JP3713683B2 - イオンビームの質量分離フィルタとその質量分離方法及びこれを使用するイオン源 - Google Patents

イオンビームの質量分離フィルタとその質量分離方法及びこれを使用するイオン源 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的に、イオン注入装置に用いるイオン源、特に、イオン源に設けられて所望の質量のイオンを取り出すための質量分離フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
イオン源は、真空容器に導入されたガスをプラズマ化しイオンビームとして取り出すものである。半導体、液晶用TFT、太陽電池などへの不純物導入、あるいはイオンビームによるエッチング、スパッタによる加工、さらには、イオンによるデポジション、改質などの分野において用いられる。
【0003】
特に、材料の改質と半導体のイオン注入において、大面積イオンビームの使用が盛んに行われ、フラットパネル等の製品を大規模生産する際に高い生産性を得ている。
【0004】
一般的なイオン注入において、半導体ウエハに対するイオンビームは、これらのものよりは小さいものであり、そのイオンビームは、質量分析された1つのイオン種のものだけをその基板に注入する。この望ましい方法において、大面積イオンビームを使用するためには、全体的にスケールアップすることが必要となるが、装置の大型化は困難である。また、ウエハのために使用されるセクターダイポール磁石は、高価で大きいものになってしまうという欠点がある。
【0005】
従来の技術としては、日本特許公報第2920847号に開示された質量分離装置がある。この装置は、図7に示すように、互いに軸線が平行な多数の透過孔30、・・を備えた入射板31と、この入射板に平行に配置されかつ入射板31の透過孔の軸線に対して所定の角度θをなす軸線を有する、多数の透過孔32を有するイオン透過板33と、それぞれの透過孔の軸線に対して、ともに垂直に磁界を発生させる磁界発生手段Bとを備えている。
【0006】
この質量分離装置では、イオンの曲がる角度の違いだけで質量分離を行うため、広い面積にわたって同時に質量分離ができる。しかし、この装置では、入射透過板に入射するイオンの方向と、イオン透過板から出射するイオンの方向が異なるために、引出電極を介して通過するイオンビームの入射方向と出射方向を一致させることができず、プラズマ室の底部にプラズマ電極、引出電極、加速電極、接地電極を平行に配置して、所望の質量のイオンを一定の方向に引き出すことが難しい。
【0007】
また、ヨーロッパ特許第1090411号明細書を参照すると、アイトケン(Aitken)による質量分析システムが開示されている。このシステムでは、ビーム軸に沿って順に置かれた2つのダイポール磁石が四極子型レンズを形作り、2つの磁石は、それらの磁界が非平行で、互いに逆方向となっており、ビーム軸に対して垂直となるように方向づけられている。そして、この四極子レンズは、プラズマ電極の中でスリットから引き出された線状のイオンビームを形成し、イオンは、そのレンズの出口部に線収束する。
【0008】
したがって、イオンの質量に従ってこのフォーカス位置が変化するので、質量選択が可能になり、必要な質量のイオンを分離できる。しかし、この装置では、大きなスペースを必要とし、質量分離フィルタは、ビーム軌跡の方向に長く、そのビームがフィルタ内部に衝突するのを防止すべく、コリメイトされなければならないのでビームを平行に維持することが難しい。このため、リボンイオンビームの間隔を拡げなければならず、質量分離フィルタの横スペースを大きくする必要がある。
【0009】
さらに、特開平5−82083号(対応する米国特許第5189303号明細書)には、電界及び磁界の作用で質量分離するウイーンフィルタを用いた質量分離装置40が開示されている。この装置は、図8(a)に示すように、イオン源出口側に、プラズマ電極41、引出電極42、加速電極44、接地電極45が配置されている。イオンの速度が低い段階にある引出電極42は、引出電極42aと質量分離電極43からなり、引出電極42aの各通し孔52には、それぞれウイーンフィルタ50が設けられる。
【0010】
引出電極42aは、その一部を拡大して、図8に示す縦断面(b)及び横断面(c)の詳細図から明らかなように、分割された電極板46に対向配置された磁石48を含み、x方向の電界Eとy方向の磁界Bを発生するウイーンフィルタを構成する。さらに、引出電極42aのすぐ後方に、通し穴の位置に合致したあまり電圧のかかっていない質量分離電極43を設けて、大面積のイオンビームの質量分離を可能にしている。この場合、所望の質量のイオンはそのまま通し穴を通過し、そうでない質量のイオンは通し穴を通過できず、過大過小質量のイオンも排除されるので、分解能が高く小型化も可能である。
