JPH0499226A - 低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法Info
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- JPH0499226A JPH0499226A JP20977490A JP20977490A JPH0499226A JP H0499226 A JPH0499226 A JP H0499226A JP 20977490 A JP20977490 A JP 20977490A JP 20977490 A JP20977490 A JP 20977490A JP H0499226 A JPH0499226 A JP H0499226A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、軟質なフェライトとマルテンサイトを主体と
した組織からなり、低降伏比で伸び及び焼付硬化性に優
れた引張強さ60 kgf / m+o2以上を有する
高強度冷延鋼板の製造方法に関する。
した組織からなり、低降伏比で伸び及び焼付硬化性に優
れた引張強さ60 kgf / m+o2以上を有する
高強度冷延鋼板の製造方法に関する。
(従来の技術及び解決しようとする課題)自動車車体の
軽量化による燃費向上及び衝突時の安全性向上のため、
自動車部材の高強度化が推進されている。特にバンパー
、ドアガードバ−等の補強部材には、従来は、引張強さ
60〜100kgf/am”級の鋼板が使用されていた
が、近年、更に高強度化が試みられている。
軽量化による燃費向上及び衝突時の安全性向上のため、
自動車部材の高強度化が推進されている。特にバンパー
、ドアガードバ−等の補強部材には、従来は、引張強さ
60〜100kgf/am”級の鋼板が使用されていた
が、近年、更に高強度化が試みられている。
これら部材には鋼板の母材強度のほか、構造物として所
定の強度と剛性が必要であることから、通常、プレスに
よって所要の形状に加工されるバンパー ドアガードバ
−等にあっては長尺物であることと相俟って、厳しい寸
法精度が必要であると共に、衝突時などに高い変形抵抗
を有することが要求される。
定の強度と剛性が必要であることから、通常、プレスに
よって所要の形状に加工されるバンパー ドアガードバ
−等にあっては長尺物であることと相俟って、厳しい寸
法精度が必要であると共に、衝突時などに高い変形抵抗
を有することが要求される。
寸法精度を高めるためには、絞り、曲げ加工時のプレス
圧力を高めて型沢(決め押し)を行うなどの手法が取ら
れており、超高強度冷延鋼板の場合には、大型のプレス
設備が必要となる等の問題がある。このため、低いプレ
ス圧力で寸法精度が確保できる低降伏比の冷延鋼板が強
く求められている。
圧力を高めて型沢(決め押し)を行うなどの手法が取ら
れており、超高強度冷延鋼板の場合には、大型のプレス
設備が必要となる等の問題がある。このため、低いプレ
ス圧力で寸法精度が確保できる低降伏比の冷延鋼板が強
く求められている。
一方、衝突時の変形を小さくするためには、逆に降伏比
を高くする必要があり、相反する要求特性を同時に満足
させなければならない。このために、低降伏比で、かつ
、塗装後の焼付工程で降伏点が大きく上昇する、いわゆ
る焼付硬化性の高い高強度冷延鋼板が強く求められてい
る。
を高くする必要があり、相反する要求特性を同時に満足
させなければならない。このために、低降伏比で、かつ
、塗装後の焼付工程で降伏点が大きく上昇する、いわゆ
る焼付硬化性の高い高強度冷延鋼板が強く求められてい
る。
また、これらの部材には、自動車への取付が容易である
ようにスポット溶接性及び塗装性等も要求される。
ようにスポット溶接性及び塗装性等も要求される。
従来、引張強さが60 kgf / mm”を超える高
強度冷延鋼板は連続焼鈍によって製造されている。かN
る技術で製造される代表的鋼種の組織であるフェライト
・マルテンサイト組織は、−船釣にα+γの2相域加熱
後、Ms点以下に急冷して製造されている。
強度冷延鋼板は連続焼鈍によって製造されている。かN
る技術で製造される代表的鋼種の組織であるフェライト
