JPH0479673B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、回動する乗降場に関し、詳細には無
限軌道コンベヤと組合つて作動し、乗降が好都合
なように回動する乗降場に対して乗物を輸送する
乗降場に関する。

回動する乗降場の分野は、19世紀末から20世紀
初頭の鉄道輸送の発達に伴つて急速に発展した。
回動する乗降場は、自航またはケーブル駆動列車
用に提案された。通常は、列車の車輌は、回動す
る乗降場に機械的に連接された。旅客列車の大き
さのために、回動する乗降場は複雑な工学的努力
を払つたものであり、幾分実際的でないものであ
つた。

しかしながら、近代的な遊園地の小規模機械的
な乗物旅行装置に応用する場合には、旅客列車用
に考案された原理や概念の多くは実行可能であ
り、少数の限られた数の乗客用ターミナルに取り
入れることができる。例えば、Baconの特許第
3865041号の娯楽乗物旅行用鉄道装置は、変形し
得る外周緩衝器を具備した回動する乗降場を利用
しており、この緩衝器は固定した弧状レールに係
合する車輪で乗客用乗物の側面に摩擦係合して、
この乗物を乗降場の緩衝器に押しつけまたは維持
するようにしている。Baconのレール装置は或る
型の乗物には好適であるが複雑であつて、乗物に
ついての特殊な係合装置を必要とし、乗物旅行順
路において乗物の好ましい輸送装置の妨害となる
ことがある。例えば、Baconの浮遊ボートは不釣
合いな車輪を具備する。更に、Baconが提案した
乗降装置は、円形の自由に浮遊する筏のような変
化と形状とに富む乗物には不適当である。

本発明の娯楽乗物用乗降ターミナルは、主とし
て円形の浮遊筏等の水上用乗物に使用するように
考案されている。遊園地用の近代的筏乗物の設計
は、自然の背景を再現するようにしている。従つ
て、水路は、急流、曲りくねり、反転を有するよ
うに自然の川を模して設計される。筏は、自由に
漂う浮遊物であり、筏が自由に水路を流れ下る時
に総ての乗客が等しくスリルを感じるように円形
をしているのが好ましい。新たな川下り毎に、筏
は前に下つた場合と同じ向きや同じ航路をとるこ
とはない。実質的に束縛のない漂流体の効果を維
持するために、独特の乗降ターミナルを案出し
た。

乗降ターミナルでは、円形の回動する乗客乗降
場が、乗降場の外端から離れて垂直に配設されて
いるアーチ状コンベヤと組合つている。漂流体ま
たは筏は、水路を乗降場およびコンベヤへと漂流
して、筏は乗降場とコンベヤとの間に挾み込まれ
て、一部分の乗降場の回動により乗降場に逆らつ
て輸送される。筏の外周は、変形可能な、好まし
くは空気の入つた環状の浮遊装置になつている。
円形の筏が乗降場に逆らつて回転するのを防止す
るために、筏と接触しているコンベヤの弧状部
は、乗降場の延長した直径がコンベヤの弧状接触
部の位置に等しいと仮定した場合の線速度に等し
い速度で作動される。乗降場、筏およびコンベヤ
の接触部は総て、乗降場の軸に関して同じ角速度
を有する。

筏に乗ろうとする乗客は、最初に乗降場の固定
中心へ歩を運ぶ。筏へ乗ろうとする乗客は、乗降
場の回動部の中心近くで周速度が小さい乗降場の
回動部へ乗り移る。従つて乗客は、極めて低速の
周回へ比較的安全に移ることができる。回動する
乗降場へ移つたら乗客は筏がある外周へと進む。
この点では、速度は速く、ボートの速度に等し
い。従つて、低い入口速度から比較的高速または
通常のボートの周速度への遷移は、安全に行なわ
れ、これが回動する円形乗降場の本質である。乗
船時の乗客と筏との相対的な速度は同じでなけれ
ばならない。筏は乗降場の周囲およびコンベヤの
接触部と摩擦係合によつて揺れないようにしてあ
るが、乗船しようとする乗客に緊迫した乗船の現
実感を拘かせるのに充分な独立した浮遊体の特徴
を残している。

本発明の乗降場とコンベヤとから主に構成され
た装置を充分に利用するために、乗物が特殊なま
たは限定された乗船路を有する他の態様を包含す
ることもできる。例えば、円形の筏が乗降用に周
囲に一区域を有する場合、この区域は、乗降時に
は回動する乗降場に対して一方向を向くようにし
なければならない。この選択定位置を行なうため
に、垂直に配設された短いコンベヤ部分が、回動
する乗降場とは異なる角速度で独立に作動する。
このようにして円形の筏を故意に回転させて、乗
降部を乗降場に向けるようにする。この調整が達
成されたら、コンベヤ部分を適切な速度で作動さ
せて、回動する乗降場と一緒にその回りを輸送さ
れてゆく場合に所望な筏の向きを維持するように
する。