【0011】
しかし、ウイーンフィルタは、イオンを加速するために、ビーム方向に平行に印加される電界を加え、さらに電界と磁界によるフィルタ効果を生み出すビーム方向に垂直な電界も必要とする。また、そのプレート/電極領域の多くは、その交差した電界および磁界を生み出すための構成が必要であり、これは、ビームの輸送に関して電極の解放領域を制限するため、総ビーム電流を制限するとともに良好な均一性を得ることが難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような事情に鑑みて、本発明は、不必要なイオン種を選択的に除去するとともに、イオン源の電極構造を簡単にかつ小型化でき、所望の質量を有するイオンによる大面積イオンビームを生じさせるための質量分離フィルタとその質量分離方法およびこれを用いたイオン源を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、各請求項に記載の構成を有する。本発明の質量分離フィルタは、イオンのリボンビームを通過させる所定の間隔で並列に複数配置された直線状の多孔板電極のスリットと、スリットを通過したリボンビームのビーム軸に対して直交する方向の第1磁界を形成する第1磁石と、ビーム軸に沿って第1磁石に連続して直列配置され、ビーム軸に直交しかつ前記第1磁界と平行で逆向きの第2磁界を形成する第2磁石と、第1、第2磁界内に形成され、第1磁界により偏向された第1湾曲経路から、第2磁界により第1磁界とは逆方向に偏向された第2湾曲経路に沿って、リボンビーム中の選択された所望の質量のイオンが通過できるように、第1、第2湾曲経路を有する複数のビーム経路を形成するための複数のコリメータ壁とを有する多孔板電極に続いて配置されるイオン通し孔を形成した質量分離電極を含み、複数のコリメータ壁により、リボンビームを複数のイオンビーム群に分割して複数のビーム経路ごとに質量分離するために、スリットの配置間隔に対応して形成される質量分離電極のイオン通し孔に対して、ビーム軸に沿って直列配置された第1、第2磁石の組は、それぞれ異なる磁極面が対向配置され、コリメータ壁の湾曲壁によって仕切られたビーム経路は、第1、第2磁石に沿うイオン通し孔の長手方向に直線的に並列配置され、第1湾曲経路と第2湾曲経路は、ビームの軌道に沿って形成される連続したビーム経路となり、この連続したビーム経路は、各ビーム経路を構成する前記湾曲壁が、それぞれ隣り合うビーム経路の一方の湾曲壁を構成することを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、リボンビームが所定の間隔で並列に配置された直線状のスリットを通過し、このスリットに対応して配置されたイオン通し孔がスリットの長手方向に沿ってコリメータ壁の湾曲壁によって仕切られて第1湾曲経路と第2湾曲経路を有するビーム経路を形成するので、リボンビームを複数のイオンビーム群に分割してビーム経路ごとに質量分離が行うことができる。また、連続したビーム経路によりイオンビームを発散させることなく、質量分離をフィルタを簡単な構造でかつ小型化することができる。さらに、第1湾曲経路と第2湾曲経路により、質量分離フィルタに入射するイオンを第1、第2磁石の磁界により逆向きに湾曲した経路を有するビーム経路を通じて、イオンの入射方向と出射方向をビーム軸と同方向に導くことから、質量分離フィルタを通過する総イオンビーム量を増加させて所望の質量のイオンのみを引き出すことができる。
【0015】
また、本発明の大面積イオン源は、プラズマ室と、制御された流量でプラズマ室内にガスを導入する手段と、プラズマ室内でガスをイオン化するためのエネルギー源と、細長い開口を有するプラズマ室壁を形成し、前記開口から正のイオンが引き出されるプラズマ電極と、プラズマ電極を通過してイオンを引き出すために、プラズマ電極に対して低電位にあって平行に配置されており、かつイオンの運動エネルギーを制御可能な値に設定するための引出電極と、所望の質量または質量範囲を選択するために、プラズマ電極の後方に配置されかつ引出電極と整合した複数の開口を有する質量分離フィルタとを含み、この質量分離フィルタが、上述した請求項1に記載の構成を有することを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、イオン源の電極構造の配置を変えることなく、質量分離フィルタ内の第1、第2磁石による磁界の作用により、所望の質量のイオンをコリメート壁に沿って通過させ、不必要なイオン種を選択的に除去することができる。また、質量分離フィルタの構造は、第1、第2磁石とコリメータ壁により形成されるので、その構造が簡単となる。