JPH0478274B2 - - Google Patents

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JPH0478274B2
JPH0478274B2 JP12572484A JP12572484A JPH0478274B2 JP H0478274 B2 JPH0478274 B2 JP H0478274B2 JP 12572484 A JP12572484 A JP 12572484A JP 12572484 A JP12572484 A JP 12572484A JP H0478274 B2 JPH0478274 B2 JP H0478274B2
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phosphate
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Kazuhiko Nagata
Hiromasa Shirai
Mihoko Nagaki
Takaaki Matsuo
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、耐熱性のホスホトランスアセチラー
ゼ(phosphotransacetylase、酵素番号2,3,
1,8、系統名Acetyl−CoA:orthophosphate
scetyltrans ferase)に関するものである。 ホスホトランスアセチラーゼ(以下PTAと称
す。)は次式の反応を触媒する酵素として知られ
ている。 アセチルリン酸+CoA アセチルCoA+リン酸 (CoA:コエンザイムA,coenzyme A) この反応を利用して、CoAやアセチルリン酸
の定量、酢酸キナーゼを共役させることによる酢
酸の定量、さらには種々のアセチル化反応のアセ
チルCoA供与体として広く利用が可能である。 しかしながら、従来知られているPTAはエシ
エリシア・コリ(Escherichia coli)由来の酵素
(Methods in Enzymology,18A巻、314頁、
1970年)、クロストリデイウム・クルイベリ
(Clostridium Kluyveri)由来の酵素(Methods
in Enzymology,13巻、381頁、1969年)などが
あるが、このPTAはきわめて不安定なものであ
つた。このことが、前記したごとくPTAを利用
した種々の測定を実用化するに当たつての大きな
障害となつていたのである。 また、好熱菌に属するサーモアエロビウム・ブ
ロキー〔J.Bacteriol.,141,1251−1257(1980)〕
あるいはクロストリデイウム・サーモアセチカム
〔J.Biol.Chem.,256,11137−11144(1981)〕から
のPTAも報告されているが、これらについての
耐熱性等の性質については明らかにされていな
い。 そこで、本発明者らは、熱に安定であり、しか
も室温において長期間活性を失わない性質を有す
るPTAを求めて鋭意研究した結果、特定の微生
物菌体に上記の性質を有するPTAが存在するこ
とを見い出し、しかもこのPTAは容易に純粋に
精製し得、かつ従来のクロストリデイウムなどに
存在するPTAに比較し、驚くほどその安定性に
優れた新規酵素であることを見い出し、本発明を
完成した。 すなわち、本発明は、以下の性状を有するホス
ホトランスアセチラーゼを要旨とするものであ
る。 (a) 作用:次の反応を触媒する。 アセチルリン酸+コエンザイムA アセチルコエンザイムA+リン酸 (b) 基質特異性:アセチルリン酸及びコエンザイ
ムA対するミカエリス定数は、おのおの約
1.1mM及び0.4mMである。 (c) 至適PH:約7.5 (d) 安定PH:約7〜約11 (e) 作用適温の範囲:約20〜約65℃ (f) 耐熱性:55℃、15分間の加熱処理で、処理前
の活性の約80%以上の値を保持する。 (g) 分子量:約70000(ゲルろ過法による)。約
35000(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法に
