JPH049184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシリンダに捲着された製版原紙を取り
外すための機構を備えた謄写印刷機に関する。

（従来の技術） 適正量のインクが製版原紙の孔部より印刷用紙
に押し出され、インク転写を行い得るようにした
謄写印刷機は知られている。

そしてこの謄写印刷機の製版原紙を係止するた
めの機構としては、シリンダの外周に先端部に係
止部が設けられた係止突起を設け、この係止突起
を製版原紙先端部の耳紙に設けた孔部に挿通する
とともに、この係止突起先端部の係止部を耳紙の
孔部に係止させることで製版原紙を係止保持する
ようにしたものが一般的である。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら斯かる機構により製版原紙を係止
保持した場合、その製版原紙の取り外しに際し、
前記係止突起の先端部の係止部が耳紙に設けた孔
部の端部等にひつかかるなどして邪魔となり、製
版原紙の取り外しが面倒で、手、衣服等をインク
で汚す原因ともなる。

そこで本考案の目的とする処は製版原紙の取り
外しを自動的に行うことができ、もつて手、衣服
等を汚すこともない謄写印刷機を提供するにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため本考案に係る謄写印
刷機は、先端部に耳紙が設けられた製版原紙４を
外周に捲着するシリンダ１と、このシリンダ１の
外周に起設され、前記製版原紙４の耳紙３に設け
た孔部５に挿通されて製版原紙４を係止保持する
係止突起２と、前記シリンダ１の略接線上、回転
方向前方にこれと対向して進退動自在に設けら
れ、その先端部７ａ，７ｂ，７ｂがシリンダ１の
軸方向に複数に分岐し、その前進時にシリンダ１
の回転に伴なつて先端部７ａ，７ｂ，７ｂが耳紙
３とシリンダ１との外周面間に挿入されていき、
耳紙３の孔部５を前記係止突起２より取り外して
製版原紙４をシリンダ１外周より取り剥す剥し爪
７とを備えてなる。

（実施例） 以下に本考案の好適実施例を添付図面に基づい
て説明する。

第１図は本考案に係る謄写印刷機のシリンダ部
の一部断面図、第２図は第１図Ａ方向より見た一
部拡大図である。

符合１は内部にインクを蓄え、不図示に駆動装
置にて矢印Ｂ方向に回転駆動される謄写印刷機の
シリンダであり、このシリンダ１の外周、製版原
紙が、捲装される部分には印刷用紙へのインクの
転写を良好に行うためのスクリーン（不図示）が
捲装される。

符合２はこのシリンダ１の外周にシリンダ１の
軸方向に所定幅を有し、その中央部には下端６ａ
がシリンダ１の外周面と略面一となる切欠部６が
設けられた係止突起であり、この係止突起２はそ
の上端部２ａがその下端部に対し、シリンダ１の
回転方向（矢印Ｂ方向）に所定量変位する如く、
所定角度（θ）回転方向に傾斜せしめられてシリ
ンダ１の軸方向に複数個起設される。

符合３は製版原紙４の先端部に取り付けられた
耳紙であり、この耳紙３には係止突起２の幅の長
さに略等しい長孔５がシリンダ１の軸方向に係止
突起２の数と同数、且つ同一間隔を有して穿設さ
れ、夫々に係止突起２が挿通されて製版原紙４が
係止保持される。

符合７はこの切欠部６のシリンダ回転方向前方
にこれと対向して進退動自在（矢印Ｃ，Ｄ方向）
に設けられ、製版原紙４をシリンダ１の外周より
取り外す剥し爪である。この剥し爪７は、その先
端部が基部７ａに対し、シリンダ１の軸方向に所
定間隔を有する３つの爪部７ａ，７ｂ，７ｂに分
岐し、その中央の爪部７ａは各係止突起２の切欠
部６……に、又その両側の爪部７ｂ，７ｂは各係
止突起２の両外側に夫々対向すべく設けられ、両
側の爪部７ｂ，７ｂは中央の爪部７ａよりわずか
にαだけシリンダ１方向に長く突出し、各爪部７
ａ，７ｂ，７ｂの先端はクサビ状に形成されてい
る。尚、符合８はこれを進退動せしめる駆動装置
（手段）であり、ソレノイドあるいはモータ等を
備えてなる。

