JP2013092150A - 内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化処理方法 - Google Patents

内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン部品の表面に耐磨耗性に優れた合金層をコーティングし、部品寿命を向上させる表面硬化方法を提案する。
【解決手段】内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化方法において、乾燥させた内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッド15のバルブシート部19の塗膜の上に、黒鉛粉末をシンナー等の溶剤で希釈した吸収剤10を塗布被覆し、レーザあるいは電子ビームの照射時に、MC系炭化物を焼結し、金属粉末の鋳鉄母材への拡散を促進させることにより、前記バルブシート部19に合金層21を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンの鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部における表面硬化処理方法に関する。
近年、原油の重質化、軽質油の需要増加、石油精製法の変化等に伴い、低質油の燃料性状は悪化しており、燃料中に含まれる硬質粒子や硫黄分、燃料残渣物等により内燃機関の部品は磨耗しやすい環境にある。そういった上記状況に対応するため、例えば主にディーゼルエンジンに使用されている一体型FCD(ダグタイル鋳鉄)製エンジン部品のリング溝部の耐磨耗性を向上させるための技術として、リング溝部にレーザを用いて焼入れを行うというレーザ焼入れ技術(例えば、特許文献1参照)、高周波焼入れ技術(例えば、特許文献2参照)及びクロムメッキ処理技術などが公知となっており、広く適用されている。
特開昭61−149424号公報 特開平7−119831号公報
しかし、レーザ焼入れ技術や高周波焼入れ技術によって施された焼入れ部の硬さは600Hv〜800Hv程度しかない。また、焼入れ部の組織は完全に均一ではなく、マルテンサイト、ベイナイト、残留オーステナイト等の組織が混在しており硬さのバラツキも大きい。また、トップリング溝はエンジン燃焼温度が伝わりやすく、約150℃以上になると焼入れ組織は焼戻され、硬さが約100Hv〜200Hv程度低下する。更に、エンジン部品の材質が腐食されやすい鋳鉄である場合、燃焼ガス中に含まれる硫黄等によりリング溝部に腐食が発生する。上記理由から、長時間使用によりエンジン部品が磨耗し、一定の磨耗量に達するとエンジン部品を交換しなければならず、メンテナンスコストが発生する。また、レーザ焼入れは焼入れ深さが約300μm以上になると微細亀裂が多数発生するため、あまり深い焼入れができない。一方、高周波焼入れは焼入れ深さが約800μm程度まで可能であるが、熱処理歪が大きく、研削等の後加工が必要となる。
また、クロムメッキ処理における表面硬化においては、メッキ部の硬さは800Hv〜1000Hv程度であり耐磨耗性は優れているが、非常に高コストである。また、メッキ処理液に6価クロムを含むため、環境への影響を考慮すると好ましいものではない。そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エンジン部品の表面に耐磨耗性に優れた合金層をコーティングし、部品寿命を向上させる表面硬化方法を提案することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッド(15)の吸気バルブ(16)と排気バルブ(17)の摺動部となるバルブシート部(19)に、金属粉末、バインダー及び溶剤を混合した混合物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させ、該塗膜にレーザあるいは電子ビームを照射し、前記金属粉末を焼結及び拡散させることにより、前記シリンダヘッド(15)のバルブシート部(19)にMC系炭化物を生成するとともに、該MC系炭化物を鋳鉄母材に接合する内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化方法において、前記乾燥させたシリンダヘッド(15)のバルブシート部(19)の塗膜の上に、黒鉛粉末をシンナー等の溶剤で希釈した吸収剤(10)を塗布被覆し、前記レーザあるいは電子ビームの照射時に、前記MC系炭化物を焼結し、前記金属粉末の鋳鉄母材への拡散を促進させることにより、前記バルブシート部(19)に合金層(21)を形成するものである。
