JPH0154995B2 - - Google Patents

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JPH0154995B2
JPH0154995B2 JP14140580A JP14140580A JPH0154995B2 JP H0154995 B2 JPH0154995 B2 JP H0154995B2 JP 14140580 A JP14140580 A JP 14140580A JP 14140580 A JP14140580 A JP 14140580A JP H0154995 B2 JPH0154995 B2 JP H0154995B2
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JP
Japan
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adenylate kinase
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approximately
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JP14140580A
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JPS5765181A (en
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Kazutomo Imahori
Kazuhiko Nagata
Hiroshi Nakajima
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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Priority to EP81304668A priority patent/EP0050007B1/en
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐熱性アデニレートキナーゼおよび
その製造方法に関するものであり、さらに詳細に
は、アデノシン−リン酸(AMP)とアデノシン
三リン酸(ATP)とからアデノシン二リン酸
(ADP)を高収率に生成する耐熱性アデニレート
キナーゼおよびその製造方法に関するものであ
る。 近時、酵素反応の特長である反応、基質、光学
の各特異性にすぐれている点あるいは反応条件が
温和である点が注目され、酵素は工業的にも広く
触媒として利用されてきている。しかし、それら
は現在のところデンプンを糖化するアミラーゼ、
N−アシル−L−アミノ酸からL−アミノ酸を製
造するL−アミノ酸アシラーゼ等に見られるよう
に、ほとんどがエネルギー源を必要としない加水
分解酵素に限られている。しかるに、生体内にお
いては、主にATPをエネルギー源として、それ
がADPとオルトリン酸あるいはAMPとピロリン
酸に加水分解する時に放出される化学エネルギー
を利用して、多くの合成酵素により生合成が行な
われている。そこで、酵素の工業的利用を広げる
ためそれらの合成酵素あるいは酸化還元酵素等を
取り出し固定化し、さらにATP等を供給するこ
とにより生体外において、生体内で行なわれてい
ると同様な生合成をめざそうとするまつたく新し
い生産システム、すなわち一般にバイオリアクタ
ーと呼ばれているシステムを創造することが試み
られてきている。そのようなバイオリアクターを
実施するためには、エネルギー源として多量の
ATPが必要であり、かつ使用したATPをADPあ
るいはAMPより再生産することが必要である。
このような目的に沿つて、ADPあるいはAMPを
ATPに再生産する方法としては、次式の反応を
触媒する酵素を利用する方法がある(たとえば、
エンザイム・エンジニアリング、2巻、209頁、
