JPH0475095B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は缶胴に二重巻締してネツクイン加工を
施すことにより閉蓋する缶体に用いるネツクイン
部を備えたネツクイン加工缶用蓋の製造装置に関
する。

（従来の技術） 従来、缶胴に二重巻締めするために用いる缶蓋
は、蓋材の水平なパネル面を残してその全周に亘
つて断面逆Ｌ字型状としたチヤツクウオール部と
蓋フランジとを備えたものである。この缶蓋を用
いネツクイン加工を施した缶体の製造法として特
開昭58−41633号広報で提案されるものは、まず
第７図Ａ示の如く缶胴Ｘの内径と缶蓋Ｙのチヤツ
クウオール部ａの外径とを一致させたものを用
い、該缶胴Ｘに缶蓋Ｙを被嵌させた後に、缶蓋Ｙ
のパネル面ｂ側においてチヤツクウオール部ａの
内面に当接させて該チヤツクウオール部ａの対面
位置に断面く字形に凹入する周溝面ｃを備えたシ
ーミング回転チヤツクｄを装着し、他方、缶胴Ｘ
側のチヤツクウオール部ａ対応部位に断面く字形
に突出する周面ｅを備えた押圧ロールｆを当接す
るようにする。そして、第７図Ｂ示の如くシーミ
ング回転チヤツクｄと押圧ロールｆとによつてチ
ヤツクウオール部ａにも一体にネツクイン加工を
施し、次いで第７図Ｃの如く別途、用意したシー
ミング回転チヤツクd′を用いて缶蓋Ｙの蓋フラン
ジｇと缶胴Ｘの端縁ｈをシーミングロールｉによ
り折り返して２重巻締を形成する。

この製造方法によるときは、缶胴Ｘと共にネツ
クイン加工されたチヤツクウオール部ａは耐圧性
を向上させる反面、前記シーミング回転チヤツク
ｄはネツクイン加工した後に、ネツクイン加工さ
れたチヤツクウオール部ａ内面に嵌合することに
なるので直接に離脱させることができないため、
シーミング回転チヤツクｄの機構にシーミング回
転チヤツクｄの径を拡大又は縮小する特殊な機構
及び押圧ロールｆを採用しなければならず、更に
２重巻締加工のため別途、特殊な偏心機構を備え
たシーミング回転チヤツクd′及びシーミングロー
ルｉを用いなければならない。従つて従来の２重
巻締装置とは異なる新規の装置が必要であり、更
に加工工程が複雑なため低速でしか製造できない
不都合がある。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明はかかる従来の不都合を解消し、缶胴の
ネツクイン部に缶蓋のチヤツクウオール部を嵌合
させて耐圧性を向上させたネツクイン加工缶を常
用の巻締機に適合させて能率よく製造する方法と
して本出願人が先に提案した特願昭59−142270号
で用いる缶蓋すなわち第６図示の如く缶蓋２１の
チヤツクウオール部２３の外径R₁を缶胴と内径
と一致せるパネル面２２の外径R₂より小径に形
成して内方へ凹入した形状のネツクイン部２４と
し、チヤツクウオール部２３に連設する蓋フラン
ジ部２５の外径R₃をパネル面２２の外径R₂より
大径に形成した缶蓋２１を能率よく製造すること
が出来る製造装置を提供しようとするものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前記問題点を解消するためになされた
ものであつて、二重巻締用缶蓋のチヤツクウオー
ル部にネツクイン部を形成する装置において、上
面にパネル面の全周縁が断面逆Ｌ字形状としたチ
ヤツクウオール部と蓋フランジ部とを有する缶蓋
のパネル面を載置する載置面を備えた昇降自在の
リフタと、このリフタに載置された缶蓋のパネル
面を前記載置面とで挟着する挟着面を底面として
側部全周に上方から下方へ拡がる傾斜面を備える
略円錐形状のテーパーエキスパンシヨンスピンド
ルと、該スピンドルの傾斜面の全周に複数に分割
されて配設され、かつ該傾斜面に対して摺動自在
であつて該傾斜面に沿つて下降した位置で前記載
置面上に挟着された缶蓋のチヤツクウオールラジ
アス部の周方向に沿いかつ斜め下方へ向い突出し
て当接する突縁チヤツクを備えたエキスパンシヨ
ンセクシヨン群と、このエキスパンシヨンセクシ
ヨン群の外周を結束し、各エキスパンシヨンセク
シヨンを該スピンドルの傾斜面に弾発的に圧接さ
せるスプリングと、該エキスパンシヨンセクシヨ
ン群の突縁チヤツクが缶蓋のチヤツクウオールラ
ジアス部に当接した際、チヤツクウオール部の外
方から前記突縁チヤツクに沿つて押圧して該チヤ
ツクウオール部を内方へ屈曲してネツクイン部を
形成する押圧ロールとから成ることを特徴とす
る。

