JPH0492134A - クラッチフェーシング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は自動車、二輪車などに用いられる乾式クラッチ
フェーシングに関する。

［従来の技術］ 従来よりクラッチフェーシングとして、有機繊維、無機
繊維、摩擦調整剤、無機充填材などから形成された紐状
の摩擦材用基材に熱硬化性樹脂を含浸し、円盤状に巻い
て熱成形することにより形成された摩擦材が多用されて
いる。ここで用いられる紐状の摩擦材用基材を製造する
方法としては、従来より紡績技術が応用されている。す
なわち、例えば特公昭６０−９５２６号公報にも開示さ
れているように、ガラス繊維をチョップトストランドに
したもの、カーボン繊維の短繊維、スフの短繊維などを
混綿し、これをカート機に供給してカーデイングした後
スライバとし、ざらにこれに撚りをかＣブ必要に応じて
金属線、ガラス繊維の長繊維などとともに撚糸して単糸
とし、複数の単糸から紐状の摩擦材用基材を形成する方
法である。

［発明が解決しようとする課題］ 近年の自動車の高性能化に伴ない、クラッチフェーシン
グにも性能の向上が求められている。すなわち高回転域
においても高い摩擦係数をもつものが求められている。

ところが従来の乾式クラッチフェーシングにおいては、
これまでの常用域での使用条件であれば好ましい摩擦係
数をもち特に問題とはならなかったが、例えば４０００
ｒｐｍもの高回転域では摩擦係数が著しく低下すること
が明らかとなった。また高回転域においては摩耗率が高
くなることも明らかとなった。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、
常用域はもちろんのこと、中回転域および高回転域にお
いても高い摩擦係数をもつようにすることを目的とする
。

Ｕ課題を解決するための手段］ 本発明者らは、従来のクラッチフェーシングが高回転時
に摩擦係数が低下する原因を研究した結果、摩擦調整剤
として一般に用いられているカシューダストが大きな要
因を占めていることを発見した。そしてカシューダスト
に代替え可能な材料を鋭意研究し、特定の粉体材料の組
合わせが特に好適であることを見出して本発明を完成し
たものである。

すなわち本発明のクラッチフェーシングは、繊維成分と
粉体成分とよりなる紐体に結合剤を含浸させ巻き取って
成形されたクラッチフェーシングにおいて、 粉体成分には少なくともメラミンダスト、コークス粉末
およびグラファイト粉末を含むことを特徴とする。

本発明の最大の特徴は、粉体成分中に少なくともメラミ
ンダスト、コークス粉末およびグラファイト粉末を含む
ところにある。ここでメラミンダストとはメラミン樹脂
の硬化物からメラミン成分を抽出して粉末としたもので
あり、主としてメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の縮合
体から構成される。このメラミンダストはクラッチフェ
ーシング全体１００中に２〜８重量％配合することか好
ましい。このメラミンダストは全回転域で摩擦係数の増
大に奇与し、２重量％より少ないと摩擦係数が低下し、
８重量％より多くなると中回転域および高回転域の摩耗
率が増大するようになる。

コークス粉末は、クラッチフェーシング全体１００中に
１〜４重量％配合することが好ましい。

このコークス粉末は主として中回転域の摩耗率の低減に
奇与し、１重量％より少ないと中回転域の摩耗率が増大
し、４重量％より多く添加しても効果が飽和するととも
に他の成分か減ることによる不具合が生じる。

グラファイト粉末は、クラッチフェーシング全体１００
中に１〜４重量％配合することが好ましい。このグラフ
１イト粉末は中回転域および高回転域の摩耗率の低減に
奇与し、１重量％より少ないと中回転域および高回転域
の摩耗率が増大し、４重量％より多く添加すると高回転
域の摩擦係数が低下するようになる。

１１ｉ［成分としては、芳香族ポリアミド繊維、レーヨ
ン、木綿などの有ｉｓ維、ガラス繊維、チタン酸カリウ
ムｍｉ、カーボン繊維などの無機繊維、あるいは真鍮線
、銅線、アルミニウム線、亜鉛線、ステンレス線などの
金属線を用いることができる。

また上記成分以外の粉末成分としては、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケインウ土、ドロ
マイト、水酸化力シウムなどの無機充填材を用いること
ができる。

本発明のクラッチフェーシングを製造するには、芳香族
ポリアミド繊維などの綿房と少なくともメラミンダスト
、コークス粉末およびグラフフィト粉末を含む粉末成分
、ガラス短繊維などが組合わせられてスライバが形成さ
れる。このスライバは、必要に応じて無機繊維の長繊維
または金属線と撚り合わせられて単糸が形成される。そ
して複数本の単糸から紐体が形成され、結合剤が含浸さ
れる。

結合剤としては従来と同様にフェノール樹脂、メラミン
樹脂などの熱硬化性樹脂か用いられる。そして円板形状
に巻かれた後、熱成形されてクラッチフェーシングとさ
れる。

［発明の作用および効果］ 本発明のクラッチフェーシングでは、１５００ｐｐｍ前
後の常用域ではメラミンダストが摩擦係数の向上に奇与
し、摩耗率を適度な範囲に調整する。そして２５００ｒ
Ｄｍ前後の中回転域では、メラミンダストが摩擦係数を
向上させるとともに、コークス粉末とグラファイト粉末
、なかでもコークス粉末が主として摩耗率を低減させる
。さらに４０００ｒｐｍ前後の高回転域では、メラミン
ダストが摩擦係数を向上させるとともにコークス粉末も
若干摩擦係数の向上に奇与し、コークス粉末とグラファ
イト粉末、なかでも主としてグラファイト粉末が摩耗率
の低減に寄与する。