・マルテンサイト組織は、−船釣にα+γの2相域加熱
後、Ms点以下に急冷して製造されている。
例えば、特開昭53−32016号には、α+γの2相
域から水焼入れして、その後150〜400℃で過時効
処理する高強度冷延鋼板の製造方法が提案されている。
域から水焼入れして、その後150〜400℃で過時効
処理する高強度冷延鋼板の製造方法が提案されている。
しかし、この方法によると過時効処理でマルテンサイト
が焼戻されるために降伏比が高くなるという問題がある
。
が焼戻されるために降伏比が高くなるという問題がある
。
また、特開昭50−39210号には、Si/Mnの比
を0.6〜1.5とした連続焼鈍による高強度冷延鋼板
の製造方法が提案されている。その製造方法としては、
α+γの2相域に加熱した後、単純に同一冷却速度で常
温まで冷却、或いはその後、過時効処理することが記載
されている。過時効処理を行う目的はフェライト中の固
溶Cを低減し、伸びを向上させるためであるが、この場
合には降伏比が著しく高くなる。したがって、この方法
によっては、伸びが優れた低降伏比高強度冷延鋼板を得
ることは困難である。
を0.6〜1.5とした連続焼鈍による高強度冷延鋼板
の製造方法が提案されている。その製造方法としては、
α+γの2相域に加熱した後、単純に同一冷却速度で常
温まで冷却、或いはその後、過時効処理することが記載
されている。過時効処理を行う目的はフェライト中の固
溶Cを低減し、伸びを向上させるためであるが、この場
合には降伏比が著しく高くなる。したがって、この方法
によっては、伸びが優れた低降伏比高強度冷延鋼板を得
ることは困難である。
本発明は、上記従来技術の欠点を解決し、軟質なフェラ
イトと硬質なマルテンサイトを主体とした組織であって
も、低降伏比で伸びが優れ、かつ焼付硬化性の高い引張
強さ60 kgf/+u+”以上を有する高強度冷延鋼
板の製造方法を提供することを目的とするものである。
イトと硬質なマルテンサイトを主体とした組織であって
も、低降伏比で伸びが優れ、かつ焼付硬化性の高い引張
強さ60 kgf/+u+”以上を有する高強度冷延鋼
板の製造方法を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段)
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた
結果、化学成分と熱間圧延及び冷間圧延の条件、並びに
連続焼鈍の条件を総合的にコントロールすることにより
可能であることを見い出し、ここに本発明をなしたもの
である。
結果、化学成分と熱間圧延及び冷間圧延の条件、並びに
連続焼鈍の条件を総合的にコントロールすることにより
可能であることを見い出し、ここに本発明をなしたもの
である。
すなわち、本発明は、C:0.10−0.25%、Mn
:1.3〜3.3%及びSi:0.8−2.0%を含有
し、Si/Mnの比が0.6以上であり、必要に応じて
更にP:0,02−0.15%、Mo:0.1−1.0
%及びCr:0.10”1.0%のうちの1種又は2種
以上を含有し、残部がFe及び不可避的純物からなる鋼
を通常の方法で熱間圧延し、600℃以下で巻取り、酸
洗後30%以上の冷間圧延を行って連続焼鈍するに際し
、Ac1点以上、900℃以下の温度に加熱した後、次
式[1]を満たす温度(TQ)まで冷却し、その後30
0℃/秒以上の冷却速度で常温まで冷却し、引続き30
0℃以下の温度で過時効処理を行うこと、或いは前記連
続焼鈍において、Ac1点以上、900℃以下の温度に
加熱した後、次式のを満たす温度(TQ)まで冷却し、
その後300℃/秒以上の冷却速度で300℃以下まで
冷却し、引続きその温度で過時効処理を行うを特徴とす
る低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法を要旨とするもの
である。
:1.3〜3.3%及びSi:0.8−2.0%を含有
し、Si/Mnの比が0.6以上であり、必要に応じて
更にP:0,02−0.15%、Mo:0.1−1.0
%及びCr:0.10”1.0%のうちの1種又は2種
以上を含有し、残部がFe及び不可避的純物からなる鋼
