JPH0480988B2 - - Google Patents

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JPH0480988B2
JPH0480988B2 JP1718386A JP1718386A JPH0480988B2 JP H0480988 B2 JPH0480988 B2 JP H0480988B2 JP 1718386 A JP1718386 A JP 1718386A JP 1718386 A JP1718386 A JP 1718386A JP H0480988 B2 JPH0480988 B2 JP H0480988B2
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alloyed
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 この発明は自動車用デイーゼルエンジン等の内
燃機関に使用される鋳鉄製シリンダヘツドおよび
その製造方法に関し、特にバルブシート部を改良
したシリンダヘツドおよびその製造方法に関する
ものである。 従来の技術 周知のように内燃機関のシリンダヘツドのバル
ブシート部には優れた耐摩耗性と耐熱性が要求さ
れる。そこで鋳鉄製シリンダヘツドについても、
従来から耐摩耗性の優れたCr−Mo系等の焼結合
金をバルブシート部にインサートすることが行な
われている。しかしながらインサートした場合、
そのインサート部材とシリンダヘツド母材との接
触面が熱障壁となつて熱伝導が悪くなり、そのた
め特に熱負荷の高い場合にはバルブシート面から
の放熱・冷却に問題がある。またこのようなイン
サートによる方法では、予めインサート部材を別
途製造・加工しておかなければならないため、工
程が複雑となる問題もある。 そこで既に鋳鉄製シリンダヘツドのバルブシー
ト部にレーザ等の高密度エネルギ源を用いてCr
を合金化し、インサートを用いることなくバルブ
シート部の高温耐摩耗性を向上させる方法が「工
業材料」第32巻第3号P31〜39の「レーザによる
表面処理」の記事(特にP35〜36)において報告
されている。 発明が解決すべき問題点 前述の報告におけるバルブシート部に対するレ
ーザによるCrの合金化層は、合金化したままで
あつて硬さがHv700〜800と著しく硬いものであ
り、また10%を越える高濃度のCrを合金化して
Cr炭化物主体の組織としたものであることが記
載内容から推察される。 このようなバルブシートでは硬さが高過ぎるた
め加工が著しく困難であり、またバルブシート自
体の耐摩耗性は良好であつても、相手バルブのバ
ルブフエース面を著しく摩耗させる問題があり、
したがつてシリンダヘツドのバルブシートとして
は実用的ではなかつた。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、前述の報告に示されているようなレーザ等
の高密度エネルギを用いた合金化による鋳鉄製シ
リンダヘツドのバルブシート部の耐摩耗性向上策
の改良図り、バルブシート部の耐摩耗性に優れる
と同時に相手バルブフエース面の摩耗も防止さ
れ、しかも耐熱性にも優れるとともに加工性に優
れかつバルブシート部の欠けも防止されるように
した鋳鉄製シリンダヘツドおよびその製造方法を
提供することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 第1発明の鋳鉄製シリンダヘツドは、本体が鋳
鉄からなり、かつバルブシート部に相当する部位
の表面に、Feよりも炭化物形成傾向が高い金属
元素の1種または2種以上が合計で0.1〜10重量
%含有された合金化鋳鉄層が0.2mm以上の深さに
わたつて形成されており、しかもその合金化鋳鉄
層は、基地をパーライトもしくはパーライト主体
とするとともに2〜15%の残留セメンタイトが存
在しかつ塊状黒鉛が晶出した組織からなる硬さ
Hv250〜400の層とされていることことを特徴と
するものである。 また第2発明の鋳鉄製シリンダヘツド製造方法
は、鋳鉄を原料としてシリンダヘツド本体を鋳造
した後、そのシリンダヘツド本体のバルブシート
部に相当する部位の表面に、Feよりも炭化物形
成傾向が高い金属元素の1種または2種以上もし
