JPH05100228A - 強誘電性液晶素子の配向処理法 - Google Patents

強誘電性液晶素子の配向処理法

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JPH05100228A
JPH05100228A JP28723691A JP28723691A JPH05100228A JP H05100228 A JPH05100228 A JP H05100228A JP 28723691 A JP28723691 A JP 28723691A JP 28723691 A JP28723691 A JP 28723691A JP H05100228 A JPH05100228 A JP H05100228A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性のよいユニフォーム配向を安定して製造
する。 【構成】 2枚の基板間に強誘電性液晶を配した液晶表
示素子の配向処理法においてラビングローラ301の移
動速度、回転速度および押込み量等のラビング条件を経
時的に、例えば基板を処理した枚数に応じて、それぞれ
単独あるいは同時に変化させながらラビング処理をす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や液晶シ
ャッタ等として用いられる液晶素子、特に強誘電性液晶
素子の配向処理法に関し、更に詳しくは、液晶素子の表
示特性を改善するために液晶分子の配向状態を改善し得
る配向法に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御する
型の表示素子がクラーク(Clark)及びラガーウォ
ル(Lagerwall)により提案されている(特開
昭56−107216号公報、米国特許第436792
4号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の温
度域において、カイラルスメクチックC相(SmC*
)またはH相(SmH*)を有し、この状態におい
て、加えられる電界に応答して第1の光学的安定状態
(配向状態)と第2の光学的安定状態(配向状態)のい
ずれかを取り、且つ電界の印加のないときはその状態を
維持する性質、すなわち双安定性を有し、また電界の変
化に対する応答も速やかであり、高速ならびに記憶型の
表示素子としての広い利用が期待されている。
【0003】強誘電性液晶素子は、この双安定性を有す
る液晶を用いた光学変調素子であり、透明電極を設けた
一対の基板間に強誘電性液晶を挟持してなる。基板の透
明電極上には強誘電性液晶層と接する層として配向膜が
設けられる。配向膜は液晶表示素子の液晶を配向させる
ための層である。
【0004】このような双安定性を有する液晶を用いた
光学変調素子が所定の駆動特性を発揮するためには、一
対の平行基板間に配置される液晶が、電界の印加状態と
は無関係に、上記2つの安定状態の間での変換が効果的
に起こるような分子配列状態にあることが必要である。
【0005】また、液晶の複屈折を利用した液晶素子の
場合、直交ニコル下での透過率は、
【0006】
【数1】 で表わされる。前述の非らせん構造におけるチルト角θ
は、第1と第2の配向状態でのねじれ配列した液晶分子
の平均分子軸方向の角度として現れることになる。上式
によれば、かかるチルト角θが22.5°の角度の時最
大の透過率となり、双安定性を実現する非らせん構造で
のチルト角θが、22.5°にできる限り近いことが望
ましい。
【0007】ところで、強誘電性液晶の配向方法として
は、大きな面積に亘って、スメクチック液晶を形成する
複数の分子で組織された分子層を、その法線に沿って一
軸方向に配向させることができ、しかも製造プロセス
も、簡便なラビング処理により実現できるものが望まし
い。
【0008】強誘電性液晶、特に非らせん構造のカイラ
ルスメクチック液晶のための配向方法としては、例えば
米国特許第4561726号公報に記載されたものなど
が知られている。
【0009】また、一軸方向に配向する配向法として
は、SiOの斜方蒸着によるハイプレチルト界面による
ユニフォーム配向(松下電器(株)JAPAN DIS
PLAY ’86 464〜467)が報告されてい
る。しかし、この配向手法は大画面を均一に配向させる
のには適していない。したがって、生産性に優れている
ラビング配向処理によるハイプレチルトが望まれる。
【0010】そこで、フッソ系ポリイミド等の配向膜を
用い、これをラビングによるハイプレチルト配向処理に
よりユニフォーム配向することが、本出願人により提案
されている。
【0011】ラビング法はパイル糸を有する布等で一方
向に基板を擦り、その擦った方向に液晶を配向させる手
法である。ラビングは基板全面に均一な配向処理を施す
ことが必要である。また、生産性の点から、図3に示す
