドと呼ぶ。)を用いることによ
り、魚介類養殖用飼料中に添加したL−アスコルビン酸
の力価が安定に保たれ、また、L−アスコルビン酸−2
−グルコシドを添加した飼料で魚介類を飼育したとこ
ろ、L−アスコルビン酸としての生理活性も充分発揮さ
れる事を発見し、本発明を完成したものである。
【0013】すなわち、本発明は、有効成分としてL−
アスコルビン酸−2−グルコシドを含有することを特徴
とする魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚
介類養殖飼料に関する。
【0014】ここで魚介類とは、淡水魚、海水魚のみな
らず、甲殻類も含め、広く養殖の対象とされる魚類、甲
殻類を含む。例えば、魚類としては、ニジマス、ヒメマ
ス、ナマズ、アメリカナマズ、アユ、ヤマメ、イワナ、
ウナギ、ティラピア、コイ、ハマチ、マダイ、イシダ
イ、ヒラメ、ギンザケ、サクラマス、キングサーモン、
アトランティック・サーモンなど、また、甲殻類として
は、クルマエビ、コウライエビ、ウシエビ、テナガエ
ビ、ガザミ、ヨシエビ、クマエビ、ストーンクラブなど
があげられる。
【0015】本発明で言うL−アスコルビン酸−2−グ
ルコシドは、EP 0398484A2で開示されてい
るように、例えば、L−アスコルビン酸とシクロデキス
トリン、マルトテトラオース、マルトペンタオース、デ
キストリン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲ
などを主原料とし、これにバチルス属微生物由来の酵
素CGTase(シクロマルトデキストリングルカノト
ランスフェラーゼ)、イネ種子α−グルコシダーゼ等を
作用させて糖転移反応により合成される、L−アスコル
ビン酸の2の位置にα−D−グルコースが結合した構造
を有する下記の化1で表されるL−アスコルビン酸の誘
導体である。
【0016】
【化1】
【0017】このようにして製造されるL−アスコルビ
ン酸−2−グルコシドは、L−アスコルビン酸とは違っ
て、極めて安定な物質であり、メイラード反応も起こし
にくい。また、L−アスコルビン酸−2−グルコシド
は、生体内のα−グルコシダーゼによって、L−アスコ
ルビン酸とD−グルコースとに容易に分解され、L−ア
スコルビン酸本来の生理活性を発揮する。
【0018】本発明の添加剤は、L−アスコルビン酸−
2−グルコシドをそのまま魚介類養殖飼料に配合添加す
ればよい。必要ならば、例えば、L−アスコルビン酸−
2−グルコシドを、予め、糖質、蛋白質、ビタミン類、
ミネラル類などの一種又は二種以上の飼料材料と混合
し、その後、これに残りの飼料材料を配合して飼料とす
るか、または、L−アスコルビン酸−2−グルコシド
を、予め、これら飼料材料の一種または二種以上と混合
し、造粒化し、その後、これに残りの飼料材料を造粒化
したものを配合して飼料にすることもできる。
【0019】この際、穀粉、魚肉ペーストなどの飼料材
料に含まれるα−グルコシダーゼの作用によって、L−
アスコルビン酸−2−グルコシドが不都合な分解を受
け、不安定なL−アスコルビン酸に変換され易いので、
これら飼料材料などを、予め、加熱するなどしてα−グ
ルコシダーゼを失活させて使用するか、または、L−ア
スコルビン酸−2−グルコシドを添加する飼料材料とα
−グルコシダーゼを含有する飼料材料とを別々に造粒化
した後、配合して使用するなどの方法を採用して、飼料
製造時、その後の保存中にL−アスコルビン酸−2−グ
ルコシドの無用な分解を避けるのが望ましい。
【0020】本発明の添加剤は、常法に従って各種飼料
に配合することができる。
【0021】本発明の添加剤を配合すべき飼料として
は、例えば、魚類用としては市販品も含む混合飼料が望
ましく、例えば、魚粉、肉粉、脱脂大豆、小麦グルテン
などのタンパク質原料、小麦粉、澱粉、トウモロコシ粉
などの炭水化物原料、大豆油、タラ肝油、イカ肝油など
の油脂類、チアミン硝酸塩、チアミン塩酸塩、リボフラ
ビン、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド、パント
テン酸カルシウム、葉酸などのビタミン類、KHPO
、乳酸カルシウムなどのミネラル類、その他抗酸化
剤、着色剤、着香料、酵素、乳化剤、粘結剤などから選
ばれる素材を適宜配合したものであって、その1例とし
