JPH05101806A - 質量分離装置及び分離方法 - Google Patents

質量分離装置及び分離方法

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JPH05101806A
JPH05101806A JP3077345A JP7734591A JPH05101806A JP H05101806 A JPH05101806 A JP H05101806A JP 3077345 A JP3077345 A JP 3077345A JP 7734591 A JP7734591 A JP 7734591A JP H05101806 A JPH05101806 A JP H05101806A
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勝 嶋田
Yasuhiro Torii
康弘 鳥居
Iwao Watanabe
巖 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 質量分離装置において、大面積のイオンビー
ムの質量分離を可能にする。 【構成】 多数の透過孔2を有するイオン入射板1と、
これに平行に配置され、かつイオン入射板の透過孔の軸
線に対して所望の角度をもって設けられた多数の透過孔
4を有するイオン透過板3を有し、それぞれの透過孔の
軸線に対して垂直に磁界Bを加える磁界発生手段とを備
えた質量分離装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビームの質量を
分離するための質量分離装置及び分離方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】イオンビームの質量分離装置はSIMS
などの各種分析装置や不純物を基板へ打ち込むためのイ
オン注入装置などに利用されている。装置としては、磁
場を用いた扇形質量分離装置が広く用いられている。
【0003】図3に、従来の扇形質量分離装置を示す。
図において、21は入射スリット、22は透過スリッ
ト、23は磁場、24はイオンビームを示す。一様な磁
場中では、荷電粒子は円運動を行う。イオンの質量をm
(a.m.u)、イオンの加速エネルギーをU(e
V)、軌道半径をr(cm)、磁束密度をB(gauss )
とすると、
【0004】
【数1】
【0005】なる関係が成り立つ。上式から明らかなよ
うに質量の異なるイオンは、軌道半径が異なるため、特
定の半径の軌道を通るイオンだけをスリット22を用い
て分離できる。イオンの加速エネルギーUを一定とし、
磁束密度Bを0から徐々に強くしていくと、質量mの小
さいイオンから質量mの大きいイオンまで順次分離され
質量スペクトルが得られる。
【0006】この質量分離装置の分解能は、スリット2
2の幅dと軌道半径rにより決められ、次式で表され
る。 R〜r/2d (2) すなわち、イオンを分離するためにはイオンの軌道を制
限するスリットが必要であり、大面積のままイオンビー
ム24を質量分離することはできなかった。また、分解
能は軌道半径に比例するため小型化が難しく、さらに分
解能を高めるためにはスリット幅を小さくしなければな
らず、分解能と分離されるイオンの量には相反関係があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
改善するために提案されたもので、その目的は、大面積
のイオンビームの質量分離を可能とするとともに、小型
化が容易であり、さらに分離されたイオンの量を減少さ
せることなく分解能を高められる質量分離装置及び分離
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は互いに軸線が平行な、多数の透過孔を備え
たイオン入射板と、前記イオン入射板に平行に配置さ
れ、かつ前記イオン入射板に設けられた透過孔の軸線に
対して所定の角度をもつ軸線を有する、多数の透過孔を
有するイオン透過板と、前記イオン入射板とイオン透過
板に設けられた、それぞれの透過孔の軸線に対して、と
もに垂直に磁界を発生させる磁界発生手段とを具備する
ことを特徴とする質量分離装置を発明の要旨とするもの
である。さらに、本発明は互いに軸線が平行な、多数の
透過孔を備えたイオン入射板と、前記イオン入射板に対
して平行に配置され、かつ前記イオン入射板に設けられ
た透過孔の軸線に対して所定の角度をもつ軸線を有す
る、多数の透過孔を有するイオン透過板とを用い、前記
イオン入射板を通過したイオンビームに対して、前記の
イオン入射板とイオン透過板に設けられた、それぞれの
透過孔の軸線に対して、ともに垂直に磁界を加え、イオ
ンビームを湾曲させ、これによって所望のイオンのみを
前記イオン透過板の透過孔より得て、質量の分離を行う
ことを特徴とする質量分離方法を発明の要旨とするもの
である。
【0009】
【作用】本発明は、角度の付いた多数のスリットを2枚