（実施例） 以下本発明の図面によつて説明する。

第１図ないし第３図は本発明装置の１例を示す
ものである。

図面で、１はリフタ、２はテーパーエキスパン
シヨンスピンドル、３はエキスパンシヨンセクシ
ヨン、４はスプリング、５は押圧ロールである。

リフタ１は昇降自在であつて、その上面に第４
図示のようなパネル面２２の全周縁に断面逆Ｌ字
形状のチヤツクウオール部２３と蓋フランジ部２
５とが連設された缶蓋２１のパネル面２２の形状
に対応した形状でパネル面２２を載置する載置面
６を備える。

テーパーエキスパンシヨンスピンドル２は略円
錐形状であつて、前記リフタ１に載置された缶蓋
２１のパネル面２２をリフタ１の載置面６とで挟
着する挟着面７を底面として側部全周に上方から
下方へ拡がる傾斜面８を備える。

そして該スピンドル２はその上側に配設したホ
ルダー９にボルト９ａにより連結されており該ス
ピンドル２の頭部２ａとホルダー９は、全周縁に
亘つて噛み合せ用の凸部１０ａおよび凹部１０ｂ
と突部押え１１とを備えた環状のチヤツク本体１
０内にリフタ１の昇降に応じて昇降するように配
設した。

エキスパンシヨンセクシヨン３はリフタ１の昇
降に応じて昇降する前記該スピンドル２の傾斜面
８に対応する形状であつて、この傾斜面８に沿つ
て摺動する内壁１２と外側下端に該セクシヨン３
が該傾斜面８に沿つて下降した位置で前記リフタ
１の載置面６と該スピンドル２の挟着面７とで挟
着した缶蓋２１のチヤツクウオールラジアス部２
３ａに沿つて斜め下方に向い突出して当接する突
縁チヤツク１３を備える。

そして該セクシヨン３の複数から成る該セクシ
ヨン３群を前記該スピンドル２の傾斜面８の全周
に第２図示の如く並列で周方向に整列させて配設
した。

また該セクシヨン３群はリフタ１が下降状態の
時には相対的に該スピンドル２の上方側に摺動
し、第２図示の如く該スピンドル２の傾斜面８上
では各セクシヨン３は隣接しており、またリフタ
１の上昇時には相対的に該スピンドル２の下方側
に摺動し第３図示の如く該スピンドル２の傾斜面
８上では各セクシヨン３は離れて拡開する。

スプリング４はコイル状の環状体であつて前記
各エキスパンシヨンセクシヨン３の外側に設けら
れている溝１４内に配設して該セクシヨン３群の
外周を結束し、各該セクシヨン３の内壁１２を該
スピンドル２の傾斜面８にスプリング４の作用で
弾発的に圧接させ、常に各該セクシヨン３が相互
に隣接する収縮状態となるように構成した。

押圧ロール５はその全周縁に前記エキスパンシ
ヨンセクシヨン３群の突縁チヤツク１３に対応形
状の突出部１５を備えるものであり、該突縁チヤ
ツク１３が缶蓋２１のチヤツクウオールラジアス
部２３ａに当接した際に該突出部１５が缶蓋２１
チヤツクウオール部２３の外方から突縁チヤツク
１３に沿つて押圧するものである。また押圧ロー
ル５の全周縁に亘つて押圧ロール５を該セクシヨ
ン３およびチヤツク本体１０側に接近させた際チ
ヤツク本体１０に設けられている噛み合せ用の凸
部１０ａと凹部１０ｂの対向位置にこの凸部１０
ａおよび凹部１０ｂに対応する形状の凹部５ａと
凸部５ｂを備えている。