また、入射するイオンは、磁界のみの偏向作用であるため、磁界と電界との相互作用による影響が生じないことから、所望の質量のイオンを取り出すための制御が容易であり、さらに、一方向に湾曲した経路を逆方向に戻す形で湾曲するビーム経路を実現できるので、イオンの集束を良好にし、アスペクト比の高いスリットを通過する大面積イオンビームにおいて使用する質量分離フィルタとして小型化することも可能である。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1、第2磁石は、永久磁石であり、冷却水が流れる金属管に内装されている。また、コリメータ壁により形成されるビーム経路は、略S字形状で、磁界に対して非平行となっている。さらに、コリメータ壁は、第1、第2湾曲経路を形成するために、対向配置された少なくとも一対の湾曲壁と一対の側部壁とを有しており、薄い金属板またはグラファイトから作られる。そして、グラファイトの場合には、固体のグラファイトを機械加工して、あるいは、柔軟なグラファイトシートから製造することができる。
【0018】
また、本発明の他の構成によれば、第1、第2磁界により偏向したビームの軌道は、質量分離フィルタへのビームの入射開口位置に対してビームの出射開口位置をシフトするように構成され、前記2つの開口位置は、直進ビームの通過を可能にするために、イオンビームの軸方向から見てオーバーラップさせることにより、確実にイオンビームから不要なイオンや電子等を分離することができる。
また、これとは異なり、2つの開口位置をオーバーラップさせた場合、変更を受けなかった直進ビームが直接出射する少ない開口シフト量とすることにより、通過する総イオンビーム量を増加させることができる。
【0019】
さらに、本発明に係る質量分離方法よれば、イオンビームのビーム軸に直交する第1磁界または前記ビーム軸に直交しかつ互いに逆向きで平行な第1、第2磁界を形成し、互いに対向配置される少なくとも一対の湾曲壁と一対の側部壁とからなるコリメータ壁により形成された湾曲経路に沿って前記イオンビームを前記磁界内で偏向させ、直進するイオンおよび不要なイオンを前記コリメータ壁に衝突させ、選択された所望の質量のイオンを通過するようにしたので、簡単な磁石構成で、所望の質量を有するイオンを湾曲したビーム経路によって選択でき、イオンの集束を良好にし、アスペクト比の高いスリットを通過させる大面積イオンビームの質量分離を実施できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る質量分離フィルタを用いたイオン源10の概略断面構成図であり、図2および図3は、上記イオン源において、使用される本発明の質量分離フィルタ20の基本構造を示す概略斜視図とその正面図である。
【0021】
図1において、本発明のイオン源10は、大きな表面積の加工物をイオン注入するのに効果的であるリボンビームを引き出すためのものでり、従来の装置、例えば、図8(a)で示すものと同様に、イオン源10の出口に多孔板電極1〜4が5枚配置されている。イオン源のプラズマ室11は、真空に排気することができ、ガス入口12からイオン化すべきガスが導入できるようになっている。そのため、プラズマ室11の頂部壁に、ガス入口12とエキサイタ14が設けられる。
【0022】
このエキサイタ(エネルギー源)14が励起されると、ガス入口12から供給されたイオン源ガスがイオン化してプラズマを形成する。エキサイタ14は、この例では、RF発生装置15からの無線周波信号により電子をイオン化するRFアンテナ16を用いるが、熱イオン放出による電子を放出するタングステンフィラメントとして形成することもできる。
【0023】
プラズマ室11の壁の外側には、カスプ磁界を作るための磁石18が設けてある。これはバケット型イオン源の例を示している。その他のイオン源に対しても本発明を同様に適用することができる。
【0024】
多孔板電極は、上から順にプラズマ電極1、引出電極2、加速電極3または抑制電極、及び接地電極4から構成され、引出電極2は、質量分離電極2aと後段引出電極2bからなる。なお、質量分離電極と後段引出電極は、その前後関係が逆位置となるように配置してもよく、また、質量分離電極2aを加速電極3または接地電極4に組み込むことも可能である。これらの電極は、互いに平行に配置され、それぞれ多数のスリット孔(図4参照)6を有する多孔板で構成される。イオン通し孔である各スリット6a、6b、6c、6d、6eは、イオンの進行方向Pに一致するように配置されている。
【0025】
プラズマ電極1は、プラズマの中から正イオンのみを取り出すものであり、ここでは、プラズマ内を貫く磁界を減少するために、磁気シールド用の電磁軟鉄から作られている。プラズマ電極1とアースの間には、可変の直流電源a、bが接続され、プラズマ電極1とプラズマ室壁11aとの間に可変の直流電源cが接続されている。従って、プラズマ電極1は、アースに対しては正の高電位となり、プラズマ室11よりは低い電圧になっている。引出電極2は電源aによってプラズマ電極1より低い電位であり、質量分離電極2aと後段引出電極2bは同電位に保たれている。