ようにラビングが施される。図3において、円柱形のラ
ビングローラ301にラビング布302をはりつけ、こ
のラビング布302上のパイル糸を基板101あるいは
101′に接触させる。ローラ301はAまたはB方向
に回転させ、同時に基板101(101′)またはラビ
ングローラ301をCまたはD方向に平行移動すること
で、基板101(101′)全面に配向処理を施す。
【0012】従来のこのような手法では、ラビングロー
ラ301の移動速度(送り速度)、ラビングローラ30
1の回転速度(回転数)、基板101(101′)に対
するラビングローラ301の押込み量(押込み深さ)を
固定し、多数の基板をラビング処理していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ラビングローラの回転速度、移動速度、押込み量を固定
する方法では、パイル糸の消耗により、基板に付加する
一軸性(ユニフォーム)配向規制力が、基板のラビング
処理を行なうたびに徐々に弱まっていく。このような状
態では基板界面の液晶分子の基板に対する角度(プレチ
ルト角)が基板のラビング処理を行なうたびに変動して
いく。このため液晶の均一な配向状態を得られなくなる
という問題点があり、ラビング布の早期交換が必要であ
った。
【0014】特に、ラビングによるプレチルト10°以
上のハイプレチルト配向は、ラビングの強度に敏感であ
り、初期のラビング条件を精度よく設定してもプレチル
トは初期の値からラビング枚数が増えるごとに大きくず
れていってしまう。例えば20パネル分のラビング処理
をした場合、最初から5枚め分のパネルしか特性のよい
ユニフォーム配向にならず、後の15パネルは不良品に
なってしまうという問題が生じた。
【0015】本発明の目的は、前述の問題を解決し、特
性のよいユニフォーム配向を安定して製造するラビング
処理技術を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、2枚の基板間に強誘電性液晶を配した
液晶表示素子の配向処理法において、ラビングローラの
移動速度、ラビングローラの回転速度およびラビングロ
ーラの押込み量等を経時的にそれぞれ単独あるいは同時
に変化させながらラビング処理をすることを特徴として
いる。
【0017】ラビング条件は、例えば基板を処理した枚
数に応じて変化させる。
【0018】
【作用】上記構成によれば、パイル糸の消耗による一軸
配向規制力の低下を、ラビング条件を変化させることに
より補償し、防止することができる。
【0019】
【実施例1】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明
する。
【0020】図1は本発明の一実施例に係る液晶素子の
平面図であり、図2(A)〜(C)はそれぞれ異なる態
様の図1のA−A′断面図である。
【0021】図1と図2で示すセル構造体100は、ガ
ラス板またはプラスチック板等からなる一対の基板11
aと11bをスペーサ104で所定の間隔に保持して対
向させ、この一対の基板11aと11bをシーリングす
るために接着剤106で接着したセル構造を有してい
る。さらに、基板11a上には、複数の透明電極102
からなる電極群(例えば、マトリクス電極構造のうちの
走査電圧印加用電極群)が例えば帯状パターン等の所定
パターンで形成されている。基板11bの上には、前述
の透明電極12aと交差させた複数の透明電極12bか
らなる電極群(例えば、マトリクス電極構造のうちの信
号電圧印加用電極群)が形成されている。15は基板1
1aと基板11bに挟持された液晶を示す。このような
セル構造体100を1組の偏光子17a,17bで挟み
液晶表示装置を構成する。
【0022】透明電極12aと12bの少なくとも一方
にショート防止用絶縁体膜を用いることができるが、図
2(A)の素子ではこの絶縁体膜は用いず、透明電極1
2aと12bがそれぞれ形成された基板11aと11b
上にそれぞれ形成された基板11aと11b上にそれぞ
れ直接配向制御膜14aと14bが配置される。
【0023】図2(B)の素子では、基板11aと11
b上にそれぞれショート防止用絶縁体膜13aと13b
並びに配向制御膜14aと14bが配置される。
【0024】図2(C)の素子では、基板11b上にシ
ョート防止用絶縁体膜13bと配向制御膜14bを配置
し、基板11a上には直接配向制御膜14aが配置され
ている。
【0025】配向制御膜14aと14bとしては、例え
ば一酸化硅素、二酸化硅素、酸化アルミニウム、ジルコ
ニア、フッ化マグネジウム、酸化セリウム、フッ化セリ
ウム、シリコン窒化物、シリコン炭化物、ホウ素窒化物
等の無機絶縁物質や、ポリビニルアルコール、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリパラ
キシリレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビ
ニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリス
チレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、
アクリル樹脂等の有機絶縁物質を用いて被膜形成したも
のを用いることができる。上述の無機絶縁物質の膜は、
ショート防止用絶縁体膜の機能を兼ねることができる。
特に、上述したように、図2(A)に示す液晶表示素子
で用いた配向制御膜14aおよび14bは、前述した配
向制御とショート防止の機能を併せ持つ無機絶縁体膜に
よって形成される。
【0026】この配向制御膜14aと14bは、前述の
如き無機絶縁物質または有機絶縁物質を被膜形成した
後、表面をパイル糸を有する布等で一方向に擦る(ラビ
ング)ことによって、一軸性配向処理軸が付与される。
【0027】また、ショート防止用絶縁体膜13aと1
3bは200Å厚以上、好ましくは、500Å厚以上の
膜厚に設定され、SiO2 、TiO2 、Al23 、S
34 、BaTiO3 等の無機絶縁物質を成膜するこ
とによって得られる。
【0028】成膜法としては、スパッタ法、イオンビー
ム蒸着法あるいは有機チタン化合物、有機シラン化合物
や有機アルミニウム化合物の塗布膜を焼成する方法を用
いることができる。この際、有機チタン化合物として
は、アルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)
チタネート化合物、有機シラン化合物としては通常のシ
ランカップリング剤等を用いることができる。ショート
防止用絶縁体膜13aと13bの膜厚が200Å以下で
ある場合は充分なショート防止効果を得ることができ
ず、またその膜厚を5000Å以上とすると液晶層に印
加される実効的な電圧が印加されなくなるので、この膜
厚は5000Å以下、好ましくは2000Å以下に設定
する。
【0029】本発明で用いる液晶材料として、特に適し
たものは、カイラルスメクティック液晶であって強誘電
性を有するものである。具体的にはカイラルスメクティ
ックC相(SmC* )、カイラルスメクティックG相
(SmG* )、カイラルスメクティックF相(SmF
* )、カイラルスメクティックI相(SmI* )または
カイラルスメクティックH相(SmH* )の液晶を用い
ることができる。
【0030】強誘電性液晶の詳細については、例えばLE
JOURNAL DE PHYSIOUE LETTERS ”36(L-69)1975, 「Ferr
oelectric Liquid Crystals 」;“Applied physics Le
tters ”36(11) 1980 「Submiicro Second Bistable El
ectrooptic Switching in Liquid Crystals 」;“固体
物理”16(141) 1981「液晶」米国特許第4,561,7
26号公報、米国特許第4,589,996号公報、米
国特許第4,592,858号公報、米国特許第4,5
96,667号公報、米国特許第4,613,209号
公報、米国特許第4,614,609号公報、米国特許
第4,622,165号公報等に記載されており、本発
明ではこれらに開示された強誘電性液晶を用いることが
できる。
【0031】強誘電性液晶化合物の具体例としては、ヘ
キシルオキシベンジリデン−P′−アミノ−2−クロロ
プロピルシンメナート(HOBACPC)、4−0−
(2−メチル)ブチルレゾルシリデン−4′−オクチル
アニリン(MBR8)、フェニルピリミジンを主成分と
する混合液晶等が挙げられる。
【0032】以下、より具体的な実施例を示す。
【0033】基板として、1.1mmのガラス板を用意
し、ITO(Indium Tin Oxide)のストライプ状電極を
形成した。次にショート防止絶縁体膜としてSiO2
スパッタ法により1000Å形成した。さらに、その上
にポリイミド形成液として、LQ1802(商品名:日
立化成(株)社製)をスピンナーで塗布した。その後、
約1時間270℃の加熱焼成処理を施してポリイミド配
向膜を形成した。
【0034】上記の方法で作製した基板を100枚用意
し、ナイロンのパイル糸を有するラビング布を円柱形の
ローラにはりつけ、100枚の基板を連続にラビング処
理した。この間ラビングローラの移動速度を60mm/
secから、1枚当り0.5mm/secずつ徐々に速
度を減少させた。またラビングローラ回転速度は、10
00r.p.m.で変化させず、ラビングローラの押込み量を
0.30mmに固定しラビング処理を行なった。
【0035】次に、ラビング処理を行なった第1番目と
2番目、第9番目と第10番目、第29番目と第30番
目、第59番目と第60番目、第99番目と第100番
目の基板を、平均粒径約1.5μmのアルミナビーズを