よる)。すなわち、本酵素は2量体からなる。 本発明のPTAは、約50℃の緩衝液中で約15分
間処理することにより、PTAの残存活性がもと
の活性の約80%以上、好ましくは約90%以上、最
適には約100%の値を保持している優秀な性質を
有している(以下これらの性質を耐熱性とい
う。)。緩衝液の濃度及びPHは特に限定されない
が、一般には濃度は5mMないし500mMであり、
PHは7ないし11である。特に本発明においては、
50mMリン酸緩衝液(PH7.5)を用いることが好
ましい。 次に、本発明のPTAの理化学的性質を示すが、
そのPTAはバチルス・ステアロサ−モフイルス
から得られたものである。 (1) 作用:次の反応を触媒する。 アセチルリン酸+CoA アセチルCoA+リン酸 (2) 基質特異性:アセチルリン酸及びCoAに対
すミカエリス定数(Km値)は、おのおの
1.1mM及び0.4mMである。 (3) 至適PH:約PH7.5(温度30℃) (4) 安定PH範囲:PH7.0〜11で4℃、24時間の処
理でほとんど失活が起こらない。 (5) 作用適温の範囲:PH7.5で20℃より65℃まで
の温度の上昇とともに活性は増大する。通常
は、30℃において反応を行わしめる。 (6) 耐熱性:55℃、15分間の加熱に対して安定で
ある。 (7) 分子量:約70000〔セフアデツクスG−100(商
品名、フアルマシア社製)によるゲル濾過クロ
マトグラフイーにて測定〕。 約35000〔SDS−ポリアクリルアミド電気泳動
法にて測定〕。 これらの結果より、本酵素は2量体からなる
ものと推定される。 (8) 力価の測定法:PH7.5,85mMのトリスー塩
酸緩衝液中、0.43mMのCoA,7.3mMのアセチ
ルリン酸、33mMの硫酸アンモニウムを含む混
合溶液を調製し、その混合液にホスホトランス
アセチラーゼを加えて、233nmの吸光度の単位
時間あたりの増加値より力価を測定した。アセ
チルCoAの233mmにおけるモル吸光係数は、
CoAのモル吸光係数と比較し、4.44×103
mole・cm大きい値であること利用し、1分間
あたり1マイクロモルのアセチルCoAを生成
せしめる酵素量を求め、この量を酵素活性の1
単位とした(Mothods in Enzymology,13
巻、381頁、1969年を参照)。 (9) 単一性:精製標品は、アクリルアミドデイス
ク電気泳動法により陽極側に移動し、単一なバ
ンドを与えた。 本発明のPTAを製造するには、次のごとき方
法を採用することができる。すなわち、バチル
ス・ステアロサーモフイルスを培養し、その培養
物から本発明のPTAを採取することによつて得
ることができる。 本発明に使用する微生物は、バチルス・ステア
ロサーモフイルス(Bacillus stearo−
thermophilus)であり、ステアロサーモフイル
スとしての具体例としては、ATCC 7953,7954,
8005,10149,12980,NCA 1503及びUK−788,
563(微工研菌第5411号、第7275号)などがある。 本発明における微生物を培養するに際して用い
られる栄養培地において、炭素源として、例えば
グルコース、シユークロース、フルクトース、澱
粉加水分解物、糖密、亜硫酸パルプ廃液の糖類、
酢酸、乳酸などの有機酸類、さらには使用する細
菌が資化しうるアルコール類、油脂、脂肪酸及び
グリセリンなどが使用でき、窒素源として、例え
ば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、、リン
酸アンモニウム、アンモニア、アミノ酸、ペプト
ン、肉エキス、酵母エキスなどの無機又は有機物
が使用できる。さらに、無機塩類として、例えば
カリウム、ナトリウム、リン酸、亜鉛、鉄、マグ
ネシウム、マンガン、銅、カルシウム、コバルト
などの各塩類、必要に応じて微量金属塩、コー
ン・ステイープ・リカー、ビタミン類、核酸など
を使用してもよく、細菌の一般的栄養培地が使用
できる。 これらの培地を用いて、上記の微生物を20℃〜
80℃、好ましくは40〜70℃、最適には60℃で約2
〜6時間好気的に培養すればよい。また、工業的
には希釈率を、本発明に使用する微生物のμmax