を通常の方法で熱間圧延し、600℃以下で巻取り、酸
洗後30%以上の冷間圧延を行って連続焼鈍するに際し
、Ac1点以上、900℃以下の温度に加熱した後、次
式[1]を満たす温度(TQ)まで冷却し、その後30
0℃/秒以上の冷却速度で常温まで冷却し、引続き30
0℃以下の温度で過時効処理を行うこと、或いは前記連
続焼鈍において、Ac1点以上、900℃以下の温度に
加熱した後、次式のを満たす温度(TQ)まで冷却し、
その後300℃/秒以上の冷却速度で300℃以下まで
冷却し、引続きその温度で過時効処理を行うを特徴とす
る低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法を要旨とするもの
である。
500−100 X M neq≦TQ≦800−10
0 X M neq−■ここで。
0 X M neq−■ここで。
Mneq(%)=Mn+1.52Mo+1.10Cr+
0.10Si+2.IP 以下に本発明を更に詳細に説明する。
0.10Si+2.IP 以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用)
本発明の方法によれば、要するに、α+γ域加熱加熱ガ
スジェットにより徐冷することで、オーステナイト体積
率が収縮するためにそのC濃度を極めて高めることがで
き、その後、Mneqをパラメータとする式で決められ
る所定の温度(TQ)から300T:/秒以上の冷却速
度で冷却することにより、C濃度の高いマルテンサイト
が得られる。
スジェットにより徐冷することで、オーステナイト体積
率が収縮するためにそのC濃度を極めて高めることがで
き、その後、Mneqをパラメータとする式で決められ
る所定の温度(TQ)から300T:/秒以上の冷却速
度で冷却することにより、C濃度の高いマルテンサイト
が得られる。
更に過時効処理を行うことによって、フェライト相をよ
り軟質にするので、硬いマルテンサイトと軟質なフェラ
イトからなる複合組織鋼板を得ることができる。
り軟質にするので、硬いマルテンサイトと軟質なフェラ
イトからなる複合組織鋼板を得ることができる。
か\る知見を得るに至った基礎実験の結果について説明
する。
する。
第4図は、第1図に示す熱サイクルで処理したS i
/ M nの値が異なる鋼におけるSi/Mnの値と降
伏比の関係を示したものである。第4図より5Si/M
nの値が0.6以上になると降伏比が高くなることがわ
かる。これは、Siを高め、かつ加熱後に徐冷過程を設
けたことによって、オーステナイト中へのC濃度をより
高めることができ、より硬いマルテンサイトが得られ、
更にSiの焼戻しによる軟化抵抗を高める効果により、
過時効処理過程ではマルテンサイトの軟化を防ぎ、フェ
ライトの固溶Cが低減し、軟質になるためと考えられる
。
/ M nの値が異なる鋼におけるSi/Mnの値と降
伏比の関係を示したものである。第4図より5Si/M
nの値が0.6以上になると降伏比が高くなることがわ
かる。これは、Siを高め、かつ加熱後に徐冷過程を設
けたことによって、オーステナイト中へのC濃度をより
高めることができ、より硬いマルテンサイトが得られ、
更にSiの焼戻しによる軟化抵抗を高める効果により、
過時効処理過程ではマルテンサイトの軟化を防ぎ、フェ
ライトの固溶Cが低減し、軟質になるためと考えられる
。
また、本発明によって得られる鋼板は、過時効処理を行
っているにも拘らず、高い焼付硬化性を示すものである
。これは、フェライト地のSi濃度が高いため、過時効
処理前の固溶Cが少なく、炭化物の析出が遅れることに
より、焼付硬化に有効な量の固溶Cが残ったためと考え
られる。
っているにも拘らず、高い焼付硬化性を示すものである
。これは、フェライト地のSi濃度が高いため、過時効
処理前の固溶Cが少なく、炭化物の析出が遅れることに
より、焼付硬化に有効な量の固溶Cが残ったためと考え
られる。
上述のとおり、本発明の方法によって始めて、低降伏比
で伸び及び焼付硬化性に優れた高強度冷延鋼板が得られ
るが、次に本発明における鋼の化学成分並びに製造条件
の限定理由を説明する。
で伸び及び焼付硬化性に優れた高強度冷延鋼板が得られ
るが、次に本発明における鋼の化学成分並びに製造条件
