JPH048353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、アンプル検査装置における静止像
駆動装置に関し、詳しくは、回転される検査ドラ
ムに設けたアンプル保持装置でアンプルを保持し
た状態で、アンプルを高速回転した後に急停止
し、アンプルの内容液のみを旋回して内容液中に
含まれているガラス破片等の異物をテレビジヨン
カメラでとらえるようにしたアンプル検査装置に
おいて、テレビジヨンカメラに対して検査ドラム
の回転に応じて移動するアンプルの面がテレビジ
ヨンカメラに向つて常に一定の方向を向くように
してアンプル表面の傷や汚れを静止像としてとら
え、旋回する内容液中の異物との判別を確実にす
るものである。

従来技術 アンプル、バイアル類はその内容液にガラス破
片等の異物が誤つて混入することがあるので、従
来から、特公昭52−19798号、特公昭52−47914号
等において、低速で回転する検査ドラムの周縁に
沿つて上下一対のホルダーからなるアンプル保持
装置を並設し、該保持装置でアンプルを保持した
状態で、下ホルダーを高速回転した後に急停止さ
せてアンプルは静止させると共に内容液のみ旋回
させ、この状態で検査ドラムの回転に応じて近接
位置に設けたテレビジヨンカメラの前を移動さ
せ、旋回している内容液中の異物をカメラでとら
えて検査するようにしたものが提案されている。
この種のアンプルの異物検査においては、医薬品
の品質の向上を求める点より、検知精度を上げて
より微小な内容異物を検知して、それを排除する
ことが要求されている。該要求に応じてカメラの
感度を上げ微小異物を検知するようにすると、ア
ンプルの表面の微細な傷や汚れも異物として検知
してしまう問題がある。これは、回転駆動する検
査ドラム上に保持されてアンプルは円の軌跡を通
るため、ドラムの中心線に向つて同じ向きで移動
するが、カメラに対しては順次表面視野が変わる
ためである。

即ち、第１図に示す如く、検査ドラム１、アン
プル２、テレビジヨンカメラ３との関係は、ドラ
ム１のアンプル保持ピツチ角θ₁、カメラ３から見
た隣接するアンプル視角をθ₂とすると、アンプル
２が第１位置の時、ドラム１からとカメラ３か
らの視角差が−（θ₁＋θ₂）であつたものが、第２
位置のドラム１とカメラ３の中心が一致する中
心線上では視角差が０となり、ドラム１の＋θ移
動点では視角差はθ＋θ₂となるからである。

このように、アンプル表面の異物を内容液中の
異物と混同して検知してしまうと、検査後の良品
のアンプル回収率が極度に低下して生産性が悪く
なる欠点があつた。

考案の目的 この考案は、上記した欠点を解消せんとするも
ので、検査のためのテレビジヨンカメラに対し
て、検査ドラムと共回転するアンプルの表面が、
カメラに向つて常に一定の方向を向くようにし、
アンプル表面の異物を静止像としてとらえ、旋回
する内容液中の異物との判別とを確実に行うこと
ができるようにすることを目的とするものであ
る。

考案の構成及び作用 この考案は上記目的を達成するため、回動する
検査ドラムの周縁に隣接して設けた上下ホルダー
からなるアンプル保持装置で夫々アンプルを保持
し、上記ホルダーを高速回転した後に急停止させ
てアンプルの内容液のみを旋回させた状態でテレ
ビジヨンカメラの前に通過させて該テレビジヨン
カメラにより内容液中に含む異物を検出するアン
プル検査装置において、 上記ホルダーの下端部にプーリを取り付ける一
方、 上記テレビジヨンカメラの投影範囲両端に、検
査ドラム周縁部に隣接して一対のプーリを設置す
ると共に、駆動軸に固定したプーリを設置し、こ
れら３つのプーリに静止用ベルトを巻き付け、該
静止用ベルトの外面を上記下ホルダーの下端部に
取り付けたプーリと当接させて静止用ベルトの回
転と同速で下ホルダーを回転して、上記テレビジ
ヨンカメラの投影範囲にある下ホルダーに保持さ
れたアンプルを回転させる構成とし、かつ、 上記静止用ベルトの回転を、検査ドラムにより
円の軌跡に沿つて移動されるアンプルの表面が、
固定したテレビジヨンカメラに向かつて常に一定
の方向を向いて静止像としてとらえられる速度お
よび回転方向となるように設定していることを特
徴とするアンプル検査装置における静止像駆動装
置を提供し、 旋回しているアンプル内容液中の異物と、静止
しているアンプル表面の傷や汚れの判別を確実に
おこなえるようにするものである。