介して2枚のラビング処理による一軸性配向軸が平行に
なるように貼り合わせた。以上により5つのセルを形成
した。
【0036】これらの5つの各セルにフェニルピリミジ
ンを主成分とする混合液晶を注入して配向性を観察し
た。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】また、該セルと同条件の基板で、基板界面
の液晶分子の基板に対する角度(プレチルト角)の測定
用セルを作製し測定した。プレチルト角の測定方法は以
下のようにして行なった。プレチルト角αの測定 Jpn.J.Appl.Phys.vol19(1980)NO.10.Short Notes 2013
に記載されている方法(クリスタルローテーション法)
に従って求めた。
【0039】つまり、平行かつ反対方向にラビングした
基板を貼り合せてセル厚20μmのセルを作成し、0℃
〜60℃の範囲でSmA相を有する液晶(A)を封入し
測定を行なった。
【0040】液晶セルを上下基板に垂直かつ配向処理軸
を含む面で回転させながら回転軸と45°の角度をなす
偏光面をもつヘリウム・ネオンレーザ光を回転軸に垂直
な方向から照射し、その反対側で入射偏光面と平行な透
過軸をもつ偏光板を通してフォトダイオードで透過光強
度を測定した。
【0041】干渉によってできた透過光強度の双曲線群
の中心となる角と液晶セルに垂直な線となす角度をφX
とし、下式に代入してプレチルト角α0 を求めた。
【0042】
【数2】
【0043】プレチルト角の測定結果を図4に示す。
【0044】
【比較例1】比較のため、上記の実施例と同様な方法で
ポリイミド配向膜を形成した基板を100枚作製し、同
様にナイロンのパイル糸を有するラビング布で100枚
の基板を連続にラビング処理した。
【0045】この時のラビング条件は、ラビングローラ
の移動速度は60mm/secと変化させず、また、ラ
ビングローラの回転数は1000r.p.m.に固定し、ラビ
ングローラの押込み量も0.30mmに固定した条件で
ラビング処理を行なった。
【0046】次に、実施例と同様に第1番目と2番目、
第9番目と第10番目、第29番目と第30番目、第5
9番目と第60番目、第99番目と第100番目の基板
を用いて、同様の方法でセル化を行なった。
【0047】これらの5つの各セルにフェニルミリシジ
ンを主成分とする混合液晶を注入して配向性を観察し
た。その結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】また該セルと同条件の基板で基板界面の液
晶分子の基板に対する角度(プレチルト角)の測定用セ
ルを作製し測定した。測定結果を図5に示す。
【0050】以上の実施例1と比較例1から、ラビング
ローラの移動速度を変化させながら、ラビング処理する
ことにより、基板界面の液晶分子の基板に対する角度
(プレチルト角)の変動をおさえることで、一軸配向規
制力を弱めることなくより多くの基板をラビング処理で
きることがわかる。
【0051】
【実施例2】実施例1では送り速度を変化させたためラ
ビング処理が進むにつれて、タクトが徐々に長くなって
いった。これを改善するため、送り速度を変化させずに
ラビングローラの回転速度を変えた例を以下に具体的に
述べる。
【0052】実施例1で用いたのと同じ配向膜形成した
基板を100枚用意し、ラビング処理した。この間、ラ
ビングローラの回転速度を500r.p.m.から一枚当り1
5r.p.m.ずつ徐々に増加させた。またラビングローラの
移動速度を30mm/secに固定し、ラビングローラ
の押込み量も0.30mmに固定してラビング処理を行
なった。
【0053】次に実施例1と同条件で5つのセルを作成
し、配向性を観察したところ実施例1で示した表1と同
様の結果が得られた。また、該セルと同条件の基板で基
板界面の液晶分子の基板に対する角度(プレチルト角)
の測定用セルを作製し、評価したところ本実施例の条件
の範囲内ではプレチルト角の変動はみられなかった。
【0054】
【比較例2】比較のため、上記の実施例1と同様な方法
でポリイミド配向膜を形成した基板を100枚作製し同
様に100枚の基板を連続にラビング処理した。この時
の条件はラビングローラの移動速度は30mm/se
c、ラビングローラの回転数は1000r.p.m.、ラビン
グローラの押込み量は0.30mmとそれぞれ固定した
条件でラビング処理を行なった。
【0055】次に実施例1と同様の方法でセルを作製し
配向を観察したところ比較例1として示した表2と同様
の結果が得られた。
【0056】また、該セルと同条件の基板でプレチルト
測定用セルを作製し、評価したところ比較例1の中で示
した図5と同様の結果が得られた。、以上の実施例2と
比較例2から、ラビングローラの回転速度を変化させな
がらラビング処理することにより、実施例1と同様の効
果を得ることができることがわかる。