次に本発明装置の作動を第５図に従つて説明す
る。

まず第５図Ａ示の如くリフタ１の載置面６に予
め第４図示の如く蓋プレスで打抜き形成されたパ
ネル面２２の全周縁に断面逆Ｌ字形状のチヤツク
ウオール部２３と蓋フランジ部２５を有する缶蓋
２１のパネル面２２をチヤツクウオール部２３お
よび蓋フランジ部２５が上向き状態に載置し、こ
のリフタ１を上昇させ、載置面６と、テーパーエ
キスパンシヨンスピンドル２の挟着面７とでパネ
ル面２２を挟着させる。

次いで第５図Ｂ示の如く、リフタ１を更に上昇
させて缶蓋２１を挟着したテーパーエキスパンシ
ヨンスピンドル２を上昇させる。それに伴つてテ
ーパーエキスパンシヨンスピンドル２の傾斜面８
に沿つてエキスパンシヨンセクシヨン３群の各該
セクシヨン３の内壁１２が該スピンドル２の下方
側に摺動して相対的に下降すると共に、第３図示
の如く各該セクシヨン３は該スピンドル２の傾斜
面８上で外方に向つて拡開されながら各セクシヨ
ン３の突縁チヤツク１３が缶蓋２１のチヤツクウ
オールラジアス部２３ａに沿つてその斜め下方に
向つて突出して当接する。また各該セクシヨン３
の上面３ａおよび突縁チヤツク１３はチヤツク本
体１０の下面１０ｃおよび突部押え１１に夫々当
接するので該セクシヨン３群がスプリング４の作
用に抗して該スピンドル２の傾斜面８上で拡開状
態が維持される。

従つてリフタ１を上昇させることにより該リフ
タ１とテーパーエキスパンシヨンスピンドル２と
で缶蓋２１の挟着と、該スピンドル２の傾斜面８
上でエキスパンシヨンセクシヨン３群の拡開とを
一操作で行なうことが出来る。

続いて第５図Ｃ示の如くリフタ１とテーパーエ
キスパンシヨンスピンドル２とを回転させるとそ
れに伴つてリフタ１と該スピンドル２間に挟着さ
れている缶蓋２１、エキスパンシヨンセクシヨン
３群およびチヤツク本体１０も回転する。そして
回転している該セクシヨン３に押圧ロール５を接
近せしめ、該セクシヨン３の突縁チヤツク１３と
押圧ロール５の突出部１５との間で缶蓋２１のチ
ヤツクウオール部２３を内方に屈曲させてネツク
イン部２４を形成せしめる。

尚、押圧ロール５は強制ドライブがかかってお
らず、該セクシヨン３に接近させた際押圧ロール
５に設けられている噛み合せ用の凹凸部５ａ，５
ｂとチヤツク本体１０に設けられている噛み合用
の凸凹部１０ａ，１０ｂとが相互に噛み合つて押
圧ロール５はリフタ１、エキスパンシヨンセクシ
ヨン３等とは逆方向に回転する。

そして缶蓋２１のチヤツクウオール部２３にネ
ツクイン部２４を形成させた後は、押圧ロール５
を該セクシヨン３から離反させる。次いでリフタ
１を下降せしめるとこれに伴いテーパーエキスパ
ンシヨンスピンドル２を下降し、該スピンドル２
の傾斜面８上に配設されている拡開状態の各該セ
クシヨン３がスプリング４の作用で収縮し該スピ
ンドル２の傾斜面８に沿つて上側へ摺動すると共
に各該セクシヨン３の突縁チヤツク１３が缶蓋２
１に形成されたネツクイン部２４から離反する。
そして更にリフタ１を下降させれば缶蓋２１も下
降して第６図示のようにチヤツクウオール部２３
にネツクイン部２４が形成された缶蓋２１が得ら
れる。

かくて缶蓋２１のチヤツクウオール部２３にネ
ツクイン部２４を形成するに当り突縁チヤツク１
３を有し摺動するエキスパンシヨンセクシヨン３
群と押圧ロール５とを用いるから容易にチヤツク
ウオール部２３を内方へ屈曲させることが出来
る。

