JPH049910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は手洗い洗剤等の液体洗剤を発泡させ
て供給する装置に関し、更に詳細には均一微細な
発泡洗剤を一定量ずつ間欠的に、かつ連続供給で
きる発泡洗剤供給装置に関する。

［従来の技術］ 従来のこの種の装置として知られているものは
柔軟性容器内に液体洗剤を充填し、この容器の口
部にメツシユやスポンジ等の発泡体を設け、容器
の胴部を指で挟圧して液体洗剤と空気を同時的に
発泡体に導入し、この発泡体中で洗剤と空気を混
合攪拌して発泡化した後、発泡洗剤を吐出する構
造を有していた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら上述した構造では、容器の胴部を
指で挟圧して発泡洗剤を吐出するから吐出量が毎
回変動すると言う欠点があつた。

即ち、浅く挟圧すれば手洗いに不足が生じ、深
く挟圧すれば大量に吐出され、しかもこの大量吐
出の場合には空気量と洗剤量が不均衡になつて均
一微細な発泡化ができないという欠点があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案においては上述した問題点を除去するた
めに一定量の液体洗剤を一時的に貯溜する洗剤貯
溜室と一体のベローズを設け、このベローズと一
体に外側に洗剤排出口を有するハンドルを設ける
と共に、ベローズの内部にこれと別体に、多孔性
物質を収容した発泡部を設け、発泡部の先端には
逆止弁を有し、かつ洗剤の一時貯溜室内に摺動自
在に嵌合される筒体を設け、多孔性物質の前後に
おいて発泡部にベローズ内に通じる開口部を設
け、一時貯溜室は逆止弁を介して洗剤タンクと接
続した構造を採用した。

［作用］ 上述した構造を採用すると、ハンドルを操作し
ない状態では一時貯溜室内に液体洗剤が一時的に
貯溜されており、一時貯溜室の前後の逆止弁は閉
じている。

手洗い等でハンドルを操作するとベローズは収
縮し、発泡部は前進し、ピストンとなる筒体が前
進し、その内部の逆止弁が開き、液体洗剤が多孔
性物質内に流入する。同時に発泡部の開口部から
ベローズ内の空気も流入し、多孔性物質内の微細
な気泡を介して混合攪拌され排出口から吐出さ
れ、使用に供される。

ハンドルから手を離すとベローズは元の状態に
戻るため、ピストンとなる筒体内の逆止弁は止
じ、一時貯溜室の圧力は低下し、タンク側の逆止
弁は開き、液体洗剤が一定量一時的貯溜室内に貯
えられ、次の吐出動作の期待状態となる。

上述した動作の繰り返しにより、常に定量の発
泡洗剤を確実に供給できる。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案の詳細
を説明する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を説明
するもので、第１図には全体構造が示されてい
る。

本考案になる装置は液体洗剤の貯蔵用のタンク
１と、このタンク１にパイプ２を介して接続され
た作動部３とから構成されており、図示の例の場
合、パイプ２と作動部３の軸心とは直交した状態
にある。

タンク１は上端が開放された容器として形成さ
れ、その開放端には蓋４が着脱自在に取付けられ
ている。蓋４の中央部には上下方向に垂直にパイ
プ２が貫通して設けられており、パイプ２の下端
はタンク１内に充填された液体洗剤５中に浸漬さ
れ、タンク１の底の近傍にまで達している。

一方、作動部３は筒体６とベローズ７とを備え
ており、ベローズ７は後述するようなポンプ機構
を構成している。

ベローズ７は閉じられあた空間を構成してお
り、前後に側壁７ａ，７ｂを有する。パイプ２側
の側壁７ａの中心部には一時貯溜室（以下円筒と
略称する）８が突設されている。円筒８の先端部
の下方には開口部８ａが形成されており、この開
口部８ａを囲むようにして円筒９が突設され、こ
の円筒９が前記パイプ２の上端に嵌合固定されて
いる。