本発明の効率的な乗船設備に寄与する上記およ
びその他の態様を、好ましい具体例の詳細な記載
によつて更に詳細に説明する。

第１図を参照すると、符号１０で表わした娯楽
乗物用乗降ターミナルが示されている。この乗込
みターミナルは、模擬川筏旅行用の独立した水上
用の乗物である筏１２に遊園地の乗客を連続的に
乗船させるように特別に設計し構成されている。
一部分だけを示している水路１４は、このターミ
ナルから始まつて、ターミナルで終つている。

水路の終点１６では、筏１２は通常のベルトコ
ンベヤ１８によつて引かれて斜面２０を運び上げ
られて障壁２２を越えて、乗客が乗降する上水位
水路２４へと運ばれる。

乗客は通路２６を通つてターミナルに近づき、
橋２８を渡つて同心円乗降場３２が回りを回動し
ている動かない中心部３０へ達する。乗降場３２
は、特に中心部３０との界面では比較的低速度で
回動する。乗客は容易に乗降場に乗り移つて、バ
ランスを失なうことなく外周端３４へと歩いてゆ
くことができる。外周端３４は中心部３０よりも
大きな線速度を有するので、複数の筏が乗降場３
２と一緒に移動する場合には、効率的且つ連続的
に乗り入れることができる。

乗降場３２と共働して筏１２を移動させるのは
アーチ状コンベヤ３６であり、乗降場３２の外周
端３４から離して設置されている。筏１２は外側
が空気の入つた環４０になつており、その外径は
乗降場の外周端とコンベヤの内側アーチ状接触部
４２との間隔よりも大きい。筏は乗降場の端３４
と接触部４２と係合して、その間挾み込まれて、
回動する乗降場と一緒に運ばれる。コンベヤ３６
の内側アーチ状接触部は、乗降場の外径を延長し
てコンベヤのこの接触部に一致したと仮定した場
合の速度に等しい速度で作動する。この場合、筏
は乗降場の回転軸に関して乗降場と同じ角速度を
有し、乗降場端３４に沿つて回転したりしない。

筏１２が、例えば座席の背部４４の位置のため
に、どの方向からも容易に乗ることができるよう
になつていない場合には、筏１２は上水位水路２
４における輸送の開始時に短かい向き調整用コン
ベヤ４６によつて選択的に定位される。向き調整
用コンベア４６を乗降場３２の仮想延長周速度よ
りも速くまたは遅く駆動することによつて、筏は
乗降場の外周縁に対して回転して、所望の向きに
することができる。

第２図については、環状乗降場３２は、同心円
状固定支持体５１に据付けられたレール５０上に
乗降場を支持する一連の内側および外側引船車輪
４８を具備する。乗降場３２は、乗降場の下部で
環状摩擦板５６に係合している摩擦車５４を有す
る円周上に間隔を置いて配置された４個の可変速
電動モータ５２により中心部３０の回りを回動す
る。回動する乗降場の内端構造５７上に配設され
た多数の水平案内車５５は、第２図に示すように
円形中心のコンクリート構造の上端に埋設された
固定された環状案内レール５９にぶつかつてい
る。橋２８は乗降場にかけた高架通路を提供し
て、乗降場上の乗客が障害なしに歩いたり橋の下
を通ることができるようにしている。

乗降場３２の外周端３４には、垂直に配設され
た木製小割り板または連続した鋼板５８の接触周
囲があり、コンベヤ３６上の一連の垂直に配設さ
れた木製小割り板６０と共働して、それらの間に
筏１２を係止する。

筏１２は空気の入つた浮き袋６４とこれによつ
て包囲されたプラスチツク製の船体６８とから構
成されている。船体６８は、指定の乗客数（図示
の場合には６名）に応じて複数の座席７０を有す
る。ターミナル、特に乗降場とコンベヤとの間の
距離を適当に設計し直すことによつて、大きめの
または小さめの筏を収容することができる。本文
に記載の駆動機構は、他の輸送形態または様式の
乗物、例えば車付き乗物に応用することができる
ことが当然に理解される。乗降場の木製小割り板
または鋼板とコンベヤ上の木製小割り板とは、空
気入袋に対して適当な接触面を提供し、この袋を
若干圧縮して筏の輸送に必要な牽引力を生成させ
る。これによつて、筏はコンベヤと乗降場の両者
の継手作用によつて輸送される。アーチ状コンベ
ヤ上の小割り板６０は、第３図において更に詳細
に示される上方および下方駆動鎖６２に配設され
ている。