【0026】
電圧の分布に関する一例を示す。プラズマ電極が10kVとすると、引出電極の電位は9.9〜9.6kV、質量分離電極の電位は9.7〜8kV、加速電極の電位は−0.5〜−1kV、接地電極は0Vである。つまり質量分離電極3まではイオンのエネルギ−が低く速度は遅いということである。プラズマ電極の電位が変わると、その他の質量分離電極の電位もそれに追随して変わる。引出電極2はプラズマ電極1の後方にあって、プラズマ電極1のイオン通し孔からイオンを引き出す働きをする。この点は従来のものと同じである。
【0027】
加速電極4はプラズマ電極1に対してイオンを加速する方向に高い電圧がかかっているので加速電極という。これは電源dによるものである。実際には加速電極4はアースに対して負に保たれる。これはタ−ゲットにイオンが衝突することによって生じた電子がプラズマ室11の方へ逆流するのを防ぐためである。
【0028】
接地電極5は接地されている。接地電極5からタ−ゲット(図示せず)までは電界が存在しないので等速直進運動する。イオンが加速されるのは、引出電極2と加速電極4の間である。特に強く加速されるのは、後段引出電極2bと加速電極4の間である。
【0029】
プラズマ室11と、半導体ウエハ等の加工部材を処理する処理室17は、連結チャンバ19を介して接続され、プラズマ室11を囲むイオン源ハウジング13と連結チャンバ19との間には、絶縁ブッシュ等による絶縁体40により電気的に絶縁する。この絶縁体40は、必要とされる励起電圧からイオン源ハウジング13を絶縁しており、この励起電圧がプラズマ室内にイオンを発生し、この室から放出されたイオンを加速する。
【0030】
本発明のイオン源では、引出電極に供給される引出電圧は、フィルタ内に存在する不必要なイオンの量に対して必要なイオンの量が最大となるように、自動的に調整される。この場合の制御は、イオンビームによるドーズ量を直接ビーム測定により得ることによって行われる。また、引出電圧は、イオンビームを均一にするために時間的に変化する小さい交流成分が加えられた直流電圧を用いてイオンビームの均一性を改善することが可能である。
【0031】
このようなイオン源10において、本発明の質量分離フィルタ20は、一般的に、引出電極2に設けられるものであり、図2、図3に示すように、イオンビームのビーム軸21に対して直交する方向の第1磁界+Bを形成する第1磁石22と、ビーム軸21に沿って第1磁石22に直列配置され、前記ビーム軸21に直交しかつ前記第1磁界+Bと平行で逆向きの第2磁界−Bを形成する第2磁石23とを有する。この第1、第2磁界が形成される領域内では、プラズマ電極1を通過したイオンがビーム軸21に沿って引出電極2に入射する。このイオンは、最初、第1磁石22により第1湾曲経路22aに沿って偏向する。
【0032】
この偏向量については、イオンビームは、一様な磁界中では、荷電粒子は円運動を行い、イオンの質量をm、イオンの加速エネルギーをE(eV)、軌道半径をr(cm)、磁束密度をB(ガウス)とすると、
R = 144(mE)1/2*(1/B) (1)
からなる関係が成り立つ。
【0033】
第1磁石22の磁界内を通過したイオンは、次に、第2磁石23の磁界内に入るので、今度は、第1磁界+Bとは逆方向に湾曲する第2湾曲経路23aに沿って運動する。この場合も上式(1)が成立し、第1、第2湾曲経路を有するビーム経路25が形成される。
【0034】
プラズマ電極1を通過して質量分離電極2aの第1磁石に入射するイオンは、ビーム軸21に対して直交する第1磁界+Bの影響を受け、上記式(1)に従う円軌道に沿って偏向する。このため、所望の質量のイオンよりも軽いイオンまたは重いイオンは、その質量の違いにより円軌道が異なり、湾曲経路の側壁、即ち、コリメータ壁26に衝突する。さらに、このことは、第2磁石23においても同様に、逆方向の第2磁界−Bの影響により、湾曲経路内でイオンが湾曲し、所望のイオンのみが、第1、第2湾曲経路22a、23aに沿って偏向し、コリメータ壁26に衝突することなくビーム経路25を通過できる。
【0035】
従って、このビーム経路25を所望の質量のイオンが通過できるように、湾曲経路の曲率を決めると、不必要なイオン種を選択的に除去して、選択された所望の質量のイオンだけを通過させることができる。本発明の実施例で示すコリメータ壁(図4a参照)は、湾曲壁26の他に、磁石とそのカバー等で構成される側部壁29aも含んでいる。コリメータ壁の最小構成は、一対の湾曲壁と一対の側部壁とからなり、これらの壁面に囲まれた通路が湾曲したビーム経路を形成する。
【0036】