請求項2においては、請求項1記載のシリンダヘッドのバルブシート部の金属部材の表面硬化方法において、前記金属粉末が、バナジウムの粉末、タングステンの粉末、またはクロムの粉末であるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明によれば、内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッド(15)の摺動部となるバルブシート部(19)の表面に耐磨耗性のある合金層(21)を有するバルブシート部一体型の内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドを確実に製造することができる。
これにより、カーボン等の燃焼残渣物によるアグレッシブ磨耗を防ぐことが可能となる。
本発明の一実施例に係る製造工程を示す図。 同じく一部断面のピストンに適用する模型図。 図2の要部拡大断面図。 鋳鉄製シリンダヘッドの一例を模式的に示す要部断面図。 図4のZ部拡大図。 シリンダブロックのライナ表面部を示す図。
次に、エンジン部品の構成形態を説明する。まず、金属部材の表面硬化方法を内燃機関用鋳鉄製ピストンの製造に適用した工程を、図1、図2及び図3を用いて説明する。
<鋳造・機械加工工程>
鋳型に鋳鉄溶湯を流し込みFCD(ダグタイル鋳鉄)製ピストン1を鋳造後、ピストンリング溝部を切削加工し、リング溝部3、4を形成する。
<配合・塗布工程>
まず、数種の金属粉末について所定量を秤量し配合する。次に、ボールミル等を用いて前記金属粉末が均等に分散するように合金粉末を混合する。該合金粉末に所定量の溶剤を入れて、さらに混合し、合金粉末と溶剤を均一に分散させる。そうして、その中にバインダーを添加して、全体が均一な混合物となるように十分に撹拌する。次に、前記リング溝部3、4に上記の如く得られた合金粉末、樹脂及び溶剤を混合した混合物を噴射用ノズル(図示せず)を用いて塗布する。塗布する際に、ピストン1を一定速度で回転させて、均一な粉末合金層(厚さ:200〜400μm)を形成する。該粉末合金層を形成後、常温で放置し十分に溶剤を乾燥させる。上記金属粉末としては、例えばCr、V、W、Mo、Ti等の非常に硬い炭化物(MC系炭化物)を生成する金属を使用することが好ましいが、その他の硬合金を形成する金属として、アルミナ、TiN、TiO2、CrN、ジルコニア、SiC、TiC等を用いて粉末合金層を形成してもかまわない。
また、樹脂は常温で硬化が可能なフタル酸樹脂系、アルキド樹脂系を使用することが好ましいが、特にこれらに限定するものでない。なお、溶剤としてはシンナー、トルエン、キシレン又はメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類を用いることが可能であり、乾燥速度や安全性を考慮し適宜選択すれば良い。
また、実施例として上記のように金属粉末と溶剤の混合物に、後からバインダーを添加する工程を一例として上げたが、溶剤とバインダーの混合物のなかに金属粉末を添加して配合する工程としてもかまわない。また、本発明の効果を得るために粉末合金層の厚さとして200〜400μm程度とするのが好ましいが、特にこれに限定するものではない。なお、金属粉末は複数種を混合するだけでなく単一の金属粉末だけを用いてもかまわない。また、溶剤乾燥を促進するため被塗布物を乾燥炉等に入れて乾燥時間を短縮してもかまわない。
<吸収剤塗布工程>
前記粉末合金層の上に、レーザ波長に応じてレーザ吸収剤10を5μm〜15μm程度の膜厚となるよう噴射用ノズルを用いて塗布を行う。塗布する際に、ピストン1を一定速度で回転させて、均一な被膜となるようにする。該被膜を形成後、常温で放置し十分に溶剤を乾燥させる。本実施例では、レーザ吸収剤10として黒鉛粉末をシンナー等の溶剤で希釈したものを用いて粉末合金層上に黒鉛被膜を形成したが、特にこれに限るものではなく、酸化第2鉄等を主成分とした塗布剤等を吸収剤として塗布してもかまわない。また、前記希釈溶剤はシンナー、トルエン、キシレン又はメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類を用いることが可能であり、乾燥速度や安全性を考慮し適宜選択すれば良い。
<合金化工程>
図2及び図3に示すようにリング溝部3、4にレーザあるいは電子ビームを適切な出力及び走査速度にて照射し、粉末合金層を焼結あるいは溶融させ、リング溝部3、4に150μm〜350μm程度の膜厚の合金層20を形成する。また、レーザとしては、CO2レーザやYAGレーザ、半導体レーザ等が上げられる。またレーザよりも高エネルギーである電子ビーム等を用いることも可能である。こうして、前工程のレーザ吸収剤(黒鉛被膜)10の塗布により、レーザ光8が粉末合金層上で効率的に吸収されることで粉末合金層が加熱されて、粉末合金層内及び該粉末合金層とピストン等金属母材(鋳鉄母材)との界面部で焼結及び溶融、母材への拡散が促進されることにより、金属母材表面に強固で耐磨耗性を有する合金層を生成するとともに、その合金層を金属母材(鋳鉄母材)に接合することが可能となるのである。なお、本実施例では金属母材としてFCD(ダグタイル鋳鉄)製の部材を用いているが、特にこれに限定するものではなくアルミ合金等などでもかまわない。
<仕上げ加工>