217頁、1974年)。 AMP+ATPアデニレートキナーゼ ――――――――――→ 2ADP ADP+アセチルリン酸酢酸キナーゼ ―――――― → ATP+酢酸 +×2より AMP+2アセチルリン酸→ATP+2酢酸 すなわち、ATPがADP,AMPのどちらに変
換されても、上記の酵素の組み合せによりATP
の再生産が可能となる。 これらの反応を実際に利用するに当つては、こ
れらの酵素が安定で工業的利用にも十分に耐える
ことが必要である。しかしながら、従来知られて
いるアデニレートキナーゼは酵母や動物の筋肉等
から得られているものであるが、きわめて不安定
な酵素である。また、酢酸キナーゼも、従来よく
知られているエシエリシア・コリ等から得られる
ものはきわめて不安定であるが、最近、特開昭52
−25088号により耐熱性の酢酸キナーゼが好熱菌
バチルス・ステアロサーモフイルスから採取する
ことに成功している。そこで、特開昭52−25088
号に記載の酢酸キナーゼと同様な安定性を有する
アデニレートキナーゼの出現が強く要望されてい
たのである。 本発明者らは、このような観点から、熱に安定
であり長期間活性を失なわない性質を有するアデ
ニレートキナーゼを求めて鋭意研究した結果、バ
チルス属に属する微生物菌体に上記の性質を有す
るアデニレートキナーゼが存在することを見い出
し、しかも、このアデニレートキナーゼは容易に
純粋に精製し得、かつ酵母などに存在するアデニ
レートキナーゼに比較し、驚くほどその安定性に
すぐれた新規酵素であることを見い出し、本発明
を完成した。 すなわち、本発明は、約50℃の緩衝液中で約15
分間処理したのちの活性が処理前の活性の約80%
以上の値を保持している性質を有し、かつ次の理
化学的性質を有する耐熱性アデニレートキナーゼ
及びバチルス属に属する細菌を培養し、その培養
物から約50℃の緩衝液中で約15分間処理したのち
の活性が処理前の活性の約80%以上の値を保持し
ている性質を有し、かつ次の理化学的性質を有す
る耐熱性アデニレートキナーゼを採取することを
特徴とする耐熱性アデニレートキナーゼの製造方
法を要旨とするものである。 (a) 作用及び基質特異性 次の反応を触媒する。 AMP+ATP2ADP (b) 分子量 ゲルクロマトグラフイーにより測定した値は、
約22000である。 (c) 至適PH 約7.5(温度30℃) (d) 作用適温の範囲 約25℃〜65℃(PH約7.5) 本発明のアデニレートキナーゼは、約50℃の緩
衝液中で約15分間処理することにより、アデニレ
ートキナーゼの残存活性がもとの活性の約80%以
上、好ましくは約90%以上、最適には約100%の
値を保持している性質を有し、特に約57℃の緩衝
液中で約15分間処理したのちの活性が処理前の活
性の約80%以上の値を保持している優秀な性質を
有している(以下これらの性質を耐熱性とい
う。)。緩衝液の濃度およびPHは特に限定されない
が、一般には濃度は5mMないし500mMであり、
PHは7ないし10.5である。特に本発明において
は、50mMリン酸緩衝液(PH7.5)を用いること
が好ましい。 次に本発明のアデニレートキナーゼの理化学的
性質を示す。 (1) 作用及び基質特異性 前記したとおり。 なお、AMP,ATP及びADPに対するミカ
エリス定数(km値)は、おのおの0.02mM,
0.04mM及び0.05mMである。 (2) 至適PH 前記したとおり。 (3) 安定PH範囲 7.0〜10.5(4℃で24時間の処理で殆ど失活が
起こらない)。 (4) 作用適温の範囲 前記したとおりであり、PH約7.5で約25℃よ
り65℃までの温度の上昇とともに活性は増大す
る。通常は、30℃において反応を行わしめる。 (5) 耐熱性 57℃で15分間の加熱に対して99%の活性を保
持し安定である。 (6) 分子量 前記したとおり。 なお、ゲルクロマトグラフイーとしてセフア
デツクスG−100を用いた。 (7) 力価の測定法;PH7.2,75mMのイミダゾー
ル−塩酸緩衝液中、1.5mMのAMP,1.2mMの