本発明では、このビーム経路25の曲線に一致する形状のコリメータ壁26を第1、第2磁界内に形成する。このコリメータ壁26は、図2のように、第1、第2磁石22,23内に、例えば、S字形状の溝として形成することもできるし、或いは、図4(a)に示すように、第1、第2磁石の組を順次所定の間隔で配置し、第1、第2磁石の組の間に、等間隔でラインに沿って一列に、湾曲形状の板片を配置した構造であっても良い。
【0037】
また、ビーム経路の形状は、入射するイオンと出射するイオンとの進行方向がビーム軸と同方向であれば良いので、第1、第2磁石22,23の上下の各磁極の配列を逆にして、コリメータ壁を逆S字形状に構成することもできる。さらに、本実施形態では、第1、第2磁界の大きさを等しくしたが、磁界の方向が逆方向であれば、磁界の大きさが相異なるものとすることも可能である。また、本発明ではビーム経路を一対の側部壁の両外側に磁界を形成する第1、第2磁石を異なる磁極面が対向するように配置しているが、これを第1磁石の湾曲経路によって質量分離が可能になる場合、例えば、ビーム経路の入射開口位置と出射開口位置との間のシフト量を調整して、所望の質量のイオンを選択的に分離できれば、単一磁界であっても良い。
【0038】
図4(a)は、本発明の質量分離フィルタ20の具体例であって、プラズマ電極1の下方に置かれた引出電極2に質量分離フィルタを組み込んだ状態を示す斜視図である。また、図4(b)は、図1に示す本発明のイオン源における5枚の電極構造の配置を側面から見た拡大部分図である。
【0039】
図4(b)において、プラズマ電極1、引出電極2、質量分離電極3、加速電極4、接地電極5のイオン通しスリット6a、6b、6c、6d、6eは、軸方向に一致するが、直径やその長さが一般的に相違する。特に、質量分離電極3の孔は、小さくなっている。また、プラズマ電極から質量分離フィルタの入射面までの距離は、第1、第2磁石間のギャップの少なくとも2倍であることが望ましい。本発明の質量分離フィルタは、低電位の引出電極に設けることが望ましいが、他の加速電極および接地電極のいずれかに組み込むことが可能である。
【0040】
本発明に係る引出電極における質量分離電極2は、プラズマ電極1のスリット6aの間隔にあわせて、複数の第1、第2磁石の組が順次並んで配置されている。第1、第2磁石22,23は、横に長く伸びた棒状の永久磁石で構成され、各々磁極(N,S)を逆にして上下に積み重ねている。第1、第2磁界の強さは、ほぼ同一であり、第2磁界は、第1磁界によるイオンの変位量と同一の距離だけ偏向させる磁束密度を有する。
【0041】
図4及び図5において、第1、第2磁石22,23は、それぞれステンレス等の角型金属管24内に収納され、その外側をグラファイトの側壁29aが取り囲んでいる。このグラファイトカバー29間には、断面略S字形状のコリメータ壁26が一直線上に所定の間隔で配置される。コリメータ壁26に覆われた第1、第2磁石の組は、それぞれ異なる磁極面が対向するように配置される。コリメータ壁の各列は、プラズマ電極の開口(スリット)の間隔と同一ピッチに配置される。また、コリメータ壁の厚さは、コリメータ壁間の空間の10%未満の値であることが望ましい。
【0042】
本発明の引出電極2における電極構造の一例では、図5に示すように、入口壁27と出口壁28の間に第1、第2磁石を各々収容するステンレス管24を配置し、この金属管の一方の側壁にコリメータ壁26の連結端部26aが配置され、他方の側壁にはグラファイト仕切壁29bが配置されている。これにより、各一対の磁石の組は、金属管毎に取り出し可能であり、また、各コリメータ壁26も連結端部26aを介して一体に組み立てられているので、一列に並んだコリメータ壁26も磁石の組と同様に、引出電極2の手前側に一体に取り出すことができ、各構成要素の分解・取付けが容易である。
【0043】
第1、第2磁石22,23は、図6に示すように、2つの磁石22,23を上下に接触させた形で1つの金属管24に収納する形式であってもよい。また、この金属管24は、二重の金属管24a、24bによって構成し、金属管の間の空間を通して冷却水を流すようにすることが好ましい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明は、イオンビームのビーム軸に直交する第1磁界またはビーム軸に直交しかつ互いに逆向きで平行な第1、第2磁界を形成することによって、入射するイオンと出射するイオンの進行方向をビーム軸と同方向にすることができ、イオン源の各電極配置を容易に整合させることが可能になり、また、湾曲したビーム経路を、湾曲壁と側部壁とから構成されるコリメータ壁により形成し、このコリメータ壁に沿って所望の質量のイオンのみを通過させることにより、不必要なイオンを排除することができる。しかも、イオンビームのビーム経路の入射開口位置と出射開口位置とのシフト量を調整することにより、イオンビームから不要なイオンや電子等を分離し、あるいは、通過する総イオンビーム量を増加させることができる。