第３図の横断面図については、代表的な鎖支持
柱７２を示す。複数の柱７２がアーチ状コンベヤ
の長さに均等に間隔を置いて配設され、彎曲した
上部および下部案内溝７４および７６と移動する
コンベヤ軌道８２の接触部７８と戻り部８０とを
支持する。

柱７２は上部水路２４の水底に柱を据え付ける
基板８４で構成される。基板８４には、上部およ
び下部交差ブラケツト９０および９２を支持する
垂直柱８８が取付けられており、これらのブラケ
ツトには案内溝７４および７６が配設されてい
る。案内溝は細長い彎曲したＬ字梁９４および９
６の部分から構成され、これらの梁は末端で互い
に溶接されて、第１図に示した連続したアーチ状
コンベヤの形状を提供する。内側および外側Ｌ字
梁９４および９６は、ボルト９８によつて交差ブ
ラケツト９０および９２に接合されている。

移動するコンベヤ軌道８２は、上部案内溝７４
に配設された上部リンク鎖１００と、下部案内溝
７６に配設された下部リンク鎖１０２とから構成
される。鎖１０２は、アンカーボルト１０６によ
つて下部案内溝７６に取付けられた低摩擦すべり
軸受１０４上を輸送される。上部および下部リン
ク鎖は、キヤリジボルト１０８によつて鉄製の角
ブラケツト１１０に止めてある垂直の木製小割り
板６０によつて相互に連結され、角ブラケツトは
リンク鎖ローラ１１４のジヤーナルピン１１２に
連結している。この場合に、上部および下部リン
ク鎖１００および１１２の距離は、小割り板６０
によつて維持される。

第１図に模式的に示したように、コンベヤ３６
の各末端は移動軌道８２の方向に反転するための
スプロケツト機構を具備する。一端、例えば筏入
口端はスプロケツト機構１２２に連結した駆動モ
ータ１４２を具備する。駆動モータを包含するス
プロケツト機構を第４図に示す。ソケツト１２４
は上方水路２４の水底８６に配設されている。支
柱１２６をソケツトに挿入して、主コンベヤに対
しては止めねじ１２８によつてソケツト中で回転
しないように固定する。支柱１２６は、ジヤーナ
ルケーシング１３２に連結した２個の水平支持腕
１３０を具備し、この中にジヤーナル１３４が垂
直に配設されている。ジヤーナルは、上部および
下部リンク鎖１００および１０２に係合するスプ
ロケツト１３６を両端部に具備する。上のスプロ
ケツトではジヤーナルから駆動スピンドル１３８
が伸びており、これは可変速電動モータ１４２の
回転子１４０にキー止めされている。モータ１４
２は、緩衝台１４８によつて支柱１２６上の上置
き板１４６に連結したブラケツト１４４上に支持
されている。

コンベヤ用駆動モータ１４２の作動は、通常の
制御装置によつて調整され、コンベヤ速度を回動
する乗降場の接触部７８の速度に釣り合わせて、
コンベヤと乗降場に沿つて筏が回転するのを防
ぐ。従つて、乗客数に応じて乗降場の回動速度を
増加させたり減少させる場合には、コンベヤ速度
もそれに応じて調整する。乗降場の等価角速度に
対してコンベヤの速度を増加または減少させるこ
とによつて、係合した乗物は乗降場に対して回転
し、乗降に好都合な向きとなる。乗物の向きの調
整は、下記の別の機構によつて行なうのが好まし
い。

短い向き調整用コンベヤ４６は、その各端末に
第４図に示したスプロケツト機構１２２に類似の
機構を具備する。第５図に示すように、向き調整
用コンベア４６は、その一端が上方水路２４の水
床８６に据え付けられ且つ他端がコンベヤ４６に
取り付けられて、支柱１５２の軸の回りにコンベ
ヤ４６を枢動させるようにした水圧または空気作
動機構１５０を具備する。このようにして、コン
ベヤは水路を横切つて揺動して、選択した筏をわ
きの水路１５４へと待避させて稼動からはずすよ
うにすることができる。かかる装置では、揺動す
る末端におけるスプロケツト機構１２２はソケツ
ト内に支持されていないが、その底部端（図示し
ていないが）に支持ローラを具備する。枢動末端
における支柱１５２は、相互連結している支持構
造体１５１の１４９ａおよび１４９ｂであり、止
めねじによつて支持ソケツトに止めてはおらず、
自由に枢動できる。

