JPH049263A - 薄肉鋳物の鋳造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薄肉鋳物の鋳造法に関し、特に紡造欠陥のない
薄肉鋳物を減圧状態で連続的に製造するのに適した鋳造
法に関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題ニステン
レススチール等の鋳鋼の溶湯は、粘度や、鋳型砂に対す
る表面張力が大きいこと、特に表面に生じ易い酸化膜の
表面張力が大きいことなどが原因で、湯廻りが良くない
。さらに、肉厚５　ｍｍ以下の複雑な形状をした薄肉ス
テンレス鋳物は鋳型から発生するガスを巻き込みやすく
、また湯境が発生しやすく、さらに鋳肌の表面粗さが著
しく悪くなるなど、健全な鋳物を製造することは極於て
困難である。

また、球状黒鉛饋鉄などの場合でも、薄肉のものでは湯
回り不良が生じ易い。

これらの問題を解決する一手段として、ロストワックス
鋳造法などにおいて、鋳型を加熱することによって溶湯
の冷却を遅くし、渦流れを改善することがはかられてい
る。しかしその方法では、鋳型材料として高温強度の高
い特殊なものが必要となり、製造コストを高くしている
。

一方、鋳型内を減圧して大気圧を利用して溶湯を注入す
る、いわゆる減圧鋳造法があり、溶湯がキャビティのす
みずみまで行きわたるので、薄肉鋳物に適する方法とし
て注目されている。

そのような減圧鋳造法を、無枠式縦割鋳型を用いた鋳造
に適用した゛従来技術として、特開昭５８−２０５６６
８号に開示された鋳造法がある。それは、多数の枠無し
縦割鋳型を互いに当接して順次横方向に並べた縦割鋳型
群の上面に真空ポンプに連通された吸気箱を当接して鋳
型内部に吸引作用をおよぼしながら注湯するものであり
、溶湯から発生するガスを吸引除去することによって、
訪造品中のガス欠陥の発生を防止している。

しかしその方法においては、鋳型群の上面に吸気箱を設
置し、その吸気箱の位置を避けて端部にある鋳型のみに
設けた湯口から注湯する。従って、溶湯は端部のキャビ
ティから共通湯道を貫流して順に隣接するキャビティ内
に充満するので、流動距離と流動時間が長く、注湯が完
了する頃には初期に注入した溶湯の温度がかなり低下し
て湯廻りが悪くなる。そのた袷、薄肉の鋳物の製造には
適用しがたい。

また、上記方法においては鋳型内部に吸引作用を及ぼす
ため、通気性の鋳型を用いる必要があるが、型枠を用い
ていないために、溶湯内に鋳型を通して大気を吸い込み
やすく、ガス欠陥の発生を防止するには不十分である。

従って、鋳型材料として使用できるものが限定されてし
まう。

従って本発明の目的は、鋳造欠陥がなく、機械的特性の
優れた薄肉鋳物が効率良く得られる鋳造方法を提供する
ことである。

〔課題を解決するた約の手段〕

上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、連続した
無枠式縦割鋳型を用いる鋳造法において、鋳型を側板と
底板からなる溝状の枠に連続的に送給するとともに、鋳
型上面を気密性シートで覆うことによって枠内の気密性
を高め、減圧すれば、鋳造欠陥のない薄肉鋳物が得られ
ることを発見し、本発明を完成した。

すなわち本発明の薄肉鋳物の鋳造法は、連続した無枠式
縦割鋳型によって、鋳型内を減圧しながら注湯するもの
で、前記鋳型を底板の上に載置するとともに、減圧源に
連通ずる吸引口を有する側板を前記鋳型の側面に当接し
、次いで、前記鋳型の上面を気密性シートで覆い、前記
鋳型の湯口に相当する位置で前記シート上に湯口カップ
を載置した後、鋳型内を減圧しながら注湯し、次いで、
前記鋳型を前方に移動した後、型ばらしを行うことを特
徴とする。

また本発明の鋳造法においては、いわゆる落し込み法で
注湯すれば、各々の鋳型に高温で流動性の高い溶湯を注
入することができる。そのためには、前記湯口カップの
底部に鉄板を置き、湯口カップ内に注入した溶湯によっ
て前記鉄板が溶けると同時に、前記溶湯が鋳型のキャビ
ティ内に直接流入するようにするのが好ましい。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を、図面を参照して説明する。

第１図と第２図に本発明の鋳造法に用いる鋳造装置を示
す。第１又は装置の側面図であり、第２図はその平面図
である。図の右方の造型ラインから送られてきた連続し
た縦割鋳型１．１、・・が、互いに当接して横方向に並
んで移動する。キャビティ　（注湯空間）３は、鋳型１
どうしの端面が接合することにより形成されている。５
は湯口である。

鋳型ｌは底板７の上に載置されて移動する。底板７は鉄
板等からなり、床の上に直装置いてもよいし、あるいは
コンベア等の上に置いて図の左方へ移動できるようにし
てもよい。

９は、鋳型群の両側面に当接する側板である。

片側の側板９には１つあるいは複数の吸引口１１が設け
られていて、吸引口１１は真空ポンプ等の減圧源（図示
せず）に連結されている。

鋳型１の上面は気密性のシート１３で覆われている。シ
ート１３は、例えば塩化ビニール樹脂等の樹脂製のもの
を用いる。シート１３は左右でロール１５．１５′　に
巻かれていて、右側のロール１５から供給され、焼却さ
れなかった部分は左側のロール１５′　で巻き取られる
。ロール１５．１５°は支柱ビによって支えられている
。