以上の工程により製造されたピストン1のリング溝3、4においては、必要に応じて合金層20の表面の研削加工を行う。このような工程により、リング溝部3、4に合金層を有するピストンを製造することができる。
次に、ピストン1の製造の具体的な一例について説明する。まず、溶剤であるトルエン中にMo(モリブデン)粉末を秤量し添加して、ボールミル装置を用いて混合する。続いてフタル酸樹脂を所定量添加し、全体が均一な混合物となるように撹拌する。次に、FCD製ピストンを周方向に回転させながらリング溝部3の凹部に上記混合物を噴射用ノズルを用いて膜厚が300μm程度となるように均一に塗布して、粉末合金層を形成する。該粉末合金層を形成後、常温で放置し十分に溶剤を乾燥させる。次に、前記粉末合金層の上にレーザ吸収剤10(黒鉛とシンナーの混合物)を10μm程度の膜厚となるよう噴射用ノズルを用いて塗布を行う。塗布する際に、ピストンを一定速度で周方向に回転させて、均一な被膜となるようにする。該被膜を形成後、常温で放置し十分に溶剤を乾燥させる。そして、図2及び図3に示すようにリング溝部3にCO2レーザにてレーザ光8を照射し、例えばリング溝部3の上側面に合金層20を形成する場合、レーザ光8を集光レンズ5により集光した後、反射鏡6によって形成した、入射角αでもって、前記上側面に照射しながら、該ピストン1を回転させ溝全周に合金層20を形成させる。続いて、リング溝部3の下側面に合金層20を形成する場合は、ピストン1を上下反転させてレーザ光8を照射してもよいが、レーザ光8の入射角αを変化させて照射させてもよい。ここで、本構成例では、特にリング溝部3の両側面に合金層20を形成するに際し、図2に示す如く、レーザ光8に入射角αをもたせ、しかも、該溝の粉末合金層上に塗布したレーザ吸収剤10と同様の黒鉛を塗布した遮蔽板9を介して角部12をマスクして照射させるので、該角部12のレーザ吸収剤10を剥離してその厚さを調整する必要もなく、磨耗領域11のみに合金層20を形成でき、該角部12が溶融することがなく、溶融による割れなどの欠陥を防止できるように構成している。このようにして、リング溝部3の磨耗領域11に合金層20を形成させたピストンを作製した。
<耐磨耗性評価方法>
上記の工程と同様の作製条件で、ダクタイル鋳鉄製テストピース(30×100(mm))上に合金層20を形成させて、表面の硬さをビッカース硬度計で測定し、耐磨耗性評価を行った。上述したようにMo(モリブデン)とC(カーボン)の混合粉末を用いて合金層20を形成したテストピースにおいては、ビッカース硬度が2000Hv程度であった。母材であるダグタイル鋳鉄(ビッカース硬度:300Hv〜350Hv)と比較して6倍程度の高硬度の合金層20が得られたことを確認した。
<合金層の分析方法>
上記テストピースについて、EDX(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)を用いて合金層20と鋳鉄母材であるテストピースとの界面部分を分析した結果としてMo(モリブデン)が傾斜的に分布していることを確認した。つまり合金層20が鋳鉄母材に接合していることを確認した。また、X線回折装置を用いてMoがCと結合し高硬度かつ高融点のセラミック合金の一例であるMoC(モリブデン炭化物)を生成していることも確認した。
このような工程により、すなわち金属粉末、バインダー及び溶剤を混合し、その混合物を金属母材表面に均一に塗布して塗膜(粉末合金層)を形成し、該塗膜を乾燥させてレーザ8あるいは電子ビームを照射し、焼結、及び溶融、拡散させることにより、前記金属母材表面に合金層20を生成するとともに、その合金層20を金属母材に接合するという本発明の表面硬化方法を金属部材の製造に適用することにより、例えばFCD製ピストンのリング溝表面部に、MoCやVCといったMC型炭化物を微細にかつ均一に分散させ、1000〜3000Hv程度の硬度を有する高硬度な合金層を容易に形成することが可能となる。これにより耐磨耗性または耐熱性が飛躍的に向上し、カーボン等の燃焼残渣物によるアグレッシブ磨耗を防ぐことが可能となる。また、高価な金属合金を用いる場合であっても、必要箇所のみの使用となるため使用量が極めて少なく経済的である。
また、鉄鋼材料の場合では150℃以上で焼戻しによる硬さの低下が起こるが、上記のMoCなどのような特殊炭化物は高融点であり高温でも凝集粗大化しにくい。そのため、エンジン運転時におけるピストンリング溝部3、4の温度上昇に伴うリング溝表面の硬度低下を防止する。
更に、鉄鋼材料よりも耐食性のある上記のようなセラミック系の合金を表面に形成することにより硫黄等による腐食防止が可能となる。
また、従来工法の高周波焼入れでは、焼入れ後、焼戻し及び研削を必要とする。一方、本発明ではリング溝部3を切削加工した後、その表面に100μm〜300μmの合金層20を均一に形成することにより、焼戻しを省き、後加工も無くすことが可能であるため、製造コストを削減することができる。
次に、金属部材の表面硬化方法を内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドに適用した例を、図4、図5を用いて説明する。