【0057】
【実施例3】実施例1で用いたのと同じ配向膜形成した
基板を100枚用意し、ラビング処理した。この間ラビ
ングローラの押込み量を0.30mmから4枚ラビング
処理ごとに0.01mmずつ増加させた。また回転数は
1000r.p.m.、ローラ移動速度は30mm/secに
固定してラビング処理を行なった。
【0058】次に実施例1と同条件で5つのセルを作製
し配向性を観察したところ実施例1で示した表1と同様
の結果が得られた。
【0059】また、該セルと同条件の基板で基板界面の
液晶分子の基板に対する角度(プレチルト角)の測定用
セルを作製し評価した。その結果本実施例の条件の範囲
内ではプレチルト角の変動は見られなかった。
【0060】上記比較例2と上記実施例3とをからラビ
ングローラの押込み量を変化させながらラビング処理す
ることで実施例1と同様の効果を得ることができること
がわかる。
【0061】
【実施例4】実施例1で用いたのと同じ配向膜形成した
基板を200枚用意し、ラビング処理した。この間、ラ
ビングローラの移動速度を60mm/secから1枚毎
に0.1mm/secずつ減少させた。またローラ回転
速度を1000r.p.m.から1枚毎に5r.p.m.ずつ増加さ
せた。さらにローラ押込み量を0.30mmから10枚
毎に0.01mmずつ増加させラビング処理を行なっ
た。
【0062】次に実施例1と同条件でラビング処理を行
なった第1番目と第2番目、第49番目と第50番目、
第99番目と第100番目、第149番目と第150番
目、第199番目と第200番目の基板を使い5つのセ
ルを作製し、配向性を観察したところ表3の結果が得ら
れた。
【0063】
【表3】
【0064】また、該セルと同条件の基板で基板界面の
液晶分子の基板に対する角度(プレチルト角)の測定用
セルを作製し評価した。その結果本実施例の条件の範囲
内ではプレチルト角の変動は見られなかった。
【0065】このように、表2に示した比較例1の結果
と上記実施例4からわかるようにローラ移動速度、ロー
ラ回転速度、ローラ押込み量を同時に変化させることに
より、実施例1〜3以上にラビング処理枚数を増せるこ
とがわかる。
【0066】
【実施例5】図6は、図1のA−A′断面のさらに他の
態様を示す。
【0067】11aと11bは、それぞれIn23
ITO等の透明電極12aと12bで被覆された基板
(ガラス板)であり、その上に200〜300Å厚の絶
縁膜13aと13b(SiO2 膜、TiO2 膜、Ta2
5 膜等)と、前記一般式で示すポリイミドで形成した
50〜100Å厚の配向制御膜14aと14bとがそれ
ぞれ積層されている。配向制御膜14aと14bは配向
方向が平行かつ同一向き(図1でいえばA方向)になる
ようラビング処理(矢印方向)してある。基板11aと
11bとの間には、強誘電性スメクチック液晶15が配
置され、基板11aと11bとの間の距離は、強誘電性
スメクチック液晶15のらせん配列構造の形成を抑制す
るのに十分に小さい距離(例えば0.1〜3μm)に設
定され、強誘電性スメクチック液晶15は双安定性配向
状態を生じている。上述の十分に小さい距離は、基板1
1aと11bとの間に配置したビーズスペーサ16(シ
リカビーズ、アルミナビーズ)によって保持される。1
7a,17bは偏光板である。
【0068】このような構成において、その配向制御層
表面での液晶のプレチルトと特定の液晶の組み合わせを
用いることによって特性のよいユニフォーム配向をつく
ることができる。その配向状態およびそのモデルについ
て説明する。
【0069】図7において、36は配向制御層との界面
上での液晶を示しており、その液晶の持っている各相で
ラビング方向に対応した方位角で傾いているその傾き角
に対してシェブロン32,33のような方向性を有して
おり32をSm* C1,33をSm* C2と呼ぶ。
【0070】また、異なるシェブロンの傾き方向の境界
線34および35は、それぞれライトニング欠陥および
ヘアピン欠陥のジグザグ欠陥に対応している。本発明に
おいて用いる配向は32のようなSm* C1の状態であ
る。
【0071】図8はSm* C1およびSm* C2の各状
態のCダイレクタ表わしたものである。図8において、
51,52はC1配向のツイスト状態、53,54はC
1配向のユニフォーム状態である。55,56はC2配
向のツイスト状態である。また、δは層の傾き角であ
る。
【0072】本発明者の検討によると、プレチルトが小
さい場合はC2配向が優先して存在し、プレチルトを大
きくするとC1配向が安定になり、53,54のような
ユニフォーム状態が出現する。しかしあまりプレチルト
角を大きくしすぎると51,52のようなC1のツイス
ト状態が安定になり、ディスプレーとして用いた時のコ
ントラストを著るしく悪化させる。このことからプレチ
ルト角の高精度の制御が強誘電性液晶素子においては重