（発明の効果） このように本発明によるときは、上面にパネル
面の全周縁が断面逆Ｌ字形状としたチヤツクウオ
ール部と蓋フランジ部とを有する缶蓋のパネル面
を載置する載置面を備えた昇降自在のリフタと、
このリフタに載置された缶蓋のパネル面を前記載
置面とで挟着する挟着面を底面として側部全周に
上方から下方へ拡がる傾斜面を備える略円錐形状
のテーパーエキスパンシヨンスピンドルと、該ス
ピンドルの傾斜面の全周に複数に分割されて配設
され、かつ該傾斜面に対して摺動自在であつて該
傾斜面に沿つて下降した位置で前記載置面上に挟
着された缶蓋のチヤツクウオールラジアス部の周
方向に沿いかつ斜め下方へ向い突出して当接する
突縁チヤツクを備えたエキスパンシヨンセクシヨ
ン群と、このエキスパンシヨンセクシヨン群の外
周を結束し、各エキスパンシヨンセクシヨンを該
スピンドルの傾斜面に弾的に圧接させるスプリン
グと、該エキスパンシヨンセクシヨン群の突縁チ
ヤツクが缶蓋のチヤツクウオールラジアス部に当
接した際、チヤツクウオール部の外方から前記突
縁チヤツクに沿つて押圧して該チヤツクウオール
部を内方へ屈曲してネツクイン部を形成する押圧
ロールとから成るようにし、リフタとテーパーエ
キスパンシヨンスピンドルとで挟着された缶蓋の
チヤツクウオール部にテーパーエキスパンシヨン
スピンドルの傾斜面に沿つて摺動するエキスパン
シヨンセクシヨン群の突縁チヤツクを当接させチ
ヤツクウオール部に押圧ロールの突出部を押圧し
てチヤツクウオール部を内方へ屈曲させてネツク
イン部を形成するようにしたので、缶胴に嵌合し
二重巻締加工を行なつて缶胴にネツクイン加工を
施しても缶胴の折り返し部に破損を生じさせるこ
とのない周縁にネツクイン部を備えた缶蓋を容易
に連続的に製造する装置を提供出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施装置の１例を示す截断側
面図、第２図はエキスパンシヨンセクシヨン群が
テーパーエキスパンシヨンスピンドルの上方に摺
動した状態を示す第１図Ａ−Ａ線矢視図、第３図
はエキスパンシヨンセクシヨン群がテーパーエキ
スパンシヨンスピンドルの下方に摺動した状態を
示す第１図Ａ−Ａ線矢視図、第４図は本発明実施
に用いる缶蓋のネツクイン加工前の状態を示す断
面図、第５図は製造工程を説明するための線図、
第６図は本発明装置によつて得られた缶蓋の１例
を示す断面図、第７図は従来のネツクイン加工缶
の製造方を説明するための線図である。 １……リフタ、２……テーパーエキスパンシヨ
ンスピンドル、３……エキスパンシヨンセクシヨ
ン、４……スプリング、５……押圧ロール、６…
…載置面、７……挟着面、８……傾斜面、１３…
…突縁チヤツク、２１……缶蓋、２２……パネル
面、２３……チヤツクウオール部、２３ａ……チ
ヤツクウオールラジアス部、２４……ネツクイン
部、２５……蓋フランジ部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 二重巻締用缶蓋のチヤツクウオール部にネツ
   クイン部を形成する装置において、上面にパネル
   面の全周縁が断面逆Ｌ字形状としたチヤツクウオ
   ール部と蓋フランジ部とを有する缶蓋のパネル面
   を載置する載置面を備えた昇降自在のリフタと、
   このリフタに載置された缶蓋のパネル面を前記載
   置面とで挟着する挟着面を底面として側部全周に
   上方から下方へ拡がる傾斜面を備える略円錐形状
   のテーパーエキスパンシヨンスピンドルと、該ス
   ピンドルの傾斜面の全周に複数に分割されて配設
   され、かつ該傾斜面に対して摺動自在であつて該
   傾斜面に沿つて下降した位置で前記載置面上に挟
   着された缶蓋のチヤツクウオールラジアス部の周
   方向に沿いかつ斜め下方へ向い突出して当接する
   突縁チヤツクを備えたエキスパンシヨンセクシヨ
   ン群と、このエキスパンシヨンセクシヨン群の外
   周を結束し、各エキスパンシヨンセクシヨンを該
   スピンドルの傾斜面に弾発的に圧接させるスプリ
   ングと、該エキスパンシヨンセクシヨン群の突縁
   チヤツクが缶蓋のチヤツクウオールラジアス部に
   当接した際、チヤツクウオール部の外方から前記
   突縁チヤツクに沿つて押圧して該チヤツクウオー
   ル部を内方へ屈曲してネツクイン部を形成する押
   圧ロールとから成ることを特徴とするネツクイン
   加工缶用蓋の製造装置。