JPH047718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はドアー装置に関し、更に詳しくはパイ
プハウスたるビニールハウスの妻面又は壁面側入
口に開閉自在に設置するドアー装置に関する。

〈従来の技術〉 従来大型鉄骨ハウスからパイプハウスまでのい
わゆるビニールハウスは屋根面、壁面、妻面にビ
ニールシートを展張し、特に妻面又は壁面側には
作業者が出入りする入口が設けられている。この
入口には断面あり溝状の支持フレームで長方形の
枠体を形成し、この支持フレーム間にビニールシ
ートを展張してドアーを構成させ、このドアーを
ヒンジ等で開閉自在に取り付けたものが使用され
ているのが普通である。

ところが上記のようなヒンジ式のドアーを入口
に設けた場合、作業者の出入り時にその都度開度
を大きくする必要があり、又入口の枠体とドアー
の枠体間に設計上どうしてもわずかな隙間が形成
され、ドアーを開いた時これらの隙間から外気が
ハウス内に流入し、室温を低下させるおそれがあ
つた。特にヒンジ等でドアーを開閉させる場合に
は、ドアー開度が大きいこと、閉じ操作が遅いこ
とから冷気の侵入量が多く気密性に欠けるという
問題がある。

この為開閉操作が容易でかなり気密性があるビ
ニールハウスの使用に好適なスライド自在なドア
ー装置、例えば実開昭56−171968号公報に示すよ
うなドアー装置が開発されている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このドアー装置はパイプハウスの室内側に開口
するＣ型鋼からなる上部のレールと、上方に開口
するＣ型鋼からなる下部ガイドと、上部のレール
と下部ガイドをジヨイントを介して支えるパイプ
とを有し、ドアーの上部に設けたローラを上部の
レールに回転自在に嵌合させ、ドアーの下部を下
部ガイド内にスライド自在に挿入したものであ
る。

しかしながら、このドアー装置は上部のレール
が室内側に開口しているからローラを室内側から
上部レールに嵌合させていること、及び下部レー
ルが上方に開口するＣ型鋼であるから開口部が中
央にあることにより、どうしてもドアーが室内側
に寄つてしまい、ドアーとパイプとの間にどうし
ても空間が形成されてしまい、この空間から温室
内に外気が侵入してしまうという問題が生じてい
た。

更に下部ガイドは上方に開口する開口部を有し
ている為にこの開口部から土、石、砂利が侵入
し、目詰まりとなつてドアーの開閉に支障を起さ
せ、冬期にはこれが凍つてしまうという不具合が
ある。

従つて本考案の目的はパイプとドアーとで区画
された空間を極めて小さくすることにより気密性
を増大させ、外気の侵入をできるだけ少なくする
ようにし、更に下部ガイドが土等で目詰まりを起
させないようにしたパイプハウスたるビニールハ
ウス等のドアー装置を提供することである。

〈問題点を解決するための手段〉 上記の目的を達成するため、本考案の構成は、
パイプハウスの妻面又は壁面に入口を設け、入口
の両端にパイプを起立させ、パイプの上部にジヨ
イントを介して上部のレールを取り付け、上部の
レールに対向する下部のガイドが地上に設けら
れ、上部のレールにはドアーの上部に設けたロー
ラをスライド自在に嵌合させ、ドアーの下部は下
部ガイドにスライド自在に案内されるようにした
ドアー装置に於て、上部レールはパイプハウスの
外方に開口する開口部を設けたレール本体と当該
レール本体の上部外端に起立させた保持部とで構
成させ、下部ガイドは上方に起立する二つのガイ
ド面を設けた断面逆Ｕ字状のガイド本体から構成
させ、上記ドアーの上部ローラを外方より上記レ
ール本体内に回転自在に嵌合させ、前記保持部の
パイプに当接させ、更にドアーの下部を上記ガイ
ド本体の外側ガイド面にスライド自在に当接させ
たことを特徴とするものである。

〈作用〉 ドアーを取り付けた時ドアーとパイプとの間の
空間が非常に小さくなるから外気が侵入しない。
下部ガイドは断面逆Ｕ字状に形成されているから
土等が侵入せず、目詰まりが生じない。

〈実施例〉 以下本考案の実施の態様を図面について説明す
る。

地表上にアーチ状のパイプを多数列設させ、こ
のパイプとクロスする方向に断面あり溝状支持フ
レームを多数取り付け、このあり溝状支持フレー
ムのあり溝内に弾性な係止線条を介してビニール
シートを保持することによりパイプハウスの屋根
側及び壁面側にビニールシートを展張させてい
る。又ビニールハウスの妻面又は壁面側にパイプ
１を縦方向に多数起立させ、このパイプ１には断
面あり溝状支持フレーム３が連結され、この支持
フレーム３のあり溝内には台形又は波形を連続し
た弾性な係止線条を介してビニールシートを保持
させ、妻面又は壁面全体にビニールシートが展張
される。