要となっている。
【0073】以下、具体例について説明する。
【0074】透明電極の付いたガラス基板上に酸化タン
タルの薄膜をスパッタ法で形成し、その上に塗布型絶縁
層であるTi−S:MOF(東京応化製)を印刷し、3
00℃に加熱することで1000Åの膜を形成した。次
に上記基板を40枚ラビング処理した。ラビング条件
は、初期ラビング条件をローラ押し込み[0.3m
m]、ローラ回転数[1000r.p.m.]、ローラ送り速
度[70mm/S]とし、1枚ラビングするごとに、1
mm/Sずつローラ送り速度を遅くしていった。それぞ
れの基板を4等分に切って、そのうち2枚をラビング方
向が反平行になるようにはり合わせてプレチルトを測定
し、あとの2枚で配向の検討を行なった。プレチルト測
定結果を図9に示す。プレチルトと処理枚数に対する変
化はほとんどなく、プレチルト測定値は、16.2〜1
7.5°の範囲になった。また、各セルでの配向は均一
なユニフォーム配向であった。
【0075】
【比較例】ラビング処理条件においてローラ送り速度を
初期で50mm/Sとし処理枚数に応じて変化させない
以外は同様の実験を行なった。
【0076】図10に示すようにプレチルトは10.5
°から24°まで大きく変化し、図中の黒ヌリの点で表
わしたセルではSm* C1のツイスト配向が出現しコン
トラストが非常に悪化した。
【0077】また図中、二重丸で表わしたセルではSm
* C2配向が出現し、C1配向との境界が欠陥となり、
ちらつき、コントラストの低下等の画質劣化をひきおこ
した。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ラビング処理においてラビングローラの移動速度および
ラビングローラの回転速度およびラビングローラの基板
に対する押込み量をそれぞれ単独あるいは同時に変化さ
せながら、ラビング処理を行なうことにより基板界面の
液晶分子の基板に対する角度(プレチルト角)の変動を
おさえることで、一軸配向規制力を弱めることなく、よ
り多くの基板をラビング処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る強誘電性液晶素子の
平面図である。
【図2】 それぞれ異なる実施態様の図1のA−A′断
面図である。
【図3】 ラビング処理方法を模式的に表わした図であ
る。
【図4】 実施例1のプレチルト角測定結果を表わした
グラフである。
【図5】 比較例1のプレチルト角測定結果を表わした
グラフである。
【図6】 図1の素子のさらに他の実施態様を表わすA
−A′断面図である。
【図7】 C1配向とC2配向の層構造を示す説明図で
ある。
【図8】 C1,C2配向の各状態における基板間の各
位置でのダイレクタの配置を示す模式図である。
【図9】 実施例5のプレチルト角測定結果を表わした
グラフである。
【図10】 比較例4のプレチルト角測定結果を表した
グラフである。
【符号の説明】
11a,11b:基板、12a,12b:透明電極、1
3a,13b:ショート防止用絶縁体膜、14a,14
b:配向制御膜、15:液晶、104:スペーサ、30
1:ラビングローラ、302:ラビング布。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小寺 泰人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板間に強誘電性液晶を配置した
    液晶素子の配向制御層をラビング法により形成するため
    の配向処理法おいて、ラビングの条件を経時的に変化さ
    せながら複数枚の前記基板を順次配向処理することを特
    徴とする強誘電性液晶素子の配向処理法。
  2. 【請求項2】 変化させるラビングの条件が、ラビング
    ローラの送り速度、回転数および基板に対する押込み深
    さから選ばれる1種または2種以上である請求項1記載
    の配向処理法。
  3. 【請求項3】 前記強誘電性液晶をプレチルト10°以
    上に配向させるための請求項1記載の配向処理法。
  4. 【請求項4】 前記ラビング条件を、前記基板を処理し
    た枚数に応じて変化させる請求項1記載の配向処理法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11202334A (ja) * 1998-01-20 1999-07-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示装置の製造方法
JP2010151971A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Fujifilm Corp 光学補償フィルムの製造方法

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