の限定理由を説明する。
c:o、i o〜0.25%
Cは鋼板の強度確保のために極めて重要な元素であるが
、その量が0.10%よりも少ないと60 kg f
/ m+++”以上の引張強さを得ることができない。
、その量が0.10%よりも少ないと60 kg f
/ m+++”以上の引張強さを得ることができない。
しかし、0.25%を超えて過多に添加するとスポット
溶接部の剥離強度が低下する等の問題が生しる。したが
って、C量は0.10〜0.25%の範囲とする。
溶接部の剥離強度が低下する等の問題が生しる。したが
って、C量は0.10〜0.25%の範囲とする。
Mn:1.3〜3.3%
Mnはマルテンサイトを得るために必要であるが、その
量が1.3%よりも少ないと鋼板において所要の高強度
を得ることができないので、1゜3%以上が必要である
。しかし、過多に添加すると、フェライトの生成が遅れ
、オーステナイト相が安定となり、2相域からの冷却過
程でオーステナイト体積率の減少が不十分となり、低降
伏比に有効な硬いマルテンサイトが得られないため、上
限値を3.3%とする。
量が1.3%よりも少ないと鋼板において所要の高強度
を得ることができないので、1゜3%以上が必要である
。しかし、過多に添加すると、フェライトの生成が遅れ
、オーステナイト相が安定となり、2相域からの冷却過
程でオーステナイト体積率の減少が不十分となり、低降
伏比に有効な硬いマルテンサイトが得られないため、上
限値を3.3%とする。
Si:0.8〜2.0%
Siは鋼板の伸びを高めると共に、2相域からの冷却過
程でフェライトの生成を促進し、その固溶炭素量を低減
し、オーステナイト中へ炭素を濃化するため、硬いマル
テンサイトが得られ、かつ。
程でフェライトの生成を促進し、その固溶炭素量を低減
し、オーステナイト中へ炭素を濃化するため、硬いマル
テンサイトが得られ、かつ。
過時効処理過程でのマルテンサイト軟化抵抗を高めるた
め、低降伏比に有効である。
め、低降伏比に有効である。
そのためには、Si量が0.8%以上で且つSi/Mn
が0.6以上となる添加が必要である。しかし、過多に
添加すると、その効果が飽和するのみでなく、化成処理
性が低下するため、上限値を2゜0%とする。
が0.6以上となる添加が必要である。しかし、過多に
添加すると、その効果が飽和するのみでなく、化成処理
性が低下するため、上限値を2゜0%とする。
本発明では以上の成分を必須とするが、任意成分として
、以下の成分P、Mo、Crの1種又は2種以上を適量
にて添加することができる。
、以下の成分P、Mo、Crの1種又は2種以上を適量
にて添加することができる。
P:0.02〜0.15%
PはSiと同様の効果を有するもので、0.02%より
も少ないと、その効果が得られないので、0.02%以
上が必要である。しかし、過多に添加するとスポット溶
接部の強度が低下するため、上限値を0.15%とする
。
も少ないと、その効果が得られないので、0.02%以
上が必要である。しかし、過多に添加するとスポット溶
接部の強度が低下するため、上限値を0.15%とする
。
Mo:0.1〜1.O%
MOは2相域からの冷却過程でベイナイトの生成を抑止
し、マルテンサイトの量を増すために有効な元素であり
、その添加量が0.1%よりも少ないと十分なマルテン
サイト組織が得られない。
し、マルテンサイトの量を増すために有効な元素であり
、その添加量が0.1%よりも少ないと十分なマルテン
サイト組織が得られない。
しかし、1.0%を超えると、コストが高くなると共に
、鋼の熱間変形抵抗を高めて、圧延性が低下するので、
1.0%を上限値とする。
、鋼の熱間変形抵抗を高めて、圧延性が低下するので、
1.0%を上限値とする。
Cr:0.10〜1.0%
CrはMnと同様の効果を有すると共に、フェライトを
軟質にし、低降伏比に有効な元素である。
軟質にし、低降伏比に有効な元素である。
しかし、0.10%より少ないと低降伏比が得られず、
また1、0%を超えるとその効果が飽和すると共にコス
トも高くなるため、1.0%を上限値とする。
また1、0%を超えるとその効果が飽和すると共にコス
トも高くなるため、1.0%を上限値とする。