ては、株式会社ヒガシマル製のヒラメ用配合飼料、日清
飼料株式会社製のアジクランブルなどが挙げられる。
【0022】甲殻類用としては、市販品も含む混合飼料
が望ましく、例えば、魚粉、肉粉、イカミール、オキア
ミミール、カゼイン、アルブミン、脱脂大豆、小麦グル
テンなどのタンパク質原料、小麦粉、澱粉、トウモロコ
シ粉などの炭水化物原料、大豆油、タラ肝油、イカ肝油
などの油脂類、チアミン硝酸塩、チアミン塩酸塩、リボ
フラビン、ピリドキシン塩酸塩、ニコチン酸アミド、パ
ントテン酸カルシウム、葉酸などのビタミン類、KH
PO、乳酸カルシウム、MgSOなどのミネラル
類、その他抗酸化剤、着色剤、着香料、酵素、乳化剤、
粘結剤などから選ばれる素材を適宜配合したものであっ
て、その1例としては、株式会社ヒガシマル製の車エビ
用配合飼料などが挙げられる。
【0023】以上は、2〜3の例であって、これら飼料
だけに限定されるものでなく、より幅広い魚介類養殖用
飼料に適用することができる。
【0024】通常、本発明の添加剤を配合した飼料はよ
く混合し、そのまま用いてもよく、また、常法に従い、
例えば、エクストルーダーなどの造粒機で造粒し、さら
に必要により加熱・乾燥を施し、適当な形態に成形した
後、養殖魚介類に施用してもよい。とりわけ、造粒飼料
は、保存安定性に優れ、取り扱い、給飼作業などが容易
である。また、造粒飼料は、原材料の種類、造粒化の工
程などを変化させることによって水面に浮くもの、水底
に沈まないものなどにして、環境汚染を防止することも
できる。
【0025】本発明のL−アスコルビン酸−2−グルコ
シドの添加量は、配合する飼料の種類や対象とする魚介
類の種類にもよるが、通常、飼料1kg当り2mg以上
50gまで、好ましくは、生理的効果および経済効率の
面から10mg〜40g、さらに好ましくは100mg
〜20g程度である。
【0026】
【発明の効果】本発明の魚介類養殖飼料用添加剤とそれ
を配合せしめた魚介類養殖飼料は、1)L−アスコルビ
ン酸の2位にグルコースが結合しているため、空気酸
化、水溶液中、鉄・銅イオンの存在下においても極めて
安定である。2)直接還元性を持たないが、魚介類に摂
取されると生体に存在するα−グルコシダーゼによって
L−アスコルビン酸とグルコースとに分解され、L−ア
スコルビン酸の場合と同様の生理作用を発揮する。3)
L−アスコルビン酸の場合に比べ、耐熱性、耐光性も大
幅に向上している。などの特長を有するので、飼料製造
中および保存中におけるL−アスコルビン酸力価の損失
が極めて少なく、かつ、魚介類が摂取した後、生体内で
その生理作用も充分に発揮され得るというすぐれた効果
を奏する。
【0027】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0028】
【実施例1】表1に示すエビ用基本飼料をL−アスコル
ビン酸欠乏飼料とし、この基本飼料1kgに対し、L−
アスコルビン酸5g、本発明であるL−アスコルビン酸
−2−グルコシド9.6g(L−アスコルビン酸として
5g)、L−アスコルビン酸カルシウム6.2g(L−
アスコルビン酸として5g)をそれぞれ添加して粉砕
し、混合後水分含量35%となるよう調湿し、これを押
し出し造粒機で造粒し、表2に示した条件で加熱乾燥
後、L−アスコルビン酸類の残存率を測定した。
【0029】またその飼料を室温および40℃相対湿度
(以下RHと称する)75%で保存し、L−アスコルビ
ン酸類の経時変化を測定した。
【0030】なおL−アスコルビン酸類の残存率は高速
液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略す)を用
い、保存開始時及び測定時の含量を測定し、測定時の含
量の保存開始時の含量に対する百分率として表した。以
下L−アスコルビン酸類の残存率は同様にして求めた。
【0031】
【表1】
【0032】その測定結果を表2に示したが、本発明添
加剤を配合した区はL−アスコルビン酸、L−アスコル
ビン酸カルシウム配合区よりも加熱に対して安定であ
り、その後の経時変化も安定である事が認められた。
【0033】
【表2】
【0034】
【実施例2】実施例1と同じ組成で試作した各粒状飼料
をオーブンで40℃、7時間乾燥後オートクレーブ加熱
処理(110℃3分)し、乾燥した飼料を用いて25