実施例 以下、この考案を第２図以下の図面に示す実施
例により詳細に説明する。

第２図はアンプル検査装置の全体の構成を示
し、検査すべきアンプルａは、順次仕入口１０よ
りベルトコンベア１１に送り込まれ、ベルトコン
ベア１１より順次仕込みスターホイル１２、供給
スターホイル１３の各搬送ポケツト１２ａ，１３
ａへ１つずつ送り込まれ、供給スターホイル１３
より第３図に示す検査ドラム１４の周縁に隣接し
て並設した上下ホルダー１５ａ，１５ｂよりなる
アンプルホルダー１５へ１つずつ供給される。上
下ホルダー１５ａ，１５ｂでアンプルａの肩部と
尻部とを保持しながら検査ドラム１４の回転に応
じて矢印方向へ回転し、第１位置で高速回転ベ
ルト２５で下ホルダー１５ｂを回転してアンプル
ａをその軸芯回りに高速回転させ、次の第２位置
で摩擦ブレーキ２６で下ホルダー１５ｂに急ブ
レーキをかけてアンプルａを停止させ（但し、ア
ンプルの内容液は慣性で回転している）、さらに、
第３位置でこの考案に係る静止像駆動装置２７
のベルト２８で下ホルダー１５ｂを介してアンプ
ルａを回転させながらテレビジヨンカメラ１６の
前を通過させ、該カメラ１６でアンプルａの良
品・不良品を一定の感度（アンプル内容液中に含
む異物を検出して良品と不良品を一定のレベルで
識別する）で検査する。同様にして、第４，第
５，第６の各検査位置，，においても夫々
のテレビジヨンカメラ１６で検査し、検査後、検
査ドラム１４のアンプルａは取出しスターホイル
１７の搬送ポケツト１７ａに送られ、次いで、上
記検査結果に基き制御回路３０に動作される再検
査振分バルブ１８及び不良品振分バルブ１９によ
り、再検査のアンプルは再検査スターホイル２０
へ、不良品のアンプルは不良品スターホイル２１
へ送られ、良品のアンプルのみが次工程送りスタ
ーホイル２２へ送り出される。

上記検査ドラム１４では、固定軸３１のまわり
を一体的に回転される上下一対の上円盤３２、下
円盤３３を備え、上円盤３２に回転自在にして上
下動を制御される上ホルダー１５ａを設けると共
に、下円盤３３に回転自在に下ホルダー１５ｂを
設け、該上下ホルダー１５ａ，１５ｂに設けたテ
ーパー穴でアンプルａの肩部と尻部を嵌合して保
持するようにしている。よつて、アンプルａは円
の軌跡に沿つて下円盤３３を回転する機構により
移動される。上記下ホルダー１５ｂは筒状でテレ
ビジヨンカメラ１６の前方を通過する際は、下方
に配置した投光器３４で下ホルダー１５ｂを通し
てアンプルａを照らすようにしており、かつ、下
円盤３３より突出した下ホルダー１５ｂの下端部
にプーリ３５を取付けている。該プーリ３５は、
上記第１位置において高速回転用ベルト２５と
当接して高速回転されると共に、第２位置に於
いて摩擦ブレーキ２６と当接して急停止し、さら
に、第３位置において静止像駆動装置２７の静
止用ベルト２８と当接して設定速度で回転するよ
うにしている。