さらに、鋳型１の湯口５に相当する位置で、シート１３
の上に湯口カップ１９が置かれる。

以上の構成の装置を用いて行う本発明の鋳造工程を、以
下に説明する。

造型ラインから順次送られてきた連続した鋳型１は底板
７の上を移動する。

鋳型群が注湯ラインに達したら、側板９を鋳型１の側面
に当接するように設置する。あるいは、鋳型群が注湯ラ
インに達する前に、側板９を予約設置しておいて、両側
板９．９の間に鋳型群が送り込まれるようにしてもよい
。

次いで、鋳型１の上面をシート１３で覆う。シート１３
の幅は鋳型１の幅よりもわずかに大きくして、両側の側
板９にも掛かるようにするのが好ましく、それによって
鋳型１の密閉が良好となる。

次いで、第１図及び第２図のＡの位置で湯口カップ１９
を、湯口５に相当する位置でシート１３の上に置く。

以上のようにして注湯準備が完了したら、吸弓口１１か
ら鋳型１内の空気を吸引して、鋳型内を減圧する。減圧
度は４０〜６０ｍｍＨｇとするのが好ましい。

次いで、鋳型群を右側から押し出して底板７の上を滑ら
せる。このとき、シート１３も鋳型１とともに移動させ
る。

湯口カップ１９がＢの位置に達したら、取鍋２１内の溶
湯を湯口カップ１９に注入する。注湯中にキャビティ３
が外気と連通するのを防止するために、溶湯をいったん
湯口カップ１９に溜と、素早く型内に注入するのが好ま
しい。そのために、第３図に示すように、湯口カップ１
９の底部に鉄板２３を置くのが好ましい。その上、注湯
の開始時に溶湯が最も攪乱しやすいが、鉄板２３を置く
と、湯口カップ１９内で溶湯の流動が少なくなるととも
に酸化物等が上に浮いた後、鉄板２３が溶けて溶湯がキ
ャビティ内に流れ込む。それによって鋳造欠陥の発生が
よりいっそう防止される。鉄板は、０．１〜０．釦ｍの
厚さで鋳物と同材質のものがよい。また鉄板２３の上に
、さらに多数の孔をあけた耐火物からなるノロ漉し２５
を置いて、スラグの混入を防ぐのが好ましい。

溶湯は鉄板２３及びシート１３を溶かした後、直ちにキ
ャビティ３内に入る。

次いで、Ｃの位置で湯口カップ１９を取り除き、鋳物が
固化した後、Ｄの位置でパンコン上に排出して型ばらし
をする。

以上のＡ−Ｄの位置は、凝固時間や作業性を考慮して適
宜変更するのがよい。

本発明の鋳造法は、第４図に示すエギゾーストマニホー
ルド３０のような、薄肉の内燃機関用排気系部品の製造
に適している。

〔発明の効果〕

以上説明した通り、本発明の薄肉鋳物の鋳造法において
は鋳型を密閉した状態で減圧を行うので、溶湯がキャビ
ティ内のすみずみまで行きわたる。

従って、湯回り不良のない鋳物を得ることができる。

また、湯口カップの底部に鉄板を置いて落とし込み法で
注湯すれば、各々の鋳型に高温で流動性の高い溶湯を注
入することができる。それによって湯廻りがさらに良く
なり、薄肉の鋳物でも精密な形状を得ることができる。

さらにまた、鋳型を順次移動しながら、湯口カップの取
り付けや注湯、型ばらし等の各工程を定位置で行うので
効率が良く、大量生産が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の鋳造法において用いる紡造装置の側面
図であり、 第２図は第１図の装置の平面図であり、第３図は湯口カ
ップ内に鉄板を置いた状態を示す拡大断面図であり、 第４図はエギゾーストマニホールドの概略図である。 ｌ・・・縦割跡型 ３・・・キャビティ ５・・・湯口 ア・・・底板 ９・・・側板 １１・・・吸引口 １３・　　・シート １９・　　・湯口カップ ２１・・・取鍋 ２３・　・鉄板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）連続した無枠式縦割鋳型によって鋳型内を減圧し
   ながら注湯する薄肉鋳物の鋳造法において、前記鋳型を
   底板の上に載置するとともに、減圧源に連通する吸引口
   を有する側板を前記鋳型の側面に当接し、次いで、前記
   鋳型の上面を気密性シートで覆い、前記鋳型の湯口に相
   当する位置で前記シート上に湯口カップを載置した後、
   鋳型内を減圧しながら注湯し、次いで、前記鋳型を前方
   に移動した後、型ばらしを行うことを特徴とする鋳造法
   。
2. （２）請求項１に記載の薄肉鋳物の鋳造法において、前
   記湯口カップの底部に鉄板を置き、前記湯口カップ内に
   注入した溶湯によって前記鉄板が溶けると同時に、前記
   溶湯が前記鋳型のキャビティ内に直接流入するようにす
   ることを特徴とする鋳造法。
3. （３）請求項１又は２に記載の薄肉鋳物の鋳造法におい
   て、前記薄肉鋳物は内燃機関用排気系部品であることを
   特徴とする鋳造法。