次に本発明の製造法について説明する。
上記化学成分を有する鋼は、通常の工程により熱間圧延
した後、酸洗、冷間圧延し、引続いて連続焼鈍し、引続
き過時効処理を行うが、以下のように製造条件を規定す
る必要がある。
した後、酸洗、冷間圧延し、引続いて連続焼鈍し、引続
き過時効処理を行うが、以下のように製造条件を規定す
る必要がある。
まず5連続焼鈍するに際しては、加熱温度がAc、点以
上、900℃以下で加熱後1強制空冷により次式ので示
す温度(TQ)まで冷却し、その後300℃/秒以上の
冷却速度で常温まで冷却して過時効処理(300℃以下
)を行うか、或いは常温まで冷却することなく、過時効
処理温度(300℃以下)まで冷却して、そのまま過時
効処理して、本発明の方法においては、まず、熱間圧延
は600℃以下で巻取ることとする。熱間圧延において
巻取温度は、低降伏比を得るために必要な硬くて均一微
細なマルテンサイトを得るために重要な因子である。す
なわち、巻取温度を600℃以下として微細な炭化物と
することにより、連続焼鈍の2相域加熱時に、短時間で
炭化物を再溶解できるため、微細なオーステナイト粒径
が得られる。
上、900℃以下で加熱後1強制空冷により次式ので示
す温度(TQ)まで冷却し、その後300℃/秒以上の
冷却速度で常温まで冷却して過時効処理(300℃以下
)を行うか、或いは常温まで冷却することなく、過時効
処理温度(300℃以下)まで冷却して、そのまま過時
効処理して、本発明の方法においては、まず、熱間圧延
は600℃以下で巻取ることとする。熱間圧延において
巻取温度は、低降伏比を得るために必要な硬くて均一微
細なマルテンサイトを得るために重要な因子である。す
なわち、巻取温度を600℃以下として微細な炭化物と
することにより、連続焼鈍の2相域加熱時に、短時間で
炭化物を再溶解できるため、微細なオーステナイト粒径
が得られる。
このため、引続き行う冷却過程でオーステナイトの体積
収縮を促進でき、炭素濃度の高いマルテンサイトとし、
低降伏比の鋼板が得られる。しかし、巻取温度が600
℃よりも高い場合は炭化物も粗大となり、したがって、
マルテンサイトも粗大で。
収縮を促進でき、炭素濃度の高いマルテンサイトとし、
低降伏比の鋼板が得られる。しかし、巻取温度が600
℃よりも高い場合は炭化物も粗大となり、したがって、
マルテンサイトも粗大で。
かつその炭素濃度が低いため、低降伏比が得られない。
次に、か〉る熱間圧延後に酸洗するが、酸性後は、30
%以上の冷間圧延が必要である。これは、連続焼鈍で延
性の高いボリゴナルフェライトを得るためである。
%以上の冷間圧延が必要である。これは、連続焼鈍で延
性の高いボリゴナルフェライトを得るためである。
その後、引続き行う連続焼鈍に際しては、Ac。
点以上、900℃以下に加熱し、強制空冷により次式の
を満たす温度(TQ)(℃)まで冷却し、以後300℃
/秒以上の冷却速度で常温まで冷却し、300”C以下
の温度で過時効処理を行うか、或いは常温まで冷却する
ことなく、300℃以下まで冷却して、その温度で過時
効処理を行い、フェライト+マルテンサイト組織とする
ことにより、低降伏比高強度冷延鋼板を製造できる。
を満たす温度(TQ)(℃)まで冷却し、以後300℃
/秒以上の冷却速度で常温まで冷却し、300”C以下
の温度で過時効処理を行うか、或いは常温まで冷却する
ことなく、300℃以下まで冷却して、その温度で過時
効処理を行い、フェライト+マルテンサイト組織とする
ことにより、低降伏比高強度冷延鋼板を製造できる。
500−100 X M neq≦TQ≦800−10
0 X M neq−■ここで、 Mneq(%)=Mn+1.52Mo+1.10Cr+
0.10Si+2.IP 連続焼鈍で加熱温度をAc1点以上とするのは、炭化物
を再溶解し、オーステナイトを得るためである。しかし
、900℃を超えるとオーステナイト単相となるため、
その後の冷却によって生成したマルテンサイト中の炭素
濃度が低くなり、低降伏比が得られない。マルテンサイ
ト中の炭素濃度をより高めるためには850℃以下が好
ましい。
0 X M neq−■ここで、 Mneq(%)=Mn+1.52Mo+1.10Cr+