の0.9以上に制御して連続培養することが好まし
い。すなわち、Dを本発明に使用する微生物の
μmaxの0.9以上に保つて連続培養して得た微生物
菌体のPTA含有量は、回分法で得られた単位菌
体あたりのPTAの最大値をしのぎ、かつ微生物
菌体の生産性も高まり、特にDをμmax付近に保
つた場合、微生物菌体中のPTA含有量は実に回
分法の1.35倍に向上する。一方、Dを0.9μmax未
満に保つて連続培養した菌体のPTA含有量は回
分法より低下する。 本発明における希釈率〔ダイリユウシヨンレイ
ト(dilution rate)、以下Dという。〕とは、下記
の式() D=F/V () D;希釈率(1/Hr) F;発酵槽に原料液を供給する速度及び同時に
発酵槽より抜出す速度(/Hr) V;発酵槽中の液量() によつて表されるものである。 本発明におけるμmaxとは、微生物を連続培養
する際のその連続培養条件における微生物の最大
比増殖速度(1/Hr)をいい、物質環境型連続
培養(ケモスタツト;ハルベルト、エルスワー
ス、テリング、ジヤーナル・オブ・ジエネラル・
ミクロバイオロジー、14巻、8号、601〜622頁、
1956年)でDを高め、菌濃度が定常値を保てなく
なつた時、すなわちいわゆるウオツシユ・アウト
時に測定される比増殖速度をいう。本発明におけ
る好熱性細菌を使つてμmaxを求めるには、例え
ば2〜30容発酵槽に栄養培地を1.5〜20仕込
み、40〜75℃、好ましくは48〜61℃,PH4.5〜
9.0、好ましくはPH6.0〜8.0に保ちながらこの細菌
を接種し、回分培養を行い、菌の生育が始まり、
培養液中の炭素源が0.01重量%以下になつた時、
発酵槽に仕込んだものと同組成の栄養培地を用い
て生育制限因子が炭素源のみである連続培養を開
始する。こうすることによつて、物質環境型連続
培養法(ケモスタツト)が設定できる。連続培養
が定常になつた後、Dを段階的に順次高めてい
き、発酵液中の菌濃度と、残存炭素源量とを経時
的に測定し、さらにDを次第に高め、菌の比増殖
速度を超えた時、定常値を保つていた菌濃度が減
少しはじめ、それに反し炭素源濃度が上昇しはじ
め、もはやこれ以上のDでは連続培養の定常性が
保てなくなつた時、これをウオツシユ・アウトと
言いこの時の比増殖速度がμmaxになる。 このμmaxは使用する栄養培地の種類や培養条
件によつて同一菌株でもさまざまに変化するが、
これらの組合せが変わらなければ一定値を示すの
で、一度測定すれば長期にわたつて信頼できる数
値となる。 本発明において、通常の前培養及び回分培養で
希望の菌濃度まで培養した後、連続培養に移し、
Dの制限を実施することができる。その時期は培
養期間中の何れの時期でもよいが、望ましくはバ
ツチ培養時の対数増殖末期に連続培養に移し、速
やかに所定のDに固定するのが有利である。 次に、本発明の一実施態様をバチルス・ステア
ロサーモフイルス・NCA1503の例をあげて説明
すると、グルコースを炭素源とした栄養培地を用
い最適温度(57℃)、最適PH(6.8)、30容発酵
槽(20仕込み)で物質環境型連続培養を行つ
て、μmaxを測定したところ、μmax=1.1(1/
Hr)であつた。したがつて、同組成の新しい栄
養培地を1時間あたり、発酵槽仕込み液量の1.1
倍、すなわち前記式()より22/Hrの速度
で連続的に定量ポンプなどを用いて発酵槽中に供
給し、同時に同速度で培養液を抜出せばよい。 次に、得られた培養物から本発明のPTAが採
取されるが、培養物、分離生菌体、分離菌体の処
理物、粗製酵素、精製酵素などのあらゆる段階で
採取できる。精製法としては、通常の酵素精製法
を用いることができる。すなわち、遠心分離など
により菌体を得て後、菌体をマントンゴーリン、
ダイノミル、フレンチプレス、超音波処理などに
より細胞破砕後、遠心分離により細胞片を除去
し、細胞抽出液を得、これに硫酸ストレプトマイ
シン又は硫酸プロタミン処理を行い、さらには硫
酸アンモニア沈澱、アセトン沈澱、加熱処理など
を行い、精製するためにDEAE−セルロースカラ
ムなどのイオン交換クロマトグラフイー、ヒドロ
キシアパタイトカラムなどの吸着クロマトグラフ
イー、フエニルセフアロースCL−4B(商品名、