金属粉末としてV(バナジウム)とCの混合粉末を用いたこと以外は、前述と同様の作製条件において、シリンダヘッド15を作製した。図5に示すように、鋳鉄製シリンダヘッド15には、吸気バルブ16と排気バルブ17がバルブステム18を介して上下方向に摺動自在に支持されている。シリンダヘッド15の摺動部となるバルブシート部19に、本発明の製造方法に基づいて150μm〜350μmの膜厚の合金層21を形成した。該合金層21と鋳鉄母材であるシリンダヘッド15との界面部分においては、Vが傾斜的に分布しており、またVC(バナジウム炭化物)が生成していることを確認した。VCは前述のMoCと同じく高硬度で耐磨耗性・耐熱性を有するセラミック合金(ビッカース硬度:2500〜2800Hv程度)として知られており、摺動部の耐磨耗性向上において非常に効果的である。すなわち上記のように金属粉末がレーザ光8により加熱溶融されて、合金層21内及び合金層21と母材であるシリンダヘッド15との界面部分で焼結及び拡散が促進されることにより、バルブシート部19の表面に耐磨耗性のある合金層21を有するバルブシート一体型シリンダヘッド15を製造することができる。
以上の工程で製作された鋳鉄製シリンダヘッド15によれば、バルブシート部19と鋳鉄母材(シリンダヘッド11)とを一体構造とすることが可能となるので、鋳鉄母材であるシリンダヘッド11と合金層21との境界部の接合強度を向上させることができる。つまり従来のバルブシート嵌合方式の鋳鉄シリンダヘッドと比較して、接合強度を高めることができるのである。
次に、金属部材の表面硬化方法を、内燃機関用鋳鉄製シリンダブロックのライナ表面部に適用した例を、図6を用いて説明する。
金属粉末としてW(タングステン)とCの混合粉末を用いたこと以外は前述と同様の作製条件において、シリンダブロック25を作製した。図6に示すように鋳鉄製シリンダブロック25の、摺動部となるライナ表面部26に本発明の製造方法に基づいて、150μm〜350μmの膜厚の合金層22を形成した。該合金層22と鋳鉄母材であるシリンダブロック25のライナ表面部26との界面部分においては、Wが傾斜的に分布しており、またWC(タングステン炭化物)が生成していることを確認した。WCは前述のMoCやVCと同じく高硬度で耐磨耗性・耐熱性を有するセラミック合金(ビッカース硬度:2600〜2800Hv程度)として知られており、耐磨耗性向上において非常に効果的である。すなわち上記のように金属粉末がレーザ光8により加熱溶融されて、合金層22内及び合金層22と母材であるシリンダブロック25のライナ表面部26との界面部分で、焼結及び拡散が促進されることにより、ライナ表面部26に耐磨耗性のある合金層22を有する鋳鉄製シリンダブロック25を製造することができる。
なお、以上内燃機関用金属部材について耐磨耗性及び耐熱性を有する合金層を形成する方法について説明したが、それ以外の用途で耐磨耗性を必要とする部材表面部に同様に合金層を形成して耐磨耗性を向上することも可能である。
1 ピストン
3・4 リング溝部
8 レーザ光
10 レーザ吸収剤
15 シリンダヘッド
19 バルブシート部
20・21・22 合金層
25 シリンダブロック
26 ライナ表面部

Claims (2)

  1. 内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッド(15)の吸気バルブ(16)と排気バルブ(17)の摺動部となるバルブシート部(19)に、金属粉末、バインダー及び溶剤を混合した混合物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させ、該塗膜にレーザあるいは電子ビームを照射し、前記金属粉末を焼結及び拡散させることにより、前記シリンダヘッド(15)のバルブシート部(19)にMC系炭化物を生成するとともに、該MC系炭化物を鋳鉄母材に接合する内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化方法において、前記乾燥させたシリンダヘッド(15)のバルブシート部(19)の塗膜の上に、黒鉛粉末をシンナー等の溶剤で希釈した吸収剤(10)を塗布被覆し、前記レーザあるいは電子ビームの照射時に、前記MC系炭化物を焼結し、前記金属粉末の鋳鉄母材への拡散を促進させることにより、前記バルブシート部(19)に合金層(21)を形成することを特徴とする内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化処理方法。
  2. 請求項1記載の内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化方法において、前記金属粉末が、バナジウムの粉末、タングステンの粉末、またはクロムの粉末であることを特徴とする内燃機関用鋳鉄製シリンダヘッドのバルブシート部の表面硬化方法。
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