したかって本発明のクラッチフェーシングによれば、約
１５００ｒｐｍ〜約４００Ｏｒｐｍの略全回転域におい
て高い摩擦係数と低い摩耗率が達成できるので、エンジ
ンの高性能化に追従して、中回転域および高回転域にお
いても円滑なりラッチ作用を実現することができる。ま
た高回転域の使用に際しでも、摩耗率か低いので耐久性
に優れている。

［実施例］ 以下、実施例により具体的に説明する。

（実施例１） 芳香族ポリアミド繊維（「ケブラー＃２９」デュポン社
製）とセラミック繊維とよりなる綿房にカーデイングを
行ない、カーデイング後の綿房表面にメラミンダスト（
１ｌ−１９０４４Ｊカシユー（株）社製）と、コークス
粉末（ｒＦｃ２５０Ｊロンザ社製）およびグラフフィト
粉末（日本黒鉛（株）製）をふりかけるように供給し、
連条してスライバとする。

このスライバはガラス長繊維（直径９μｍ３５ＴｅＸ、
日本硝子１１ｉ！　（株）製）および真鍮線（＃３８、
三重線工社製）と撚糸されて単糸とされる。この単糸を
３本揃えて撚り合わせて紐体とし、メラミン変性フェノ
ール樹脂（メラミン／フェノール−７／３）を紐体１０
０重量部に対して１８重量部含浸し、外径２３６ｍｍ、
内径１５０ｍｍ、厚さ３．５ｍｍの孔空き円板形状に巻
いた後、熱成形して本実施例のクラッチフェーシングを
得た。

このクラッチフェーシングは、第１表にも示すように、
芳香族ポリアミド繊維２８重量部、セラミック繊維２４
重量部、メラミンダスト６重量部、コークス粉末３重量
部、グラファイト粉末３重量部、ガラス長繊維２６重量
部、真鍮線１０重酸部およびメラミン変性フェノール樹
脂１８重量部の組成である。

得られたクラッチフェーシングをフルサイズダイナモ試
験機に装着し、常用域の条件としてイナーシｖ０．４ｋ
ｇｍ５２　、試験温度２００℃、係合回転数１５０Ｑｒ
ｐｍ、係合回数４０００回の条件で運転して、安定期摩
擦係数および両面体積摩耗率を測定した。また中回転域
の条件として、イナーシｖ０．１５ｋｇｍ５２．試験温
度２００℃、係合回転数２５０Ｏｒｐｍ、係合回数２０
００回の条件で運転して、安定期摩擦係数および両面体
積摩耗率を測定した。さらに高回転域の条件として、イ
ナーシｔｏ、０７ｋｇｍ５２、試験温度２００℃、係合
回転数４００Ｏｒｐｍ、係合回数１０００回の条件で運
転して、安定期摩擦係数および両面体積摩耗率を測定し
た。それぞれの結果を第１表に示す。

（実施例２） メラミンダストが８重量部、コークス粉末およびグラフ
ァイト粉末が２重量部としたこと以外は実施例１と同様
の組成である。そして実施例１と同様に摩擦係数および
摩耗率を測定し、結果を第１表に示す。

（比較例１） メラミンダスト、コークス粉末およびグラフフィト粉末
を用いず、カシューダスト（ｒＭ１０３カシュー社製）
を１２重量部用いたこと以外は実施例１と同様の組成で
ある。そして実施例１と同様に摩擦係数および摩耗率を
測定し、結果を第１表に示す。

（比較例２） メラミンダストに替えてカシューダスとを６重量部用い
たこと以外は実施例１と同様の組成である。そして実施
例１と同様に摩擦係数および摩耗率を測定し、結果を第
１表に示す。

（比較例３） コークス粉末を用いず、メラミンダストとグラファイト
粉末をそれぞれ６重量部用いたこと以外は実施例１と同
様の組成である。そして実施例１と同様に摩擦係数およ
び摩耗率を測定し、結果を第１表に示す。

（評価） 実施例１．２と比較例１の結果を比較すると、実施例の
クラッチフェーシングは全回転域で高い摩擦係数を示し
摩耗率も低いのに対し、比較例１では摩擦係数か全体的
に低く中回転域以上になると２０以下となっている。ま
た摩耗率は中回転域以上で極めて増大している。

そして比較例２の結果をみると、比較例１に比べて摩擦
係数は大きな差かないが、摩耗率の低下度合か小さくな
っていることかわかる。これはコークス粉末とグラファ
イト粉末の効果によることが明らかである。また比較例
２と実施例１との比較により、カシューダストに比べて
メラミンダストが摩擦係数の増大と摩耗率の低減に効果
かあることも明らかである。

また実施例１と比較例３との比較より、コークス粉末が
無いと中回転域および高回転域において摩擦係数の低下
が大きく、全体的に摩耗率が高いこともわかる。

特許出願人　　アイシン化工株式会社 同　　　　アイシン精歇株式会社 同　　　　トヨタ自動車株式会社 代理人　　　弁理士　　　大川　宏

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）繊維成分と粉体成分とよりなる紐体に結合剤を含
   浸させ巻き取って成形されたクラッチフエーシングにお
   いて、 前記粉体成分には少なくともメラミンダスト、コークス
   粉末およびグラファイト粉末を含むことを特徴とするク
   ラッチフエーシング