上記静止像駆動装置２７は、駆動軸３７に固定
したプーリ３８と、検査ドラム１４の周縁と対向
する隣接位置で且つテレビジヨンカメラ１６の投
影範囲両端に位置するプーリ３９，４０に静止用
ベルト２８を巻掛けした構成であり、駆動軸３７
の回転により、所定速度で静止用ベルト２８を回
転させ、該静止用ベルト２８の外面に当接するプ
ーリ３５を静止用ベルト２８と同一速度で回転さ
せ、該プーリ３５の回転により下ホルダー１５ｂ
を介してアンプルａの表面がカメラ１６に向つて
常に一定の方向を向くように設定している。即
ち、図示の如く、検査ドラム１４におけるアンプ
ル保持ピツチ角をθ₁、カメラ１６から見た隣接す
るアンプル視角をθ₂とすると、アンプルａが１ピ
ツチ動く間に、θ₁＋θ₂（−）方向にアンプルａの
顔（表面）を向ける必要があり、１ピツチごとに
アンプルａがθ₁＋θ₂おくれて回転するように静止
用ベルト２８を回転している。詳しくは、検査ド
ラム１４のアンプル保持本数をＨ、検査ドラム１
４のアンプル保持部半径をＲ、アンプル回転駆動
ローラ半径をｄ、アンプル中心からカメラまでの
距離をＬ、検査ドラム回転数r.p.mをＮ、検査ド
ラムの回転周速をＶ、とすると静止用ベルト２８
の周速度V₂は下記の如く、設定される。

θ₁＝360／Ｈ θ₂＝tan¹（Ｒ・tanθ₁／Ｌ） V₁＝2N〓（Ｒ＋ｄ） V₂＝V₁−Ｎ・2d〓（θ₁＋θ₂）／θ₁ ＝2N〓（（Ｒ＋ｄ）−ｄ（θ₁＋θ₂）／θ₁） 上記静止用ベルト２８を回転する駆動軸３７の
動力は本体装置よりその回転数に合わせて駆動系
を組んで伝えるようにしてもよく、あるいは、別
動のスピードコントロール付モータで行つてもよ
い。

効 果 以上の説明より明らかなように、この考案によ
れば、カメラに対してアンプルの表面が常に一定
の方向に向くため、アンプル表面の傷や汚れ等の
異物はカメラに静止像としてとらえられる。よつ
て、旋回しているアンプル内容液中の異物と混同
してカメラにとらえられることが防止でき、検査
精度が向上しアンプルの良品の回収率が向上する
利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の問題点を示すアンプル検査装置
の一部平面図、第２図はこの考案に係るアンプル
検査装置全体の平面図、第３図は検査ドラムの断
面図、第４図は第２図の要部拡大図、第５図は第
４図の−線断面図、第６図は第４図の−
線断面図である。 ａ……アンプル、１４……検査ドラム、１６…
…テレビジヨンカメラ、２５……高速回転ベル
ト、２６……摩擦ブレーキ、２７……静止像駆動
装置、２８……静止用ベルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回動する検査ドラムの周縁に隣接して設けた上
   下ホルダーからなるアンプル保持装置で夫々アン
   プルを保持し、上記下ホルダーを高速回転した後
   に急停止させてアンプルの内容液のみを旋回させ
   た状態でテレビジヨンカメラの前に通過させて該
   テレビジヨンカメラにより内容液中に含む異物を
   検出するアンプル検査装置において、 上記下ホルダーの下端部にプーリを取り付ける
   一方、 上記テレビジヨンカメラの投影範囲両端に、検
   査ドラム周縁部に隣接して一対のプーリを設置す
   ると共に、駆動軸に固定したプーリを設置し、こ
   れら３つのプーリに静止用ベルトを巻き付け、該
   静止用ベルトの外面を上記下ホルダーの下端部に
   取り付けたプーリと当接させて静止用ベルトの回
   転と同速で下ホルダーを回転して、上記テレビジ
   ヨンカメラの投影範囲にある下ホルダーに保持さ
   れたアンプルを回転させる構成とし、かつ、 上記静止用ベルトの回転を、検査ドラムにより
   円の軌跡に沿つて移動されるアンプルの表面が、
   固定したテレビジヨンカメラに向かつて常に一定
   の方向を向いて静止像としてとらえられる速度と
   なるように設定していることを特徴とするアンプ
   ル検査装置における静止像駆動装置。