ATP、1mMの硫酸マグネシウム、135mMの
塩化カリウム、0.4mMのホスホエノールピル
ビン酸0.2mMの還元型ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(NADH),5U/mlのピル
ビン酸キナーゼ、10U/mlのラクテートデヒド
ロゲナーゼを含む混合液を調製し、その混合液
に適当量のアデニレートキナーゼを加えて、
NADHの単位時間あたりの340nmの吸光度の
減少値より力価を測定し、1分間あたり2マイ
クロモルのNADHの340nmにおける吸光度を
減少せしめる酵素活性を1単位とした。 (8) 単一性;精製標品は、アクリルアミドデイス
ク電気泳動法により陽極側に移動し、単一なバ
ンドを与えた。また、SDS電気泳動法によつて
も単一なバンドを与えた。 (9) 元素分析;元素分析値にかえて、アミノ酸組
成をモル%で示す。 アスパラギン酸10.24%、スレオニン酸3.65
%、セリン1.87%、グルタミン酸12.05%、プ
ロリン6.06%、グリシン9.74%、アラニン7.64
%、シスチン(システイン)0.80%、バリン
7.37%、メチオニン2.94%、イソロイシン4.63
%、ロイシン10.55%、チロシン3.28%、フエ
ニルアラニン2.98%、リシン5・86%、ヒスチ
ジン2.52%、アルギニン7,17%、トリプトフ
アン0.65% (10) 晶構造;現在、まだ結晶化されていないので
測定していない。 本発明のアデニレートキナーゼを製造するには
次のごとき方法を採取することができる。すなわ
ち、バチルス属に属する細菌を培養し、その培養
物から本発明のアデニレートキナーゼを採取する
ことによつて得ることができる。 本発明に使用する細菌は、本発明のアデニレー
トキナーゼを産生しうるバチルス属の細菌であり
そのような細菌であれば、いかなるものでも使用
できる。好ましい細菌としては、たとえば、バチ
ルス・ステアロサーモフイルス(Bacillus
stearothermophilus)があげられる。ステアロサ
ーモフイルスとしての具体例としては、
ATCC79537954,8005,10149,12980,NCA
1503,UK−788(微工研菌第5141号)などがあ
る。 本発明における細菌を培養するに際して用いら
れる栄養培地において炭素源として、たとえば、
グルコース、シユークロース、フルクトース、殿
粉加水分解物、糖密、亜硫酸パルプ廃液の糖類、
酢酸、乳酸等の有機酸類、さらには使用する細菌
が資化しうるアルコール類、油脂、脂肪酸および
グリセリン等が使用でき、窒素源として、たとえ
ば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸
アンモニウム、アンモニア、アミノ酸、ペプトン
肉エキス、酵母エキス等の無機または有機物が使
用できる。さらに、無機塩類として、たとえばカ
リウム、ナトリウム、リン酸、亜鉛、鉄、マグネ
シウム、マンガン、銅、カルシウム、コバルト等
の各塩類、必要に応じて微量金属塩、コーン・ス
テイープ・リカー・ビタミン類、核酸等を使用し
てもよく、細菌の一般的栄養培地が使用できる。 これらの培地を用いて、バチルス属に属する細
菌を20℃〜80℃、好ましくは40℃〜70℃、最適に
は60℃で約2〜6時間好気的に培養すればよい。
また、工業的には希釈率を、本発明に使用する細
菌のμmaxの0.9以上に制御して連続培養すること
が好ましい。すなわち、Dを本発明に使用する細
菌のμmaxの0.9以上に保つて連続培養して得た菌
体のアデニレートキナーゼ含有量は、回分法で得
られた単位菌体あたりのアデニレートキナーゼの
最大値をしのぎ、かつ菌体の生産性も高まり、特
にDをμmax付近に保つた場合、菌体中のアデニ
レートキナーゼ含有量は実に回分法の1.3倍に向
上する。一方、Dを0.9μmax未満に保つて連続培
養した菌体のアデニレートキナーゼ含有量は回分
法よりも低下する。 本発明における希釈率〔ダイリユウシヨンレイ