妻面の例えば中央に入口４が設けられ、この入
口４にはドアー５がスライド自在に設けられてい
る。

即ち、入口４に於て、入口４の両端に起立する
パイプ１にジヨイント２を介して上部レール７が
横向きにして連結され、この上部レール７は入口
４側に延長して入口４の上部枠体を構成してい
る。

又入口４の下部には地表上に設置された土台８
が設けられ、この土台８上には上部レール７に対
向する下部ガイド９が設置されることにより入口
下部の枠体を構成させている。

上部のレール７はパイプハウスの外方に向けて
開口する開口部７ｃを設けた断面コ字状のレール
本体７ａと当該レール本体７ａの外端上部に起立
する断面Ｌ字状の保持部７ｂとを一体に構成した
ものからなつている。

下部ガイド９は上方に起立する二つの平行なガ
イド面を有する断面逆Ｕ字状のガイド本体９ａと
当該ガイド本体９ａの下端に一体に成形した水平
な支持板９ｂ，９ｂとから構成されている。

ジヨイント２はジヨイント本体１１とＵ字状ボ
ルト１３とからなつている。

ジヨイント本体１１は左右一対の引掛片１２，
１２と引掛片１２，１２の内端を連結する背面板
１５と、各引掛片１２，１２と背面板１５との上
面に一体に結合された上面板１６とからなり、左
右一対の引掛片１２，１２には外方に開口する切
欠き１２ａ，１２ａを相対向して形成し、背面板
１５には一対のボルト孔１７，１８をボルト１３
と対向して穿設している。

上記のジヨイント２を介して上部レール７をパ
イプ１に取り付けるには次のように行なう。

即ち、パイプ１に対してクロスする方向に上部
レール７を配設し、次にジヨイント本体１１の引
掛片１２，１２をレール７のＬ字状保持部７ｂに
差し込むと共にジヨイント本体１１の切欠き１２
ａ，１２ａ内に保持部７ｂの上面を差し込んで互
いに嵌合させる。次にパイプ１を抱き込んだボル
ト１３をジヨイント本体１１のボルト孔１７，１
８に挿入し、内側からナツト１４，１４で締め付
けるとジヨイント本体１１がパイプ１側に引き寄
せられ、この時上部レール７もパイプ１側にジヨ
イント本体１１を介して押し込まれる。

従つてボルト１３とナツト１４の締結により、
ジヨイント本体１１の上面１６外端と上部レール
７の保持部７ｂの外面がパイプ１の外面に当接
し、これによりジヨイント２を介して上部レール
７がパイプ１にしつかりと固定される。

下部ガイド９はガイド本体９ａの上面に孔が穿
たれ、この孔よりボルト、ピン等の止め具１０を
差し込み、土台８に打ち込むと土台８上に下部ガ
イド９が固定され、この時ガイド本体９ａの外側
ガイド面とパイプ１間には少なくとも支持板９ｂ
の巾分の隙間２０が区画され、この隙間２０内に
ドアー５の下部がスライド自在に差し込まれるよ
うになつている。

ドアー５は二本の縦枠２６，２６と上下の横枠
２７，２７とで長方体状のドアー枠を形成し、縦
枠２６，２６間には一つもしくは複数の補強枠２
８を架設し、これらの各枠２６，２７，２８には
あり溝２９が上方に開口し、このあり溝２９に弾
性な係止線条を介してビニールシートを保持させ
ドアー５の外面にビニールシートが展張されてい
る。

縦枠２６、横枠２７、補強枠２８は開口部が巾
狭である例えば断面あり溝状の長尺フレーム３０
と、この長尺フレーム３０の側部に長手方向に沿
つて張出した支持板３１とから成つている。

縦枠２６，２６は支持板３１を内方に突出さ
せ、この支持板３１，３１間に横枠２７，２７と
補強枠２８，２８がピン、ボルト、溶接等で連結
されている。

上部横枠２７の長尺フレーム３０には任意数、
例えば二つのローラ３２が軸３３、ワツシヤ、ナ
ツト３５，３５′を介して回転自在に連結され、
このローラ３２は上部レール７のレール本体７ａ
における開口部７ｃに外方から嵌合させ、このロ
ーラ３２を介してドアー５が上部レール７に吊り
下げられると共にローラ３２が上部レール７に案
内されて滑動するとドアー５が上部のレール７に
沿つて左右にスライドし、例えばドアー５が左行
した時入口４を閉じ、右行した時開口するように
なつている。