斯かる機構における作用を以下に説明する。係
止突起２はその先端部に係止部を持たないため耳
紙３の長孔５に容易に挿通することができ、製版
原紙４のシリンダ１への装着が簡単である。又、
謄写印刷機の運転時においては、不図示の印刷用
紙及びこの印刷用紙に製版原紙４を通してインク
を転写せしめる回転ローラ等のため製版原紙４及
び耳紙３はシリンダ１の回転方向とは逆向きの負
荷（力）を受けることになるが、係止突起２はそ
の先端部２ａをシリンダ１の回転方向に傾斜して
いるため、この負荷は係止突起２による係止作用
を助長する方向に働く。従つて謄写印刷機の始動
時において長孔５が係止突起２に十分挿通されて
いない場合（十分係止されていない場合）におい
ても運転に伴なつて十分係止されるようになるた
め製版原紙４がシリンダ１より剥がれるというよ
うな心配はない。そして印刷の終了時において
は、剥し爪７が矢印Ｄ方向に前進し、シリンダ１
の回転（矢印Ｂ方向）に伴なつてその先端部７
ａ，７ｂ，７ｂが夫々切欠部６及び係止突起２の
両外側の耳紙３とシリンダ１の外周面間に挿入さ
れていき、耳紙３の長孔５を係止突起２より取り
外すとともに製版原紙４をシリンダ１より剥し取
る。尚、このシリンダ外周の係止突起２の回転方
向前方には、耳紙３の先端部とシリンダ面との間
〓を大きくすべくシリンダ半径内方向への小さな
窪１ａが形成されており、クサビ状に形成された
爪部７ａ，７ｂ，７ｂはこの窪１ａの後方の斜面
１ｂに沿つてシリンダ面と耳紙３間に挿入され
る。

このようにして本実施例によれば製版原紙４の
取り外し時において、耳紙３は、中央の爪部７ａ
よりわずかにシリンダ方向に長く突出した爪部７
ｂ，７ｂにより、先ず係止突起２の両外側部が持
ち上げられ、その後中央の爪部７ａが係止突起２
の切欠部６のシリンダ面と耳紙間に挿入され、こ
れら３つの爪部により取り外されるようにしたた
め、製版原紙４をシリンダ面より確実に取り外す
ことができる。

ところで本実施例では剥し爪７の先端部は３つ
に分岐した爪部７ａ，７ｂ，７ｂからなるが、本
考案はこれに限定されず、例えば剥し爪７の先端
部は２つに分岐した爪部７ｂ，７ｂからなるよう
にしてもよい。又各爪部の長さは７ａ，７ｂ，７
ｂ共に等しくなるようにしてもよい。そして各係
止突起２はその中央部に切欠部６を設けたが、こ
の切欠部に代り、２個の係止突起を夫々設けるよ
うにしてもよい。そしてこのとき、各係止突起の
形状も平板状ではなく、単なる棒状としてもよ
い。

更に、係止突起２の数は、長孔５の数と同数と
したがこれより少なくしてもよく、又、剥し爪７
は各係止突起２の間の耳紙とシリンダ１間に外周
面に挿入されるようにしてもよい。

（考案の効果） 以上の説明より明らかな如く、本考案によれば
取り外しが自動的に且つ、複数の分岐状の爪部に
より確実に行え、製版原紙の交換が容易で、もつ
て手、衣服等を汚すことのない謄写印刷機提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る謄写印刷機のシリンダ部
の一部断面図、第２図は第１図Ａ方向より見た一
部拡大図である。 そして図面、１はシリンダ、２は係止突起、３
は耳紙、４は製版原紙、５は長孔、６は切欠部、
７は剥し爪、７ａ，７ｂ，７ｂは剥し爪先端部の
爪部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 先端部に耳紙が設けられた製版原紙を外周に捲
   着するシリンダと、 このシリンダの外周に起設され、前記製版原紙
   の耳紙に設けた孔部に挿通されて製版原紙を係止
   保持する係止突起と、 前記シリンダの略接線上、回転方向前方にこれ
   と対向して進退動自在に設けられ、その先端部が
   シリンダの軸方向に複数に分岐し、その前進時に
   シリンダの回転に伴なつて前記複数の先端部が耳
   紙とシリンダ外周面間に挿入され、耳紙の孔部を
   前記係止突起より取り外して製版原紙をシリンダ
   外周より取り剥す剥し爪とを備えてなる謄写印刷
   機。