円筒９の下端には開口部９ａが形成されてお
り、この開口部９ａを閉塞する方向にボールとス
プリングとからなる逆止弁１０が円筒９内に設け
られている。

また、ベローズ７は筒体６内に伸縮自在に嵌合
されている。筒体６はその一端が開放されてお
り、他端の側壁６ａの中心に前記円筒８が嵌合固
定されており、円筒８と筒体６とは一体化されて
いる。

ベローズ７内には大口径のコイルばね１１が側
壁７ａ，７ｂ間において弾装されており、ベロー
ズ７に対して常時伸びる方向に力を与えている。

一方、ベローズ７の外側の側壁７ｂ側の中心に
はこれと一体に中空のハンドル１２が設けられて
いる。ハンドル１２の外方端にはつかみ易いよう
に円板部１２ａが形成されており、この円板部１
２ａの近傍においてハンドル１２の下側には発泡
洗剤の排出口１３が形成されている。

この中空のハンドル１２に連通した状態でベロ
ーズ７内には発泡部１４がベローズの軸線方向に
沿つて設けられている。

発泡部１４の先端側に寄つた位置にはスポンジ
や連続気泡性の発泡スチロール等からなる多孔性
物質１５が充填されている。この多孔性物質１５
とハンドル１２との間には空間１６が形成されて
おり、この空間１６は発泡部１４の上方に形成さ
れた開口部１４ａを介してベローズ７内の空間に
連通している。従つて、ベローズ７内の空間は開
口部１４ａ、空間１６、排出口１３を介して外気
と連通している。

また、発泡部１４の多孔性物質１５の先端側の
下部には細長い円筒１７が下方に向かつて突設さ
れており、ベローズ７内に開口している。

さらに、発泡部１４の先端部にはピストンとな
る筒体１８が連続して設けられており、この筒体
１８の先端側は前記円筒８中に摺動自在に嵌合さ
れている。

筒体１８の先端は開口部１８ａを介して円筒８
中に連通しており、後端側は開口部１８ｂを介し
て発泡部１４側と連通している。そして、筒体１
８内には開口部１８ａを閉塞する方向にスプリン
グとボールからなる逆止弁１９が設けられてい
る。

また、ベローズ７の外側の側壁７ｂの内側には
発泡部１４の後端の空間１６中に摺動自在に嵌合
されると共に、前記開口部１４ａを閉塞し得るス
リーブ７ｃが突設されており、このスリーブ７ｃ
を介して発泡部１４とハンドル１２とは連通状態
となつている。

次に、以上のように構成された本実施例の動作
について説明する。

まず、ハンドル１２を操作しない第２図の状態
ではベローズ７内には空気が、円筒８内には液体
洗剤が一時的に貯えられている。

次に、利用者が手洗い等を行なう場合にはハン
ドル１２を円板部１２ａを介して押圧する。する
と、ベローズ７がスプリング１１の弾発力に抗し
て圧縮されスリーブ７ｃが開口部１４ａを閉じた
後、側板７ｂが発泡部１４の後端に接し、発泡部
１４が前進し、筒体１８が前進し、ベローズ７内
の圧力は高くなり、ベローズ７内の空気は円筒１
７を介して発泡部１４内に流入する。

一方、筒体１８が円筒８内を前進すると、円筒
８内の圧力は上昇し、逆止弁１０は閉じ、逆止弁
１０は閉じ、逆止弁１９は開くため、円筒８内の
液体洗剤は筒体１８を通つて発泡部１４内の多孔
性物質１５内に浸入する。この時、円筒１７を介
して多孔性物質内に空気が流入する。

多孔性物質１５内に流入した空気と液体洗剤と
は多孔性物質１５内の微細な多数の孔内で混合攪
拌され、微細かつ均一に発泡されつつ空間１６内
に導かれ、円筒１７から導かれるベローズ７内の
空気圧により排出口１３から下方に向かつて吐出
される。これを手に受けて通常の手洗い作業に移
ればよい。