海水に1、3、6時間浸漬し、L−アスコルビン酸
類の残存率を測定した。その結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】本発明添加剤を配合した区はL−アスコル
ビン酸配合区、L−アスコルビン酸カルシウム配合区に
比べて明らかに海水浸漬後も多く残存していることが認
められ、クルマエビの様に摂餌に長時間を要す場合にも
有利である事が確認された。
【0037】
【実施例3】表4に示すミネラル配合飼料用ビタミンプ
レミックス2g(A群1g+B群1g)と本発明添加剤
であるL−アスコルビン酸−2−グルコシドおよびL−
アスコルビン酸、ならびにL−アスコルビン酸カルシウ
ムをL−アスコルビン酸として夫々50mg混合し、4
0℃RH 75%で2週間保存し、そのL−アスコルビ
ン酸類の残存率(%)をHPLCで測定した。その測定
結果を表5に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】上表から本発明添加剤は、ビタミンミネラ
ルミックス中でもL−アスコルビン酸およびL−アスコ
ルビン酸カルシウムに比して、非常に安定である事が認
められた。
【0041】
【実施例4】表6に示すブリ稚魚(モジャコ)用基本飼
料をL−アスコルビン酸欠乏飼料とし、この基本飼料1
kgに対し、L−アスコルビン酸カルシウム124mg
(L−アスコルビン酸として100mg)、またはL−
アスコルビン酸−2−グルコシド192mg(L−アス
コルビン酸として100mg)を配合して試験区飼料と
した。飼料は毎回投与直前に調製した。
【0042】
【表6】
【0043】ブリ稚魚225尾ずつ、L−アスコルビン
酸を添加していない対照区を入れて合計3試験区にわ
け、4週間飼育した(給餌率3.5%、給餌2回/
日)
【0044】経時的に各区ブリ稚魚の平均体重を調査し
た。また、各区の生残率、増体重率を測定し、その結果
を表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】この結果、生残率、増体重率ともL−アス
コルビン酸無添加区は飼育期間28日において他の3区
とは明らかに劣ると言う結果であった。
【0047】なお本発明のL−アスコルビン酸−2−グ
ルコシド配合区はL−アスコルビン酸カルシウム配合区
とほぼ同様の生残率、増体重率を示し、L−アスコルビ
ン酸−2−グルコシドはブリ稚魚において充分L−アス
コルビン酸としての生理活性効果が発揮される事が確認
された。
【0048】
【実施例5】表8に示すニジマス用基本飼料をL−アス
コルビン酸欠乏飼料とし、この基本飼料1kgに水を8
w/w%になるように添加し、これにL−アスコルビン
酸カルシウム300mg(L−アスコルビン酸として2
42mg)、またはL−アスコルビン酸−2−グルコシ
ド300mg(L−アスコルビン酸として156mg)
を均一に配合し、造粒化し、60乃至70℃で約20分
間乾燥して試験用飼料とした。
【0049】ギンザケ稚魚(体重10乃至20g)約6
0尾をL−アスコルビン酸無添加飼料により2週間予備
飼育し、その後2区に分けて、一方にL−アスコルビン
酸カルシウム配合飼料を、他方にL−アスコルビン酸−
2−グルコシド配合飼料を与えて、更に2週間飼育し、
ギンザケの採取部位、肝臓および血液中のL−アスコル
ビン酸含量をHPLCにて測定した。
【0050】結果は、表9に示す。
【0051】表9の結果から明らかなように、ギンザケ
中のL−アスコルビン酸含量は、L−アスコルビン酸カ
ルシウム配合区、L−アスコルビン酸−2−グルコシド
配合区のいずれの場合も、肝臓、血液それぞれについて
同様の値を示した。
【0052】L−アスコルビン酸−2−グルコシド配合
区の場合、L−アスコルビン酸として、L−アスコルビ
ン酸カルシウム配合区の場合の約1/2量しか配合され
ていないにもかかわらず同様の結果を示したことは、L
−アスコルビン酸カルシウムと比較して、L−アスコル
ビン酸−2−グルコシドが飼料製造時は勿論のこと、そ
の後ギンザケが摂取するまでの間の安定性が優れている
こと、更には摂取後、体内でL−アスコルビン酸に容易
に変換され、L−アスコルビン酸としての本来の生理効
果を充分に発揮していることが理解できる。