ト(dilution rato)、以下Dという。〕とは、下
記の式() D=F/V () D;希釈率(1/Hr) F;発酵槽に原料液を供給する速度および同時
に発酵槽よりり抜出す速度(/Hr) V;発酵槽中の液量() によつて表わされるものである。 本発明におけるμmaxとは、細菌を連続培養す
る際のその連続培養条件における細菌の最大比増
殖速度(1/Hr)をいい、物質環境型連続培養
(ケモスタツト;ハルベルト、エルスワース、テ
リング、ジヤーナル・オブ・ジエネラル・ミクロ
バイオロジー、14巻、8号601〜622頁、1956年)
でDを高め、菌濃度が定常値を保てなくなつた時
すなわちいわゆるウオツシユ・アウト時に測定さ
れる比増殖速度をいう。本発明における好熱性細
菌を使つてμmaxを求めるには、たとえば2〜30
容発酵槽に栄養培地を1.5〜20仕込み、40〜
75℃、好ましくは48〜61℃、PH4.5〜9.0、好ま
しくはPH6.0〜8.0に保ちながら、この細菌を接種
し、回分培養を行い、菌の生育が始まり、培養液
中の炭素源が0.01重量%以下になつた時、発酵槽
に仕込んだものと同組成の栄養培地を用いて生育
制限因子が炭素源のみである連続培養を開始す
る。こうすることによつて、物質環境型続培養法
(ケモスタツト)が設定できる。連続培養が定常
になつた後、Dを段階的に順次高めて行き、発酵
液中の菌濃度と、残存炭素源量とを経時的に測定
し、さらにDを次第に高め、菌の比増殖速度を超
えた時、定常値を保つていた菌濃度が減少しはじ
め、それに反し炭素源濃度が上昇しはじめ、もは
やこれ以上のDでは連続培養の定常性が保てなく
なつた時、これをウオツシユ・アウトと言い、こ
の時の比増殖速度がμmaxになる。 このμmaxは使用する栄養培地の種類や培養条
件によつて同一菌株でもさまざまに変化するが、
これらの組合せが変らなければ一定値を示すので
一度測定すれば、長期にわたつて信頼できる数値
となる。 本発明において、通常の前培養および回分培養
で希望の菌濃度まで培養した後、連続培養に移し
Dの制限を実施することができる。その時期は培
養期間中の何れの時期でもよいが、望ましくはバ
ツチ培養時の対数増殖末期に連続培養に移し、す
みやかに所定のDに固定するのが有利である。 次に、本発明の一実施態様をバチルス・ステア
ロサーモフイラス・NCA1503の例をあげて説明
すると、グルコースを炭素源とした栄養源とした
栄養培地を用い最適温度57℃、最適PH6.8、30
容発酵槽(20仕込み)で物質環境型連続培養を
行つて、μmaxを測定したところμmax=1.1(1/
Hr)であつた。したがつて、D=μmaxの連続培
養を行うには、同組成の新しい栄養倍地を1時間
あたり、発酵槽仕込み液量の1.1倍、すなわち前
記式()より22/Hrの速度で連続的に、定
量ポンプなどを用いて発酵槽中に供給し、同時に
同速度で培養液を抜出せばよい。 次に得られた培養物から、本発明のアデニレー
トキナーゼが採取されるが、培養物、分離生菌体
分離菌体の処理物、粗製酵素、精製酵素等のあら
ゆる段階で採取できる。精製法としては、通常の
酵素精製法を用いることができる。すなわち、遠
心分離等により菌体を得た後、菌体をマントンゴ
ーリン、ダイノミル、フレンチプレス、超音波処
理等により細胞破砕後、遠心分離により細胞片を
除去し、細胞抽出液を得、これに硫酸ストレプト
マイシンまたは硫酸プロタミン処理を行ない、さ
らには硫酸アンモニア沈殿、アセトン沈殿、加熱
処理等を行い、精製するためにDEAE−セルロー
スカラム等のイオン交換クロマトグラフイー、ヒ
ドロキシアパタイトカラム等の吸着クロマトグラ
フイー、セフアデツクスクロマトグラフイー等の
ゲル濾過クロマトグラフイー等のクロマトグラフ
イーを組合わせて行うことができる。このように
して本発明のアデニレートキナーゼを単離、精製
することができる。 本発明のアデニレートキナーゼは、熱に対して
非常に安定であるから、従来のアデニレートキナ