フアルマシア社製)のような疎水性クロマトグラ
フイー、架橋デキストランあるいは架橋ポリアク
リルアミドなどのゲル濾過クロマトグラフイーを
組合せて行うことができる。このようにして、本
発明のPTAを単離、精製することができる。 本発明のPTAは、熱に対して非常に安定であ
り、しかも従来のPTAと比較して酵素単離後こ
れを室温で長時間保存することができる。 次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例 1、比較例 1 ポリペプトン0.5g/dl、酵母エキス0.5g/dl、
シユークロース1.0g/dl、硫酸カリウム0.13g/
dl、リン酸二ナトリウム0.644g/dl、硫酸マグネ
シウム0.027g/dl、クエン酸0.032g/dl、硫酸第
一鉄0.0007g/dl、硫酸マンガン0.015g/dl,PH
7.00に調整した培地250を115℃、10分間加熱殺
菌した後、バチルス・ステアロサーモフイルス
NCA1503株を接種し、60℃で3時間内圧0.5Kg/
m2で通気培養した。 培養後、水で冷却しながら直ちにデラバル型遠
心分離機で菌体を採取し、700gの菌体を得た。
得られた菌体を凍結状態で保持したのち、凍結菌
体300gを2倍量の0.1Mリン酸緩衝液(PH7.5)に
懸濁し、フレンチプレスを用いて細胞を十分に破
壊後、遠心分離により細胞片を除去し、PTAを
含む粗抽出液を得た。この粗抽出液600ml当たり
1%の硫酸プロタミン溶液300mlを添加し、十分
攪拌した後、生じた沈澱を遠心分離で除去し、プ
ロタミン上清を得た。この上清に固形硫酸アンモ
ニウムを徐々に加えて60%飽和(4℃)とした。
生成した沈澱を遠心分離により集め、再び0.1M
リン酸緩衝液(PH7.5)にとかし、ついで20倍量
の20mMリン酸緩衝液(PH7.5)に対して透析、
脱塩した。 あらかじめ、2mMメルカプトエタノール、
2mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウムを含む
20mMリン酸緩衝液(PH7.5)で平衡化した
DEAE−セルロースカラムに上記の粗酵素液を通
じ、塩化カリウムを上記緩衝液に加えた溶液で溶
出せしめると、塩化カリウム濃度0.06Mの近くで
目的のPTAが溶出した。この区分を集め、0.8M
濃度となるに必要な固形硫酸アンモニウムを加え
た後、あらかじめ2mMメルカプトエタノール、
2mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、0.8M
硫酸アンモニウムを含む20mMリン酸緩衝液(PH
7.5)で平衡化したフエニルセフアロースCL−4B
カラムに通し、上記の硫酸アンモニウムを含む緩
衝液から硫酸アンモニウムを含まない緩衝液への
濃度勾配溶出を行つた。これにより、目的の
PTAは硫酸アンモニウム濃度0.2M付近で溶出し
た。この活性区分を、濃縮後、0.1M塩化ナトリ
ウムを含むトリスー塩酸緩衝液を溶出液に用いて
ウルトロゲルAcA(商品名、LKB社製)クロマト
グラフイーを行い、PTA活性区分を集めた。 このようにして得たPTAは、アクリルアミド
デイスク電気泳動で陽極側に移動し、単一なバン
ドを与え、さらにセフアデツクスG−100クロマ
トグラフイーにおいても、分子量約70000のとこ
ろに単一のピークを与えた。 その収量は約5mgで、酵素1mgあたり約15000
単位の力価をしめした。 次に、このようにして得たPTAと比較のため、
常温性クロストリデヘウムから得られたPTA(比
較例1)の安定性を調べた。 その結果を第1図及び第2図に示す。なお、第
1図はPH7.5の50mMリン酸緩衝液中の各温度で
15分間加熱したときの残存活性を示したもので、
曲線Aが実施例1、曲線Bが比較例1である。第
2図はPH7.5の50mMリン酸緩衝液中30℃で保存
したときの残存活性の経日変化を示したもので、
曲線Cが実施例1、曲線Dが比較例1である。こ
れらの結果からあきらかなように、クロストリデ
イウムから得られたPTAは50℃で15分間処理す
ることにより、ほぼ完全にその活性を不可逆的に