【0045】
また、質量分離フィルタの構造は、第1、第2磁石とコリメータ壁による形成されるので、その構造が簡単であり、かつ磁界のみの偏向作用であるため、磁界と電界との相互作用による影響が発生せず、コリメータの設計が容易である。さらに、本発明によれば、一方向に湾曲した経路を逆方向に戻す形で湾曲するビーム経路を実現できるので、イオンの集束を良好にし、アスペクト比の高いスリットを通過する大面積イオンビームにおいて使用する質量分離フィルタとして小型化することも可能である。
【0046】
上述した記述は、本発明の一例を示すものであり、本発明は、個々に記載の特定の実施形態に制限されるものではなく、種々の再構成、修正、及び変更は、特許請求の範囲及びこれらと等価の構成によって定められる本発明の範囲から逸脱しない上記記載に関連して可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る質量分離装置を備えたイオン源を示す概略断面構成図である。
【図2】図2は、本発明の質量分離装置における電極構造を示す概略斜視図である。
【図3】図3は、図2の正面断面図である。
【図4】図4(a)は、図1のイオン源に使用した質量分離フィルタの構成を示す斜視図であり、図4(b)は、図1で示す5枚の電極板の側面図を示す図である。
【図5】図5は、引出電極において、質量分離を行うための磁石部分の構成を示す詳細断面図である。
【図6】図6は、別の実施形態における磁石部分の構成を示すの断面図である。
【図7】図7は、従来例の質量分離装置における電極配列を示す概略図である。
【図8】図8(a)は、別の従来例の質量分離装置を備えたイオン源の断面構成図であり、図8(b)(c)は、図8(a)での引出電極に配置された磁石と通し孔との配置関係を示す縦および横断面構成図である。
【符号の説明】
1 プラズマ電極
2 引出電極
6a〜6e 通し孔(開口)
10 イオン源
11 プラズマ室
12 ガス入口
14 エキサイタ
20 質量分離フィルタ
21 ビーム軸
22 第1磁石
22a 第1湾曲経路
23 第2磁石
23a 第2湾曲経路
24 金属管
25 ビーム経路
26 コリメータ壁

Claims (30)

  1. イオンのリボンビームを通過させる所定の間隔で並列に複数配置された直線状の多孔板電極のスリットと、該スリットを通過した前記リボンビームのビーム軸に対して直交する方向の第1磁界を形成する第1磁石と、
    前記ビーム軸に沿って前記第1磁石に連続して直列配置され、前記ビーム軸に直交しかつ前記第1磁界と平行で逆向きの第2磁界を形成する第2磁石と、
    前記第1、第2磁界内に形成され、前記第1磁界により偏向された第1湾曲経路から、前記第2磁界により前記第1磁界とは逆方向に偏向された第2湾曲経路に沿って、前記リボンビーム中の選択された所望の質量のイオンが通過できるように、前記第1、第2湾曲経路を有する複数のビーム経路を形成するための複数のコリメータ壁とを有する前記多孔板電極に続いて配置されるイオン通し孔を形成した質量分離電極を含み、
    前記複数のコリメータ壁により、前記リボンビームを複数のイオンビーム群に分割して前記複数のビーム経路ごとに質量分離するために、
    前記スリットの配置間隔に対応して形成される前記質量分離電極のイオン通し孔に対して、前記ビーム軸に沿って直列配置された前記第1、第2磁石の組は、それぞれ異なる磁極面が対向配置され、
    前記コリメータ壁の湾曲壁によって仕切られた前記ビーム経路は、前記第1、第2磁石に沿う前記イオン通し孔の長手方向に直線的に並列配置され、
    前記第1湾曲経路と第2湾曲経路は、ビームの軌道に沿って形成される連続したビーム経路となり、各ビーム経路を構成する前記湾曲壁が、それぞれ隣り合うビーム経路の一方の湾曲壁を構成していることを特徴とする質量分離フィルタ。
  2. 入射するイオンの方向と出射するイオンの方向は、ビーム軸と同方向であることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  3. 第2磁界の強さは、第1磁界の強さとほぼ同一であり、第1磁界によるイオンの変位量と同一の距離だけ偏向させる磁束密度を有することを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  4. 第1、第2磁石は、永久磁石であることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  5. 第1、第2磁石は、冷却水が流れる金属管に内装されることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  6. コリメータ壁は、第1、第2湾曲経路を形成するために、対向配置された少なくとも一対の湾曲壁と一対の側部壁とを含むことを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  7. 第1、第2磁石は、前記一対の側部壁の両外側に設けられかつそれぞれ異なる磁極性面が対向するように配置したことを特徴とする請求項6記載の質量分離フィルタ。