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【実施例6】平均430gの養殖タイを約2週間、L−
アスコルビン酸配合していない表10の組成の配合飼
料を投餌してから、L−アスコルビン酸カルシウム、L
−アスコルビン酸−2−グルコシドをL−アスコルビン
酸として20mg/g強制投与して利用性を調べた
(水温28.0〜28.5℃)。
【0056】各L−アスコルビン酸類は乳糖で10倍散
にして、それの8.6gと飼料(魚粉70%、小麦粉2
0%、アルファ・ポテトスターチ10%/100メッシ
ュ篩過)57.4gを混合し、水道水134mlで均質
ペーストに練合したものを金属ゾンデを付けた樹脂シリ
ンジに詰め、1尾当たり2g相当量を胃内に投与した。
【0057】投与2時間後に各6尾を取り上げ、定量用
試料を採取し、L−アスコルビン酸を分析した。その分
析結果を表11に示す。
【0058】
【表10】
【0059】
【表11】
【0060】各6尾を2尾ずつプールして定量した血液
肝臓中のL−アスコルビン酸濃度(ppm)はL−アス
コルビン酸カルシウム投与区、L−アスコルビン酸−2
−グルコシド投与区共に無投与魚より高く、2者の間に
差が無かった。L−アスコルビン酸−2−グルコシドも
L−アスコルビン酸カルシウムと同様に吸収されてL−
アスコルビン酸の形で利用される。
【0061】
【実施例7】表12に示すエビ用基本飼料をL−アスコ
ルビン酸欠乏飼料とし、この基本飼料1kgに対してL
−アスコルビン酸3g、本発明であるL−アスコルビン
酸−2−グルコシド5.8g(L−アスコルビン酸とし
て3g)、L−アスコルビン酸カルシウム3.7g(L
−アスコルビン酸として3g)を夫々添加して混合後、
水分含量35%となるよう調湿し、これを押し出し造粒
機で造粒し、110℃、10分加熱後40℃で減圧乾燥
し、試験区用飼料とした。
【0062】この飼料を用いてクルマエビを飼育し、増
体重率・生残率を測定した。
【0063】得られた結果を表13及び表14に示す。
【0064】
【表12】
【0065】
【表13】
【0066】
【表14】
【0067】以上の試験結果からL−アスコルビン酸−
2−グルコシドは、増体重率・生残率共に他のL−アス
コルビン酸類より優れている事がわかった。
【0068】
【実施例8】実験に先立ち、表15のL−アスコルビン
配合していない配合飼料で2週間予備飼育した初期
重量約5gのアメリカナマズの稚魚を120Lの水槽に
20尾ずつ入れた表16の6試験区で16週間飼育し、
増体重率、飼料転換効率、肝臓・腎臓中のL−アスコル
ビン酸含量を測定した。
【0069】
【表15】
【0070】
【表16】
【0071】実験結果を表17に示す。
【0072】
【表17】
【0073】以上の結果から、L−アスコルビン酸−2
−グルコシド区は、エチルセルロースコーテッドアスコ
ルビン酸と殆ど同程度の体重増加、飼料転換効率、肝臓
・腎臓中のL−アスコルビン酸含量を示し、L−アスコ
ルビン酸無配合区と比較して、明らかに良好であった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−グルコシダーゼを失活させた飼料材
    料と、有効成分としてL−アスコルビン酸−2−グルコ
    シドを含有することを特徴とする魚介類養殖飼料
  2. 【請求項2】 L−アスコルビン酸−2−グルコシドを
    含有する飼料材料と、α−グルコシダーゼを含有する飼
    料材料とを、別々に造粒化し、配合してなることを特徴
    とする、有効成分としてL−アスコルビン酸−2−グル
    コシドを含有する魚介類養殖飼料。
  3. 【請求項3】 −アスコルビン酸−2−グルコシド
    含有量が、飼料1g当り2mg以上50gまでの範囲
    から選ばれる量である、請求項1又は2記載の魚介類養
    殖飼料。
JP10518592A 1991-03-16 1992-03-13 魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料 Expired - Lifetime JP3314307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10518592A JP3314307B2 (ja) 1991-03-16 1992-03-13 魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12888391 1991-03-16