失うのに対し、本発明のPTAは50℃では全く活
性を失わなかつた。さらに、30℃ではクロストリ
デイウムから得られたPTAは10〜15日間でほぼ
活性を失うのに対し、本発明のPTAは50日経過
した時点でも活性の低下はまつたく認められなか
つた。このように、本発明のPTAが驚くほど熱
に対して安定であり、これを長期間保存すること
ができる性質を有している。この性質は、いまま
でのPTAにはないものである。 実施例 2〜5 使用菌体;バチルス・ステアロサーモフイルス
NCA1503。 栄養培地組成;グルコースを炭素源として他の
組成を次のごとくのものを用いた。 グルコース1.3g、酵母エキス(オリエンタル酵
母社製)1.0g、ペプトン(デイフイコ製)0.5g,
KH2PO40.5g,Na2H PO4・12H2O0.5g,
MgSO4 7H2O0.1g,ZnSO4・7H2O0.01g,
MnSO4・7H2O0.01g,CuSO4・5H2O0.01g,
CoCl2・6H2O0.01g以上のものを水道水1に溶
解した。 前培養;上記組成の栄養培地を100ml容三角フ
ラスコに20ml,500ml容三角フラスコに100mlず
つ分注し、綿栓後121℃,1Kg/cm2,10分間加圧
蒸気殺菌した。冷却後、100ml容三角フラスコに
アメリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン
より入手した凍結乾燥菌体を約5ml無菌的に接種
した。ロータリー・シエイカー(高崎製作所製)
を用いて55℃で一昼夜回転振盪培養(160rpm)
したところ、菌体の生育が見られ、濁度が高まり
660nm吸光度(日立製作所製101型分光光度計で
測定、以後OD660nmと称す。)が0.8〜1.0に達し
たので、これを次に500ml容三角フラスコを回転
振盪培養したところ、OD660nmが1.0程度に達し
たので回転振盪培養を中止し、これを前培養物と
して本培養への接種に用いた。 本培養;30容発酵槽を用い、上記栄養培地を
20張り込み殺菌を行つた(121℃,1Kg/cm2
15分)。培養条件を55±1℃,PH6.5〜7.0
(4NNaOHで調整)、通気量20/分(空気)、攪
拌数900rpmに設定後、前培養物を約1接種し、
バツチ培養を開始した。培養に伴い発泡したので
消泡剤(信越化学KM−70)を少量添加した。培
養開始後約2.5時間でOD660nmが1.2(0.56g乾燥菌
体/)に至り、培養液中のグルコースがほぼ消
費され、0.01重量%以下になつたので、すみやか
に連続培養を開始した。前もつて測定した本菌の
μmaxが1.4(1/hr)であつたので、前記した殺
菌済みの栄養培地を28.0/hrの速度で連続的に
供給、同速度で発酵槽より培養液を抜出すことで
μを1.00μmax(実施例2)に設定し、発酵槽液量
の5倍量の栄養培地を用いて連続培養して菌体を
得た。 次に、Dを段階的にμmaxの0.9〔(供給抜出速度
25.2/hr)実施例3〕、0.75〔(21.0/hr)実施
例4〕に変更し、連続培養を行つて菌体を得た。 このようにして得た菌体中のPTA含有量を測
定して、その結果を表1に示す。なお、表1に回
分培養で得た値(実施例5)も併記したが、これ
は連続培養に移行する前の回分培養時に得た菌体
の値である。
【表】 表1の結果からあきらかなように、Dが
0.9μmax以上において生産した菌体は、回分法を
しのぐPTA含有量を示している。 実施例 6 30容醗酵槽にグルコース1.3g、硫酸アンモニ
ウム1.0g、酵母エキス0.5g、リン酸一カリウム
0.5g、リン酸二ナトリウム0.5g、硫酸マグネシウ
ム0.1gを水道水1に溶解して得た培地を20張
り込み、121℃,1Kg/cm2で15分間加圧蒸気殺菌
した。培養条件を57℃,PH6.5〜7.0(4N−NaOH
で調整した。)、通気量を20/分(空気)、攪拌
数900rpmに設定した後、これにバチルス・ステ
アロサーモフイルス ATCC 12980株を上記培地
であらかじめ前培地して得た、660nmでの吸光度
が約1.0に達した溶液を1接種した。まず、約
2.5時間バツチ培養を行い、660nmの吸光度が1.0