0.10Si+2.IP 連続焼鈍で加熱温度をAc1点以上とするのは、炭化物
を再溶解し、オーステナイトを得るためである。しかし
、900℃を超えるとオーステナイト単相となるため、
その後の冷却によって生成したマルテンサイト中の炭素
濃度が低くなり、低降伏比が得られない。マルテンサイ
ト中の炭素濃度をより高めるためには850℃以下が好
ましい。
加熱後、引続き強制空冷によりTQまで冷却する必要が
ある。強制空冷での冷却速度は通常5〜b となるのは、その冷却過程においてポリゴナルフェライ
トの体積率を高めることによりオーステナイトの体積収
縮を図り、その炭素濃度を高めるためである。
ある。強制空冷での冷却速度は通常5〜b となるのは、その冷却過程においてポリゴナルフェライ
トの体積率を高めることによりオーステナイトの体積収
縮を図り、その炭素濃度を高めるためである。
この強制空冷の終了温度、すなわち、300℃/秒以上
の急速冷却の開始温度をTQとし、式■で規制するのは
、TQが800−100XMne(1よりも高い場合に
は、オーステナイトの体積収縮が不十分でマルテンサイ
トの炭素濃度が低いのみならず、フェライト中の固溶炭
素が多くなり、低降伏比が得られないためであり、また
、TQが500−100XMneqよりも低い場合には
、オーステナイトがベイナイト変態し、所定の強度が得
られなく、かつ降伏比も高くなるためである。
の急速冷却の開始温度をTQとし、式■で規制するのは
、TQが800−100XMne(1よりも高い場合に
は、オーステナイトの体積収縮が不十分でマルテンサイ
トの炭素濃度が低いのみならず、フェライト中の固溶炭
素が多くなり、低降伏比が得られないためであり、また
、TQが500−100XMneqよりも低い場合には
、オーステナイトがベイナイト変態し、所定の強度が得
られなく、かつ降伏比も高くなるためである。
急冷冷却開始温度(TQ)以後の冷却速度を300℃/
秒以上とするのは、低温変態生成物を強化能の高いマル
テンサイトとし、低降伏比とするために必要で、それよ
りも遅い冷却速度ではベイナイトが多く含まれるために
所定の降伏比が得られない。
秒以上とするのは、低温変態生成物を強化能の高いマル
テンサイトとし、低降伏比とするために必要で、それよ
りも遅い冷却速度ではベイナイトが多く含まれるために
所定の降伏比が得られない。
常温まで冷却後、300℃以下で過時効処理をするのは
、フェライト中の固溶C量を低減して、軟質、且つ伸び
を高めるためである。この過時効処理温度が300℃よ
りも高い場合には、マルテンサイトが焼戻されて降伏比
が高くなる。
、フェライト中の固溶C量を低減して、軟質、且つ伸び
を高めるためである。この過時効処理温度が300℃よ
りも高い場合には、マルテンサイトが焼戻されて降伏比
が高くなる。
また、300℃以下の過時効処理温度まで急冷し、同温
度で保持しても、この効果は変わらない。
度で保持しても、この効果は変わらない。
以下に本発明の実施例を示す。
(実施例)
第1表に示す化学成分を有する鋼を実験室的に溶製し、
皮削り及び鍛造して20IIm厚のスラブを得た。この
スラブを1200℃に加熱し、仕上げ温度900℃ニテ
3.211II厚に熱間圧延し、第1表に示す温度でコ
イル巻取すした。酸洗後、63%の冷間圧延を施し1次
いで連続焼鈍を行った。
皮削り及び鍛造して20IIm厚のスラブを得た。この
スラブを1200℃に加熱し、仕上げ温度900℃ニテ
3.211II厚に熱間圧延し、第1表に示す温度でコ
イル巻取すした。酸洗後、63%の冷間圧延を施し1次
いで連続焼鈍を行った。
連続焼鈍の熱処理のシミュレートは3種類とし、ソルト
バスを用いた熱処理によって行った。すなわち、第1の
タイプ(QAタイプ)は、第1図に示すように、冷間圧
延ままの鋼板を所定の温度で90秒間加熱した後、約り
5℃/秒の冷却速度で種々の温度まで冷却し、引続き、
水焼入れ又はミスト冷却により常温まで冷却し、その後
、過時効処理温度に再加熱して240秒間保持して空冷
した。
バスを用いた熱処理によって行った。すなわち、第1の
タイプ(QAタイプ)は、第1図に示すように、冷間圧
延ままの鋼板を所定の温度で90秒間加熱した後、約り
5℃/秒の冷却速度で種々の温度まで冷却し、引続き、