平行に配列し、磁界と組み合わせることにより、大面積
のイオンビームの質量分離を可能とする作用を有する。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。な
お、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱
しない範囲で、種々の変更あるいは改良を行い得ること
は言うまでもない。
【0011】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例を示す。(a)は断面図、(b)は斜視図、(c)は
装置全体を示す。イオン入射板1は、イオンの入射方向
を揃えるためのものでアスペクト比の高い透過孔2を多
数備えている。透過孔の軸線は互いに平行である。イオ
ン透過板3は、角度θ曲げられたイオンだけが透過する
ように、アスペクト比が高く、かつ角度θをもった透過
孔4を多数備えている。透過孔の軸線は互いに平行であ
る。イオン入射板1とイオン透過板3は平行に配置され
ている。イオンの軌道を曲げるために可変な一様磁場B
5が、イオン入射板1の透過孔の軸とイオン透過板3の
透過孔の軸に対してともに垂直に印加される。
【0012】本実施例では、イオン入射板1の透過孔2
の形状は矩形状であり、スリット幅d1 =10μm、深
さl1 =1mmのスリットが、20μmごとに多数配置
してある。イオン透過板3の形状も矩形状であり、この
スリット4の軸は、スリット2の軸に対してある角度θ
だけ傾いている。イオン入射板1と同様にアスペクト比
が大きいスリットを用いており、スリット幅d2 は10
μm、深さl2 は1mm、角度θは20度であり、10
μm間隔で配置されている。イオン入射板1とイオン透
過板3は、距離Lだけ離して平行に設置されている。距
離Lはl2 よりかなり大きくする必要があり、50mm
としてある。
【0013】スリットの内壁はある程度導電性を持って
いる材質を使用する。これは、内壁にイオンが衝突する
ため絶縁体だとチャージアップする可能性があるためで
ある。
【0014】本実施例では矩形のスリットを用いている
が、アスペクト比が高ければ円形の孔でももちろん良
い。スリット2の軸とスリット4の軸に対して垂直に一
様な磁界B5がイオン入射板1とイオン透過板3の間に
印加されている。
【0015】本装置の動作を説明する。ある加速エネル
ギーUをもったイオンビームは、まずイオン入射板1に
より、入射方向を揃えられる。方向の揃ったイオンビー
ムは一様磁界B5により距離Lを通る間に角度θだけ曲
げられる。ここでθは、
【0016】
【数2】
【0017】となる。スリットのアスペクト比が高いた
め角度θだけ曲げられた質量のイオンだけがスリット4
を透過でき、その質量以外のイオンはほとんどスリット
の内壁に衝突して再結合し中性粒子となる。本実施例で
は、Δθ=±0.57°の分解能で分離できる。磁界B5が
0の時は、すべてのイオンが直進し、スリットに衝突し
透過できない。徐々に磁界を強めていくと軽いイオンか
ら曲がりはじめ、イオンの加速エネルギーUが500e
Vのときは、Bが220gauss でまず水素原子イオン
が、311gauss で水素分子イオンが透過する。さらに
磁界を強めていくと、徐々に重いイオンが透過してい
き、質量スペクトルが得られる。
【0018】通常の扇形質量分離装置では、イオンの通
る軌道を狭い領域に制限して質量分離を行うため、広い
面積にわたって質量分離ができないが、本分離装置では
イオンの曲がる角度の違いだけで質量分離を行うため、
広い面積にわたって同時に質量分離ができる。また、分
解能は、回転曲率半径Rにはほとんど依存せず、スリッ
トのアスペクト比すなわち角度の分解能にのみ依存する
ため、分離装置を大幅に小型化することが可能である。
【0019】(実施例2)図2に本発明の第2の実施例
を示す。(a)は断面図、(b)は斜視図、(c)は装
置全体を示す。イオン入射板11及びイオン透過板13
には、マイクロチャネルプレートを用いている。マイク
ロチャネルプレートは、通常、電子増倍のために使われ
ている。しかし、アスペクト比の高い孔を多数備えてお
り、また、その孔は角度をつけてあけられている。従っ
て、本発明の装置で用いる入射板,透過板として使用で
きる。μmのオーダーのアスペクト比の高い孔を多数平
行にあけるのは加工が難しいが、マイクロチャネルプレ
ートを用いれば比較的容易に装置を作製できる。
【0020】本実施例では、イオン入射板11とイオン
透過板13は同じマイクロチャネルプレートを使用して
いる。孔の直径は12μm、深さは0.48mm、ピッチは
15μm、角度は8度である。イオン入射板11とイオ
ン透過板13を平行にかつ孔の軸相互の角度が最大の1
6度になるように配置してある。距離Lは50mmであ
る。一様な磁界B15が両方の孔の軸に垂直に印加され
ている。
【0021】本装置の動作は実施例1とほぼ同様であ