  8. コリメータ壁は、グラファイトから作られることを特徴とする請求項1または請求項6記載の質量分離フィルタ。
  9. コリメータ壁は、薄い金属板から作られることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  10. コリメータ壁の厚さは、コリメータ壁間の空間の10%未満の値であることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  11. コリメータ壁は、2つの結合した円弧からなる略S字形状であり、前記2つの円弧は、2つの結合点で互いに接しており、前記コリメータ壁の末端で互いに平行かつビーム軸に対しても平行であることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  12. コリメータ壁により形成されるビーム経路は、略S字形状で、磁界に対して非平行であることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  13. 第1磁界により偏向され、第2磁界により逆偏向されたビームの軌道は、質量分離フィルタへのビームの入射開口位置に対してビームの出射開口位置をシフトするように構成され、前記2つの開口位置は、偏向を受けなかった直進ビームが直接出射されないように、イオンビームの軸方向から見てオーバーラップしないことを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  14. 第1磁界により偏向され、第2磁界により逆偏向されたビームの軌道は、質量分離フィルタへのビームの入射開口位置に対してビームの出射開口位置をシフトするように構成され、前記2つの開口位置は、直進ビームの通過を可能にするために、イオンビームの軸方向から見てオーバーラップしていることを特徴とする請求項1記載の質量分離フィルタ。
  15. イオンのリボンビームを通過させる所定の間隔で並列に複数配置された直線状の多孔板電極のスリットと、該スリットを通過した前記リボンビームのビーム軸に沿って直列配置される第1、第2磁石により、前記ビーム軸に対して直交しかつ互いに平行かつ逆向きの第1、第2磁界を形成し、
    前記多孔板電極の前記スリットの配置間隔に対応して形成される質量分離電極のイオン通し孔に対して、直列配置された前記第1、第2磁石の組のそれぞれの磁極面が対向配置され、
    前記第1、第2磁石に沿う前記イオン通し孔の長手方向に直線的に並列配置されるビーム経路が、コリメータ壁の湾曲壁によって仕切られて、ビームの軌道に沿って連続した第1湾曲経路と第2湾曲経路を形成し、
    この連続したビーム経路は、各ビーム経路を構成する前記湾曲壁が、それぞれ隣り合うビーム経路の一方の湾曲壁を構成し、
    複数のコリメータ壁により、前記リボンビームを複数のイオンビーム群に分割して前記ビーム経路ごとに質量分離するために、前記第1、第2磁界内で前記第1磁界により偏向された第1湾曲経路から、前記第2磁界により前記第1磁界とは逆方向に偏向された第2湾曲経路に沿って、所望の質量のイオンが選択されて通過するようにしたイオンビームの質量分離方法。
  16. 前記コリメータ壁は、互いに対向配置される少なくとも一対の湾曲壁と一対の側部壁からなり、
    前記コリメータ壁により形成された第1、第2湾曲経路に沿って前記イオンビームを前記磁界内で偏向させ、直進するイオンおよび不要なイオンを前記コリメータ壁に衝突させ、選択された所望の質量のイオンを通過するようにしたことを特徴とする請求項15に記載の質量分離方法。
  17. 前記対向配置された一対の側部壁は、この側部壁の両外側に、前記磁界を形成する磁石を異なる極性面が対向するように配置したことを特徴とする請求項16の質量分離方法。
  18. (a) プラズマ室と、
    (b) 制御された流量で前記プラズマ室内にガスを導入する手段と、
    (c) 前記プラズマ室内で前記ガスをイオン化するためのエネルギー源と、
    (d) 複数の細長いスリットを有するプラズマ室壁を形成し、前記スリットから正のイオンのリボンビームが引き出される多孔板電極であるプラズマ電極と、
    (e) 前記プラズマ電極を通過して前記イオンを引き出すために、前記プラズマ電極に対して低電位にあって平行に配置されており、かつ前記イオンの運動エネルギーを制御可能な値に設定するための引出電極と、