JP3-128883 1991-03-16
JP10518592A JP3314307B2 (ja) 1991-03-16 1992-03-13 魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05115249A JPH05115249A (ja) 1993-05-14
JP3314307B2 true JP3314307B2 (ja) 2002-08-12

Family

ID=26445519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10518592A Expired - Lifetime JP3314307B2 (ja) 1991-03-16 1992-03-13 魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3314307B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05115249A (ja) 1993-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5215767A (en) Additive for aquaculture feed for fish and shellfish and aquaculture feed for fish and shellfish which contains same
Sick et al. The effect of selected dietary lipids, carbohydrates and proteins on the growth, survival and body composition of Penaeus duorarum 1
US5937790A (en) Anti-stress agent for animals and a method of reducing stress in animals
US5525353A (en) Ambient temperature-processed aquatic animal feed and process for making same
JP2004057156A (ja) 養魚用飼料
EP0848955B1 (en) Anti-stress agent for animals comprising an ascorbic acid derivative
US5593978A (en) Growth promoting composition for fish and method of using the same
JP3314307B2 (ja) 魚介類養殖飼料用添加剤とそれを配合せしめた魚介類養殖飼料
JP2006304755A (ja) ペット用食物
JP2004129622A (ja) 水産養殖用飼料
JPH03266944A (ja) 家畜及び家禽類用人工乳組成物及びその製造法
JP3080117B2 (ja) 養魚餌料用混合飼料及び養魚用餌料
JPH0693821B2 (ja) 養魚飼料用添加物
JP2000333616A (ja) 固形飼料の製法
JP2943785B2 (ja) 養魚粉末飼料用添加物及び養魚用飼料
JP2943786B2 (ja) 甲殻類養殖粉末飼料用添加物及び甲殻類養殖用飼料
JP2766486B2 (ja) エクストルーダー造粒飼料
JPS6312573B2 (ja)
JP2008019236A (ja) 飼料添加剤
JP2799273B2 (ja) 動物の成長促進方法及びクロストリジウム属菌死菌体粉末製剤
JP2003235470A (ja) 養魚用飼料
JP2800116B2 (ja) 水産養殖用固型飼料の製造方法
CN110679786A (zh) 一种养殖鱼的饲料配方
JPH05123114A (ja) 魚類用飼料
JP2000302683A (ja) 動物投与剤および飼育方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607

Year of fee payment: 10