くはそれらの合金またはそれらの1種または2種
以上と鉄との合金を配置し、その上から高密度エ
ネルギを照射して急速溶融−急速再凝固させるこ
とにより、前記金属元素の1種または2種以上の
合計濃度が0.2〜10重量%となるように前記金属
元素が鋳鉄に合金化されかつチル化された合金層
を形成し、次いでそのチル化合金層をA1変態点
以上固相線温度未満の温度域に加熱した後冷却す
る熱処理を施して、基地をパーライトもしくはパ
ーライト主体とするとともに2〜15%の残留セメ
ンタイトが存在しかつ塊状黒鉛が晶出した組織か
らなる硬さHv250〜400の合金化鋳鉄層を0.2mm以
上の深さにわたつて形成することを特徴とするも
のである。 作 用 シリンダヘツドの本体となる鋳鉄としては、鋳
造性、加工性およびコストの面から、JIS FC20,
FC25などの普通鋳鉄が好ましいが、低合金鋳鉄
なども用いることができる。またこれらに脱酸の
ために微量のCe,Mg等を添加した鋳鉄を用いる
こともできる。 この発明では、上述のような普通鋳鉄等からな
る鋳鉄製シリンダヘツドのうち、特に耐摩耗性が
要求される部位、すなわちインテークバルブやエ
キゾーストバルブに対するバルブシート部に相当
する部位に、後述するような合金化鋳鉄層が0.2
mm以上の深さにわたつて形成される。 この合金化鋳鉄層は、成分的には本体の鋳鉄成
分のほか、特に炭化物形成傾向がFeよりも高い
金属元素、すなわちCr,Mo,W,Ta,Nb,V,
Ti,ZrあるいはMn等の金属元素の1種または2
種以上を0.2〜10重量%の範囲内で含有するもの
である。またその合金化鋳鉄層の組織は、基地と
してのパーライト(もしくはパーライト主体の組
織)と、2〜15%の残留セメンタイトと、塊状の
晶出黒鉛とからなるものとされ、その硬さが
Hv250〜400の範囲内とされている。 前述のようにCr,Mo等の炭化物形成傾向が高
い金属元素が含有されることによつて、バルブシ
ート部の合金化鋳鉄層は、その組織中の残留セメ
ンタイトおよびパーライトを構成しているセメン
タイトが強化・安定化され、これらを添加しない
場合と比較して耐摩耗性および耐熱性が著しく改
善される。すなわち、バルブシート部は、インテ
ークバルブに対する部分で150〜250℃、エキゾー
ストバルブに対する部分で250〜400℃となるが、
このような温度でも組織、硬さが著しく変化せ
ず、そのバルブシート部の耐摩耗性が低下しない
のである。ここで、合金化鋳鉄層におけるCr,
Mo等の炭化物形成元素の含有量が0.2重量%未満
ではセメンタイトを強化して耐摩耗性、耐熱性を
向上させる効果が充分に得られず、一方10重量%
を越えれば最終的に前述のような硬さ、組織に調
整することが困難となるから、炭化物形成元素の
含有量は0.2〜10重量%の範囲内とした。なおこ
の範囲内でも特に0.5〜3.0重量%の範囲内が好ま
しい。 また合金化鋳鉄層の金属組織に関しては、炭化
物形成元素の合金化と併せて、特に前述のような
組織とすることによつて、耐摩耗性が優れると同
時に相手材としてのバルブフエース面に対する攻
撃性(相手摩耗性)も小さくでき、しかも加工性
も良好となり、さらに靭性面でも有利となつて欠
けが生じにくくなる。 すなわち、先ず基地組織のパーライト自体がフ
エライト基地の場合よりも耐摩耗性の点で有利で
あり、その基地組織中に残留セメンタイトが存在
していることによつてさらに耐摩耗性が向上して
いるのである。ここで残留セメンタイトが2%未
満では充分な耐摩耗性が確保できない。一方残留
セメンタイト量が増大すれば耐摩耗性のみの点か
らは有利であるが、相手バルブフエース面の摩耗
が大きくなり、また加工性も低下する。本発明者
等の実験によればバルブシート面の耐摩耗性を確
保しつつ相手バルブフエース面の摩耗を小さくし
かつ良好な加工性を得るためには、残留セメンタ
イト量が10%以下であることが必要であることが
判明しており、したがつて残留セメンタイト量は
2〜10%の範囲内とした。一方組織中に晶出する
黒鉛は、その形状が塊状であることによつて、普
通鋳鉄の如き片状黒鉛の場合と比較して靭性面で
有利となり、バルブシート面の欠けを防止するこ
とができる。なおここで合金化鋳鉄層の基地組織
は、パーライトのみであつても、パーライト主体
