JPH0476741B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、動力噴霧機の噴口に取り付ける逃
がし弁に関する。

〔従来の技術〕

従来から、動力噴霧機を用いて洗浄液、農薬等
を噴霧する場合、適当な長さのホースの一端を動
力噴霧機に接続し、そのホースの他端に噴霧管を
接続して噴霧することが行われている。このよう
な噴霧作業中、噴霧管の手元のコツクを操作して
噴霧を停止すると、動力噴霧機の圧力がホースに
作用するため、ホースは、その圧力に耐え得るも
のが使用される。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、高圧噴霧を行う場合には使用さ
れる耐圧ホースは、重量が大きいため運搬に支障
をきたし、噴霧作業に円滑さを欠く。

そこで、この発明は、動力噴霧機とホース間に
逃がし弁を設けることにより、噴霧を停止したと
きに高圧がかからないようにしてホースの軽量化
を図ることを技術的課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、この発明は、円筒形
の弁本体の周壁に一対の接続ポートを設け、その
接続ポートよりも弁本体の後端方向に片寄つて弁
本体の内部にピストンをスライド自在に挿入し、
ピストン先端に弁棒を設けると共に、その弁棒先
端に弁本体の先端部に設けた弁孔に対向する弁体
を設け、ピストン後端に閉弁方向に弾性力を付与
し、ピストンと弁体の開弁方向の総合受圧面積を
弁体の閉弁方向の受圧面積よりも大きく形成し、
上記弁孔に接続される通路に弁孔に接近して抵抗
板を設けた構成を採用したのである。

〔作用〕

噴霧管から圧力水を噴霧している状態におい
て、弁体は、ピストンに押され弁孔を閉塞する。
噴霧管の噴霧を停止すると、弁本体内の圧力が上
昇するので、ピストンと弁体に作用する開弁方向
の圧力がピストンに作用する弾性力に打ち勝つて
弁体が後退し、開弁する。開弁状態になると、圧
力水は弁孔から流出し、通路内の抵抗板を通過し
て動力噴霧機本体に還流する。このとき、弁本体
内の圧力が低下するが、弁孔先端の抵抗板の作用
により圧力は一定以下に下がることがなく、弁を
開状態に維持する。

再び、噴霧管を開放すると、弁本体内の圧力が
一層低下するため、閉弁状態になる。

〔実施例〕

この発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図に示すように、円筒形の弁本
体１の周壁に、一対の接続ポート２，３を設け
る。一方の接続ポート２は、パイプ４を介して動
力噴霧機本体５に接続され、他方の接続ポート３
は、ホース６を介して噴霧管７に接続される。

弁本体１の先端に弁座８が設けられ、この弁座
８中央に弁孔９が形成される。また、弁本体１先
端の外周に上記弁座８を包み込んで還流ポート１
０がネジ結合される。この還流ポート１０にユニ
オンナツト１４をネジ結合し、抵抗板１１を介し
て継手管１３をユニオンナツト１４により締め付
ける。継手管１３には、還流パイプ１２が接続さ
れる。還流パイプ１２は、動力噴霧機本体５の還
流口２３に接続される。抵抗板１１中央には、貫
通孔１５が形成されている。

上記接続ポート２，３よりも弁本体１の後端方
向に片寄つて、弁本体１の内部をスライドするピ
ストン１６が設けられる。このピストン１６の先
端に弁棒１７を設け、この弁棒１７先端に上記弁
孔９に対向するように弁体１８を取り付ける。

上記弁本体１後端にキヤツプ１９がネジ結合さ
れ、このキヤツプ１９中央に調節用ネジ棒２０が
嵌入される。上記ネジ棒２０の先端に押圧板２１
を設け、ピストン１６と押圧板２１との間に調節
バネ２２を介在させる。

また、ピストン１６と弁体１８の開弁方向の総
合受圧面積、即ちピストン１６の前端面の面積
と、弁本体１内の弁体１８の有効面積との和を弁
体１８の閉弁方向の受圧面積、即ち弁体１８後端
面の面積よりも大きく形成しておく。

実施例の動力噴霧機用逃がし弁は、上記のよう
に構成され、次にその作用を説明する。

噴霧管７から圧力水を噴霧している状態におい
て、調節用ネジ棒２０で調節バネ２２を調節して
ピストン１６に前進方向の力を付与し、弁体１８
により弁孔９を閉塞する。噴霧管７の噴霧を停止
すると、弁本体１内の圧力が上昇するので、ピス
トン１６と弁体１８に作用する開弁方向の圧力が
ピストン１６に作用する調節バネ２２の弾性力に
打ち勝つて弁体１８が後退し、弁孔９が開く、弁
孔９が開くと、圧力水は弁孔９から流出し、還流
ポート１０先端の抵抗板１１を通過し、継手管１
３及び還流パイプ１２を通過して動力噴霧機本体
５に還流する。また、還流パイプ１２を薬液タン
ク２４に接続しておき、上記圧力水を薬液タンク
２４に還流してもよい。このとき弁本体１内の圧
力が低下するが、抵抗板１１の作用により圧力は
一定以下に下がることがなく、弁孔９を開状態に
維持する。

再び、噴霧管７を開放すると、弁本体１内の圧
力が一層低下するため、弁孔９を閉塞する。

抵抗板１１は、弁の作動を安定させる作用があ
る。この抵抗板１１を設けなければ、噴霧管７を
開放状態から閉塞状態に移行するときに、弁本体
１内の圧力上昇→弁孔９開放→弁本体１内の圧力
下降→弁孔９閉塞→弁本体１内の圧力上昇という
動作を繰り返し、作動が安定しない。

〔発明の効果〕

この発明によれば、以上にように動力噴霧機本
体に逃がし弁を設けた構成により、噴霧を停止し
たときに、ホース内が高圧力になる前に弁を開放
して圧力を逃がすので、高圧噴霧を行なう場合で
も、低圧用のホースを使用できる。このため、ホ
ースが軽量になり運搬及び作業が便利になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の使用状態を示す側面図、第２
図は実施例の断面図である。 １……弁本体、２，３……接続ポート、８……
弁座、９……弁孔、１０……還流ポート、１１…
…抵抗板、１６……ピストン、１７……弁棒、１
８……弁体、２２……調節バネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円筒形の弁本体の周壁に一対の接続ポートを
   設け、その接続ポートよりも弁本体の後端方向に
   片寄つて弁本体の内部にピストンをスライド自在
   に挿入し、ピストン先端に弁棒を設けると共に、
   その弁棒先端に弁本体の先端部に設けた弁孔に対
   向する弁体を設け、ピストン後端に閉弁方向に弾
   性力を付与し、ピストンと弁体の開弁方向の総合
   受圧面積を弁体の閉弁方向の受圧面積よりも大き
   く形成し、上記弁孔に接続される通路に弁孔に接
   近して抵抗板を設けた動力噴霧機用逃がし弁。