JPH0510237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ルツボ炉の炉内底面の改良に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、第２図に示すように、炉内底面９全体を
ほぼ水平な面に形成し、ルツボ３を支持する台４
を炉内底面９のほぼ中央に載置し、バーナ７でル
ツボ３を加熱するように構成し、ルツボ３の破損
などで漏れた溶湯を炉外に流出させる出湯口８を
炉内底面９の一端側に配置していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、炉内底面９全体がほぼ水平であるため
に、漏れた溶湯が円滑に出湯口８に流動せずに炉
内に溜まり、炉底を形成する耐火物が溶湯で早期
に浸蝕されたり、溶湯の固化物の除去のために多
くの労力と作業時間を要する等の欠点があつた。

本考案の目的は、ルツボから漏れた溶湯を迅速
確実に炉外に流出できるようにし、メンテナンス
面で有利にする点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、炉内底面の一部がほぼ水
平なルツボ支持部分に形成され、そのルツボ支持
部分を除いた炉内底面の全体が、出湯口側に溶湯
を自然流動させるように傾斜させた傾斜面部分に
形成されていることにあり、その作用効果は次の
通りである。

〔作用〕

つまり、炉内底面のうちルツボを安定して設置
するためのルツボ支持部分だけをほぼ水平にし
て、それ以外を傾斜面部分に形成し、ルツボから
漏れた溶湯が傾斜面部分を伝つて迅速確実に出湯
口に自然流動するように構成したのである。

したがつて、たとえルツボが破損して大量の溶
湯が漏れても、溶湯が炉内に長時間滞留すること
が無く、炉底を形成する耐火物の溶湯による損傷
を十分に防止できると共に、溶湯の固化物が炉内
底面に残ることを十分に防止でき、炉のメンテナ
ンスに要する経費や労力、及び、炉補修に起因す
る稼衝率低下を大巾に減少できる。

〔考案の効果〕

その結果、炉内底面の簡単な改造でもつてメン
テナンス面で一段と有利なルツボ炉を提供できる
ようになつた。

〔実施例〕

次に、第１図により実施例を示す。

側壁１と底面２で囲まれた炉内に、ルツボ３を
円筒状の台４に載せた状態で収容し、炉上部のル
ツボ出入口に対する蓋体５に、作業用兼排気用の
開口６を形成し、ルツボ３の周囲に高温燃焼ガス
を旋回流動状態で供給するバーナ７を設け、ガラ
ス原料などをルツボ３内で溶解させるルツボ炉を
形成してある。

炉内底面を形成するに、台４を載せるためのほ
ぼ円形でほぼ水平なルツボ支持部分２ａを、ほぼ
台４の大きさにしてほぼ炉内中央に形成し、それ
以外の全体を傾斜面部分２ｂに形成し、側壁１に
形成した出湯口８側に漏れた溶湯が自然流動する
方向に傾斜面部分２ｂを傾斜させ、ルツボ３から
漏れた溶湯が迅速確実に傾斜面部分２ｂを伝つて
出湯口８から排出されるように構成してある。

傾斜面部分２ｂの傾斜角は適当に選定自在であ
るが、溶湯排出性や高温燃焼ガス流動性などに鑑
みて10〜25度にすることが望ましい。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

傾斜面部分２ｂの傾斜方向は、出湯口８と傾斜
面部分２ｂの位置関係に応じて適当に選定でき
る。

ルツボ支持部分２ａの形状や寸法は台４の形状
や寸法に見合つて適当に変更できる。

傾斜面部分２ｂからルツボ支持部分２ａへの溶
湯流入を阻止する堰を、ルツボ支持部分２ａの全
周又は一部に設けて、台４の交換を容易にしても
よい。

ルツボ３による溶融対象や溶融目的は不問であ
り、また、ルツボ炉の型式や具体構造も不問であ
る。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図であり、
第２図は従来例の断面図である。 ２ａ……ルツボ支持部分、２ｂ……傾斜面部
分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 炉内底面の一部がほぼ水平なルツボ支持部分
   ２ａに形成され、そのルツボ支持部分２ａを除
   いた炉内底面の全体が、出湯口８側に溶湯を自
   然流動させるように傾斜させた傾斜面部分２ｂ
   に形成されているルツボ炉。 ２ 前記傾斜面部分２ｂの傾斜角が10〜25度であ
   る実用新案登録請求の範囲１記載のルツボ炉。