に至つたときに、前記組成の殺菌済み栄養培地を
24.0/hrの速度で定量ポンプを用いて連続的に
供給し、同速度で発酵槽より培養液を抜出すこと
により、100の栄養培地を用いて連続培養して
培養液を得た。培養液を水で冷却しながら直ちに
デラバル型遠心分離機で菌体を採取し、400gの
菌体を得た。 この菌体を1.5倍量の0.1Mリン酸緩衝液に懸濁
し、ダイノミルを用いて細胞を破砕後、遠心分離
により不溶物を除去し、PTAを含む粗抽出液を
得た。この粗抽出液400ml当たり10%の硫酸スト
レプトマイシン溶液200mlを添加後、生じた沈澱
を遠心分離で除去し、ストレプトマイシン上清を
得た。この上清に硫酸アンモニウム分割を施し、
30%飽和(4℃)から、60%飽和(4℃)の間の
分画部を得た。この分画部を50mMトリス一塩酸
緩衝液(PH8.0)にとかした後、あらかじめ上記
緩衝液で平衡化したDEAE−セフアデツクス(商
品名フアルマシア社製)カラムに通じ、塩化ナト
リウムを上記緩衝液に加えた溶液で溶出せしめる
と、塩化ナトリウム濃度0.08Mの近くで、目的と
するPTAが溶出した。この溶出部分を実施例1
と同様な条件下にフエニルセフアロースCL−4B
カラムクロマトグラフイーを行つたのち、セフア
デツクスG−150カラムに通じ0.1M塩化ナトリウ
ムを含む30mMトリス一塩緩衝液(PH8.0)で溶
出して、実施例1と同様にアクリルアミドデイス
ク電気泳動で単一なバンドを与えるPTA標品を
得た。さらに、実施例1と同様にセフアデツクス
G−100クロマトグラフイーにおいても、分子量
約70000のところに単一のピークを与えた。 収量は約9mgであつた。その力価は酵素1mg当
たり約15000単位であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のPTA(曲線A)及びクロスト
リデイウムから得られたPTA(曲線B)の各温度
における15分間加熱後の残存活性を示す図で、第
2図は本発明のPTA(曲線C)及びクロストリデ
イウムから得られたPTA(曲線D)を30℃で放置
した後の残存活性を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 以下の性状を有するホスホトランスアセチラ
    ーゼ。 (a) 作用:次の反応を触媒する。 アセチルリン酸+コエンザイムA アセチルコエンザイムA+リン酸 (b) 基質特異性:アセチルリン酸及びコエンザイ
    ムA対するミカエリス定数は、おのおの約
    1.1mM及び0.4mMである。 (c) 至適PH:約7.5 (d) 安定PH:約7〜約11 (e) 作用適温の範囲:約20〜約65℃ (f) 耐熱性:55℃、15分間の加熱処理で、処理前
    の活性の約80%以上の値を保持する。 (g) 分子量:約70000(ゲルろ過法による)。約
    35000(SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法に
    よる)。すなわち、本酵素は2量体からなる。
JP12572484A 1984-06-19 1984-06-19 ホスホトランスアセチラ−ゼ Granted JPS615781A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12572484A JPS615781A (ja) 1984-06-19 1984-06-19 ホスホトランスアセチラ−ゼ

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JP12572484A JPS615781A (ja) 1984-06-19 1984-06-19 ホスホトランスアセチラ−ゼ

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Publication Number Publication Date
JPS615781A JPS615781A (ja) 1986-01-11
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