ーゼと比較して、酵素単離後、これを長期間保存
することができる。 このため、バイオリアクターと呼ばれているシ
ステムの実施が可能となる。 次に本発明を実施例により具体的に説明する。 実施例1、比較例1 ポリペプトン0.5g/dl、酵母エキス0.5g/
dl、シユークロース1.0g/dl、硫酸カリウム
0.13g/dlリン酸二ナトウム0.644g/dl、硫酸
マグネシウム0.027g/dl、クエン酸0.032g/
dl、硫酸第一鉄0.0007g/dl、硫酸マンガン
0.015g/dl、PH7.00に調整した培地250を115
℃、10分間加熱殺菌した後、バチルスステアロサ
ーモフイルスNCA1503株をを接種し、60℃で3
時間、内圧0.5Kg/m2Gで通気培養した。 培養後水で冷却しながら直ちにデラパル型遠心
分離機で菌体を採取し、700gの菌体を得た。得
られた菌体を凍結状態で保存したのち、凍結菌体
300gを2倍量の0.1Mリン酸緩衝液(PH7.5)に
懸濁し、フレンチプレスを用いて細胞を十分に破
壊後、遠心分離により細胞片を除去し、アデニレ
ートキナーゼを含む粗抽出液を得た。この粗抽出
液600ml当り1%の硫酸プロタミン溶液300mlを添
加し、十分撹拌した後、生じた沈殿を遠心分離で
除去し、プロタミン上清を得た。この上清に固形
硫酸アンモニウムを徐々に加えて60%飽和(4
℃)とした。生成した沈殿を遠心分離により集め
再び0.1Mリン酸緩衝液(PH7.5)にとかしついで
20倍量の0.1Mリン酸緩衝液(PH7.5)に対して透
析、脱塩した。 あらかじめ、2nMメルカプトエタノール、
2mMエチレンジアミン四酢酸ナトリウムを含む
20mMリン酸緩衝液(PH7.5)で平衡化した
DEAE−セルロースカラムに上記の粗酵素液を通
じ、塩化カリウムを上記緩衝液に加えた溶液で溶
出せしめると塩化カリウム濃度0.14Mの近くで目
的のアデニレートキナーゼが溶出した。この区分
を集め、濃縮、脱塩後、さらに10mMリン酸緩衝
液(PH7.5)で平衡化したハイドロキシアパタイ
トカラムに、その溶出液を通し、10mMリン酸緩
衝液から250mMリン酸緩衝液の直線勾配の溶出
を行つたところ120mM濃度近くに目的のアデニ
レートキナーゼが溶出した。この活性区分を濃
縮、脱塩後0.1M塩化カリウムを含む50mMトリ
ス・塩酸緩衝液を溶出液に用いたウルトロゲル
ACA34クロマトグラフイーにかけたのちに、さ
らに溶出した活性区分ををあらかじめ2mMメル
カプトエタノール、2mMエチレンジアミン四酢
酸ナトリウムを含む30mMリン酸緩衝液(PHを
7.7)で平衡化したDEAE−セフアデツクスA−
50カラムに通じ、塩化カリウムを上記緩衝液に加
えた溶液で溶出した。その結果、塩化カリウム濃
度0.2Mの近くで精製されたアデニレートキナー
ゼが溶出した。 このようにして得たアデニレートキナーゼは、
アクリルアミドデイスク電気泳動で陽極側に移動
し単一なバンドを与え、さらにセフアデツクスG
−100クロマトグラフイーにおいても、分子量約
22000のところに単一のピークを与えた。 その収量は約6mgで、酵素1mgあたり約500単
位の力価をしめした。 次にこのようにして得たアデニレートキナーゼ
と比較のため、酵母から得られたアデニレートキ
ナーゼ(比較例1)の安定性を調べた。 その結果を第1図および第2図に示す。なお、
第1図はPH7.5の50mMン酸緩衝液中の各温度で
15分間加熱したときの残存活性を示したもので、
曲線Aが実施例1、曲線Bが比較例1である。第
2図はPH7.5の50mMン酸緩衝液中30℃で保存し
たときの残存活性の経日変化を示したもので、曲
線Cが実施例1、曲線Dが比較例1である。これ
らの結果からあきらかなように、酵母から得られ
たアデニレートキナーゼは50℃で15分間処理する
ことにより、ほぼ完全にその活性を不可逆的に失
うのに対し、本発明のアデニレートキナーゼは50
℃ではまつたく活性を失なわなかつた。さらに30
℃では、酵母から得られたアデニレートキナーゼ