通常は、向き調整用コンベヤ４６は、可変速駆
動モータ１５３の速度の変動により乗降場に関す
るコンベヤの有効角速度における差動によつて筏
を回転させるのに使用する。向き調整用コンベヤ
４６は、乗降場の周囲端または円周３４から間隔
をとつてある接触部１５７を有する垂直に配設し
た伝動面１５５を有する。筏１２は、向き調整用
コンベヤと乗降場との間に係合して、可変速駆動
モータ１５９によつて生じるコンベヤ４６の接触
部１５７と乗降場の外周３４の線（周）速度に差
が実質的に生じた時に回転する。通常は、計画的
に配設した検出可能なプレートが、細長い水床に
設置したセンサプレート１５８によつて乗降場に
隣接して検出されるまで、コンベヤ４６の速度を
遅くするかまたは停止させる。検出された時点で
乗降場に対する向き調整用コンベヤを適当に適合
する速度にして、乗降用に選択された適切な筏の
位置を維持する。

上述において本発明の具体例を、発明の完全な
開示のためにかなり詳細に記述したが、当業者に
は本発明の精神と原理とから逸脱することなく多
数の変更を細部にわたつて行なうことができるこ
とは明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の乗客乗降ターミナルの略平面
図、第２図は第１図のターミナルの立面図、第３
図は第１図のコンベヤの横断面図、第４図は主コ
ンベヤ駆動機構の横断面図、第５図は向き調整用
コンベヤの拡大平面図である。 １０：ターミナル、１２：乗物、１４：水路、
１８：ベルトコンベヤ、３２：乗降場、３４：外
周端、３６：アーチ状コンベヤ、４０：空気入
環、４２：コンベヤの内側接触部、４６：向き調
整用コンベヤ、７８：接触部、１２２：スプロケ
ツト機構、１４２：駆動モータ、１５０：作動機
構、１５１：支持構造体、１５５：伝動面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 娯楽乗物用乗降ターミナルであつて、 軸芯を中心として回転自在で、外周面が円形で
   ある乗降場と、 略々垂直に延在する搬送面を有し、該搬送面
   が、前記乗降場の外周面から離間し且つ該外周面
   と同心関係にあるアーチ状の接触部を備える無端
   コンベアと、 前記乗降場と前記コンベアとの間に配置された
   少なくとも一台の水上用乗物とから成り、 前記コンベアの接触部はその線速度が、前記乗
   降場の径を該当接部まで延長した場合の前記乗降
   場の線速度と略々等しく、該乗降場と該コンベア
   とが協働して、少なくとも一台の前記水上用乗物
   を双方の間に係合した状態で、該水上用乗物を該
   乗降場と一体的に回転させることを特徴とする娯
   楽乗物用乗降ターミナル。 ２ 少なくとも一台の前記水上用乗物は、その外
   周面が前記コンベアと前記乗降場に係合自在であ
   る請求項１に記載の娯楽乗物用乗降ターミナル。 ３ 前記水上用乗物の外周面は円形である請求項
   ２に記載の娯楽乗物用乗降ターミナル。 ４ 前記コンベアの速度変化を制御する制御手段
   を更に含んで成り、円形の前記水上用乗物は前記
   コンベアの線速度が前記乗降場の径が該コンベア
   の位置まで延長された場合の線速度と異なつた時
   に、該乗降場に対して転動して、該乗物の該乗降
   場に対する位置決めがなされる請求項３に記載の
   娯楽乗物用乗降ターミナル。 ５ 前記コンベアとは別体である、向き調整用コ
   ンベアを更に含んで成り、該向き調整用コンベア
   は、垂直方向に延在する搬送面を有すると共に、
   その接触部が前記乗降場の外周面から離間してお
   り、前記水上用乗物は、前記向き調整用コンベア
   の接触部と前記乗降場の外周面とに係合し、前記
   向き調整用コンベアは、接触部の線速度を変える
   制御手段を備え、該乗降場に対する該水上用乗物
   の向きを選択的に調整可能である請求項４に記載
   の娯楽乗物用乗降ターミナル。 ６ 前記向き調整用コンベアは、第一スプロケツ
   ト端部と、第二スプロケツト端部と、該端部同士
   を連結して前記搬送面を無端搬送路とする支持構
   造体とから成り、前記第一スプロケツト端部は、
   前記第二スプロケツト端部と前記支持構造体の双
   方を該乗降場側へ円弧を描くように揺動させて該
   水上用乗物を該乗降場から脇へそらす揺動式支持
   手段を有する請求項５に記載の娯楽乗物用乗降タ
   ーミナル。 ７ 前記支持構造体は、該支持構造体に連結され
   た揺動式支持手段を駆動する手段を含んで成る請
   求項５に記載の娯楽乗物用乗降ターミナル。 ８ 前記乗降場の前記外周面と前記コンベアの前
   記接触部との間に水路が設けられた請求項１に記
   載の娯楽乗物用乗降ターミナル。 ９ 前記コンベアの線速度が、前記乗降場を該コ
   ンベヤまで延長した場合の線速度と等しくなるよ
   うに前記コンベアを作動させる制御手段を更に含
   んで成る請求項８に記載の娯楽乗物用乗降ターミ
   ナル。