のものでも良いが、基地組織の少なくとも50%以
上がパーライトであることが望ましい。 さらに合金化鋳鉄層の硬さに関しては、Hv250
未満ではバルブフエース面の耐摩耗性を確保でき
ず、一方Hv400を越えれば相手バルブシートの摩
耗が過大となり、また加工性も低下するから、
Hv250〜400の範囲内とする必要がある。 上述のような成分、組織、硬さを有する合金化
鋳鉄層の深さが0.2mmでは充分な耐摩耗性、耐熱
性が確保できず、したがつてその深さは0.2mm以
上とすることが必要である。 以上のように、所定量のCr,Mo等の炭化物形
成元素を合金化した、所定の組織、所定の硬さ、
所定の深さを有する合金化鋳鉄層をバルブシート
面に形成しておくことによつて、バルブシート面
自体の耐摩耗性の確保と相手バルブフエース面の
摩耗防止、さらには加工性確保、欠けの防止、お
よび耐熱性の確保を同時に図ることができたので
ある。 次に前述のようにバルブシート面に合金化鋳鉄
層を有するシリンダヘツドの製造方法、すなわち
第2発明について説明する。 先ずシリンダヘツド本体の製造方法としては、
前述のような普通鋳鉄等の鋳鉄材料を原料とし
て、砂型鋳造等の通常の鋳造法により鋳造すれば
良い。 得られたシリンダヘツド本体に対しては、先ず
高密度エネルギ源を用いて、Cr,Mo,W,Ta,
Nb,V,Ti,ZrあるいはMn等の炭化物形成元
素の合金化処理を行なう。すなわち、シリンダヘ
ツド本体における特に耐摩耗性、耐熱性が要求さ
れるバルブフエースの表面に、前述のような炭化
物形成元素の1種または2種以上もしくはそれら
の合金、あるいはそれらの1種以上とFeとの合
金を配置し、その上からレーザ、電子ビーム、プ
ラズマアーク、TIGアーク等の高密度エネルギを
照射することにより、表面に配置されたCr,Mo
等の炭化物形成元素やそれらを含む合金とその下
側の鋳鉄母材表面層とを瞬時に急速溶融させて鋳
鉄に対しCr,Mo等の炭化物形成元素を合金化
し、続いてそのエネルギ照射位置の移動もしくは
照射停止によりその溶融した合金層を瞬時に急速
凝固させる。ここで、高密度エネルギの照射によ
り溶融した部分はシリンダヘツド全体の質量に比
べれば格段に小さい質量であるから、高密度エネ
ルギ照射位置の移動もしくは照射停止によつてシ
リンダヘツド母材側への熱移動により溶融した合
金層は瞬時に凝固し、チル化された合金層とな
る。 なお、Cr,Mo等の炭化物形成元素やそれらを
含む合金をシリンダヘツド本体のバルブフエース
面に配置するための具体的手法としては、例えば
それらの粉末、圧粉体、薄板等を載置または溶射
したりあるいはスラリーとして塗布したり、さら
には必要部位に溝を加工してその中に充填したり
すれば良い。 上述のような高密度加熱エネルギを用いた合金
化処理のままでは、合金層はいわゆるチル鋳鉄組
織が形成されており、これは硬さHv550以上で、
セメンタイト+トルースタイト+マルテンサイト
組織を呈している。このようなチル鋳鉄組織で
は、硬さが高過ぎるため相手バルブフエース面を
著しく摩耗させ、また脆いため欠けが生じやす
く、さらには加工自体も困難であるから、そのま
までシリンダヘツドのバルブシート面に使用する
には支障がある。そこで合金化処理の後に、チル
鋳鉄組織の合金層を、前述の硬さ、組織に調整す
るための熱処理を行なう。この熱処理はA1変態
点以上、固相線温度未満の温度域で加熱保持し
て、黒鉛化およびセメンタイトの一部分解・凝集
を行ない、これに続く冷却過程でパーライトを安
定に残すものである。この熱処理における加熱時
間は数分〜数10分であれば良いが、具体的に最適
な温度、時間は合金化した炭化物形成元素の種
類、量などによつても異なる。すなわち炭化物形
成元素の添加量が多かつたり、添加した合金元素
の炭化物形成傾向が特に強かつたり(例えばTi,
Zr,Nbなど)の場合には、高温で長時間加熱し
なければならない。また冷却条件も合金化した炭
化物形成元素の量や種類などによつて異なるが、
通常は空冷とすれば良い。 なお以上の加熱処理においては、チル化合金層
の部分のみを加熱する局部加熱、例えば高周波誘
導加熱や火炎加熱(バーナ加熱)等を用いること
が熱効率等の点から望ましいが、場合によつては
シリンダヘツド全体を加熱する炉中加熱を用いて