    (f) 所望の質量または質量範囲を選択するために、前記プラズマ電極の複数のスリットに対して平行に配置されかつ前記引出電極と整合した複数の開口を有する質量分離電極である質量分離フィルタとを含んでいる大面積イオン源において、
    前記質量分離フィルタは、
    所定の間隔で並列に複数配置された直線状の前記多孔板電極のスリットと、該スリットを通過した前記リボンビームのビーム軸に対して直交する方向の第1磁界を形成する第1磁石と、
    前記ビーム軸に沿って前記第1磁石に直列配置され、前記ビーム軸に直交しかつ前記第1磁界と平行で逆向きの第2磁界を形成する第2磁石と、
    前記第1、第2磁界内に形成され、前記第1磁界により偏向された第1湾曲経路から、前記第2磁界により前記第1磁界とは逆方向に偏向された第2湾曲経路に沿って、選択された所望の質量のイオンが通過できるように、前記第1、第2湾曲経路を有するビーム経路を形成するための複数のコリメータ壁とを有する前記多孔板電極に続いて配置されるイオン通し孔を形成した質量分離電極を含み、
    前記複数のコリメータ壁により、前記リボンビームを複数のイオンビーム群に分割して前記複数のビーム経路ごとに質量分離するために、
    前記ビーム軸に沿って直列配置された前記第1、第2磁石の組は、前記スリットの配置間隔に対応して形成される前記イオン通し孔に対して、それぞれ異なる磁極面が対向配置され、
    前記コリメータ壁の湾曲壁によって仕切られた前記ビーム経路は、前記第1、第2磁石に沿う前記イオン通し孔の長手方向に直線的に並列配置され、
    前記第1湾曲経路と第2湾曲経路は、ビームの軌道に沿って形成される連続した前記ビーム経路となり、各ビーム経路を構成する前記湾曲壁が、それぞれ隣り合うビーム経路の一方の湾曲壁を構成していることを特徴とするイオン源。
  19. 質量分離フィルタは、イオン源の引出電極、加速電極、および接地電極のいずれかに組み込まれることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  20. イオンビームは、細長い断面を有するリボンビームであることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  21. 質量分離フィルタは、プラズマ電極と引出電極との間に平行配置されていることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  22. プラズマ電極は、プラズマ内を貫く磁界を減少するために、磁気シールド用の電磁軟鉄から作られていることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  23. プラズマ電極から質量分離フィルタの入射面までの距離は、第1、第2磁石間のギャップの少なくとも2倍であることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  24. コリメータ壁は、2つの結合した円弧からなる略S字形状であり、前記2つの円弧は、2つの結合点で互いに接しており、前記コリメータ壁の末端で互いに平行かつビーム軸に対しても平行であることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  25. 前記円弧の曲率半径は、イオンの質量をm、イオンの加速エネルギーをE(eV)、軌道半径をR(cm)、磁束密度をB(ガウス)とすると、
    R = 144(mE)1/2*(1/B) (1)
    で与えられることを特徴とする請求項24記載のイオン源。
  26. コリメータ壁は、プラズマ電極の開口の間隔と同一ピッチを有することを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  27. 第1湾曲経路と第2湾曲経路は、ビームの軌道に沿って形成される連続したビーム経路であり、その配置の間隔をプラズマ電極の開口の間隔と同一ピッチとしたことを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  28. コリメータ壁は、所定の間隔で配置した直線状の前記第1、第2磁石の組の間に、プラズマ電極の開口の並びの方向に合わせて、等間隔で一列に配置されていることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  29. 引出電極に供給される引出電圧は、イオンビームによるドーズ量を直接ビーム測定することにより制御されることを特徴とする請求項18記載のイオン源。
  30. 前記引出電圧は、イオンビームを均一にするために時間的に変化する小さい交流成分が加えられた直流電圧であることを特徴とする請求項29記載のイオン源。
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