は10〜20日間でほぼ活性を失うのに対し、本発明
のアデニレートキナーゼは50日経過した時点でも
活性の低下はまつたく認められなかつた。このよ
うに本発明のアデニレートキナーゼが驚くほど熱
に対して安定であり、これを長期間保存すること
ができる性質を有している。この性質は、いまま
でのアデニレートキナーゼにはないものである。 実施例 2〜5 使用菌体;バチルス・ステアロサーモフイラス
NCA1503。 栄養培地組成;グルコースを炭素源として他の
組成を次のごとくのものを用いた。 グルコース1.3g、酵母エキス(オリエンタル
酵母社製)1.0g、ペプトン(デイフイコ製)0.5
g,KH2PO40.5g,Na2HPO4・12H2O0.5g,
MgSO47H2O0.1g,ZnSO4・7H2O.01g,
MnSO4・7H2O0.01g,CuSO4・5H2O0.01g,
CoCl2・6H2O0.01g以上のものを水道水1に溶
解した。 前培養;上記組成の栄養培地を100ml容三角フ
ラスコに20ml、500ml容三角フラスコに100mlずつ
分注し、綿栓後121℃、1Kg/cm2、10分間加圧蒸
気殺菌した。冷却後、100ml容三角フラスコにア
メリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨンよ
り入手した凍結乾燥菌体を約5ml無菌的に接種し
た。ロータリー・シエイカー(高崎製作所製)を
用いて55℃で一昼夜回転振盪培養(160rpm)し
たところ、菌体の生育が見られ、濁度が高まり
660nmの吸光度(日立製作所製101型分光光度計
で測定、以後OD660nmと称す。)が0.8〜1.0に達
したので、これを次に500ml容三角フラスコに約
5ml接種した。同条件で数時間500ml容三角フラ
スコを回転振盪培養したところ、OD660nmが1.0
程度に達したので回転振盪培養を中止し、これを
前培養物として本培養への接種に用いた。 本培養;30容発酵槽を用い、上記栄養培地を
20張込み殺菌を行つた(121℃、1Kg/cm2,15
分)。培養条件を55±1℃、PH6.5〜7.0(4NNaOH
で調整)、通気量20/分(空気)、撹拌数
900rpmに設定後、前培養物を約1接種しバツ
チ培養を開始した。培養に伴い発泡したので消泡
剤(信越化学KM−70)を少量添加した。 培養開始後約2.5時間でOD660nmが1.2(0.56g
乾燥菌体/)に至り、培養液中のグルコースが
ほぼ消費され、0.01重量%以下になつたので、す
みやかに連続培養を開始した。前もつて測定した
本菌のμmaxが、1.4(1/hr)であつたので、前
記した殺菌済みの栄養培地を28.0/hrの速度で
連続的に供給、同速度で発酵槽より培養液を抜出
すことでμを1.00μmax(実施例2)に設定し、発
酵槽液量の5倍量の栄養培地を用いて連続培養し
て菌体を得た。 次にDを段階的にμmaxの0.9〔(供給抜出速度
25.2/hr)実施例3〕、0.75〔(21.0/hr)実施
例4〕に変更し、連続培養を行つて菌体を得た。 このようにして得た菌体中のアデニレートキナ
ーゼ含有量を測定して、その結果を表1に示す。
なお、表1に回分培養で得た値(実施例5)も併
記したが、これは連続培養に移行する前の回分培
養時に得た菌体の値である。 【表】 表1の結果からあきらかなように、Dが
0.9μmax以上において生産した菌体は、回分法を
しのぐアデニレートキナーゼ含有量を示してい
る。 実施例 6 30容発酵槽にグルコース1.3、硫酸アンモ
ニウム1.0g、酵母エキス0.5g、リン酸一カリウ
ム0.5g、リン酸二ナトリウム0.5g、硫酸マグネ
シウム0.1gを水道水1に溶解して得た培地を
20張込み、121℃、1Kg/cm2で15分間加圧蒸気
殺菌した。培養条件を57℃、PH6.5〜7.0(4N−
NaOHで調製した。)、通気量20/分(空気)、
撹抛数900rpmに設定した後、これにバチルス・
ステアロサーモフイルスATCC12980株を上記培
地であらかじめ前培養して得た、660nmでの吸光