水焼入れ又はミスト冷却により常温まで冷却し、その後
、過時効処理温度に再加熱して240秒間保持して空冷
した。
第2のタイプ(DAタイプ)は、第2図に示すように、
所定の急冷開始温度から過時効処理温度に急冷し、その
温度に240秒間保持して空冷した。
所定の急冷開始温度から過時効処理温度に急冷し、その
温度に240秒間保持して空冷した。
第3のタイプ(CCタイプ)は、第3図に示すように、
加熱後、強制空冷のみで常温まで冷却した。
加熱後、強制空冷のみで常温まで冷却した。
得られた鋼板の材料特性を第2表に示す。
第2表において、試験Na 3、NQ6〜&8、&13
〜&14、NQ17、Ha 19が本発明例であり、い
ずれも、低降伏比で伸び及び焼付硬化性の優れた高強度
鋼板が得られており、プレス時の形状凍結性に優れてい
ることがわかる。
〜&14、NQ17、Ha 19が本発明例であり、い
ずれも、低降伏比で伸び及び焼付硬化性の優れた高強度
鋼板が得られており、プレス時の形状凍結性に優れてい
ることがわかる。
一方、Nα1はC量が本発明範囲外であり、NQ 12
はSi/Mnの比が本発明範囲外であるため、所定の強
度又は降伏比が得られていない。
はSi/Mnの比が本発明範囲外であるため、所定の強
度又は降伏比が得られていない。
低降伏比で伸び及び焼付硬化性に優れている本発明例H
a 3と同一化学成分のB鋼を用いたHa 2及びNQ
4は、熱延板の巻取温度が高く、或いは連続焼鈍の加熱
温度が高いなど本発明範囲外であるため、それぞれ降伏
比が高い。
a 3と同一化学成分のB鋼を用いたHa 2及びNQ
4は、熱延板の巻取温度が高く、或いは連続焼鈍の加熱
温度が高いなど本発明範囲外であるため、それぞれ降伏
比が高い。
&9は連続使用鈍の急冷開始温度が高いため、&10及
び勤11はともに急冷速度が遅いために。
び勤11はともに急冷速度が遅いために。
いずれも降伏比が高い。
NQ5及び嵐16は過時効処理温度が高いため、またN
a2S及びN018は急冷開始温度が高いため、更にP
kX20は連続焼鈍の加熱温度が低いために。
a2S及びN018は急冷開始温度が高いため、更にP
kX20は連続焼鈍の加熱温度が低いために。
いずれも降伏比が高い。
なお1本発明の効果は、同一の化学成分を有する鋼につ
いて、同じ条件で熱間圧延した熱延鋼板を用いて、同様
の処理(連続焼鈍、過時効)を施した場合にも変わらな
い。
いて、同じ条件で熱間圧延した熱延鋼板を用いて、同様
の処理(連続焼鈍、過時効)を施した場合にも変わらな
い。
[以下余白]
(発明の効果)
以上詳述したように1本発明によれば、熱間圧延で炭化
物を微細に分散させた鋼板を酸洗、冷間圧延し、連続焼
鈍を行うに際して、加熱、冷却条件を規制し、引続き過
時効処理するので、炭素濃度の高い硬質なマルテンサイ
トと軟質なフェライトからなり、低降伏比で伸び及び焼
付硬化性が高く、プレス成形性に優れた6 0 kgf
/ ++++a”以上の高強度冷延鋼板を得ることが
できる。
物を微細に分散させた鋼板を酸洗、冷間圧延し、連続焼
鈍を行うに際して、加熱、冷却条件を規制し、引続き過
時効処理するので、炭素濃度の高い硬質なマルテンサイ
トと軟質なフェライトからなり、低降伏比で伸び及び焼
付硬化性が高く、プレス成形性に優れた6 0 kgf
/ ++++a”以上の高強度冷延鋼板を得ることが
できる。
第1図、第2図及び第3図は連続焼鈍の熱サイクルをそ
れぞれ示す図、 第4図は第1図に示すQAタイプの熱サイクルを用いた
場合のSi/Mnの比と降伏比の関係を示す図である。 特許出願人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 第1図 第2図 OAタイ7″ I)Aタイ71 第3図 CCタイフ1
れぞれ示す図、 第4図は第1図に示すQAタイプの熱サイクルを用いた
場合のSi/Mnの比と降伏比の関係を示す図である。 特許出願人 株式会社神戸製鋼所 代理人弁理士 中 村 尚 第1図 第2図 OAタイ7″ I)Aタイ71 第3図 CCタイフ1
Claims (3)
- (1)重量%で(以下、同じ)、C:0.10〜0.2
5%、Mn:1.3〜3.3%及びSi:0.8〜2.