一方、１回分の発泡洗剤の吐出が終つた後に
は、ハンドル１２から手を離すが、この時にはベ
ローズ７自身が持つ弾発力と、スプリング１１の
弾発力によりベローズ７は伸びて元の状態に戻
り、開口部１４ａは開く。

ベローズ７が元の状態に戻る動作でベローズ７
内は負圧になるため、排出口１３、空間１６を通
り、開口部１４ａからベローズ７内に空気が流入
する。

一方、筒体１８も円筒８内から抜け出すが、こ
の動作に伴ない、円筒８内は負圧となり、逆止弁
１９は閉じ、逆止弁１０は開き、パイプ２を介し
てタンク１内の液体洗剤５が円筒８内に導かれ、
筒体１８の後退動作が終了し、かつ液体洗剤の流
入により円筒８内の圧力が安定すると逆止弁１０
は閉じ、液体洗剤は円筒８内に一時的に貯溜され
る。

以下、ハンドル１２を押したり、放したりする
動作に応じて上述した動作を繰り返し、発泡液体
洗剤を定量ずつ繰り返し吐出させることができ
る。

上述した構造において、筒体１８はピストンの
役目を果たし、ベローズ７や発泡部１４およびハ
ンドル１２等と共にポンプの役目を果たす。

また、円筒８は前後を逆止弁１０，１９によつ
て開閉される液体洗剤の一時貯溜室の役割を果た
している。

また、非使用時においては排出口１３と開口部
１４ａを介してベローズ７内と外気とは常に連通
状態にあるため、ベローズ内外の温度差はほとん
どない。従つて、温度差による空気圧の差はベロ
ーズ７の内外で生じず、圧力差による液体洗剤の
だれ落ちは生じることがない。

［効果］ 以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、ポンプ動作を利用して一時貯溜室内の液体洗
剤を発泡させて定量ずつ繰り返し吐出させること
ができ、構造が簡単で故障の生じることがなく、
また液体洗剤のだれ落ちが生じない発泡洗剤供給
装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

添付の図面は本考案の一実施例を説明するもの
で、第１図は全体斜視図、第２図は拡大縦断側面
図である。 １……タンク、２……パイプ、３……作動部、
５……液体洗剤、６，１８……筒体、７……ベロ
ーズ、８……一時貯溜室、１０，１９……逆止
弁、１１……スプリング、１２……ハンドル、１
３……排出口、１４……発泡部、１５……多孔性
物質。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 液体洗剤５が充填されたタンク１と、このタ
   ンク１とパイプ２を介して接続された作動部３
   とからなり、作動部３はベローズ７と、このベ
   ローズ７の先端に形成された一時貯溜室８と、
   これと反対側においてベローズ７と一体に突設
   され排出口１３を有する中空のハンドル１２
   と、このハンドル１２と連通した状態でベロー
   ズ７内においてベローズ７と別体に設けられ、
   内部に多孔性物質１５が収容された発泡部１４
   と、この発泡部１４の先端に連続して設けら
   れ、前記一時貯溜室８内に摺動自在に嵌合され
   ると共に内部に逆止弁１９が設けられた筒体１
   ８とからなり、前記一時貯溜室８は逆止弁１０
   を介してパイプ１２と接続され、前記発泡部１
   ４には多孔性物質１５の前後においてベローズ
   ７内に連通する円筒１７と開口部１４ａとが形
   成され、前記ベローズ７のハンドル１２側の側
   板７ｂの内側には発泡部１４の後端の空間１６
   中に摺動自在に嵌合されると共に、前記開口部
   １４ａを閉塞し得るスリーブ７ｃが突設されて
   いることを特徴とする発泡洗剤供給装置。 (2) 一時貯溜室８と一体に前記ハンドル１２側が
   開放された筒体６が設けられ、この筒体６中に
   前記ベローズ７が伸縮自在に収容されているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の発泡洗剤供給装置。 (3) ベローズ７内においてベローズ７内の前後の
   側壁７ａ，７ｂ間にはスプリング１１が弾装さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項または第２項に記載の発泡洗剤供給
   装置。