度が約1.0に達した溶液をを1接種した。まず、
約2.5時間バツチ培養を行い、660nmの吸光度が
1.0に至つたときに、前記組成の殺菌済み栄養培
地を24.0/hrの速度で定量ポンプを用いて連続
的に供給し、同速度で発酵槽より培養液を抜出す
こにより、100の栄養培地を用いて連続培養し
て培養液を得た。培養液を水で冷却しながら直ち
にデラバル型遠心分離機で菌体を採取し400gの
菌体を得た。 この菌体を1.5倍量の0.1Mリン酸緩衝液に懸濁
し、ダイノミルを用いて細胞を破砕後、遠心分離
により不溶物を除去し、アデニレートキナーゼを
含む粗抽出液を得た。この粗抽出液400ml当り10
の硫酸ストレプトマイシン溶液200mlを添加後、
生じた沈殿を遠心分離で除去し、ストレプトマイ
シン上清を得た。この上清に硫酸アンモニウム分
割をほどこし、30%飽和4℃から、60%飽和4℃
の間の分画部を得た。この分画部を50mMトリス
一塩酸緩衝液(PH8.0)にとかした後、あらかじ
め上記緩衝液で平衡化したDEAE−セフアデツク
スカラムに通じ、塩化ナトリウムを上記緩衝液に
加えた溶液で溶出せしめると、塩化ナトリウム濃
度0.2Mの近くで、目的とするアデニレートキナ
ーゼが溶出した。この溶出部分を実施例1と同様
な条件下にハイドロキシアパタイトカラムクロマ
トグラフイーを行つたのちセフアデツクスG−75
カラムに通じ0.1M塩化ナトリウムを含む30mM
トリス一塩酸緩衝液(PH8.0)で溶出して、実施
例1と同様にアクリルアミドデイスク電気泳動で
単一なバンドを与えるアデニレートキナーゼ標品
を得た。さらに、実施例1と同様にセフアデツク
スG−100クロマトグラフイーにおいても、分子
量約22000のところに単一のピークを与えた。 収量は約10mgであつた。その力価は酵素1mgあ
たり約500単位であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のアデニレートキナーゼ(曲線
A)および酵母から得られたアデニレートキナー
ゼ(曲線B)の各温度における15分間加熱後の残
存活性を示す図で、第2図は本発明のアデニレー
トキナーゼ(曲線C)および酵母から得られたア
デニレートキナーゼ(曲線D)を30℃で放置した
後の残存活性を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 約50℃の緩衝液中で約15分間処理したのちの
    活性が処理前の活性の約80%以上の値を保持して
    いる性質を有し、かつ次の理化学的性質を有する
    耐熱性アデニレートキナーゼ。 (a) 作用及び基質特異性 次の反応を触媒する。 AMP+ATP2ADP (b) 分子量 ゲルクロマトグラフイーにより測定した値は、
    約22000である。 (c) 至適PH 約7.5(温度30℃) (d) 作用適温の範囲 約25℃〜65℃(PH約7.5) 2 バチルス属に属する細菌を培養し、その培養
    物から約50℃の緩衝液中で約15分間処理したのち
    の活性が処理前の活性の約80%以上の値を保持し
    ている性質を有し、かつ次の理化学的性質を有す
    る耐熱性アデニレートキナーゼを採取することを
    特徴とする耐熱性アデニレートキナーゼの製造方
    法。 (a) 作用及び基質特異性 次の反応を触媒する。 AMP+ATP2ADP (b) 分子量 ゲルクロマトグラフイーにより測定した値は、
    約22000である。 (c) 至適PH 約7.5(温度30℃) (d) 作用適温の範囲 約25℃〜65℃(PH約7.5)
JP14140580A 1980-10-09 1980-10-09 Heat-resistant adenylate kinase and its preparation Granted JPS5765181A (en)

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