0%を含有し、Si/Mnの比が0.6以上であり、残
部がFe及び不可避的純物からなる鋼を通常の方法で熱
間圧延し、600℃以下で巻取り、酸洗後30%以上の
冷間圧延を行って連続焼鈍するに際し、Ac_1点以上
、900℃以下の温度に加熱した後、次式[1]を満た
す温度(TQ)(℃)まで冷却し、その後300℃/秒
以上の冷却速度で常温まで冷却し、引続き300℃以下
の温度で過時効処理を行うことを特徴とする低降伏比高
強度冷延鋼板の製造方法。 500−100×Mneq≦TQ≦800−100×M
neq…[1]ここで、 Mneq(%)=Mn+1.52Mo+1.10Cr+
0.10Si+2.1P - (2)前記連続焼鈍において、Ac_1点以上、900
℃以下の温度に加熱した後、上式[1]を満たす温度(
TQ)まで冷却し、その後300℃/秒以上の冷却速度
で300℃以下まで冷却し、引続きその温度で過時効処
理を行う請求項1に記載の方法。 - (3)前記鋼が、更にP:0.02〜0.15%、Mo
:0.1〜1.0%及びCr:0.10〜1.0%のう
ちの1種又は2種以上を含有する請求項1又は2に記載
の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20977490A JPH0499226A (ja) | 1990-08-08 | 1990-08-08 | 低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20977490A JPH0499226A (ja) | 1990-08-08 | 1990-08-08 | 低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0499226A true JPH0499226A (ja) | 1992-03-31 |
Family
ID=16578389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20977490A Pending JPH0499226A (ja) | 1990-08-08 | 1990-08-08 | 低降伏比高強度冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0499226A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006052444A (ja) * | 2004-08-12 | 2006-02-23 | Nippon Steel Corp | 高張力鋼板製造用の連続焼鈍設備 |
KR100957993B1 (ko) * | 2002-10-31 | 2010-05-17 | 주식회사 포스코 | 저항복비와 우수한 연신율을 갖는 고강도 냉연강판의제조방법 |
JP2014534350A (ja) * | 2011-11-28 | 2014-12-18 | アルセロルミタル・インベステイガシオン・イ・デサロジヨ・エセ・エレ | 延性が改善された高ケイ素含有二相鋼 |
-
1990
- 1990-08-08 JP JP20977490A patent/JPH0499226A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100957993B1 (ko) * | 2002-10-31 | 2010-05-17 | 주식회사 포스코 | 저항복비와 우수한 연신율을 갖는 고강도 냉연강판의제조방법 |
JP2006052444A (ja) * | 2004-08-12 | 2006-02-23 | Nippon Steel Corp | 高張力鋼板製造用の連続焼鈍設備 |
JP4494903B2 (ja) * | 2004-08-12 | 2010-06-30 | 新日本製鐵株式会社 | 高張力鋼板製造用の連続焼鈍設備 |
JP2014534350A (ja) * | 2011-11-28 | 2014-12-18 | アルセロルミタル・インベステイガシオン・イ・デサロジヨ・エセ・エレ | 延性が改善された高ケイ素含有二相鋼 |
US10131974B2 (en) | 2011-11-28 | 2018-11-20 | Arcelormittal | High silicon bearing dual phase steels with improved ductility |
US11198928B2 (en) | 2011-11-28 | 2021-12-14 | Arcelormittal | Method for producing high silicon dual phase steels with improved ductility |
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