他方、下部の横枠２７の長尺フレーム３０は隙
間２０に差し込まれ、下部ガイド９のガイド本体
９ａにおける外側ガイド面に長尺フレーム３０の
内面が当接しながら案内されて左右にスライド
し、ドアー５がスライドする時横ぶれを出来るだ
け少なくしている。

縦枠２６，２６の支持板３１内面には略々Ｌ字
状のガイド片３６，３７が上下に取り付けられ、
上部のガイド片３６は上部レール７のレール本体
７ａの内面に対向してスライドし、下部のガイド
片３７は下部ガイド９のガイド本体９ａにおける
内側ガイド面に対向してスライドし、これによつ
てドアー５は外方に向けて押圧力が加えられて
も、これらのガイド片３６，３７で外方への横ぶ
れを防止している。

上記のように、ドアー５を取り付けた時パイプ
１とドアー５との間には隙間がほとんど形成され
ず、気密性がより大きく保たれるものである。

〈考案の効果〉 本考案のドアー装置によれば、次のような効果
がある。

上部のレールのレール本体における開口部が
外方に開口しているからドアーを外方からロー
ラを介して当該レール本体内に差し込め、又下
部ガイドのガイド本体を逆Ｕ字状に形成して上
方に起立しているから、その外面とパイプとの
距離を近ずけることが可能となつたから、ドア
ーを取り付けた時ドアーの外面がパイプ側に極
めて近くなり、且つドアーが室内側に寄らない
から、これによりドアーとパイプとの間で区画
された空間が極めて小さく、気密性が良好とな
り、外気の侵入を防止できるようになつた。

上部のレールの保持部はパイプに当接してい
るから両者の間に隙間が無く、気密性に富み外
気の侵入を防止でき、ビニールハウス内の室温
が保持される。

下部ガイドは断面Ｕ字状に形成されており、
土、石、砂利等が侵入して目詰まりを起し、こ
れが冬期に凍つてしまうことを防止できるか
ら、常にドアーの開閉動作をスムースに行な
え、土等を取り出す面倒な作業も不要となる。

ドアーの開閉は吊り下げられたままローラを
を介してスライドさせるだけであるから開閉速
度が速やかに行なわれ、又作業者が室内に入る
場合にもヒンジ式のドアーに比べて大きく開か
せる必要がない為に冷気の侵入を出来るだけ少
なくすることが可能である。

ドアー自体、枠体、上部のレール、下部ガイ
ドは全てビニールハウスの構造材を使用するた
め特別の材料を必要とせず、しかもこれらはパ
イプハウスたるビニールハウスの骨組を組立て
ながら同時に成形できるから組み付けが容易で
コストダウンを図れ、作業性が著しく向上する
ものである。

下部ガイドのガイド本体は逆Ｕ字状に形成さ
れて上方に起立しており、このガイド本体に設
けた外側ガイド面はパイプに近づけることが可
能となり、ドアーの差し込み空間を出来るだけ
小さくすることができ、パイプと下部ガイドの
隙間も小さくなるから、より気密性を向上でき
る。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施の一様態に係り、第１
図はドアー装置の斜視図、第２図はジヨイントの
斜視図、第３図はドアーの正面図、第４図は第３
図のＡ−Ａ線拡大縦断側面図である。 符号の説明、１……パイプ、２……ジヨイン
ト、５……ドアー、７……上部のレール、７ａ…
…レール本体、７ｂ……保持部、９……下部ガイ
ド、９ａ……ガイド本体、２６，２７……枠体、
３０……長尺フレーム、３１……支持板、３２…
…ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パイプハウスの妻面又は壁面に入口を設け、
   入口の両側にパイプを起立させ、パイプの上部
   にジヨイントを介して上部のレールを取り付
   け、上部のレールに対向する下部のガイドが地
   上に設けられ、上部のレールにはドアーの上部
   に設けたローラをスライド自在に嵌合させ、ド
   アーの下部は下部ガイドにスライド自在に案内
   されるようにしたドアー装置に於て、上部レー
   ルはパイプハウスの外方に開口する開口部を設
   けたレール本体と当該レール本体の上部外端に
   起立させた保持部とで構成させ、下部ガイドは
   上方に起立する二つのガイド面を設けた断面逆
   Ｕ字状のガイド本体から構成させ、前記ドアー
   の上部ローラを外方より上記レール本体内に回
   転自在に嵌合させ、前記保持部のパイプに当接
   させ、更にドアーの下部を上記ガイド本体の外
   側ガイド面にスライド自在に当接させたドアー
   装置。 (2) ガイド本体が断面コ字状である実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のドアー装置。 (3) 保持部が断面Ｌ字状である実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のドアー装置。 (4) ガイド本体には下端に水平な支持板が形成さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   ドアー装置。