JPH047619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンセント、スイツチ等の電線結線
或いは電話の通信線結線等に用いる取付枠、プレ
ート枠、スイツチボツクス等の配線器具であり、
その壁部への装着を容易にできる取付部の構造に
関するものである。

（考案が解決しようとする問題点） 従来では、例えばコンセント等の結線器具を固
着する取付枠は挟み金具を用いてその上下部で壁
板に挟持して取付けていた。またスイツチボツク
スは壁内空部に差し込んだ後、爪を外側に突出さ
せてネジ送りで壁板に圧着することで取付けてい
たのである。

しかしながら、この作業は狭い場所で行なうた
め、しかもその建物内の結線数が多いことからき
わめて面倒であり、且つ金属ビスの使用で漏電の
危険性があつた。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は、それらを差し込むだけでワン
タツチに壁部に装着できるようにしたものを提供
するものである。

このため本考案は、壁内の配線用空部或いは壁
面の開口部へ取付ける取付枠等の配線器具におい
て、開口部周縁の内側壁板表面に係止当接するフ
ランジ片を器具本体に形成し、夫々壁への差し込
み方向と平行に伸びた可撓片を複数並列して突設
すると共に壁板の開口部周縁の内側壁板裏面に当
接できるストツパを夫々壁面からの距離を異にし
て夫々の可撓片の外側に突設し、並列した該可撓
片群を少なくとも器具本体の対向する二辺に設け
たことを構成としている。

（作用） 壁内空部への差し込みによつて、夫々の可撓片
が開口端面によつて押圧されることから内側に撓
んで内側壁板を通過した後、外側に弾性復位した
内側壁板の厚みと同じ長さに位置する可撓片のス
トツパが表のフランジ片との間で内側壁板を挟持
するのである。この際、ストツパまでの長さが内
側壁板の厚み以上の長さの可撓片は夫々外側に復
位するが、ストツパまでの長さが内側壁板の厚み
以下の長さの可撓片はその復元力で内側壁板の端
面に押し付けられる状態となることから強く保持
できるのである （実施例） 以下、本考案の詳細を図示実施例で説明する。

第１図に示す本例の配線器具は、コンセント等
の結線器具を固着した取付枠に被着するプラスチ
ツク製プレート枠１であつて表側にコンセント、
スイツチ等を露呈させた状態で化粧プレートを取
付け使用するものである。

該プレート枠１は、内側壁板Ｋにおける配線用
空部の開口周縁部に係止当接するフランジ片２を
周設した四角形枠体を成し、その裏部における長
手方向の対向する二辺（本例は縦辺）に、壁への
差し込み方向に伸びた複数（本例では９片）の可
撓片３，…が約１mmの間隙をおいて一体に並列突
設してある。夫々一辺における該可撓片３は、中
央に位置する可撓片を最長とし、端に向うにつれ
短くして対称配置して成るもので、長くなるにつ
れて巾広とした可撓片としている（第２図参照）。
そして夫々の可撓片３の開放端部には外向きのス
トツパ４が突設してあり、その外側部に開放側か
ら表側に向うにつれて外側に傾斜させたガイド面
４ａを形成すると共に、内側壁板の裏部に当接で
きるようストツパ４の表側端面を可撓片３に突設
方向と直角の平面状なストツパ面４ｂとしてい
る。なお、このストツパ面４ｂの突出端は第３図
のようにフランジ片２の端面と面一状でそれより
突出しない方がよいが、突出しても可撓片のため
支障はない。

このようにした本例プレート枠１は、予め電線
を結線した結線器具等（図示せず）を固着した状
態で、電線を引いた部位の内側壁板Ｋを切り外し
て形成された空部Ｅに差し込むのである。

これにより、長い可撓片３から順に中に差し込
まれ、夫々のストツパ４のガイド面４ａが内側壁
板Ｋの開口端面部で押圧されるため夫々の可撓片
３が内側に撓んでプレート枠１が壁内に浸入す
る。

そして、内側壁板Ｋの開口端面を抜けた可撓片
３は夫々復位することから、第４図のように内側
壁板Ｋの厚みと同じ距離に配置されたストツパ４
のストツパ面４ｂが内側壁板Ｋ裏面の開口部周縁
Kbに当接し、内側壁板Ｋ表面の開口部周縁Kaに
当接したフランジ片２とで内側壁板Ｋを挟持する
のである。