る。ある加速エネルギーUをもったイオンビームは、ま
ずイオン入射板11により、入射方向を揃えられ角度θ
1 で入射する。方向の揃ったイオンビームは一様磁界B
15により距離Lを通る間に軌道半径rで曲げられ角度
θ2 で透過していく。θ1 ,θ2 とBおよび距離Lとの
関係は以下の式で表される。
【0022】
【数3】
【0023】本実施例では、θ1 =θ2 =8度のイオン
のみがイオン透過板13を透過する。加速エネルギーU
が500eVの時、Bが179gauss でまず水素原子イ
オンが、253gauss で水素分子イオンが透過する。さ
らに磁界を強めていくと、徐々に重いイオンが透過して
いき、質量スペクトルが得られる。
【0024】実施例1と同様に、本分離装置ではイオン
の曲がる角度の違いだけで質量分離を行うため、広い面
積にわたって同時に質量分離ができる。また、分解能
は、回転半径Rにはほとんど依存せず、孔のアスペクト
比すなわち角度の分解能にのみ依存するため、分離装置
を大幅に小型化することが可能である。さらに、マイク
ロチャネルプレートを用いるため製作も容易である。
【0025】
【発明の効果】叙上のように本発明によれば、従来の扇
形質量分離装置ではできなかった大面積のままのイオン
ビームの質量分離が可能となる。また、小型化が容易で
ありイオンの量を減少させることなく分解能を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成図を示す。(a)
は断面図、(b)は斜視図、(c)は装置全体を示す。
【図2】本発明の第2の実施例の構成図を示す。(a)
は断面図、(b)は斜視図、(c)は装置全体を示す。
【図3】従来の扇形質量分離装置の構成図を示す。
【符号の説明】
1 イオン入射板 2 透過孔(スリット) 3 イオン透過板 4 透過孔(スリット) 5 磁場 6 イオンビーム 11 イオン入射板 12 透過孔 13 イオン透過板 14 透過孔 15 磁場 16 イオンビーム 21 入射スリット 22 透過スリット 23 磁場 24 イオンビーム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに軸線が平行な、多数の透過孔を備
    えたイオン入射板と、前記イオン入射板に平行に配置さ
    れ、かつ前記イオン入射板に設けられた透過孔の軸線に
    対して所定の角度をもつ軸線を有する、多数の透過孔を
    有するイオン透過板と、前記イオン入射板とイオン透過
    板に設けられた、それぞれの透過孔の軸線に対して、と
    もに垂直に磁界を発生させる磁界発生手段とを具備する
    ことを特徴とする質量分離装置。
  2. 【請求項2】 互いに軸線が平行な、多数の透過孔を備
    えたイオン入射板と、前記イオン入射板に対して平行に
    配置され、かつ前記イオン入射板に設けられた透過孔の
    軸線に対して所定の角度をもつ軸線を有する、多数の透
    過孔を有するイオン透過板とを用い、前記イオン入射板
    を通過したイオンビームに対して、前記のイオン入射板
    とイオン透過板に設けられた、それぞれの透過孔の軸線
    に対して、ともに垂直に磁界を加え、イオンビームを湾
    曲させ、これによって所望のイオンのみを前記イオン透
    過板の透過孔より得て、質量の分離を行うことを特徴と
    する質量分離方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005004989A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Hamamatsu Photonics Kk イオン移動度検出器
WO2012091851A3 (en) * 2010-12-29 2012-08-30 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. System and method for producing a mass analyzed ion beam

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JP2005004989A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Hamamatsu Photonics Kk イオン移動度検出器
WO2012091851A3 (en) * 2010-12-29 2012-08-30 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. System and method for producing a mass analyzed ion beam

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