も良い。 以上のように、高密度エネルギを用いた合金化
処理により表面層にCr,Mo等の炭化物形成元素
と鋳鉄とのチル化合金層を形成した後、熱処理を
施すことによつて、前述のような組織、硬さを有
する合金鋳鉄層を摺動面に形成することができ
る。 なお前述の熱処理後は、適宜研削加工、研磨加
工等の機械加工を行なつて最終的にシリンダヘツ
ド製品に仕上げれば良い。 実施例 [実施例 1] 2400c.c.デイーゼル機関用4気筒シリンダヘツド
を製造するにあたつて、先ずJIS FC25鋳鉄にて
シリンダヘツド粗形材を通常の方法により鋳造し
た。次いで第1図に示すようにシリンダヘツド粗
形材1のインテークおよびエキゾーストのバルブ
シート部2を下加工し、その部分に、150〜350メ
ツシユの純Cr粉末をポリビニルアルコールをバ
インダとして混練したものを塗布し、乾燥後、
TIGアークにより合金化・チル化処理を行なつ
た。この処理の条件は、平均電流75A、送り速度
3mm/secとし、流速12/minのアルゴンガス
をシールドガスとして用いた。この処理によつ
て、バルブシート部に深さ1.1mm、Cr濃度1.5重量
%の合金化・チル化層が形成された。次いで各バ
ルブシート部に、高周波誘導加熱装置を用いて
1000℃×3分間加熱した後空冷する熱処理を施し
た。 以上の処理によつてバルブシート部に、Cr1.5
重量%を含有しかつ金属組織が塊状黒鉛+8%の
残留セメンタイト+パーライト基地からなり、硬
さHvが360のCr合金化鋳鉄層が形成された。そ
の状態の概要を第2図に示す。第2図において3
が合金化鋳鉄層を示す。またこの合金化鋳鉄層の
金属組織写真を第4図に示す。 なお上述の熱処理後には仕上げ加工を施した。
その仕上げ加工後のバルブシート部付近の概要を
第3図に示す。なお仕上げ加工後の合金化鋳鉄層
3の深さは0.8mmである。 [実施例 2] 実施例1におけるCr粉末の代りに、Mo粉末
(150〜350メツシユ)を用いた点以外は、実施例
1と同じ方法、条件にて合金化・チル化処理およ
び熱処理を行なつた。 その結果、バルブシート部に、Moを1.3重量%
含有しかつ金属組織が塊状黒鉛+2.5%の残留セ
メンタイト+パーライト基地からなる、硬さ
Hv310のMo合金化鋳鉄層が形成された。その合
金化鋳鉄層の金属組織写真を第5図に示す。なお
仕上げ加工後のMo合金化鋳鉄層の深さは0.8mmで
ある。 [比較例] 実施例1と同様にシリンダヘツド粗形材を鋳造
後、バルブシート部を下加工し、次いで合金元素
を全く用いずに、実施例1と同様の条件でTIGア
ークによるチル化処理を行なつた。その後、実施
例1と同じ条件で熱処理を行ない、仕上げ加工を
施した。 この場合のバルブシート部の組織は、第6図に
示すように塊状黒鉛+パーライト+フエライト
で、硬さはHv160であつた。 以上のような実施例1、実施例2、および比較
例により得られた各シリンダヘツドを用いて、実
機エンジンによるバルブシート面およびバルブフ
エース面の耐久試験を次のように行なつた。 相手バルブとしては、インテークバルブでは
JIS SUH3、エキゾーストバルブではJIS
SUH36を用い、4200rpm全負荷×300時間で耐久
試験を実施した。耐久試験後、分解してバルブシ
ート面およびバルブフエース面の磨耗量を調べ
た。実施例1および実施例2より得られたシリン
ダヘツドの各磨耗量を第1表に示す。なおいずれ
もインテーク、エキゾーストで差はなかつた。
【表】 一方比較例の合金化しなかつたバルブシート面
を有するシリンダヘツドについては、上記の耐久
試験の結果、100時間で既にバルブシート目の摩
耗量が50μ以上に達することが判明した。 第1表に示すようなこの発明の各実施例により
得られたシリンダヘツドにおけるバルブシート面
の摩耗量は、従来の一般的な焼結合金バルブシー
トインサート材を用いた場合とほぼ同等であり、
したがつてこの発明によるシリンダヘツドのバル
ブシート面は、焼結合金バルブシートインサート
材と同程度の優れた耐摩耗性を示すことが明らか
である。なお相手バルブフエース面の摩耗量も第
1表に示すように特に大きくないことが判る。 発明の効果 この発明の鋳鉄製内燃機関用シリンダヘツドに
おけるバルブシート面は、所定の合金化鋳鉄層を
形成したことによつて、耐摩耗性に優れると同時