このストツパ４による挟持が一辺で２ケ所ある
ため対向する両辺で４ケ所の挟持部となることか
ら強く壁板Ｋに保持されるのである。

また、内側壁板Ｋが厚い場合は第５図のよう
に、その厚みに対応した位置のストツパ４が内側
壁板Ｋの裏部に当接係止するのであり、この場合
はそれより短い可撓片が復元力のため内側壁板Ｋ
の開口端面に圧接した状態となることから一層強
く内側壁板Ｋに保持されるのである。

このように本例によると、差し込むだけで配線
器具のプレート枠１を取り付けることができるの
である。

なお、差し込みを一層容易にガイドするため第
６図のように可撓片を囲む枠ガイドＧを設けても
よい。

本例は前記のように構成したが本考案において
はこれに限定されない。例えば、配線器具として
の種類は問わず、第７図のようなコンセント等の
結線器具を固着する取付枠５にストツパを突設し
た可撓片を備えてもよく、この取付枠が金具の場
合は第８図のように金属製取付枠６の裏面にスト
ツパ付き可撓片を有するプラスチツク製取付体７
をビス止め等して固着すればよい。或いは第９図
のようなスイツチボツクス等の配線ボツクスの側
壁部に可撓片を配してもよい。その他、防塵カバ
ーや第１０図のように結線器具を備えたプレート
に可撓片を配してもよい。

また、可撓片の数及び形状は限定されず、一辺
の可撓片群においてその長さを対称配置としなく
てもよい。即ち、本例では対称配置のため５段階
の厚みに応じた内側壁板の挟持ができるだけであ
るが、第１１図のような非対称配置とすれば可撓
片８の数（第１１図では15片）に応じた多くの段
階の厚みの内側壁板が両側で挟持できることにな
る。

さらに第１２図のように可撓片の長さを夫々一
定にし、ストツパ９の位置を夫々壁面からの距離
を異にして備えてもよい。或いは第１３図のよう
に夫々の可撓片１１を枠ガイド１０の後端から壁
に向けて突設したものでもよい。

なお、可撓片を巾方向側に突設してもよく、ス
トツパの形状も適宜である。またフランジ片２の
形状及び突設位置も任意である。

（考案の効果） このように本考案によると、壁内に差し込むた
けで可撓片が撓んで内側壁板の厚みに応じた位置
のストツパが該壁板の裏面に当接して表側のフラ
ンジ片との間で任意の厚みの壁板を挟持できる効
果が大きく、一種類でも夫々に異なる板厚の壁板
を挟持使用できることからコスト安となり、しか
も壁板の板厚に応じて多く携帯することを要せ
ず、且つ在庫管理の点からも優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図はその側面図、第３図はその一部を断面した背
面図、第４図及び第５図は夫々装着使用状態の要
部縦断面図、第６図はその枠ガイドを設けた斜視
図、第７図は別例の斜視図、第８図は金属取付枠
にプラスチツク取付体を固着した要部断面平面
図、第９図及び第１０図は夫々さらに別例の斜視
図、第１１図は可撓片の別例配置を示す側面図、
第１２図は可撓片を同じ長さとしてストツパの位
置を変化させた側面図、第１３図は可撓片を前向
きに突設した側面図である。 １……プレート枠、２……フランジ片、３，
７，８，１１……可撓片、４，９……ストツパ、
５，６……取付枠、４ａ……ガイド面、４ｂ……
ストツパ面、Ｋ……内側壁板、Ka……表面の開
口部周縁、Kb……裏面の開口部周縁、Ｅ……配
置用空部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 壁内の配線用空部或いは壁面の開口部へ取付
   ける取付枠等の配線器具において、開口部周縁
   の内側壁板表面に係止当接するフランジ片を器
   具本体に形成し、夫々壁への差し込み方向と平
   行に伸びた可撓片を複数並列して突設すると共
   に壁板の開口部周縁の内側壁板裏面に当接でき
   るストツパを夫々壁面からの距離を異にして
   夫々の可撓片の外側に突設し、並列した該可撓
   片群を少なくとも器具本体の対向する二辺に設
   けたことを特徴とする壁部に装着する配線器具
   の取付部の構造。 (2) 配線器具本体をプラスチツク製として夫々の
   可撓片及びストツパを一体に成形した実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の配線器具の取付部
   の構造。 (3) 可撓片群における夫々の可撓片の長さを壁面
   からの距離を異にして並列すると共にストツパ
   を夫々の可撓片の開放端部に突設した実用新案
   登録請求の範囲第１項又は第２項記載の配線器
   具の取付部の構造。 (4) 金属製取付枠器具の裏部に、ストツパを突設
   した可撓片群を一体成形して成るプラスチツク
   製取付体の基板部を固着した実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の配線器具の取付部の構造。