に相手バルブフエース面に対する攻撃性も少な
く、しかも耐熱性、加工性にも優れるとともに欠
けも防止できるなど、種々の優れた性能を発揮し
得る。またこの発明のシリンダヘツドは、本体部
分は普通鋳鉄などの鋳造性、加工性に優れた鋳鉄
を用いることができるため、鋳造性や加工性を損
わずかつコスト的にも特に不利とはならない。さ
らにこの発明のシリンダヘツドは、バルブシート
面に従来の一般的な焼結合金インサート材を用い
た場合と異なり、バルブシート面の合金化鋳造層
が本体部分と一体に連続しているため、その間で
熱障壁が生じることなく、バルブシート付近にお
ける冷却性が改善され、従来よりも内燃機関の高
出力化が可能となり、さらにインサート材を用い
た場合よりも製造工程が簡略化されてコスト低減
をもたらすことができる。そしてまたこの発明の
シリンダヘツド製造方法によれば、前述のように
優れたバルブシート面性能を有する鋳鉄製シリン
ダヘツドを実質的に低コストで製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例におけるシリンダヘツド粗形材
のバルブシート部付近を示す略解的な縦断面図、
第2図は第1図のシリンダヘツド粗形材のバルブ
シート部に合金化鋳鉄層を形成した状態を示す略
解的な縦断面図、第3図は最終的に仕上げ加工を
行なつたバルブシート部付近を示す略解的に縦断
面図、第4図は実施例1により得られたシリンダ
ヘツドの合金化鋳鉄層の金属断面組織写真、第5
図は実施例2により得られたシリンダヘツドの合
金化鋳鉄層の金属断面組織写真、第6図は比較例
により得られたシリンダヘツドのバルブシート部
の金属断面組織写真である。 1……シリンダヘツド粗形材、2……バルブシ
ート部、3……合金化鋳鉄層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 本体が鋳鉄からなり、かつバルブシート部に
    相当する部位の表面に、Feよりも炭化物形成傾
    向が高い金属元素の1種または2種以上が合計で
    0.1〜10重量%含有された合金化鋳鉄層が0.2mm以
    上の深さにわたつて形成されており、しかもその
    合金化鋳鉄層は、基地をパーライトもしくはパー
    ライト主体とするとともに2〜15%の残留セメン
    タイトが存在しかつ塊状黒鉛が晶出した組織から
    なる硬さHv250〜400の層とされていることを特
    徴とする鋳鉄製内燃機関用シリンダヘツド。 2 鋳鉄を原料としてシリンダヘツド本体を鋳造
    した後、そのシリンダヘツド本体のバルブシート
    部に相当する部位の表面に、Feよりも炭化物形
    成傾向が高い金属元素の1種または2種以上もし
    くはそれらの合金またはそれらの1種または2種
    以上と鉄との合金を配置し、その上から高密度エ
    ネルギを照射して急速溶融−急速再凝固させるこ
    とにより、前記金属元素の1種または2種以上の
    合計濃度が0.2〜10重量%となるように前記金属
    元素が鋳鉄に合金化されかつチル化された合金層
    を形成し、次いでそのチル化合金層をA1変態点
    以上固相線温度未満の温度域に加熱した後冷却す
    る熱処理を施して、基地をパーライトもしくはパ
    ーライト主体とするとともに2〜15%の残留セメ
    ンタイトが存在しかつ塊状黒鉛が晶出した組織か
    らなる硬さHv250〜400の合金化鋳鉄層を0.2mm以
    上の深さにわたつて形成することを特徴とする鋳
    鉄製内燃機関用シリンダヘツドの製造方法。
JP1718386A 1986-01-29 1986-01-29 鋳鉄製内燃機関用シリンダヘツドおよびその製造方法 Granted JPS62177184A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013092150A (ja) * 2012-11-26 2013-05-16 Yanmar Co Ltd 内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化処理方法

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